番茄腰柳

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『番茄腰柳』(北京市)

番茄腰柳(ファンチェイャォリィゥ)は、北京料理(京菜:ジンツァイ)に属する料理である。 調理法においては、衣をつけて揚げた食材に餡をかける(炸溜:ヂャリィゥ)に分類される。

歴史

番茄腰柳は、1940年代、北京の東安市場(东安市场)にあった飲食店「潤明樓」(润明楼)で、食客のアドバイスによって生まれたと云われている。 その後、北京で有名になり、さまざまな店で次々と作られるようになったという。 東安市場は、清の第11代皇帝である光緒帝(こうしょてい)の元号、光緒29年(1903年)3月に、紫禁城(しきんじょう)に近い場所に建設され、多くの商人が集まり、さまざまな露店、飲食店、書店、劇場を含む大きな市場へと発展し、現在は大型のデパートやショッピングモールに変貌している。

特徴

腰柳とは、豚ヒレ肉(猪里脊肉:ヂュリージーロウ)のことで、豚の赤身の中で最も柔らかい部位である。 腰に位置し、柳の葉のような形をしていることから、通称、腰柳とされた。 肉は柔らかく、味は甘酸っぱく、色は真っ赤なのが特徴である。 日本の酢豚と似るが、それより絡める餡の赤色が強い。 この色はトマトケチャップ(番茄酱:ファンチェジィァン)によるものである。

類似料理

番茄腰柳は、前記した歴史的伝承があり、北京市延慶区(えんけいく)の料理とされているが、実際には北京では「番茄腰柳」というメニューはほとんど見られない。 調理的には「糖醋里脊」と同じであり、料理名は異なるものの、「樱桃肉」と変わらない。

関連項目