「ソース・オーロレ」の版間の差分
(→ケチャマヨ) |
(→ケチャマヨ) |
||
68行目: | 68行目: | ||
現在、ある意味で伝統的・一般的なオーロラソースは至ってシンプルなもので、[[トマトケチャップ]]とマヨネーズを同割で混ぜたもの(ケチャマヨ)である。 | 現在、ある意味で伝統的・一般的なオーロラソースは至ってシンプルなもので、[[トマトケチャップ]]とマヨネーズを同割で混ぜたもの(ケチャマヨ)である。 | ||
また、個々の好みに応じて割合を変えて使われる。 | また、個々の好みに応じて割合を変えて使われる。 | ||
− | + | これは、ハンバーグやステーキにウスターソースとトマトケチャップを混ぜてデミグラスソース風にするのと同じアイディアだが、これは先んじて洋食を取り入れた旧大日本帝国海軍の[[ケチャップソース]]の手法である。 | |
これらは、貧富の差や多忙による家事の難易性や調理の難易度に、さほど左右されずに作れることが可能で、ある程度のボリューム感や満足度を得られる一種の「日本の家庭料理の知恵」の定番として重宝されている。 | これらは、貧富の差や多忙による家事の難易性や調理の難易度に、さほど左右されずに作れることが可能で、ある程度のボリューム感や満足度を得られる一種の「日本の家庭料理の知恵」の定番として重宝されている。 |
2022年4月18日 (月) 08:38時点における版
ソース・オーロレ(フランス語:Sauce Aurore)は、フランス料理のマザーソース(基礎的なソース)の一つであるベシャメルソースにトマトピューレを加えたクリーミーなトマトソースの一種である。
起源
フランスの政治家であり美食家であったブリア・サヴァラン(1755年4月1日 - 1826年2月2日)は、母親のオーロレ(名前:Aurore)にいくつかのレシピを捧げた。 その一つであるクリーミーなトマト風味のソースがオーロレである。
オーロレ
オーロレ(Aurore)は、「ペロー童話集」で知られるフランス人の詩人、シャルル・ペロー(1628年1月12日 - 1703年5月16日)の「眠れる森の美女」にも女性の名前として登場します。 ロシアの作曲家、ピョートル・チャイコフスキー(1840年5月7日 - 1893年11月6日)の『白鳥の湖』『くるみ割り人形』と共に、3大バレエの一つである『眠れる森の美女』にも王女の名前として登場しますが、シャルル・ペローの作品に由来しています。
諸説
ソースの色が、夜明けの曙の色に似ていることから名付けられたとする説が広く伝わっているが、「Aurore」の直訳から派生したものであり、至ってその根拠はない。 また、ソースの色とその情景の色を連想して結びつけるには乏しい。
古典的なソース・オーロレ
材料
- 小麦粉
- バター
- 生クリーム
- 塩
- コショウ
- トマトピューレ
ベシャメルソース
味付けに使う塩、コショウとトマトピューレ以外は、ベシャメルソースの基本的な材料です。 ベースとなるベシャメルソースは、日本でもなじみ深いグラタンやラザニア、ホワイトシチューなどにも使われます。 料理の方向性によっては、そのまま使ったり、ブイヨンや野菜、ハーブ類を加えたりすることでアレンジもされます。 ベシャメルは、マザーソースの一つに数えられるように、いわばその母体的なものです。
オート・キュイジーヌとヌーベル・キュイジーヌ
トマトは、アステカ帝国を含む新世界から伝わった野菜であるため、オート・キュイジーヌ(古典的なスタイルのフレンチ)より、ヌーベル・キュイジーヌ(新しいスタイルのフレンチ)に使われることが比較的に多い。
ポール・ボキューズ(店名もシェフ名も同じ)は、現代に見られるヌーベル・キュイジーヌを全面に出すスタイルとは違い、伝統的なオートキュイジーヌのスタイルが感じられる料理が多く、その中に程よくヌーベル基調を取り入れた料理で、長年に渡って三ツ星を保持するレストランとして最強であった。 スペシャリテ(看板メニュー)の一つには、オマール海老のオーロラソースもある。 フランス料理界の法王と謳われたポール・ボキューズ氏は2018年1月20日、レストラン兼自宅で91歳で亡くなりました。 彼の葬儀は、フィリップ・バルバラン枢機卿、リヨンの大司教、ガリアの首座主教、そしてエマニュエル・ペイエン神父によって執り行われ、教会はつめかけた多くの角界や著名人、多くのシェフで埋め尽くしました。
世界のオーロラソース
フランスの「ソース・オーロレ」と比べると材料や作る工程、手間などを含め、別物といっても過言ではありません。 しかし、オーロレ風味の簡単なソース、またはドレッシングとして認識され、世界で広く使われています。 家庭においては手軽なソースとして作られ、サラダのドレッシング、また揚げ物やジャンクフード系に使われるのも日本と差異はない。 これらの簡易的なソースは、海外でフィレンチドレッシングとも呼ばれることもあるが、日本では一般的に知られている白濁した別のドレッシングを指します。
使い方の違いは、日本も含め世界全般的に、本来のソース・オーロレのように温かいソースとして使うことが少ないということです。 オーロラソースは、ソース・オーロレとは別の形で世界の一般家庭に親しまれ、完全に定着しています。
マヨチャップ
マヨネーズとケチャップを混ぜた同様のソースが、ハインツ社から「マヨチャップ」(Maychup)という商品名で発売されている。 余談であるが、ハインツ社は、2021年3月、ワサビとアイオリソース(すりおろしニンニクマヨネーズ)を組み合わせた「ワサビオリ:Wasabioli」という面白い商品もリリースしています。 ハインツ社は過去にグリーントマトケチャップを販売した経緯がある。
日本のオーロラソース
昭和
オーロラソースは、昭和25年(1950年)の婦人雑誌『主婦之友』11月號の附録「家庭料理五百種の料理」に記載されているが、マヨネーズではなくホワイトソースがベースである。
“ オーロラソース
白ソースをどろつと作った中へ、トマトピューレー少々を加えてほんのりと色つけした、美しいピンク色のソースです。
玉子、肉料理などに合いましょう。”
ケチャマヨ
その後、さらに簡易的になり、市販品のみで作るスタイルになった。 現在、ある意味で伝統的・一般的なオーロラソースは至ってシンプルなもので、トマトケチャップとマヨネーズを同割で混ぜたもの(ケチャマヨ)である。 また、個々の好みに応じて割合を変えて使われる。 これは、ハンバーグやステーキにウスターソースとトマトケチャップを混ぜてデミグラスソース風にするのと同じアイディアだが、これは先んじて洋食を取り入れた旧大日本帝国海軍のケチャップソースの手法である。
これらは、貧富の差や多忙による家事の難易性や調理の難易度に、さほど左右されずに作れることが可能で、ある程度のボリューム感や満足度を得られる一種の「日本の家庭料理の知恵」の定番として重宝されている。
家庭におけるドレッシングとしては、塩、胡椒、酢、油のベーシックなドレッシングより、ボリューム感があり、シーザードレッシングよりも重くなく簡易性が高い。 揚物のソースとしても、タルタルソースより手軽である。 特に、育ち盛りの若者や肉体労働者の心をつかみ、好まれる味なことにも起因している。
ご当地グルメ
高知では、地域密着型のコンビニ「くいしんぼ如月:きさらぎ」の「チキンナンバン弁当」が名物になっている。 チキン南蛮といえば、宮崎のご当地グルメとして知られているが、こちらはタルタルソース派で、一方の高知は、オーロラソース派である。 くいしんぼ如月はコンビニでもあるが弁当屋でもあり、店内の厨房で調理しているため、出来立ての弁当がテイクアウト、また店内のイートインコーナーで食べられる。
毎年9月14日は「くいし」の日として、前後1日を含めた9月13日~9月15日までの3日間は特別セールを行っている。 この催事期間中は、名物のチキンナンバンが破格で提供されます。
影響
- 2015年3月17:元祖である「くいしんぼ如月」のチキンナンバン弁当をリスペクトした「高知の味!チキン南蛮弁当」が国内大手コンビニチェーンのセブンイレブンで発売されました。
- 2018年4月12日:ハインツ社はツイッター上で「マヨチャップ」を販売するべきかどうかの投票をユーザーに依頼した。家庭で作られる既知なソースという言及も中にはあったが、50万人の投票を受け、ハインツ社はマヨチャップを販売することを約束しました。
- 2018年9月17日:ハインツ社がマヨチャップをリリース。
- 2019年7月2日:「高知の味・オーロラソースのチキン南蛮弁当」が国内大手コンビニチェーンのローソンで発売されました。
ギャラリー
中華料理のエビマヨ
類似ソース
フランスのソース・ヴルーテ以外は、日本のオーロラソースに比較的近いものです。
- ソース・ヴルーテ:(フランス)
- カクテルソース:(イギリス)
- ロシアンドレッシング:(アメリカ)
- サウザンド・アイランド・ドレッシング:(カナダ)
- サルサ・ゴルフ:(アルゼンチン)
- アンダルーズ・ソース:(ベルギー)
関連項目
- エビマヨ:日本