「ワイルドトマト」の版間の差分
(→分類学) |
(→分類学) |
||
42行目: | 42行目: | ||
バイオインフォマティクス研究者のサウロ・アフリトス(Saulo Alves Aflitos)は、ネオ・リコペルシコン(Neolycopersicon)および、エリオペルジコン(Eriopersicon)、アルカナム(Arcanum)、リコペルシコン(Lycopersicon)のグループを代表する84種のトマトと関連する野生種の全ゲノム配列を決定することにより、系統と遺伝的変異を調査しました。 | バイオインフォマティクス研究者のサウロ・アフリトス(Saulo Alves Aflitos)は、ネオ・リコペルシコン(Neolycopersicon)および、エリオペルジコン(Eriopersicon)、アルカナム(Arcanum)、リコペルシコン(Lycopersicon)のグループを代表する84種のトマトと関連する野生種の全ゲノム配列を決定することにより、系統と遺伝的変異を調査しました。 | ||
− | 2014年の「100トマトゲノム配列決定コンソーシアム」(100 Tomato Genome Sequencing | + | 2014年の「100トマトゲノム配列決定コンソーシアム」(100 Tomato Genome Sequencing Consortium)による、ソラナム・リコペルシコン(''Solanum Sect. Lycopersicon'')分岐群の調査では、以下を示します。 |
+ | |||
<div style="display:inline-block; border: solid 1px #00ff00; padding: 9px;"> | <div style="display:inline-block; border: solid 1px #00ff00; padding: 9px;"> | ||
{{Clade| Dicke=2 |label1='''リコペルシコン'''(''Sect. Lycopersicon'')| Breite=20em | {{Clade| Dicke=2 |label1='''リコペルシコン'''(''Sect. Lycopersicon'')| Breite=20em |
2022年7月3日 (日) 06:18時点における版
ワイルドトマト | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類(APG III) | ||||||||||||
|
ワイルドトマト(Wild Tomato)は、ナス属(Solanum)のトマト節 (Sect. Lycopersicon)に分類される野生トマトの総称である。
トマトに似た果実(可食・不可食を含む)を持つナス科やナス属の植物が、俗にワイルドトマトと呼ばれている事もあるが、これは不正確である。 これらを含めた種の中には致命的な毒を持つものもあるので注意しなければならない。
学名
一般的なトマトであるソラナム・リコペルシカム(Solanum lycopersicum)と同様に、野生トマトの種にもそれぞれ学名がある。 野生トマトは全てナス属に属するため、全て「Solanum」で始まる。 これらの学名は、それぞれの種を近縁種と区別する特徴に基づいて付けられたものである。
分布と生息地
リコペルシコン属(Sect. Lycopersicon)の種の自然な分布範囲は、主に南アメリカの西に広がっています。 ほとんどの種は、アンデス山脈の雨陰の谷間、アンデス山脈の西斜面の高地砂漠、ペルーとチリの太平洋岸付近の非常に乾燥したロマ層など、比較的乾燥した生息地に生息している。 また、高地に生息する種は、低地のフアイコ(Huaico:大雨の際に発生する泥や岩の雪崩)で形成された地層でも発見されることがあります。 ソラナム・ピンピネリフォリウム(Solanum pimpinellifolium)は、湿った川の谷間や海岸の生息地でも見られます。 エクアドル中央部からペルー、チリ北部、ガラパゴス諸島までの南米アンデス山脈に生育し、ガラパゴス諸島の固有種であるソラナム・チースマニエ(Solanum cheesmaniae)とソラナム・ガラパゲンセ(Solenum galapagense)の2種はガラパゴス諸島にのみ生息している。
野生のトマトは、海面から3000m以上の高地まで、乾燥した太平洋沿岸からアンデスの湿潤な高地まで、幅広い生息地に生息しています。 アンデス山脈の西側斜面には、太平洋に水を運ぶ川によって形成された無数の谷があります。 トマトの野生種は、これらの狭い谷間の異なる標高に生育し、互いに地理的に隔離されており、非常に特殊な土壌条件や微気候に適応しています。 このような生息地の多様性が、野生のトマトに見られる大きな多様性につながっています。
栽培用トマト(Solanum lycopersicum)の直接の野生種の祖先であるソラナム・リコペルシカム・ウァリエタース・セラシフォルメ(Solanum lycopersicum var. cerasiforme)は、他の野生種のトマトよりも湿度の高い生息地に広く分布しており、メキシコ、コロンビア、ボリビアなどの南米諸国に生息しています。 他の近縁種と比較しても、このような広い分布は、歴史的に見ても人為的に行われた可能性が高い。 熱帯・温帯のあらゆる地域の撹乱された生息地に自生しますが、数世代に渡ってそこで見かけることはほとんどありません。
利用
分類学
バイオインフォマティクス研究者のサウロ・アフリトス(Saulo Alves Aflitos)は、ネオ・リコペルシコン(Neolycopersicon)および、エリオペルジコン(Eriopersicon)、アルカナム(Arcanum)、リコペルシコン(Lycopersicon)のグループを代表する84種のトマトと関連する野生種の全ゲノム配列を決定することにより、系統と遺伝的変異を調査しました。
2014年の「100トマトゲノム配列決定コンソーシアム」(100 Tomato Genome Sequencing Consortium)による、ソラナム・リコペルシコン(Solanum Sect. Lycopersicon)分岐群の調査では、以下を示します。
リコペルシコン(Sect. Lycopersicon) |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ワイルドトマトの一覧
グループ | 画像 | 学名 | 分布 |
---|---|---|---|
ネオリコペルシコン (Neolycopersicon) |
ソラナム・ペンネリ (Solanum pennellii) |
ガラパゴス諸島、ペルー、チリ北部 | |
エリオペルジコン (Eriopersicon) |
ソラナム・キレンセ (Solanum chilense) |
ペルーからチリ北部、ガラパゴス諸島まで | |
同上 | ソラナム・コルネリオムレリ (Solanum corneliomulleri) |
ペルー | |
同上 | ソラナム・ハブロカイテス (Solanum habrochaites) |
エクアドルからペルー | |
同上 | ソラナム・フアユラセンセ (Solanum huaylasense) |
ペルー | |
同上 | ソラナム・ペルビアナム (Solanum peruvianum) |
エクアドルからチリ、ガラパゴス諸島 | |
アルカナム (Arcanum) |
ソラナム・アルカナム (Solanum arcanum) |
ペルー | |
同上 | ソラナム・ケミエレウスキィ (Solanum chmielewskii) |
ペルーからボリビア | |
同上 | ソラナム・ペルビアナム (Solanum neorickii) |
エクアドルからペルー | |
リコペルシコン (Lycopersicon) |
ソラナム・チースマニエ (Solanum cheesmaniae) |
ガラパゴス諸島 | |
同上 | ソラナム・ガラパゲンセ (Solanum galapagense) |
ガラパゴス諸島 | |
同上 | ソラナム・ピンピネリフォリウム (Solanum pimpinellifolium) |
エクアドルからチリ、ガラパゴス諸島 | |
同上 | ソラナム・リコペルシカム・ウァリエタース・セラシフォルメ (Solanum lycopersicum var. cerasiforme) |
メキシコ、コロンビア、ボリビアなどの南米諸国 |