「ナス目」の版間の差分
細 (「ナス目」を保護しました ([編集=管理者のみ許可] (無期限) [移動=管理者のみ許可] (無期限))) |
|||
(同じ利用者による、間の374版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
+ | {{植物分類表 | ||
+ | | 名称 = ナス目 | ||
+ | | 色 = 植物界 | ||
+ | | 画像=[[ファイル:Solanales.png|250px]] | ||
+ | |分類体系 = [[APG IV]] | ||
+ | | 界 = [[植物界]] <small>''Plantae''</small> | ||
+ | | 門階級なし = [[被子植物]] <small>''Angiosperms''</small> | ||
+ | | 綱階級なし = [[真正双子葉類]] <small>''Eudicots''</small> | ||
+ | | 亜綱階級なし = [[キク類]] <small>''Asterids''</small> | ||
+ | | 下綱階級なし = [[シソ類]] <small>''Lamiids''</small> | ||
+ | | 目 = '''ナス目''' ''Solanales'' | ||
+ | | 学名 = ''Solanales''<br>[[アントワーヌ・ローラン・ド・ジュシュー|Juss.]] ex [[フリードリヒ・フォン・ベルヒトルト|Bercht.]] & [[ヤン・スヴァトプルク・プレスル|J.Presl]] | ||
+ | }} | ||
+ | '''ナス目'''(Solanales:ソラナレス)は、[[真正双子葉類]]の[[キク類]]に含まれる[[被子植物]]の目の一つである。 | ||
+ | 古い文献では、ポレモニアレス(Polemoniales)という名称で呼ばれていたこともある。 | ||
+ | 現在の分類学的限界では、5つの科と約165属、および 4,080種が含まれています。 | ||
+ | |||
+ | == 植物の特徴 == | ||
+ | 木本植物と草本植物の両方があり、通常、葉は互生します。 | ||
+ | 花は、ほとんどがアクチノモルフ(放射状の対称性を示す花)ですが、少数の分類群では例外的にザイゴモルフ(対称面が1つしかない花)が見られる。 | ||
+ | 熟した果実には萼片が残っている場合が多い。 | ||
+ | |||
+ | 多くの分類群にはアルカロイドが存在し、その多くがトロパンアルカロイドを含みます。 | ||
+ | |||
+ | == 重要作物 == | ||
+ | === ナス科 === | ||
+ | ジャガイモ、[[トマト]]、ナス、ピーマン、トウガラシ、タバコ、[[トマティーヨ]]、[[食用ホオズキ]]、[[タマリロ]]、[[ナランジラ]]、[[ペピーノ]]、[[ココナ]]、[[エチオピアナス]]、[[ジロ]]、[[ロベイラ]]、[[タランブロ]]、[[クコ]]、[[ヤルトマタ]]、[[カニバルズ・トマト]]、[[ブッシュトマト]]、[[スズメナスビ]]、[[ガーデン・ハックルベリー]]、[[イヌホオズキ]] | ||
+ | |||
+ | === ヒルガオ科 === | ||
+ | サツマイモ、空芯菜、またヒルガオ自体も食用になり、全草を乾燥したものは旋花(せんか)という生薬になる。 | ||
+ | |||
+ | == 分類学 == | ||
+ | === 内部分類 === | ||
+ | APG IV体系では、ナス目は以下の5つの科で構成されています。 | ||
+ | |||
<div style="display:inline-block; border: solid 1px #00ff00; padding: 9px;"> | <div style="display:inline-block; border: solid 1px #00ff00; padding: 9px;"> | ||
− | {{Clade| Dicke=2 |label1= | + | {{Clade| Dicke=2 |label1='''ナス目'''(''Solanales'')| Breite=10em |
− | + | |1={{Clade| Dicke=2 | |
− | + | |1={{Clade| Dicke=2 | |
− | + | |1={{Clade| Dicke=2 | |
− | |1= | + | |1= {{Font color||#FFE6E6|'''[[ナス科]]'''(''Solanaceae'')}}約100属・2,500種(旧ノラナ科を含む) |
− | |2= | + | |2= ヒルガオ科(''Convolvulaceae'')約60属・1,600種 |
+ | }} | ||
+ | |2={{Clade| Dicke=2 | ||
+ | |1= モンティニア科(''Montiniaceae'')3属・5種 | ||
+ | |2={{Clade| Dicke=2 | ||
+ | |1= セイロンハコベ科(''Hydroleaceae'')1属・12種(旧ハゼリソウ科の一部) | ||
+ | |2= ナガボノウルシ科(''Sphenocleaceae'')1属・2種 | ||
+ | }} | ||
}} | }} | ||
+ | }} | ||
+ | }} | ||
+ | }} | ||
+ | </div> | ||
+ | |||
+ | === 外部分類 === | ||
+ | [[シソ類]](''Lamiids'')中にあるナス目は、シソ目の姉妹群である。<br> | ||
+ | ムラサキ目、リンドウ目、ヴァーリア目、シソ目、ナス目の5つの目は、非公式で「コア・シソ類」(Core Lamiids)として要約されています。 | ||
+ | |||
+ | ドイツの植物学者アドルフ・エングラーの「エングラー体系」を基に、助手であったハンス・メルヒオールが新たに定義した「新エングラー体系」では、[[ナス科]]はシソ目に含まれているため、ナス目という名称は使われていません。 | ||
+ | |||
+ | <div style="display:inline-block; border: solid 1px #00ff00; padding: 9px;"> | ||
+ | {{Clade| Dicke=2 |label1='''[[シソ類]]'''(''Lamiids'')| Breite=10em | ||
+ | |1={{Clade| Dicke=2| Breite=6em | ||
+ | |2={{Clade| Dicke=2| Breite=6em | ||
+ | |2={{Clade| Dicke=2 | ||
+ | |label2='''コア・シソ類'''(''Core Lamiids'')| Breite=16em | ||
+ | |2={{Clade| Dicke=2| Breite=5em | ||
+ | |1= ムラサキ目(''Boraginales'') | ||
+ | |2= リンドウ目(''Gentianales'') | ||
+ | |3= ヴァーリア目(''Vahliales'') | ||
+ | |4= シソ目(''Labiates'') | ||
+ | |5= {{Font color||#FFE6E6|'''[[ナス目]]'''(''Solanales'')}} | ||
+ | }} | ||
+ | |1= ガリア目(''Garryales'') | ||
+ | }} | ||
+ | |1= メッテニウサ目(''Metteniusales'') | ||
+ | }} | ||
+ | |1= クロタキカズラ目(''Icacinales'') | ||
+ | }} | ||
}} | }} | ||
</div> | </div> | ||
+ | <br> | ||
+ | == 関連項目 == | ||
+ | *[[ナス科]] | ||
+ | *[[ナス属]] | ||
+ | *[[トマト属]] | ||
---- | ---- | ||
− | + | [[カテゴリ:トマト|目]] | |
− | |||
− | [[カテゴリ:トマト| | ||
[[カテゴリ:トマトの近縁種|*]] | [[カテゴリ:トマトの近縁種|*]] |
2022年6月30日 (木) 22:07時点における最新版
ナス目 | ||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類(APG IV) | ||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||
Solanales Juss. ex Bercht. & J.Presl |
ナス目(Solanales:ソラナレス)は、真正双子葉類のキク類に含まれる被子植物の目の一つである。 古い文献では、ポレモニアレス(Polemoniales)という名称で呼ばれていたこともある。 現在の分類学的限界では、5つの科と約165属、および 4,080種が含まれています。
植物の特徴
木本植物と草本植物の両方があり、通常、葉は互生します。 花は、ほとんどがアクチノモルフ(放射状の対称性を示す花)ですが、少数の分類群では例外的にザイゴモルフ(対称面が1つしかない花)が見られる。 熟した果実には萼片が残っている場合が多い。
多くの分類群にはアルカロイドが存在し、その多くがトロパンアルカロイドを含みます。
重要作物
ナス科
ジャガイモ、トマト、ナス、ピーマン、トウガラシ、タバコ、トマティーヨ、食用ホオズキ、タマリロ、ナランジラ、ペピーノ、ココナ、エチオピアナス、ジロ、ロベイラ、タランブロ、クコ、ヤルトマタ、カニバルズ・トマト、ブッシュトマト、スズメナスビ、ガーデン・ハックルベリー、イヌホオズキ
ヒルガオ科
サツマイモ、空芯菜、またヒルガオ自体も食用になり、全草を乾燥したものは旋花(せんか)という生薬になる。
分類学
内部分類
APG IV体系では、ナス目は以下の5つの科で構成されています。
ナス目(Solanales) |
| |||||||||||||||||||||||||||
外部分類
シソ類(Lamiids)中にあるナス目は、シソ目の姉妹群である。
ムラサキ目、リンドウ目、ヴァーリア目、シソ目、ナス目の5つの目は、非公式で「コア・シソ類」(Core Lamiids)として要約されています。
ドイツの植物学者アドルフ・エングラーの「エングラー体系」を基に、助手であったハンス・メルヒオールが新たに定義した「新エングラー体系」では、ナス科はシソ目に含まれているため、ナス目という名称は使われていません。
シソ類(Lamiids) |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||