「Α-トコフェロール」の版間の差分
(同じ利用者による、間の2版が非表示) | |||
5行目: | 5行目: | ||
また、α-トコフェロールは、様々な遺伝子の発現を調節し、神経機能に重要な役割を果たし、血小板凝集を抑制し、血管拡張を促進する。<br> | また、α-トコフェロールは、様々な遺伝子の発現を調節し、神経機能に重要な役割を果たし、血小板凝集を抑制し、血管拡張を促進する。<br> | ||
他の形態のトコフェロールと比較して、α-トコフェロールは最も生物学的に活性な形態であり、体内に優先的に吸収・保持される形態である。</p> | 他の形態のトコフェロールと比較して、α-トコフェロールは最も生物学的に活性な形態であり、体内に優先的に吸収・保持される形態である。</p> | ||
− | 天然のビタミンEはd-α- | + | <p>天然のビタミンEはd-α-トコフェロール、化学合成によって作られたビタミンEはdl-α-トコフェロールと表示される。<br> |
− | < | + | d-α-トコフェロールは、強力な抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンであるビタミンEの天然型である。<br> |
ビタミンE(αトコフェロール)は、酸化ストレスからの細胞の保護、免疫機能の調整、内皮細胞の完全性の維持、正常な凝固のバランスに重要であると考えられている。<br> | ビタミンE(αトコフェロール)は、酸化ストレスからの細胞の保護、免疫機能の調整、内皮細胞の完全性の維持、正常な凝固のバランスに重要であると考えられている。<br> | ||
− | ビタミンEを生理的に、あるいは超生理的に大量に摂取しても、肝障害や黄疸を引き起こすという証拠はない。</p> | + | <p>d-α-トコフェロールは、生体膜(特に多価不飽和脂肪酸を多く含む生体膜)の安定化に必須であると考えられており、強力なペルオキシルラジカルスカベンジャーであり、多くの組織でシクロオキシゲナーゼの活性を非競合的に阻害し、プロスタグランジンの産生を減少させる。<br> |
+ | また、ビタミンEは、血管内皮増殖因子(VEGF)遺伝子の転写を抑制することにより、血管新生や腫瘍の休眠を阻害する。</p> | ||
+ | <p>ビタミンEを生理的に、あるいは超生理的に大量に摂取しても、肝障害や黄疸を引き起こすという証拠はない。</p> | ||
== 関連項目 == | == 関連項目 == |
2021年7月2日 (金) 22:30時点における最新版
α-トコフェロール(Alpha-Tocopherol)は、トコフェロールの一種でビタミンEと見なされている化合物の1つである。
α-トコフェロールは、強力な抗酸化作用と細胞保護作用を有する天然の脂溶性ビタミンEの経口投与可能なα型である。
投与されたα-トコフェロールは、フリーラジカルを中和し、組織や臓器を酸化的なダメージから保護する。
α-トコフェロールは生体膜に取り込まれ、タンパク質の酸化を防ぎ、脂質の過酸化を抑制することで、細胞膜の完全性を維持し、細胞を損傷から守り、さらに、α-トコフェロールは、プロテインキナーゼC(PKC)およびPKCが介在する経路の活性を阻害する。
また、α-トコフェロールは、様々な遺伝子の発現を調節し、神経機能に重要な役割を果たし、血小板凝集を抑制し、血管拡張を促進する。
他の形態のトコフェロールと比較して、α-トコフェロールは最も生物学的に活性な形態であり、体内に優先的に吸収・保持される形態である。
天然のビタミンEはd-α-トコフェロール、化学合成によって作られたビタミンEはdl-α-トコフェロールと表示される。
d-α-トコフェロールは、強力な抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンであるビタミンEの天然型である。
ビタミンE(αトコフェロール)は、酸化ストレスからの細胞の保護、免疫機能の調整、内皮細胞の完全性の維持、正常な凝固のバランスに重要であると考えられている。
d-α-トコフェロールは、生体膜(特に多価不飽和脂肪酸を多く含む生体膜)の安定化に必須であると考えられており、強力なペルオキシルラジカルスカベンジャーであり、多くの組織でシクロオキシゲナーゼの活性を非競合的に阻害し、プロスタグランジンの産生を減少させる。
また、ビタミンEは、血管内皮増殖因子(VEGF)遺伝子の転写を抑制することにより、血管新生や腫瘍の休眠を阻害する。
ビタミンEを生理的に、あるいは超生理的に大量に摂取しても、肝障害や黄疸を引き起こすという証拠はない。
関連項目
・ビタミンE・トコフェロール・β-トコフェロール・γ-トコフェロール