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{{Weiterleitungshinweis|Paradeiser|Zum österreichischen Komponisten und Benediktinermönch siehe [[Marian Paradeiser]].}}
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{{植物分類表
<!-- Für Informationen zum Umgang mit dieser Vorlage siehe bitte [[Wikipedia:Taxoboxen]]. -->
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| 名称 = トマト
{{Taxobox
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| 色 = 植物界
| Taxon_Name      = Tomate
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| 画像=[[ファイル:Tomato - Solanum lycopersicum.png|250px]]
| Taxon_WissName  = Solanum lycopersicum
+
| = [[植物界]] <small>''Plantae''</small>
| Taxon_Rang      = Art
+
| 門階級なし = [[被子植物]] <small>''Angiosperms''</small>
| Taxon_Autor      = [[Carl von Linné|L.]]
+
| 綱階級なし = [[真正双子葉類]] <small>''Eudicots''</small>
| Taxon2_Name      = Tomaten
+
| 亜綱階級なし = [[キク類]] <small>''Asterids''</small>
| Taxon2_WissName  = Solanum'' sect. ''Lycopersicon
+
| 下綱階級なし = [[シソ類]] <small>''Lamiids''</small>
| Taxon2_Rang      = Sektion
+
| = [[ナス目]] <small>''Solanales''</small>
| Taxon2_LinkName  = Tomaten (Sektion)
+
| = [[ナス科]] <small>''Solanaceae''</small>
| Taxon3_WissName  = Potatoe
+
| = [[ナス属]] <small>''Solanum''</small>
| Taxon3_Rang      = Untergattung
+
| = [[トマト属|トマト節]] <small>''Sect. Lycopersicon''</small>
| Taxon4_Name      = Nachtschatten
+
| = '''トマト''' <small>''S. lycopersicum''</small>
| Taxon4_WissName  = Solanum
+
| 学名 = ''Solanum lycopersicum'' [[カール・フォン・リンネ|L.]]
| Taxon4_Rang      = Gattung
+
| 和名 = トマト
| Taxon5_Name      = Nachtschattengewächse
 
| Taxon5_WissName  = Solanaceae
 
| Taxon5_Rang      = Familie
 
| Taxon6_Name      = Nachtschattenartige
 
| Taxon6_WissName  = Solanales
 
| Taxon6_Rang      = Ordnung
 
| Bild            = Tomatoes-on-the-bush.jpg
 
| Bildbeschreibung = Tomate (''Solanum lycopersicum'')
 
 
}}
 
}}
'''トマト'''(学名:{{snamei|Solanum lycopersicum}}、{{Lang-en|Tomato}})は、[[南アメリカ]]の[[アンデス山脈]]高原地帯([[ペルー]]、[[エクアドル]])原産の[[ナス科]][[ナス属]]の[[植物]]、また、その[[果実]]のこと。[[多年生植物]]で、果実は食用として利用される。[[緑黄色野菜|緑黄色野菜の一種]]である。[[日本語]]では'''[[唐柿]]'''(とうし)<ref>[http://www.takeda.co.jp/kyoto/area/plantno125.html 「トマト」]([[武田薬品工業]]株式会社 京都薬用植物園): 2014年10月24日閲覧)</ref>、'''赤茄子'''(あかなす)<ref>[http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/2163/m0u/ 「赤茄子」](Goo辞書「デジタル大辞泉」): 2014年10月24日閲覧)</ref>、'''蕃茄'''(ばんか)<ref>[http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/180863/m0u/ 「蕃茄」](Goo辞書「デジタル大辞泉」): 2014年10月24日閲覧)</ref>、'''小金瓜'''(こがねうり)、'''珊瑚樹茄子'''(さんごじゅなす)<ref>[http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/90669/m0u/ 「珊瑚樹茄子」](Goo辞書「デジタル大辞泉」): 2014年10月24日閲覧)</ref>などの異称もある。
+
'''トマト'''(学名:''Solanum lycopersicum''/ソラナム・リコペルシカム)は、[[ナス科]][[ナス属]]の草本植物で、中央アメリカと南アメリカ北部・北西部が原産である。
  
== 種としてのトマト ==
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この植物は、その果実を消費するために世界中で栽培されており、生鮮品だけでなく、ジュース、ソース、ピューレ、缶詰、乾燥品など、さまざまな方法で加工されています。
トマトは長らく独自の属(トマト属 {{snamei|Lycopersicon}})に分類されてきたが、[[1990年代]]ごろからの様々な系統解析の結果、最近の分類では[[ナス属]] ({{snamei|Solanum}}) に戻すようになってきている。元々[[カール・フォン・リンネ|リンネ]]はトマトをナス属に含めて {{snamei|lycopersicum}}(ギリシャ語 {{lang|el-latn|lycos}}「狼」 + {{lang|el-latn|persicos}}「桃」)という種小名を与えたが、[[1768年]]に[[:en:Philip Miller|フィリップ・ミラー]]がトマト属を設立して付けた {{snamei|Lycopersicon esculentum}} が学名として広く用いられてきた。この学名は[[国際藻類・菌類・植物命名規約]]上不適切な(種小名を変えずに {{snamei|Lycopersicon lycopersicum}} とすべき)ものであったが、広く普及していたため保存名とされてきた。しかし系統解析によりトマト属に分類されてきた植物がナス属の内部に含まれることが明らかとなったため、ナス属を分割するか、トマト属を解消してナス属に戻すかの処置が必要になった。したがってリンネのやり方に戻して、学名も {{snamei|Solanum lycopersicum}} とするようになっている。
 
  
[[植物学]]において近年、トマトはナス科のモデル植物として注目されている。Micro Tom は矮性で実験室でも育成が可能な系統として利用されている。また、国際的な[[ゲノムプロジェクト]]も行われ、[[ゲノム]](約3万5千個の遺伝子の位置・構造、7億8千万の[[塩基]]配列)を解読した<ref>[http://www.47news.jp/CN/201205/CN2012053001002080.html トマトのゲノム解読に成功 千葉のDNA研究所など](47NEWS2012年7月1日閲覧)</ref>。
+
== 歴史 ==
 +
=== トマトの起源 ===
 +
トマトの原産地は、コロンビア南部からチリ北部にかけてのアンデス地方であり、栽培の中心はメキシコと考えられているが、これはヨーロッパとメキシコの野生種の間に、アンデス地域よりも多くの類似性が見られるためである。
 +
当初、ヨーロッパでは観賞用としてしか栽培されていませんでしたが、17世紀以降は人間の食べ物として食べられるようになりました。
 +
現在、トマトは世界のほとんどの国で栽培されています。
  
== 栽培種としてのトマト ==
+
[[アステカ帝国]]をはじめとするメソアメリカの人々は、この果実を料理に使っていました。
=== 植物的特性 ===
+
正確な栽培開始時期は不明ですが、紀元前500年前には、メキシコ南部、おそらくメソアメリカの他の地域ですでに栽培されていたと推定されています。
[[日本]]では冬に枯死する[[一年生植物]]であるが、[[熱帯]]地方などでは[[多年生]]であり適切な環境の下では長年月にわたって生育し続け、延々と[[開花]]と[[結実]]を続けることができる。1本仕立てで1年間の長期栽培を行うと、その生長量は8メートル - 10メートルにも達する。
 
  
通常の[[栽培品種]](支柱に誘引するタイプ)では[[発芽]]後、[[本葉]]8葉から9葉目に最初の[[花房]](第一花房)が付き、その後は3葉おきに花房を付ける性質をもつ。地這栽培用の品種では2葉おきに花房をつける品種も多い。
+
メキシコでは、酸味のある緑色の実をつける[[トマティーヨ]](Physalis ixocarpa)が、ヒスパニック時代以前から食用にされていたことが考古学的に証明されています。
 +
このことから、スペイン人が到着する前のメソアメリカの先住民もトマトを栽培し、利用していたと考えられます。
 +
スペイン人の到着後、トマトはカラフルな見た目と収穫後の保存期間の長さから、トマティーヨよりも多く栽培され、消費された可能性があります。
  
また、各節位からは[[側枝]]が発生する。側枝では5葉目と6葉目に花房が付き、その後は3葉おきに花房を付けるが、側枝は栽培管理上、除去される事が多い。[[株]]がストレスを受けると正常な位置に花が付かない(花飛び)現象が発生するため、株が適切に生育しているかどうかを示す指針となる。
+
[[マヤ文明|マヤ]]をはじめとする地域の人々が食用にしていたことから、メキシコ南部で栽培され、16世紀には他の地域でも栽培されていたと思われます。
<gallery>
+
人々の信仰の中では、トマトの種を摂取するのを目撃した人は、占いの力を持つとされていました。
ファイル:Germinating tomatoes.jpg|芽を出して7日目のトマト
+
大きくてゴツゴツしたトマトは、小さくて滑らかな果実から突然変異したもので、メソアメリカで生まれ、奨励されました。
ファイル:Fleurtomate.jpg|トマトの花
 
ファイル:Tomato fruit and flowers at day 52.jpg|実をつけ出したトマト(52日目)
 
ファイル:ミニトマトの実の付け方.JPG|'''ミニトマト'''(またはプチトマト)は一度に10個以上実をつけることも珍しくない。地植えにして支柱を立ててやると1本の株から100個以上は収穫できる。
 
ファイル:Tomaten im Supermarktregal.jpg|ミニトマト。付け合せやお弁当用のトマトとして日本でも広く普及している。
 
</gallery>
 
  
適温は昼温20 - 25 ℃、夜温10 - 20 ℃とされる。気温が30 ℃を超えた環境では花粉稔性の低下により着果障害や不良果が増加し、最低気温が5 - 10 ℃を下回ると障害を受ける。適湿度は65 - 85 %でありこれ以下では生育が劣り、これ以上では病気が発生しやすくなる。
+
スペイン人はアメリカ征服後、カリブ海の植民地にトマトを広めました。
 +
また、フィリピンにも移入し、そこからアジア大陸に入っていきました。
  
潅水量が多すぎると果実が割れ、少ないと障害果が発生するため、高品質な果実を作るためには潅水量の細かい制御を必要とする作物である。潅水量を減らすことで高[[糖度]]な果実を生産することができるが、収量は減少する。[[水耕栽培]]では養液の[[浸透圧]]を制御する事で高糖度化を行うことができる。
+
=== ヨーロッパへの到着 ===
 +
スペイン人のコンキスタドール(征服者)である[[エルナン・コルテス]]は、1521年にアステカの都市[[テノチティトラン]](現在のメキシコシティ)を占領した後、黄色のミニトマトを初めてヨーロッパに伝えたと考えられています。
 +
イタリアの医師であり植物学者でもある[[ピエトロ・アンドレア・マッティオリ]]が1544年に書いた薬草図鑑には、イタリアに持ち込まれた新しい種類の茄子が登場し、熟すと血のような赤や黄金色になり、カットして塩、黒胡椒、油で調理して茄子のように食べることができると書かれていた。
 +
しかし、マッティオリがトマトを「ポミ・ドーロ(黄金のリンゴ)」と活字にしたのは、それから10年後のことである。
  
====含有成分====
+
=== イタリア ===
トマトには[[アルカロイド]][[配糖体]]([[トマチン]])が含まれる。その含量は品種や栽培方法によって異なるが、[[かずさDNA研究所]]による測定例では、花(1,100 mg/kg)、葉(975 mg/kg)、茎(896 mg/kg)、未熟果実(465 mg/kg)、熟した青い果実・グリーントマト(48 mg/kg)、完熟果実(0.4 mg/kg)という報告がされている。
+
1548年10月31日、フィレンツェ共和国(イタリア)の銀行家で公爵である[[コジモ・デ・メディチ]]がトレッデルガロの邸宅からトマトのバスケットを受け取り、彼の執事がデ・メディチの個人秘書に「トマト(Pomi d'oro)のバスケットが届いた」と書き、トマトがPomi d'oroとしてイタリアで最初の名前を与えられる。
 +
それまで、Pomi d'oroは科学者が論文でイチジク、メロン、柑橘類を指すものとして使われていた。
  
トマチンには幾つかの菌に対する抗菌性<ref>古井博康, 稲熊隆博, 石黒幸雄, 木曽真、「[https://doi.org/10.1271/nogeikagaku1924.71.777 吸光度法によるトマチンの定量]」 『日本農芸化学会誌』 1997年 71巻 8号 p.777-782, {{doi|10.1271/nogeikagaku1924.71.777}}, 日本農芸化学会</ref><ref>{{Cite thesis | 和書 |degree= 博士(農学)|title= 生理活性アルカロイド及びその配糖体の生物有機化学的研究 |author=古井博康|date=2001-9-13|publisher=岐阜大学 |major= |number=農博乙第56号 |url=https://hdl.handle.net/20.500.12099/2301 |accessdate=2019-11-28|ref=""}}{{hdl|20.500.12099/2301}}</ref> と[[昆虫]]への忌避性<ref>[https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=803トマチン みんなのひろば] 2016年2月8日 閲覧</ref>があるが、トマトを食害する害虫は存在する。野生種においては、完熟果実においてもトマチンが相当量残留する。通常食用にされている品種の完熟果実のトマチン量はごく微量であり、[[ヒト]]への健康被害は無視できる。
+
1692年、トマトソースのレシピが掲載された世界で最初の料理本がイタリア人シェフである[[アントニオ・ラティーニ]]の著書『現代の執事』によって発表されました。
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スペイン風トマトソース([[サルサ・ディ・ポモドーロ・アッラ・スパニョーラ]])と名付けられたこのソースは[[サルサ]]に近いソースであったことが伺えます。
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彼はローマ教皇ウルバヌス8世の枢機卿であるアントニオ・バルベリーニ(スペインのナポリ総督)の執事, 兼シェフでした。
  
=== 品種 ===
+
=== イギリス ===
[[ファイル:Tomatoes_plain_and_sliced.jpg|thumb|right|200px|トマトの実。縦断面と横断面]]
 
{{right|<gallery widths="100px" heights="100px" perrow="3" caption="トマトの果実">
 
File:Tomato-global.png|トマトの実
 
File:Tomato-cut vertical.png|縦断面
 
File:Tomato-cut horizontal.png|横断面
 
</gallery>}}
 
[[画像:NRCSHI07018 - Hawaii (716072)(NRCS Photo Gallery).jpg|thumb|様々な品種のトマト]]
 
[[画像:Capay heirloom tomatoes at Slow Food Nation.jpg|thumb|様々な品種のトマト]]
 
色による分類では'''ピンク系'''と'''赤系'''と'''緑系'''に大別される。ピンク系トマトの果実は[[ピンク]]色を呈し、[[赤]]系トマトの果実は濃い赤や[[オレンジ色]]を呈する。
 
  
日本ではピンク系トマト(桃系)が生食用として広く人気を博し、赤系トマトはもっぱら加工用とされた。しかし近年になって赤系トマトには、[[抗酸化物質|抗酸化作用]]を持つとされる成分[[リコピン]]が多量に含まれていることから、利用が見直されている。その他に白、黄、緑色、[[褐色]]、複色で[[縞模様]]のものがある。[[果実]]にはゼリー状物質が満たされているが、一部の品種では[[ピーマン]]のように中空である。他に、実が細長いイタリアントマトや、実が極めて小ぶりで[[凹凸]]の少ないミニトマトがある。葉の形は、ニンジン葉(葉の切れ込みが特に深い)やジャガイモ葉(切れ込みが少なく、浅い)の葉を付ける品種では、トマトと気づかれないことも多い。
+
=== インド ===
 +
トマトがインドに持ち込まれたのは16世紀頃で、ポルトガルの商人の到来とともに、トマトはジャガイモや唐辛子と同じように渡り、一部の地域で栽培され食用とされていた。
 +
18世紀頃にイギリスが植民地化した後、イギリスはインド人に沢山のトマトを栽培させ、それをイギリスに運びました。
 +
インドの気候はトマトの栽培に適していたため、トマトは瞬く間に店頭に並んだ。
 +
その結果、ウッタラーカンド州がトマト栽培の最大の拠点となった。
 +
ポルトガルから持ち込まれた3つの食材、そしてイギリスに対して繊維の原料の綿花を生産しなければならなかったインド人労働者のためのランチとして生まれた[[パオパジ]]という料理がある。
  
世界では多くの品種が赤系トマトであるが、国産の品種は生食用として栽培されるものはピンク系のものが殆どであり、加工用品種、[[台木]]用品種やミニトマトに赤系のものが見られる。
+
=== 中国 ===
 +
1613年、中国(山西省)の文献「猗氏县志」で初めてトマトが西番柿として登場しています。
  
世界では、8,000種を超える品種があるとされ、日本では120種を超えるトマトが品種登録されている([[農林水産省]]、2008年5月時点)<ref>[http://www.hinsyu.maff.go.jp/ 品種登録情報]農林水産省</ref>。これは、野菜類の登録品種数の中でも、目立って多い。一方で[[雑種第一代|一代雑種]]のF1品種は登録されないことが多く、[[桃太郎 (トマト)|桃太郎]]などの有名な品種の登録はない。<!--F1品種は採種した種子を次年の栽培に利用しても元の品種と同じ性質を発揮しないため-->
+
=== 日本 ===
 +
大日本帝国海軍の舞鶴海兵団が1908年(明治41年)9月1日に発行・配布した『海軍割烹術参考書』
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二七、トマト(番茄)
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赤茄子ト云フ「トマトソース」ヲ製シ又ハ「トマトサラダ」等ニ用フ
 +
其「トマトソース」ハ用途甚ダ廣シ
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と記されている。
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また
 +
一二、菓子類
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「モーニングビスケット」「コンビネションビスケット」「トマトケアャップ」「チャツネレリシ」
 +
と記されている。
  
世界には日本で流通しているピンク系トマトの桃太郎に代表される桃色、丸型のトマト以外のトマトが非常に多く、むしろ、桃色以外の品種の方が圧倒的に多い。これらの品種を栽培する愛好家が増えているようである。
+
=== 中近東・北アフリカ ===
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中東でトマトが栽培されるようになったのは、1799年から1825年頃、アレッポの英国領事[[ジョン・バーカー]]によってもたらされました。
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19世紀の記述によると、トマトは一様に調理された料理の食材として食べられています。
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1881年には、この地域では「過去40年以内にしか食べられていない」と記述されています。
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今日、トマトは、サラダ(アラブ・サラダ、イスラエル・サラダ、シラズィ・サラダ、トルコ・サラダなど)で生食されたり、ケバブなどで焼かれたり、ソースにされたりと、中東料理に欠かせない一般的な食材となっています。
  
本来、皮の色が黄色いため[[果肉]]と合わさって赤色に見えるのが赤系トマト、皮が透明の場合は桃色系トマトとなる。他にも、黒、緑、白、オレンジ、黄色、2色混合などのカラーバリエーションがある。
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=== 北米 ===
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英領北アメリカでトマトが栽培されていたという最古の記述は、1710年に薬草学者の[[ウィリアム・サーモン]]が現在のサウスカロライナ州でトマトを見たと報告したものである。
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これらはカリブ海から持ち込まれた可能性があるとされている。
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18世紀半ばには、カロライナ州の一部のプランテーションで栽培されており、おそらく南東部の他の地域でも栽培されていたと思われます。
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この頃はまだトマトに毒があると考える人もいたようで、一般的には食用というよりも観賞用として栽培されていたようです。
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第3代アメリカ合衆国大統領である[[トーマス・ジェファーソン]]が、ユダヤ人の友人である[[ジョン・デ・セケイラ]]博士が、1745年にバージニア州ウィリアムズバーグに到着した後、バージニアにトマトを紹介したとされています。
  
また、形も日本では見られない、プリーツと呼ばれるヒダが大きく入ったものが数多くあったり、[[トマトソース]]にするための細長い形の品種も各色揃ったりしている。これらの品種でトマトソースやジュースを作ると、何色もトマトソースを作ることが可能である。
 
  
世界のトマトの味は、日本の大玉品種のように甘さに重点を置いたものばかりではない。旨味、香り、酸味、食感、見た目を楽しませてくれる品種が数多く存在する。また、これらの品種は固定種であり、自家採種可能であり、代々種を引き継いで育種することができる。
+
→主な記事:[[トマト年表]]
  
果実の大きさによる分類では'''大玉トマト'''(200 g以上)、'''ミニトマト'''(20 - 30 g)、'''中玉(ミディ)トマト'''(前2者の中間)、に分類される。ただし、栽培方法によって果重は変化するため、品種とは関係ない分類である。もっとも、それぞれの果実の大きさに適した品種というものは存在し、例えばミニトマトに適した品種として[[パキーノ]]地方原産のパキーノトマト(チェリートマト)も生産されている。マイクロトマトと称して流通しているものは {{snamei|Solanum pimpinellifolium}} であり、{{snamei|Solanum lycopersicum}}({{snamei|Lycopersicon esculentum}})とは別種である。水を極力与えず高糖度化をはかると、大玉に適した品種であっても、果実が小さくなる。
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== 栽培 ==
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=== 環境 ===
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トマトは比較的温暖な植物で、ライフサイクルに応じた最適温度は、夜の気温が15〜18℃、昼の気温が24〜25℃、開花時の理想温度は21℃です。
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トマトの苗は、光量が多いほどよく育ちます。
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トマトに必要な土壌の湿度は中程度で、湿度が高すぎるとさまざまな病原菌の攻撃を受け、組織の成長、蒸散、花の受精、隠花植物の発生にも影響を与えます。
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一方、相対湿度が60〜65%以下になると、花粉が乾燥してしまいます。
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=== 栽培条件 ===
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==== 温度 ====
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トマトの生育に最適な温度は、日中が20~30℃、夜間が10~17℃である。
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35℃以上になると、受精卵の発育に悪影響を及ぼし、果実の生育にも影響します。
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一方、気温が12℃以下になると植物の生育に悪影響を及ぼします。
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温度は開花期に特に重要で、25℃以上または12℃以下では受精しません。
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着果時には、気温が果実の発育に影響し、気温が高くなると成熟が早まります。
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しかし、30℃以上(または10℃以下)になると、果実は黄色っぽくなります。
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==== 湿度 ====
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最適な相対湿度は60%~80%です。
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湿度が80%以上になると、地上部の病気の発生率が高くなり、また、果実が割れたり、花粉が固まって受粉が困難になったりします。
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一方、相対湿度が60%未満の場合は、花粉粒が花托に付着しにくくなり、受粉が妨げられます。
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==== 光 ====
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トマトは非常に良い光条件を必要とする。
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そうしないと、成長、発育、開花、受粉、果実の成熟などのプロセスに悪影響を及ぼす可能性がある。
 +
トマトは300〜400W/㎡の日射で最大光合成速度を示します。
  
小さく甘みの強い'''フルーツトマト'''とは、高糖度化をはかったトマトのことであり、品種名を示すものではない。例えばフルーツトマトの代表的なものに高知県[[高知市]]一宮(いっく)地区の'''徳谷トマト'''がある。これは一宮地区の、特に徳谷地区の塩分を含む土壌で、あえて成長を遅く、実が小ぶりになるように栽培し、糖度を高めたものを指す。つまり地域と栽培法に由来する命名であり、特定のトマトの品種を指しての命名ではない。この地区で糖度が高くなるように栽培されたトマトは、品種に関係無く全てが徳谷トマトとなる。また、'''[[塩トマト]]'''は、[[熊本県]][[八代]]地域の[[干拓|干拓地]]など塩分の多い土壌で育成されたトマトのうち、特別に糖度が高いものを指す。品種は主に「桃太郎」であるが、特に品種が指定されている訳ではない。
+
==== 土壌 ====
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トマトは、水枯れを嫌うので水はけが良いことが条件ですが、それ以外の土壌条件はそれほど厳しくありません。
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しかし、有機物が豊富な珪酸質粘土質の緩い土壌を好む。
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pHについては、砂質の場合、土壌は弱酸性から弱アルカリ性になります。
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トマトはクルミの木の近くに植えてはならない。
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なぜなら、クルミの木はジュグロン(5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン)と呼ばれる毒素を放出し、トマトの植物だけでなく、他の植物の成長にも影響を与えるからである。
 +
このような作用を「他感作用」(アレロパシー)といいます。
 +
ジュグロンに汚染された環境で栽培されたトマトは、通常のトマトに比べて平均して3分の1程度しか成長しませんでした。
 +
==== 受粉 ====
 +
トマトは他のナス科の植物と同様に、バズ受粉と呼ばれる特殊な受粉を必要とします。
 +
マルハナバチはこのプロセスに非常に効率的です。
 +
一方、ミツバチはブンブン受粉ができない。
 +
温室トマトの場合、マルハナバチの巣を設置して受粉を行う必要がある。
 +
また、人工的または手作業による受粉も可能である。
  
=== 生産・需要 ===
+
=== 成長習慣による品種の分類 ===
==== 日本 ====
+
植物の枝分かれのタイプによって決まる生育習慣によって、不定型生育の品種と定型生育の品種の2つの大きなグループを認識することができます。
[[File:Production Quantity & Area Harvested of Tomatoes in Japan 1973-2012.png|thumb|日本のトマトの収穫量と作付面積の推移(1973-2012年)]]
+
==== セルフ・プルーニング ====
農林水産省の野菜[[生産出荷]]統計によれば、トマトの作付け面積は、[[1985年]]頃から減少傾向にあり、ピーク時の75 %程度にまで落ち込んでいる。これは飛躍的な増加を見せた[[1960年代]]後半以前のレベル(15,000ヘクタール以下)である。収穫量ベースでも、ピーク時の[[1980年代]]の80 %程度、700,000トン - 800,000トン程度を推移している。近年、加工用トマトとミニトマトは、作付面積、収穫量ベースでそれぞれ10 %程度を占める。また、生産量のトップは[[熊本県]]でありシェアは13.0 %(平成21年度)を占める。続いて、[[北海道]]、[[茨城県]]が共に7.0 %となっている<ref>[http://www.maff.go.jp/j/kids/crops/tomato/farm.html 農林水産省/トマト生産量上位について] - 農林水産省 こどもページ 2014年8月3日閲覧</ref>。
+
茎や主軸に継続的な成長を与える支配力のある栄養期シュート頂を持つことが特徴です。
 +
3枚の葉の間に花房があり、広い放射状に伸びるので、すぐに見分けがつきます。
 +
このグループの植物は、温室でのトマト生産に最もよく使用されます。
 +
確定栽培の品種では、シュートは必ず花序で終わるので、腋の上部のシュートは必ず不確定栽培として残しておく必要があります。
 +
このような植物は、2枚目の葉に1つずつ花房があることで見分けることができます。
 +
==== シュラブ樹形 ====
 +
生育中に支えを必要とせず、屋外での栽培に最もよく使われます。
 +
矮性品種は、サイズが小さく、「ミニトマト」タイプの果実をつけることを特徴とする確定品種です。
 +
主に鉢植え、特に吊り下げ式ハンギングコンテナでのコンパクトな栽培に使用されます。
  
[[総務省]][[2000年]][[家計調査]]によれば1世帯当たりの年間購入量(重量ベース)では、トマトは生鮮野菜類中5位に位置する。これは一般消費者家庭で[[ダイコン]]、[[ジャガイモ]]、[[キャベツ]]、[[タマネギ]]に次いでトマトが多く消費されることを示唆するものである。出荷量、収穫量ベースで見ても、トマトはこれらの野菜に次いで5位を占めている(平成13年野菜生産出荷統計)。
+
== 品種 ==
 +
=== トランスジェニックトマト ===
 +
[[ファイル:Flavour Saver - Genetically Modified Tomato developed by Calgene, 1994.png||190px|right|thumb|Calgene社の開発した遺伝子組み換えトマト『フレーバーセーバー』1994年]]
 +
ポリガラクツロナーゼは、果実の成熟期に細胞壁を分解する酵素であり、したがってその活性は、収穫後の段階で同様の硬さを失わせ、最終的に生食用の良質なトマトが比較的短い期間で生産される原因となっています。
 +
トマトの品種[[フレーバーセーバー]]は、いわゆるアンチセンスRNA技術を用いて開発された遺伝子組換え生物で、半減期を延ばし、その結果、生食用トマトの品質を向上させています。
 +
このトマトは、ポリガラクツロナーゼを産生する遺伝子の発現が抑えられており、果実の熟成、収穫、ポストハーベスト時の酵素の活性が低下しています。
 +
リスク評価と必要な要件をすべて満たした上で、米国食品医薬品局(FDA)は1994年にフレーバーセーバー品種の商業化を承認し、これは遺伝子組み換え作物由来の製品としては初めて食用に供されました。
  
また、家計調査によれば、野菜の主要品目が10年前と比べて軒並み減少または横ばい傾向にある中、[[ネギ]]と並んで目立った増加を見せている数少ない野菜類のひとつである。
+
1997年にフレーバーセーバー品種は市場から撤退したため、それ以降、世界のどの国でもGMトマト(遺伝子組み換え:Genetically Modified)は販売されていなかった。
  
'''収穫量上位10都道府県'''(2012年)<ref name="es">{{cite web|url=http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001115571|title=作物統計調査>作況調査(野菜)>確報>平成24年産野菜生産出荷統計>年次>2012年|work=e-Stat|publisher=総務省[[統計局]]|accessdate=2014-11-08}}</ref>
+
冷蔵庫に保管しなくても長持ちする品種、ロングライフトマト「larga vida」は、GMトマトと混同されることがあるが、それは[[遺伝子組み換えトマト]]ではなく、従来の品種改良の成果である。
{| class="wikitable sortable" style="text-align:right; font-size:95%"
 
|+
 
!収穫量順位!!都道府県!!収穫量(t)!!作付面積(ha)
 
|-
 
|1||熊本県||104,300||1,150
 
|-
 
|2||北海道||58,000||791
 
|-
 
|3||茨城県||48,700||892
 
|-
 
|4||愛知県||45,600||529
 
|-
 
|5||千葉県||44,400||834
 
|-
 
|6||栃木県||36,300||391
 
|-
 
|7||岐阜県||26,600||311
 
|-
 
|8||福島県||26,100||398
 
|-
 
|9||群馬県||25,500||320
 
|-
 
|10||長野県||22,700||399
 
|-
 
|―||全国計||722,400||12,000
 
|}
 
'''冬春トマト収穫量上位10市町村'''(2012年)<ref name="es"/>
 
{| class="wikitable sortable" style="text-align:right; font-size:95%"
 
|+
 
!収穫量順位!!市町村!!所属都道府県!!収穫量(t)!!作付面積(ha)
 
|-
 
|1||[[八代市]]||熊本県||38,900||352
 
|-
 
|2||[[玉名市]]||熊本県||24,400||178
 
|-
 
|3||[[田原市]]||愛知県||12,800||131
 
|-
 
|4||[[豊橋市]]||愛知県||11,400||119
 
|-
 
|5||[[宮崎市]]||宮崎県||6,100||68
 
|-
 
|6||[[豊川市]]||愛知県||5,280||61
 
|-
 
|7||[[南島原市]]||長崎県||5,220||48
 
|-
 
|8||[[都農町]]||宮崎県||5,150||43
 
|-
 
|9||[[宇城市]]||熊本県||4,790||71
 
|-
 
|10||[[平取町]]||北海道||4,550||46
 
|-
 
|―||colspan="2" style="text-align:center"|全国計||369,800||3,920
 
|}
 
'''夏秋トマト収穫量上位10市町村'''(2012年)<ref name="es"/>
 
{| class="wikitable sortable" style="text-align:right; font-size:95%"
 
|+
 
!収穫量順位!!市町村!!所属都道府県!!収穫量(t)!!作付面積(ha)
 
|-
 
|1||[[鉾田市]]||茨城県||14,000||313
 
|-
 
|2||[[高山市]]||岐阜県||12,000||129
 
|-
 
|3||八代市||熊本県||10,100||106
 
|-
 
|4||平取町||北海道||7,150||62
 
|-
 
|5||[[竹田市]]||大分県||4,500||64
 
|-
 
|6||[[美瑛町]]||北海道||3,730||35
 
|-
 
|7||[[山都町]]||熊本県||3,580||61
 
|-
 
|8||[[行方市]]||茨城県||3,500||53
 
|-
 
|9||[[阿蘇市]]||熊本県||3,410||42
 
|-
 
|10||[[松本市]]||長野県||3,350||42
 
|-
 
|―||colspan="2" style="text-align:center"|全国計||352,600||8,100
 
|}
 
  
==== 世界 ====
+
=== ハイブリッドトマト ===
[[File:Production Quantity & Area Harvested of Tomatoes all of the world 1961-2012.png|thumb|世界のトマトの収穫量と作付面積の推移(1961-2012年)]]
+
[[ファイル:Wild Tomatoes and improved varieties of Beefsteak tomatoes.png|190px|right|thumb|「野生のチェリートマト」と改良品種の「ビーフステーキ」]]
'''世界のトマトの収穫量上位10か国'''(2012年)<ref name="fao">{{cite web|url=http://faostat3.fao.org/download/Q/QC/E|title=FAOSTAT>DOWNLOAD DATA|work=FAOSTAT|publisher=[[国際連合食糧農業機関|FAO]]|language=[[英語]]|accessdate=2014-11-08}}</ref>
+
ハイブリッド・トマトの多くは、制御された温室環境の中で人の手によって作られます。
{| class="wikitable sortable" style="text-align:right; font-size:95%"
+
この育種技術により、病気への抵抗力が強く、生産量と品質が向上した新世代のトマト植物が生まれます。
|+
+
ハイブリッドは、ある植物の花の花粉を別の植物の雌しべに物理的に付着させることで作られ、2つの親から新しいトマトの品種が生まれます。
!収穫量順位!!国!!収穫量(t)!!作付面積(ha)
+
この方法で交配された植物は、丈夫で病気にかかりにくく、同じような大きさのトマトができ、味も良く、見た目も良い傾向にあります。
|-
+
このプロセスでは、最適で信頼性の高い結果が得られるまで、プロの育種家が5~10年かけて一貫した育種を行います。
|1||[[中華人民共和国]]||50,000,000||1,000,000
 
|-
 
|2||[[インド]]||17,500,000||870,000
 
|-
 
|3||[[アメリカ合衆国]]||13,206,950||150,140
 
|-
 
|4||[[トルコ]]||11,350,000||300,000
 
|-
 
|5||[[エジプト]]||8,625,219||216,395
 
|-
 
|6||[[イラン]]||6,000,000||160,000
 
|-
 
|7||[[イタリア]]||5,131,977||91,850
 
|-
 
|8||[[スペイン]]||4,007,000||48,800
 
|-
 
|9||[[ブラジル]]||3,873,985||63,859
 
|-
 
|10||[[メキシコ]]||3,433,567||96,651
 
|-
 
|―||世界計||161,793,834||4,803,680
 
|}
 
日本の収穫量は26位で722,300t、作付面積は43位で12,000haである<ref name="fao"/>。
 
  
=== 栽培の歴史 ===
+
1780年、味の向上や用途に適したトマトの品種改良に大きな功績を残した歴史的なトマトのトップブリーダーである[[アレクサンダー・W・リヴィングストン]]は、20年の歳月を費やしてパラゴン種トマトの栽培に成功し、「現代のトマトの父」と称されている。
16世紀以前、[[メキシコ]]の[[アステカ族]]がアンデス山脈からもたらされた種からトマトを栽培し始めた。[[新大陸]]の中でもトマトを栽培植物として育てていたのは、この地域に限られる。16世紀にアステカに入った[[ベルナルディーノ・デ・サアグン|サアグン]]修道士の記録から、当時から複数種類の栽培種が開発されていたと見られる{{sfn|ジョンソン |1999|pp=92-93}}。
 
  
[[ヨーロッパ]]へは、[[1519年]]にメキシコへ上陸した[[エルナン・コルテス]]がその種を持ち帰ったのが始まりであるとされている。当時トマトは「{{lang|en|poison apple}}」([[毒]][[リンゴ]])とも呼ばれていた。なぜなら裕福な[[貴族]]達が使用していた[[ピューター]]([[錫]]合金)食器には[[鉛]]が多く含まれ、トマトの酸味で漏出して[[鉛中毒]]になっていたためである<ref name=smithsonian>[https://www.smithsonianmag.com/arts-culture/why-the-tomato-was-feared-in-europe-for-more-than-200-years-863735/ Why the Tomato Was Feared in Europe for More Than 200 Years]([[スミソニアン博物館]]ウェブマガジン)</ref>。鉛中毒の誤解が解けた後も、[[有毒植物]]である[[ベラドンナ]]に似ていたため、[[毒]]であると信じる人も多く、最初は観賞用とされた<ref name=smithsonian/>。
+
一連の育種で完成したハイブリッド・トマトは再び名前が付けられ、一般的には独自の種苗会社を通じて園芸家に販売されます。
 +
それにより、数多くのハイブリッドの品種が存在します。
  
しかし、[[イタリア]][[貧困]]層で食用にしようと考える人が現れ、200年にも及ぶ開発を経て現在の形となった。これがヨーロッパへと広まり、一般的に食用となったのは18世紀のことである。
+
=== エアルームトマト ===
 +
[[ファイル:Organic Heirloom Tomato.png|190px|right|thumb|有機栽培のエアルームトマト]]
 +
エアルーム(Heirloom)とは「先祖伝来」を意味し、何世代にもわたって手を加えず、その後の交配もせずに受け継がれてきた非雑種の種・苗です。
 +
[[エアルームトマト]]の種は、交配された植物の種とは異なる開放受粉であり、人の手を加えなくても交配が行われる「真の繁殖」をしています。
 +
この種のトマトは、ほとんどが自家受粉するので、簡単に種を採取することができ、ほとんどの種が元の種の形質を維持することができます。
 +
エアルームトマトの品種には、色、形、味、サイズなど様々な種類があります。
 +
品種によっては、割れやすいものや耐病性に欠けるものもありますが、多くの園芸植物と同様に、品種は慎重に選び、種を保存することで、何シーズンもかけてその土地に適応させ、繁栄させることができます。
  
一方、[[北アメリカ]]ではその後もしばらくは食用としては認知されなかった。[[フロリダ]]方面に定着した[[スペイン]]系入植者や[[カリブ海]]経由で連れてこられた[[黒人]][[奴隷]]がトマトを食べる習慣をゆっくりと広めていった。実験精神の旺盛な[[トーマス・ジェファーソン]]は自らの農園でトマトを栽培し、ディナーに供した。[[1820年]]、[[ニュージャージー州]]の[[ロバート・ギボン・ジョンソン]]は、[[セイラム郡 (ニュージャージー州)|セイラム]]の裁判所前の階段でトマトを食べて人々に毒がないことを証明したとされるが、詳しい資料は残っていない{{sfn|ジョンソン |1999|pp=100-101}}。
+
=== 世界記録 ===
 +
[[ファイル:World Record for Heaviest Tomato - Domingo tomato varieties.png|190px|right|thumb|世界最重量を記録したトマトの品種『ドミンゴ』]]
 +
最重量のトマトは、アメリカのダン・サザーランド氏(Dan Sutherland)が栽培したもので、2020年7月15日にワシントン州ワラワラで計測した際、重量が10ポンド12.7オンス(4.896kg)でした。
 +
この記録は、非営利団体グレート・パンプキン・コモンウェルス(GPC:Great Pumpkin Commonwealth)によって認証されました。
  
[[1893年]]当時のアメリカでは輸入の際に果物への関税がなく、野菜には関税が課せられていた。このため、トマトの輸入業者は、税金がかからないように「果物」と主張。これに対して[[アメリカ合衆国農務省|農務省]]の役人は「野菜」だと言い張った。両者は一歩も譲らず、さらに果物派には植物学者も加わり、論争はエスカレート。とうとう、米国最高裁判所の判決を仰ぐことになってしまった。判決は「野菜」。裁判長は随分悩んだと思われ、判決文には「トマトはキュウリやカボチャと同じように野菜畑で育てられている野菜である。また、食事中に出されるが、デザートにはならない」と書かれていた([[:en:Nix v. Hedden|英語版記事]])<ref>{{cite web|url=http://supreme.justia.com/us/149/304/case.html|title=Nix v. Hedden - 149 U.S. 304 (1893)|publisher=Justia US Supreme Court Center|accessdate=2012-09-04}}</ref>。なお、裁判当時の記録として[[ローラ・インガルス・ワイルダー]]の小説『[[大草原の小さな家]]』では、トマトにクリームと砂糖をかけて食べる記載がある。なお、『{{lang|en|Pocket Oxford English Dictionary}}』(2005年版)の {{lang|en|tomato}} は {{lang|en|'a glossy red fruit, eaten as a vegetable or in salads.'}} とどちらとも取れる記述になっている。
+
トマトの品種は「ドミンゴ」で、巨大トマトに共通する特徴である「ディングルベリー」と呼ばれる果実の部分が多数多方に伸びているため、円周が33インチ(83.8cm)になっています。
  
[[日本]]には[[江戸時代]]の[[寛文]]年間頃に[[出島|長崎]]へ伝わったのが最初とされる。[[貝原益軒]]の『[[大和本草]]』にはトマトについての記述があり、その頃までには伝播していたものと考えられている<ref name="tabemonotokenkouomoshirozatsugaku_p58"> 落合敏監修 『食べ物と健康おもしろ雑学』 p.58 梧桐書院 1991年</ref>。ただ、青臭く、また真っ赤な色が敬遠され、当時は観賞用で「'''唐柿'''」と呼ばれていた。[[中華人民共和国|中国]]では、現在も「西紅柿」({{unicode|xīhóngshì}})と呼んでおり、[[西紅柿炒鶏蛋]]([[鶏卵]]との炒め物)などとして料理される。
+
しかし、これは複数の果実が癒着したような形、または[[乱形果]]に近く、一般的なトマトの形からかけ離れているため、正当なトマトの記録として認められないという声もある。
  
なお、[[中華民国|台湾]]や[[中華人民共和国香港特別行政区|香港]]では「番茄」({{unicode|fānqié}})と呼ばれ、[[:zh:番茄牛肉通心粉|番茄牛肉通心粉]](牛肉とマカロニとの煮物)などの料理がある。
+
== トマトの原生種 ==
 +
[[ファイル:Distribution area of the Wild tomatoes for red.png|190px|right|thumb|野生種トマトの分布域(赤)]]
 +
栽培トマトの最も可能性の高い祖先は、世界各地の熱帯・亜熱帯地域に自生する野生のチェリートマト(''Solanum lycopersicum var cerasiforme'')とされていますが、これらは栽培地から逃れたり、偶然に持ち込まれたものである。
  
日本で食用として利用されるようになったのは[[明治]]以降で<ref>『天下統一めざせ!日本史クイズマスター 歴史クイズ② 安土桃山時代~現代』116頁。</ref>、さらに日本人の[[味覚]]にあった[[品種]]の育成が盛んになったのは[[昭和]]に入ってからである。
+
栽培用トマトの直接の野生種の祖先であるソラナム・リコペルシカム(''Solanum lycopersicum'')は、他の野生種のトマトよりも広く分布しており、メキシコ、中央アメリカ、コロンビア、ボリビア、ベネズエラなどの南米諸国に生息しています。
 +
他の近縁種と比較しても、このような広い分布は、歴史的に見ても人為的に行われた可能性が高い。
 +
野生のトマトは、海面から3000m以上の高地まで、乾燥した太平洋沿岸からアンデスの湿潤な高地まで、幅広い生息地に生息しています。
 +
アンデス山脈の西側斜面には、太平洋に水を運ぶ川によって形成された無数の谷があります。
 +
トマトの野生種は、これらの狭い谷間の異なる標高に生育し、互いに地理的に隔離されており、非常に特殊な土壌条件や微気候に適応しています。
 +
このような生息地の多様性が、野生のトマトに見られる大きな多様性につながっています。
  
1887年ころから日本で食用となった<ref>明治世相編年辞典 朝倉治彦・稲村徹元</ref>。
+
→主な記事:[[トマト属]]
  
トマトは[[アメリカ合衆国|米国]]で最初に認可を受けた[[遺伝子組み換え作物]]である。[[1994年]][[5月]]、FDA([[連邦食品医薬品局]])が承認した[[Flavr Savr]]というトマトで、長期間の保存に適した品種であった。ただし、開発費用などを回収するために通常のトマトよりも高い価格に設定されたため、商業的にはそれほどの成功を収めなかった。
+
== トマトゲノム ==
 +
=== 国際トマトゲノム配列決定プロジェクト ===
 +
[[ファイル:International Tomato Genome Sequencing Project.png|250px|right|thumb|国際トマトゲノム配列決定プロジェクト]]
 +
[[ファイル:Scientific Journal Nature - THE TOMATO GENOME, 31 May 2012.png|190px|right|thumb|トマトゲノム:料理用の中心品種とそれに最も近縁の南米産野生種のゲノム塩基配列を解読『ネイチャー』2012年5月31日号]]
 +
2004年、国際トマトゲノム配列決定プロジェクト(International Tomato Genome Sequencing Project)が、日本、中国、韓国、インド、イギリス、オランダ、フランス、スペイン、イタリア、アメリカからの参加国を含む、国際コンソーシアム( International Consortium)によって開始されました。
  
== 食材としてのトマト ==
+
この目的のために、トマトのハプロイドゲノムの12本の染色体は、それぞれ異なる国の異なるシークエンスセンターに割り当てられた。
{{栄養価 | name=トマト(red, ripe, raw, year round average)| water =94.52 g| kJ =74| protein =0.88 g| fat =0.2 g| carbs =3.89 g| fiber =1.2 g| sugars =2.63 g| calcium_mg =10| iron_mg =0.27| magnesium_mg =11| phosphorus_mg =24| potassium_mg =237| sodium_mg =5| zinc_mg =0.17| manganese_mg =0.114| selenium_μg =0| vitC_mg =13.7| thiamin_mg =0.037| riboflavin_mg =0.019| niacin_mg =0.594| pantothenic_mg =0.089| vitB6_mg=0.08| folate_ug =15| choline_mg =6.7| vitB12_ug =0| vitA_ug =42| betacarotene_ug =449| lutein_ug =123| vitE_mg =0.54| vitD_iu =0| vitK_ug =7.9| satfat =0.028 g| monofat =0.031 g| polyfat =0.083 g| tryptophan =0.006 g| threonine =0.027 g| isoleucine =0.018 g| leucine =0.025 g| lysine =0.027 g| methionine =0.006 g| cystine =0.009 g| phenylalanine =0.027 g| tyrosine =0.014 g| valine =0.018 g| arginine =0.021 g| histidine =0.014 g| alanine =0.027 g| aspartic acid =0.135 g| glutamic acid =0.431 g| glycine =0.019 g| proline =0.015 g| serine =0.026 g| right=1 | source_usda=1 }}
+
染色体の1と10はアメリカ、3と11は中国、2は韓国、4はイギリス、5はインド、7はフランス、8は日本、9はスペイン、12はイタリア、ミトコンドリアゲノムの解読はアルゼンチンが担当し、葉緑体ゲノムの解読は欧州連合が担当しました。
  
トマトは日本以外では加熱して食べるのが普通で、生食はほとんどしない。当然、加熱に適した品種の栽培が主流で、生食用の品種自体が珍しい。手を加えた[[料理]]でよく知られているものに[[メキシコ料理]]の[[サルサ (料理)|サルサ]]、[[イタリア料理]]の各種[[ピザ]]、[[パスタ]]用[[ソース (調味料)|ソース]]、[[インド]]の[[カレー_(代表的なトピック)|カレー]]の一部、ヨーロッパの[[シチュー]]の一部などがある。[[中華料理]]でもトマトと[[卵]]を合わせた炒め物や[[スープ]]にされる。[[中央アジア]]では[[ラグマン]]などに利用されている。
+
第8染色体の解読を担当した日本は、公益財団法人かずさDNA研究所と明治大学農学部、および当時の独立行政法人(現:国立研究開発法人) 農業・食品産業技術総合研究機構・野菜茶業研究所が連携して行い、高精度の解析などにより大きく貢献しました。
  
日本では生食されるほか、[[サラダ]]や焼きトマトなど、そのままを味わう料理も数多くある。また、トマト[[ラーメン]]を出す店も増えている。
+
トマトゲノムは2012年5月31日に、国際的な週刊科学ジャーナル『ネイチャー』に公開され、日本、中国、韓国、インド、イギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダ、スペイン、イタリア、アメリカ、アルゼンチン、イスラエルの14か国の科学者の多国籍チームからなるトマトゲノムコンソーシアムの長年の研究の集大成となりました。
  
[[ケチャップ]]、[[トマトソース]]、ピザソースなどに用いられるためトマトの年間消費量は1億2000万トン以上と、野菜の中でも世界1位である<ref>[http://www.calbee.co.jp/foodcom/oyatsu/support/200909.php カルビーフードコミュニケーション 〜カルビーの食育〜]、Calbee、2012年9月13日閲覧。</ref><ref>[http://faostat.fao.org/site/339/default.aspx]。※Commodities by country をクリックし、Selected area 欄で World を、Sort by で Quantity を選択。サトウキビ、とうもろこし、米、小麦、牛乳、じゃがいも、サトウダイコン、野菜(未分類)、大豆、キャッサバに続いて11位にトマトが来ることがわかる。いわゆる穀類および芋類、それに牛乳と未分類項目を除けば、トマトが首位となる。なお、単位の MTは metric ton の意で、日本語でいう「トン」のこと。</ref>。[[グルタミン酸]]の濃度が非常に高いため[[うま味]]があること、[[酸味]]・[[水分]]があることなどがその理由として挙げられる。
+
栽培種のトマト(Heinz 1706)の高精度ゲノム塩基配列が解読され、同時にそれに最も近い野生種で「カラントトマト」と呼ばれるソラナム・ピンピネリフォリウム(''Solanum pimpinellifolium'')の概要配列も解読された。
 +
比較ゲノミクスによって、この2種のトマトの間の差異はわずか0.6%だが、2011年に配列が解読されたジャガイモ(''Solanum tuberosum'')とは8%を超える差異があることが明らかになった。
 +
トマトとソラナム・ピンピネリフォリウムのゲノム配列には、遺伝的多様性を狭める原因となった「アメリカ大陸での栽培種化、16世紀に数種類の遺伝子型だけが欧州に持ち込まれたこと、数百年にわたる集中的育種」の記録が残されている。
  
好きな野菜ランキングでは子供大人ともに1位に挙がることが多く、人気がある一方で苦手な野菜としても上位に挙がることが多く、好みが分かれる一面がある<ref>[https://mainichi.jp/articles/20180922/k00/00e/040/248000c 子供も大人もトマト好き 全国野菜アンケート]毎日新聞 2018年9月22日</ref><ref>[https://news.mynavi.jp/article/20170809-a253/ 子どもの好きな野菜・嫌いな野菜ランキング--定番"ピーマン"はランクダウン]マイナビニュース 2017年8月9日</ref><ref>[https://resemom.jp/article/2018/08/31/46521.html 8/31は野菜の日…子どもの好きな野菜1位は「トマト」、嫌いな野菜は?]リセマム 2018年8月31日</ref>。
+
=== 100トマトゲノム配列決定プロジェクト ===
 +
バイオインフォマティクス研究者のサウロ・アフリトス(Saulo Alves Aflitos)は、ネオ・リコペルシコン(''Neolycopersicon'')および、エリオペルジコン(''Eriopersicon'')、アルカナム(Arcanum)、リコペルシコン(Lycopersicon)のグループを代表する84種のトマトと関連する野生種の全ゲノム配列を決定することにより、系統と遺伝的変異を調査しました。
  
品種によって酸味、甘みの度合いがかなり異なり、また皮の硬さも異なるので、用途に適したものを選んで使うのがコツとなる。例えば、酸味が強く皮が厚いイタリアントマトは加熱した料理に向いている。仮に、生食用として売られている品種を加熱調理に利用する場合は種子周辺のゼリー質を捨てずに利用するのがポイントである。
+
== 分類学 ==
 +
一般的なトマトであるソラナム・リコペルシカム(''Solanum lycopersicum'')は[[トマト属|トマト節]](''Solanum sect. Lycopersicon'')に分類される。
  
美味しいトマトの見分け方としてヘタがきれいで色の良いものが薦められているが、あまり当てにならない。トマトの味は品種や産地、栽培方法、栽培農家などによってかなりの差が出るためである。従って、スーパーなどで実験的に一度購入して、美味しいと感じたトマトの袋やラベルを覚えて次からはそれを購入するといった方法が確実である。また、緑色がかった未熟なトマトでも数日ほど常温で追熟させる事で少しは美味しくなる。
+
2014年の『100トマトゲノム配列決定コンソーシアム』(100 Tomato Genome Sequencing Consortium)による、ソラナム・リコペルシコン(''Solanum Sect. Lycopersicon'')分岐群の調査では、以下を示します。
 
+
<div style="display:inline-block; border: solid 1px #00ff00; padding: 9px;">
トマトの加工食品として、[[トマトジュース]]、[[ケチャップ|トマトケチャップ]]、[[トマトソース]]、[[トマトピューレ]]、[[乾燥トマト]]などがある。また[[缶詰]]としてホールやカットやジュースが販売されている。
+
{{Clade| Dicke=2 |label1='''[[トマト属|リコペルシコン]]'''(''Sect. Lycopersicon'')| Breite=20em
 
+
|1={{Clade| Dicke=2| Breite=3em
=== 調理 ===
+
      |label1=
* 皮むき法 - スープやソースなどそのままでは口当たりが悪くなる料理では皮をむく。
+
      |1={{Clade| Dicke=2
** 直火むき - へたのところにフォークを刺し、直火に当て、刺した部分から皮がはがれてくるので、そのまま冷水につけてもよい。
+
      |label2=
** 湯むき - 熱湯にさっとくぐらせ、冷水にとると、皮がうすくきれいにむける。
+
      |1=&nbsp;[[ソラナム・ペンネリ]](''Solanum pennellii'')
** 冷凍による方法
+
      |2=&nbsp;[[ソラナム・ハブロカイテス]](''Solanum habrochaites'')
 
+
}}
=== 栄養 ===
+
|2={{Clade| Dicke=2| Breite=3em
他の野菜類と同様に、トマトは[[ビタミンC]]を多く含む。また、[[リコピン]]が含まれ得ていることでも有名であり<ref>{{Cite web|url=https://friday.kodansha.co.jp/article/123056|title=「野菜350g」は本当にカラダにいいの…?食生活のウソホント|publisher=FRIDAYデジタル|date=2020-07-16|accessdate=2020-11-27}}</ref>、[[1995年]]に[[悪性腫瘍|がん]]予防の効果が指摘されて以来、注目を集めるようになったが、有効性に関しては「有効性あり」とするデータと「有効性なし」とする両方のデータがあり、科学的なデータの蓄積が必要である。
+
      |1={{Clade| Dicke=2
 
+
          |1={{Clade| Dicke=2
これは[[ハーバード大学]]のギオヴァンヌッキらの研究チームが4万5千人以上の医療関係者を対象に6年間のコホート調査を行った結果から、様々な形態の[[ビタミンA]]を含む食品の中でも、[[イチゴ]]と並んでトマト関連食品3種が[[前立腺癌]]の罹患率の低さと相関しているとしたもの。その後の様々な関連研究の引き金ともなった。
+
              |1=&nbsp;[[ソラナム・ケミエレウスキィ]](''Solanum chmielewskii'')
 
+
                  |2={{Clade| Dicke=2
[[京都大学]]大学院の河田照雄教授らの研究グループにより、トマトに含まれる[[13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸]]に[[血液]]中の[[脂肪]]増加を抑える効果があることが発見され<ref name="jiji">{{cite web |url=http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/health/545314/ |title=トマトでメタボ改善! 脂肪燃焼の新成分を発見|date=2012-2-10 |publisher=[[産経新聞|イザ!]] |accessdate=2012-09-04}}</ref>、2012年2月10日付けの米科学誌[[PLoS one]]上で発表された<ref name="PLoSone">{{cite journal |url=https://doi.org/10.1371/journal.pone.0031317 |title=Potent PPARα Activator Derived from Tomato Juice, 13-oxo-9,11-Octadecadienoic Acid, Decreases Plasma and Hepatic Triglyceride in Obese Diabetic Mice|date=2012-2-10 |publisher=PLOSone|doi=10.1371/journal.pone.0031317 |accessdate=2012-2-13}}</ref>。研究段階である上、効果を得るには大量のトマトを食べる必要があるとされるが、日本では大きく報道されたことにより、トマトジュースが供給不足になるほどのブームが起きた<ref>{{cite news|url=http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/other/546318/|title=「トマトにメタボ改善効果」で広がる品薄 販売休止も|publisher=イザ!|date=2012-02-18|accessdate=2012-09-04}}</ref>。
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                        |1=[[ソラナム・アルカナム]](''Solanum arcanum'')
 
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                        |2=[[ソラナム・ネオリッキ]](''Solanum neorickii'')
日本において、トマトジュースやサプリメントなど一部のトマト製品は血中[[コレステロール]]や[[血圧]]などの改善効果を謳う機能性表示食品として販売されている<ref>[http://www.kagome.co.jp/tomatojuice/functional-claims/ 改めて、2つの機能性が実証されました。「血中コレステロールが気になる方に」「血圧が高めの方に」機能性表示食品「カゴメトマトジュース」](2018年3月12日閲覧)</ref>。
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                  }}
 
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    }}
=== トマトの旬 ===
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    |2={{Clade| Dicke=2
トマトは夏の[[季語]]。冷涼で強い日差しを好み高温多湿を嫌うトマトの性質からして夏は旬の時期とは言えず、春から初夏と秋から初冬のトマトが美味とされる。夏が旬とされた理由は、日本でトマトの栽培が始まった頃は[[温室]]などの設備が不十分なために、春に種を播いて夏に収穫する作型が一般的であったのである。現在は高性能な設備が普及したことから、トマトの成長に適した気温がまだ低く昼の時間が長い春と、気温が下がり始め空気の澄んでいる秋の環境に合わせる形で育てて収穫できるようになる。
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          |1={{Clade| Dicke=2
 
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              |1=&nbsp;[[ソラナム・キレンセ]](''Solanum chilense''
季節によっても[[味]]や食感が変わる。一般的な温室栽培を例に挙げると冬は光が少なく成長に時間がかかるため水っぽく皮が硬い、夏は成長が早すぎて味がのる前に赤くなるが皮は柔らかい。春と秋は旨味が強くなる。家庭菜園の場合は保温用のビニールをかけて秋まで栽培すると皮は硬いがメロン並みの糖度と旨味のあるトマトが得られる。<!-- 栽培の歴史の節と重複するため割愛。== ニックス・ヘデン裁判 ==[[1893年]]、トマトへの課税を問題とし、トマトを果物に定義するか野菜として定義するかを焦点とした裁判が行われた。この裁判を担当したグレイ判事は、トマトを草本性植物の果実であると判断した上で、他の果物のようにデザートではなくメインコースに出されることが多いことを根拠として野菜と定義した。<ref>バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント編『世界の食用植物文化図鑑』 140ページ</ref>
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              |2=&nbsp;[[ソラナム・ペルビアナム]](''Solanum peruvianum'')
-->
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    }}
 
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          |2={{Clade| Dicke=2
== トマトを題材にした作品 ==
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              |1=&nbsp;[[ソラナム・コルネリオムレリ]](''Solanum corneliomulleri'')
;楽曲(曲名または歌詞にトマトが登場するもののみ)
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              |2=&nbsp;[[ソラナム・フアユラセンセ]](''Solanum huaylasense'')
{{div col}}
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          }}
* トマト - 童謡(作詞:[[荘司武]]、作曲:[[大中恩]])
+
    }}
* 気まぐれヴィーナス - [[桜田淳子]]
+
}}
* [[トマトジュースで追いかえすのかい]] - [[大塚博堂]]・[[梓みちよ]]
+
    |3={{Clade| Dicke=2
* トマト - [[渡辺美里]]
+
          |1={{Clade| Dicke=2
* [[そら (國府田マリ子のアルバム)|トマト]] - [[國府田マリ子]]
+
              |1=&nbsp;[[ソラナム・チースマニエ]](''Solanum cheesmaniae'')
* トマト売りの歌 - [[久保田早紀]]
+
              |2=&nbsp;[[ソラナム・ガラパゲンセ]](''Solanum galapagens'')
* とけちまいたいのさ - [[BLANKEY JET CITY]]
+
    }}
* あなたにサラダ - [[DREAMS COME TRUE]]
+
          |2={{Clade| Dicke=2
* おいしい☆トマトのうた - [[Axis powers ヘタリア]]
+
              |1=&nbsp;[[ソラナム・ピンピネリフォリウム]](''Solanum pimpinellifolium'')
* トマトの家 - [[ヒデとロザンナ]]
+
              |2=&nbsp;{{Font color||#FFE6E6|'''[[トマト|ソラナム・リコペルシカム]]'''(''Solanum lycopersicum'')}}
* トマト - [[NICO Touches the Walls]]
+
              }}
* トマト - [[谷村新司]](アルバム『生成』収録)
+
          }}
* 夜更けのトマトジュース - [[吉川忠英]]
+
      }}
* トマト。- chami
+
}}
* トマト・イッパツ - [[スペクトラム]]
+
}}
* Boku No Atama - [[Paul Gilbert]]
+
</div>
* テングサの歌 - [[谷山浩子]]
+
[[ファイル:Drawing of Tomatoes by Basilius Besler, published in Hortus Eystettensis in 1613.png|190px|right|thumb|[[バシリウス・ベスラー]]によって描かれたトマト『Hortus Eystettensis』1613年]]
* トマトの森 - [[谷山浩子]]
 
* ロージィ・ルージュがサラダ娘に - [[宇都美慶子]]
 
* トマト - [[豊崎愛生]]
 
{{div col end}}
 
 
 
; アニメーション
 
* [[サラダ十勇士トマトマン]]
 
 
 
; コンピュータゲーム
 
* [[サラダの国のトマト姫]]
 
* [[トマトアドベンチャー]]
 
* [[キラートマト]] - 1993年に発売された。[[ゲームボーイ]]用。
 
 
 
; 映画
 
* [[アタック・オブ・ザ・キラー・トマト]]
 
* [[フライド・グリーン・トマト]]
 
 
 
; キャラクター
 
* トマッピー - [[三重県]][[木曽岬町]]公式<ref>{{cite web|url=http://www.town.kisosaki.lg.jp/contents_detail.php?frmId=744|publisher=木曽岬町役場総務政策課政策部門|title=「トマッピー」グッズ販売のご案内|date=2014-04-01|accessdate=2015-12-30|archiveurl=https://web.archive.org/web/20151230023313/http://www.town.kisosaki.lg.jp/contents_detail.php?frmId=744|archivedate=2015年12月30日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>
 
* 魔法少女トマトちゃん - 木曽岬町コミュニティ団体「ボラ倶楽部」<ref>{{cite web|url=http://localchara.jp/catalog/4399/|work=ご当地キャラカタログ|title=魔法少女トマトちゃん|date=2014-04-01|accessdate=2015-12-30|archiveurl=https://web.archive.org/web/20151230023839/http://localchara.jp/catalog/4399/|archivedate=2015年12月30日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>
 
 
 
== その他 ==
 
* 「トマト」の語源は[[ナワトル語]][[ホオズキ]]の実を意味する「{{lang|nah|tomatl}}」(トマトゥル)に由来する。
 
* [[トルコ]]の[[民間療法]]では[[やけど]]にスライスしたトマトを塗りつけている。
 
* ジャガイモの茎にトマトを接ぎ木したものは「[[ジャガトマ]]」と呼称されることがある。また[[細胞融合]]によって作られた[[ジャガイモ]]とトマトの雑種は[[ポマト]]と呼ばれる。
 
* 栄養素が豊富な事から、[[柿]]と同じく「トマトが赤くなると、医者が青くなる」という[[ことわざ]]や、また「トマトを作る家に胃病なし」ということわざがある<ref>[https://books.google.co.jp/books?id=jfJ3vUV6nocC&pg=PT27&lpg=PT27&dq=%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%88%E3%81%8C%E8%B5%A4%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%81%E5%8C%BB%E8%80%85%E3%81%8C%E9%9D%92%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B&source=bl&ots=cBaVQvo9dC&sig=e8pRiMgnHNbCsMX2dpMD1-aRtIo&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwiU9OX8_P7NAhUEk5QKHRSHBEA4KBDoAQgsMAM#v=onepage&q=%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%88%E3%81%8C%E8%B5%A4%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%81%E5%8C%BB%E8%80%85%E3%81%8C%E9%9D%92%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B&f=false 石原結實『「医者いらず」の食べ物事典』(2006年、PHP研究所)ISBN:978-4569666242]</ref>。
 
* アメリカの法律では、大さじ2杯のトマト・ペーストが野菜とされているため、トマト・ペーストを使ったピザが「野菜」に分類されている<ref>[http://www.beerstudygroup.com/news/ispizzaavegetable/ “Is pizza a vegetable?”]ロサンゼルスタイムス 2011年11月17日</ref><ref>[http://mogumogunews.com/2014/06/topic_7252/ アメリカで「ピザは野菜」と国家が認定 理由はトマトソース…]もぐもぐニュース 2014年6月28日</ref>。
 
* 「プチトマト」は[[和製英語]]であり、日本でしか通じない。(プチ({{lang|fr|petit}})は[[フランス語]]に由来するが、フランス語でトマト({{lang|fr|tomate}})は女性名詞であるため形容詞 {{lang|fr|petit}} も女性形 {{lang|fr|petite}} となり、プティト・トマト({{lang|fr|petite tomate}})と呼ぶのが正しい。)英語名は「[[:en:Cherry tomato|cherry tomato]]」。
 
* ヨーロッパでは当初ポモ・ドーロ(金色のリンゴ)、ポム・ダムール(愛のリンゴ)と呼ばれた。[[イタリア語]]では現在でもその名残でポモドーロ({{lang|it|pomodoro}})と呼ばれる{{sfn|ジョンソン |1999|pp=96-97}}。[[リトアニア語]]のポミドーリ({{lang|lt|pomidori}})など周辺言語への派生もある。
 
* イタリア料理によく使用される印象があるが、国民一人あたりのトマト消費量第1位はギリシャ。これは[[ギリシャ料理]]にトマトと[[オリーブオイル]]が大量に使用されるためである。統計年度によって差異はあるが、ギリシャ国民一人当たりの年間消費量は概ねイタリアの2倍以上にも及び、100kgを超える。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{Reflist|30em}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* [http://www.toukei.maff.go.jp/dijest/yasai/yasai/yasai.html グラフと絵で見る食料・農業 –統計ダイジェスト- 農林水産省 (平成14年9月)]
 
* [http://www.tdb.maff.go.jp/toukei/toukei 農林水産省統計情報データベース (2003年6月25日閲覧)]
 
* [http://www.agri-exp.pref.shizuoka.jp/mametisiki/tomato.htm 豆知識のコーナー トマト 静岡県農業試験場]
 
* [http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5145/index.html 岬一雨(2002)トマトの博]
 
* {{Cite book|和書|author = 内田洋子|author2 = シルヴィオ・ピエールサンティ|title = トマトとイタリア人|year = 2003|publisher = 文藝春秋|series = 文春新書|isbn = 4166603108}}
 
* {{Cite |和書 |author = シルヴィア・ジョンソン |translator = 金原瑞人 |title = 世界を変えた野菜読本 |date = 1999 |publisher = 晶文社 |isbn = 4794964129 |ref = harv }}
 
 
 
== 関連文献 ==
 
* Barndt, Deborah(2002). Tangled Routes: Women, world and globalization on the tomato trail. Lanham, MD: Rowman & Littlefield Publishers.
 
* Giovannucci E, Ascherio A, Rimm EB, Stampfer MJ, Colditz GA, Willett WC (1995). Intake of carotenoids and retinol in relation to risk of prostate cancer. Journal of National Cancer Institute. v. 87, n. 23 (December 6). p.1767-76.
 
** [http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&dopt=Abstract&list_uids=7473833 PubMed データベースの英文要旨]
 
* Martineau, Belinda (2001). First Fruit: The creation of the Flavr Savr tomato and the birth of genetically engineered foods. New York, McGraw-Hill.
 
* Willcox, Joye K., Catignani, George L.& Lazarus, Sheryl (2003). Tomatoes and cardiovascular health. Critical Reviews in Food Science & Nutrition, v.43, n.1 (January), p.1-19.
 
  
 
== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==
{{wiktionary}}
+
*[[トマト属]]
{{Commons|Solanum lycopersicum}}
 
* [[トマトソース]]
 
* [[トマティーナ]] - [[スペイン]]・[[バレンシア州]]の世界的に有名な「トマト祭り」。
 
* [[タマリロ]] - 近縁種。ツリートマト、木立ちトマトとも呼ばれる常緑小木。
 
* [[アメーラ]] - 高糖度のトマト。
 
* [[トマト銀行]] - [[岡山県]]にある[[第二地方銀行]]。
 
* [[Rotten Tomatoes]] - 映画批評のウェブサイト。
 
* [[ピエトロ・アンドレア・マッティオリ]] - トマトに関する世界最古の文献『博物誌』の著者の[[植物学者]]
 
* [[セイヨウオオマルハナバチ]] - ハウス栽培で用いられる。
 
* プチトマト、ミニトマト - トマトの栽培品種<!-- http://www.weblio.jp/content/Lycopersicum+esculentum -->。
 
* [[ポミドル]] - [[ポーランド語]]でトマトを表す。子供の遊びの一種。
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://tgrc.ucdavis.edu/ Tomato Genetics Resource Center (University of California at Davis)] - トマトの種を保管し、研究者に供給することを目的とした施設。カリフォルニア大学デービス校。
 
* [http://www.sgn.cornell.edu/about/tomato_sequencing.pl About the International Tomato Sequencing Project (Cornell University)] - トマトゲノムプロジェクト。コーネル大学。
 
* [http://www.iris-saien.com/zukan/zukan.asp?ID=1 野菜図鑑「トマト」]
 
* [http://www.cik.co.jp/noubi@home/mame_top.html 「トマトの基本的な栽培方法」]農業豆知識
 
* {{hfnet|710|リコピン}}
 
 
 
 
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2022年7月8日 (金) 05:19時点における最新版

トマト
Tomato - Solanum lycopersicum.png
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: ナス目 Solanales
: ナス科 Solanaceae
: ナス属 Solanum
: トマト節 Sect. Lycopersicon
: トマト S. lycopersicum
学名
Solanum lycopersicum L.
和名
トマト

トマト(学名:Solanum lycopersicum/ソラナム・リコペルシカム)は、ナス科ナス属の草本植物で、中央アメリカと南アメリカ北部・北西部が原産である。

この植物は、その果実を消費するために世界中で栽培されており、生鮮品だけでなく、ジュース、ソース、ピューレ、缶詰、乾燥品など、さまざまな方法で加工されています。

歴史

トマトの起源

トマトの原産地は、コロンビア南部からチリ北部にかけてのアンデス地方であり、栽培の中心はメキシコと考えられているが、これはヨーロッパとメキシコの野生種の間に、アンデス地域よりも多くの類似性が見られるためである。 当初、ヨーロッパでは観賞用としてしか栽培されていませんでしたが、17世紀以降は人間の食べ物として食べられるようになりました。 現在、トマトは世界のほとんどの国で栽培されています。

アステカ帝国をはじめとするメソアメリカの人々は、この果実を料理に使っていました。 正確な栽培開始時期は不明ですが、紀元前500年前には、メキシコ南部、おそらくメソアメリカの他の地域ですでに栽培されていたと推定されています。

メキシコでは、酸味のある緑色の実をつけるトマティーヨ(Physalis ixocarpa)が、ヒスパニック時代以前から食用にされていたことが考古学的に証明されています。 このことから、スペイン人が到着する前のメソアメリカの先住民もトマトを栽培し、利用していたと考えられます。 スペイン人の到着後、トマトはカラフルな見た目と収穫後の保存期間の長さから、トマティーヨよりも多く栽培され、消費された可能性があります。

マヤをはじめとする地域の人々が食用にしていたことから、メキシコ南部で栽培され、16世紀には他の地域でも栽培されていたと思われます。 人々の信仰の中では、トマトの種を摂取するのを目撃した人は、占いの力を持つとされていました。 大きくてゴツゴツしたトマトは、小さくて滑らかな果実から突然変異したもので、メソアメリカで生まれ、奨励されました。

スペイン人はアメリカ征服後、カリブ海の植民地にトマトを広めました。 また、フィリピンにも移入し、そこからアジア大陸に入っていきました。

ヨーロッパへの到着

スペイン人のコンキスタドール(征服者)であるエルナン・コルテスは、1521年にアステカの都市テノチティトラン(現在のメキシコシティ)を占領した後、黄色のミニトマトを初めてヨーロッパに伝えたと考えられています。 イタリアの医師であり植物学者でもあるピエトロ・アンドレア・マッティオリが1544年に書いた薬草図鑑には、イタリアに持ち込まれた新しい種類の茄子が登場し、熟すと血のような赤や黄金色になり、カットして塩、黒胡椒、油で調理して茄子のように食べることができると書かれていた。 しかし、マッティオリがトマトを「ポミ・ドーロ(黄金のリンゴ)」と活字にしたのは、それから10年後のことである。

イタリア

1548年10月31日、フィレンツェ共和国(イタリア)の銀行家で公爵であるコジモ・デ・メディチがトレッデルガロの邸宅からトマトのバスケットを受け取り、彼の執事がデ・メディチの個人秘書に「トマト(Pomi d'oro)のバスケットが届いた」と書き、トマトがPomi d'oroとしてイタリアで最初の名前を与えられる。 それまで、Pomi d'oroは科学者が論文でイチジク、メロン、柑橘類を指すものとして使われていた。

1692年、トマトソースのレシピが掲載された世界で最初の料理本がイタリア人シェフであるアントニオ・ラティーニの著書『現代の執事』によって発表されました。 スペイン風トマトソース(サルサ・ディ・ポモドーロ・アッラ・スパニョーラ)と名付けられたこのソースはサルサに近いソースであったことが伺えます。 彼はローマ教皇ウルバヌス8世の枢機卿であるアントニオ・バルベリーニ(スペインのナポリ総督)の執事, 兼シェフでした。

イギリス

インド

トマトがインドに持ち込まれたのは16世紀頃で、ポルトガルの商人の到来とともに、トマトはジャガイモや唐辛子と同じように渡り、一部の地域で栽培され食用とされていた。 18世紀頃にイギリスが植民地化した後、イギリスはインド人に沢山のトマトを栽培させ、それをイギリスに運びました。 インドの気候はトマトの栽培に適していたため、トマトは瞬く間に店頭に並んだ。 その結果、ウッタラーカンド州がトマト栽培の最大の拠点となった。 ポルトガルから持ち込まれた3つの食材、そしてイギリスに対して繊維の原料の綿花を生産しなければならなかったインド人労働者のためのランチとして生まれたパオパジという料理がある。

中国

1613年、中国(山西省)の文献「猗氏县志」で初めてトマトが西番柿として登場しています。

日本

大日本帝国海軍の舞鶴海兵団が1908年(明治41年)9月1日に発行・配布した『海軍割烹術参考書』 二七、トマト(番茄) 赤茄子ト云フ「トマトソース」ヲ製シ又ハ「トマトサラダ」等ニ用フ 其「トマトソース」ハ用途甚ダ廣シ と記されている。 また 一二、菓子類 「モーニングビスケット」「コンビネションビスケット」「トマトケアャップ」「チャツネレリシ」 と記されている。

中近東・北アフリカ

中東でトマトが栽培されるようになったのは、1799年から1825年頃、アレッポの英国領事ジョン・バーカーによってもたらされました。 19世紀の記述によると、トマトは一様に調理された料理の食材として食べられています。 1881年には、この地域では「過去40年以内にしか食べられていない」と記述されています。 今日、トマトは、サラダ(アラブ・サラダ、イスラエル・サラダ、シラズィ・サラダ、トルコ・サラダなど)で生食されたり、ケバブなどで焼かれたり、ソースにされたりと、中東料理に欠かせない一般的な食材となっています。

北米

英領北アメリカでトマトが栽培されていたという最古の記述は、1710年に薬草学者のウィリアム・サーモンが現在のサウスカロライナ州でトマトを見たと報告したものである。 これらはカリブ海から持ち込まれた可能性があるとされている。 18世紀半ばには、カロライナ州の一部のプランテーションで栽培されており、おそらく南東部の他の地域でも栽培されていたと思われます。 この頃はまだトマトに毒があると考える人もいたようで、一般的には食用というよりも観賞用として栽培されていたようです。 第3代アメリカ合衆国大統領であるトーマス・ジェファーソンが、ユダヤ人の友人であるジョン・デ・セケイラ博士が、1745年にバージニア州ウィリアムズバーグに到着した後、バージニアにトマトを紹介したとされています。


→主な記事:トマト年表

栽培

環境

トマトは比較的温暖な植物で、ライフサイクルに応じた最適温度は、夜の気温が15〜18℃、昼の気温が24〜25℃、開花時の理想温度は21℃です。 トマトの苗は、光量が多いほどよく育ちます。 トマトに必要な土壌の湿度は中程度で、湿度が高すぎるとさまざまな病原菌の攻撃を受け、組織の成長、蒸散、花の受精、隠花植物の発生にも影響を与えます。 一方、相対湿度が60〜65%以下になると、花粉が乾燥してしまいます。

栽培条件

温度

トマトの生育に最適な温度は、日中が20~30℃、夜間が10~17℃である。 35℃以上になると、受精卵の発育に悪影響を及ぼし、果実の生育にも影響します。 一方、気温が12℃以下になると植物の生育に悪影響を及ぼします。 温度は開花期に特に重要で、25℃以上または12℃以下では受精しません。 着果時には、気温が果実の発育に影響し、気温が高くなると成熟が早まります。 しかし、30℃以上(または10℃以下)になると、果実は黄色っぽくなります。

湿度

最適な相対湿度は60%~80%です。 湿度が80%以上になると、地上部の病気の発生率が高くなり、また、果実が割れたり、花粉が固まって受粉が困難になったりします。 一方、相対湿度が60%未満の場合は、花粉粒が花托に付着しにくくなり、受粉が妨げられます。

トマトは非常に良い光条件を必要とする。 そうしないと、成長、発育、開花、受粉、果実の成熟などのプロセスに悪影響を及ぼす可能性がある。 トマトは300〜400W/㎡の日射で最大光合成速度を示します。

土壌

トマトは、水枯れを嫌うので水はけが良いことが条件ですが、それ以外の土壌条件はそれほど厳しくありません。 しかし、有機物が豊富な珪酸質粘土質の緩い土壌を好む。 pHについては、砂質の場合、土壌は弱酸性から弱アルカリ性になります。 トマトはクルミの木の近くに植えてはならない。 なぜなら、クルミの木はジュグロン(5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン)と呼ばれる毒素を放出し、トマトの植物だけでなく、他の植物の成長にも影響を与えるからである。 このような作用を「他感作用」(アレロパシー)といいます。 ジュグロンに汚染された環境で栽培されたトマトは、通常のトマトに比べて平均して3分の1程度しか成長しませんでした。

受粉

トマトは他のナス科の植物と同様に、バズ受粉と呼ばれる特殊な受粉を必要とします。 マルハナバチはこのプロセスに非常に効率的です。 一方、ミツバチはブンブン受粉ができない。 温室トマトの場合、マルハナバチの巣を設置して受粉を行う必要がある。 また、人工的または手作業による受粉も可能である。

成長習慣による品種の分類

植物の枝分かれのタイプによって決まる生育習慣によって、不定型生育の品種と定型生育の品種の2つの大きなグループを認識することができます。

セルフ・プルーニング

茎や主軸に継続的な成長を与える支配力のある栄養期シュート頂を持つことが特徴です。 3枚の葉の間に花房があり、広い放射状に伸びるので、すぐに見分けがつきます。 このグループの植物は、温室でのトマト生産に最もよく使用されます。 確定栽培の品種では、シュートは必ず花序で終わるので、腋の上部のシュートは必ず不確定栽培として残しておく必要があります。 このような植物は、2枚目の葉に1つずつ花房があることで見分けることができます。

シュラブ樹形

生育中に支えを必要とせず、屋外での栽培に最もよく使われます。 矮性品種は、サイズが小さく、「ミニトマト」タイプの果実をつけることを特徴とする確定品種です。 主に鉢植え、特に吊り下げ式ハンギングコンテナでのコンパクトな栽培に使用されます。

品種

トランスジェニックトマト

Calgene社の開発した遺伝子組み換えトマト『フレーバーセーバー』1994年

ポリガラクツロナーゼは、果実の成熟期に細胞壁を分解する酵素であり、したがってその活性は、収穫後の段階で同様の硬さを失わせ、最終的に生食用の良質なトマトが比較的短い期間で生産される原因となっています。 トマトの品種フレーバーセーバーは、いわゆるアンチセンスRNA技術を用いて開発された遺伝子組換え生物で、半減期を延ばし、その結果、生食用トマトの品質を向上させています。 このトマトは、ポリガラクツロナーゼを産生する遺伝子の発現が抑えられており、果実の熟成、収穫、ポストハーベスト時の酵素の活性が低下しています。 リスク評価と必要な要件をすべて満たした上で、米国食品医薬品局(FDA)は1994年にフレーバーセーバー品種の商業化を承認し、これは遺伝子組み換え作物由来の製品としては初めて食用に供されました。

1997年にフレーバーセーバー品種は市場から撤退したため、それ以降、世界のどの国でもGMトマト(遺伝子組み換え:Genetically Modified)は販売されていなかった。

冷蔵庫に保管しなくても長持ちする品種、ロングライフトマト「larga vida」は、GMトマトと混同されることがあるが、それは遺伝子組み換えトマトではなく、従来の品種改良の成果である。

ハイブリッドトマト

「野生のチェリートマト」と改良品種の「ビーフステーキ」

ハイブリッド・トマトの多くは、制御された温室環境の中で人の手によって作られます。 この育種技術により、病気への抵抗力が強く、生産量と品質が向上した新世代のトマト植物が生まれます。 ハイブリッドは、ある植物の花の花粉を別の植物の雌しべに物理的に付着させることで作られ、2つの親から新しいトマトの品種が生まれます。 この方法で交配された植物は、丈夫で病気にかかりにくく、同じような大きさのトマトができ、味も良く、見た目も良い傾向にあります。 このプロセスでは、最適で信頼性の高い結果が得られるまで、プロの育種家が5~10年かけて一貫した育種を行います。

1780年、味の向上や用途に適したトマトの品種改良に大きな功績を残した歴史的なトマトのトップブリーダーであるアレクサンダー・W・リヴィングストンは、20年の歳月を費やしてパラゴン種トマトの栽培に成功し、「現代のトマトの父」と称されている。

一連の育種で完成したハイブリッド・トマトは再び名前が付けられ、一般的には独自の種苗会社を通じて園芸家に販売されます。 それにより、数多くのハイブリッドの品種が存在します。

エアルームトマト

有機栽培のエアルームトマト

エアルーム(Heirloom)とは「先祖伝来」を意味し、何世代にもわたって手を加えず、その後の交配もせずに受け継がれてきた非雑種の種・苗です。 エアルームトマトの種は、交配された植物の種とは異なる開放受粉であり、人の手を加えなくても交配が行われる「真の繁殖」をしています。 この種のトマトは、ほとんどが自家受粉するので、簡単に種を採取することができ、ほとんどの種が元の種の形質を維持することができます。 エアルームトマトの品種には、色、形、味、サイズなど様々な種類があります。 品種によっては、割れやすいものや耐病性に欠けるものもありますが、多くの園芸植物と同様に、品種は慎重に選び、種を保存することで、何シーズンもかけてその土地に適応させ、繁栄させることができます。

世界記録

世界最重量を記録したトマトの品種『ドミンゴ』

最重量のトマトは、アメリカのダン・サザーランド氏(Dan Sutherland)が栽培したもので、2020年7月15日にワシントン州ワラワラで計測した際、重量が10ポンド12.7オンス(4.896kg)でした。 この記録は、非営利団体グレート・パンプキン・コモンウェルス(GPC:Great Pumpkin Commonwealth)によって認証されました。

トマトの品種は「ドミンゴ」で、巨大トマトに共通する特徴である「ディングルベリー」と呼ばれる果実の部分が多数多方に伸びているため、円周が33インチ(83.8cm)になっています。

しかし、これは複数の果実が癒着したような形、または乱形果に近く、一般的なトマトの形からかけ離れているため、正当なトマトの記録として認められないという声もある。

トマトの原生種

野生種トマトの分布域(赤)

栽培トマトの最も可能性の高い祖先は、世界各地の熱帯・亜熱帯地域に自生する野生のチェリートマト(Solanum lycopersicum var cerasiforme)とされていますが、これらは栽培地から逃れたり、偶然に持ち込まれたものである。

栽培用トマトの直接の野生種の祖先であるソラナム・リコペルシカム(Solanum lycopersicum)は、他の野生種のトマトよりも広く分布しており、メキシコ、中央アメリカ、コロンビア、ボリビア、ベネズエラなどの南米諸国に生息しています。 他の近縁種と比較しても、このような広い分布は、歴史的に見ても人為的に行われた可能性が高い。 野生のトマトは、海面から3000m以上の高地まで、乾燥した太平洋沿岸からアンデスの湿潤な高地まで、幅広い生息地に生息しています。 アンデス山脈の西側斜面には、太平洋に水を運ぶ川によって形成された無数の谷があります。 トマトの野生種は、これらの狭い谷間の異なる標高に生育し、互いに地理的に隔離されており、非常に特殊な土壌条件や微気候に適応しています。 このような生息地の多様性が、野生のトマトに見られる大きな多様性につながっています。

→主な記事:トマト属

トマトゲノム

国際トマトゲノム配列決定プロジェクト

国際トマトゲノム配列決定プロジェクト
トマトゲノム:料理用の中心品種とそれに最も近縁の南米産野生種のゲノム塩基配列を解読『ネイチャー』2012年5月31日号

2004年、国際トマトゲノム配列決定プロジェクト(International Tomato Genome Sequencing Project)が、日本、中国、韓国、インド、イギリス、オランダ、フランス、スペイン、イタリア、アメリカからの参加国を含む、国際コンソーシアム( International Consortium)によって開始されました。

この目的のために、トマトのハプロイドゲノムの12本の染色体は、それぞれ異なる国の異なるシークエンスセンターに割り当てられた。 染色体の1と10はアメリカ、3と11は中国、2は韓国、4はイギリス、5はインド、7はフランス、8は日本、9はスペイン、12はイタリア、ミトコンドリアゲノムの解読はアルゼンチンが担当し、葉緑体ゲノムの解読は欧州連合が担当しました。

第8染色体の解読を担当した日本は、公益財団法人かずさDNA研究所と明治大学農学部、および当時の独立行政法人(現:国立研究開発法人) 農業・食品産業技術総合研究機構・野菜茶業研究所が連携して行い、高精度の解析などにより大きく貢献しました。

トマトゲノムは2012年5月31日に、国際的な週刊科学ジャーナル『ネイチャー』に公開され、日本、中国、韓国、インド、イギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダ、スペイン、イタリア、アメリカ、アルゼンチン、イスラエルの14か国の科学者の多国籍チームからなるトマトゲノムコンソーシアムの長年の研究の集大成となりました。

栽培種のトマト(Heinz 1706)の高精度ゲノム塩基配列が解読され、同時にそれに最も近い野生種で「カラントトマト」と呼ばれるソラナム・ピンピネリフォリウム(Solanum pimpinellifolium)の概要配列も解読された。 比較ゲノミクスによって、この2種のトマトの間の差異はわずか0.6%だが、2011年に配列が解読されたジャガイモ(Solanum tuberosum)とは8%を超える差異があることが明らかになった。 トマトとソラナム・ピンピネリフォリウムのゲノム配列には、遺伝的多様性を狭める原因となった「アメリカ大陸での栽培種化、16世紀に数種類の遺伝子型だけが欧州に持ち込まれたこと、数百年にわたる集中的育種」の記録が残されている。

100トマトゲノム配列決定プロジェクト

バイオインフォマティクス研究者のサウロ・アフリトス(Saulo Alves Aflitos)は、ネオ・リコペルシコン(Neolycopersicon)および、エリオペルジコン(Eriopersicon)、アルカナム(Arcanum)、リコペルシコン(Lycopersicon)のグループを代表する84種のトマトと関連する野生種の全ゲノム配列を決定することにより、系統と遺伝的変異を調査しました。

分類学

一般的なトマトであるソラナム・リコペルシカム(Solanum lycopersicum)はトマト節Solanum sect. Lycopersicon)に分類される。

2014年の『100トマトゲノム配列決定コンソーシアム』(100 Tomato Genome Sequencing Consortium)による、ソラナム・リコペルシコン(Solanum Sect. Lycopersicon)分岐群の調査では、以下を示します。

リコペルシコンSect. Lycopersicon


 ソラナム・ペンネリSolanum pennellii



 ソラナム・ハブロカイテスSolanum habrochaites







 ソラナム・ケミエレウスキィSolanum chmielewskii




ソラナム・アルカナムSolanum arcanum



ソラナム・ネオリッキSolanum neorickii







 ソラナム・キレンセSolanum chilense



 ソラナム・ペルビアナムSolanum peruvianum





 ソラナム・コルネリオムレリSolanum corneliomulleri



 ソラナム・フアユラセンセSolanum huaylasense








 ソラナム・チースマニエSolanum cheesmaniae



 ソラナム・ガラパゲンセSolanum galapagens





 ソラナム・ピンピネリフォリウムSolanum pimpinellifolium



 ソラナム・リコペルシカムSolanum lycopersicum






バシリウス・ベスラーによって描かれたトマト『Hortus Eystettensis』1613年

関連項目