パダンソース
サウス・パダン(インドネシア語:Saus Padang)は、西スマトラ州の州都パダンの調味料である。 サウス(Saus)はソースを意味します。 その味は「Spicy Tomato and Chili Sauce」(トマトと唐辛子のピリ辛ソース)と喩えられる。 パダンソースを使ったメニューは、多くのシーフード屋台、レストランに必ず存在します。
特徴
パダンソースは、パダンの食文化であるバラドと同じように、主な食材と合わせて調理するために使われ、インドネシアで一般的なサンバルやパダンのサンバラドのように、テーブルで出されるディッピングソースとして使われることはない。
パダンソースは、主に特産のカニやエビなどの甲殻類、貝類、イカ、魚などの料理に使うソースとして知られています。 メニュー名の多くは、素材名の後に「Saus Padang」(パダンソース)が付く。 パダンの屋台やレストランのシーフード料理は人気が高く、パダンソースは市販もされている。
カニを使ったクピティン・サウス・パダン(蟹のパダン風)は、シンガポールのチリクラブと料理も味も異なるが、東南アジアを代表するカニ料理としてチリクラブと並んで観光客に人気が高いメニューになっている。 この料理に使われるカニは濃厚な身の味と甘さを持つことで、東南アジアやオーストラリアで珍重されるマッドクラブ(和名:ノコギリガザミ)、また代用としてブルークラブ(タイワンガザミ)が使われる。 また、同様にロブスター料理もある。
しかし、パダンソースは、カニ料理のみに突飛しているものではなく、地元の様々な魚介類の料理で親しまれています。
材料
- ガランガル:4cm
- にんにく:4片
- エシャロット:1個
- レモングラスの茎:1本
- トマト
- 赤唐辛子(チャベ・ブサール):3個
- 赤唐辛子(チャベ・ラウィット):3個
- 塩:大さじ2
- 生姜:3cm
- コブミカンの葉:3枚
- トマトケチャップ:大さじ4
- ドゥアベリビス:大さじ4
- オイスターソース:大さじ2
- ケチャップ・イカン:小さじ1
- ケチャップ・アシン:小さじ1
- 顆粒チキンスープの素:好みで適量
- コンスターチ:小さじ1
- 水:200ml
- 植物油:炒め用で適量
インドネシアの調味料
- ドゥア・ベリビス(Dua Belibis)は、インドネシアのチリソースで日本の醤油やケチャップのような存在の国民的調味料です。
- ケチャップ・イカン(Kecap Ikan)は、インドネシアの魚醬でナンプラーや日本の「しょっつる」で代用できます。
- ケチャップ・アシン(Kecap Asin)は、インドネシアでは薄口醤油ですが、日本の濃口醤油に相当します。
インドネシアの唐辛子
インドネシアには各地域特有の唐辛子もあるが、一般的に使われているのは、チャベ・ブサール(Cabai Besar)、チャベ・クリティン(Cabe Keriting)、チャベ・ラウィット(Cabe Rawit)の3種類です。
- チャベ・ブサールはその中で一番大きい唐辛子で日本の万願寺唐辛子ぐらいのサイズです。
- チャベ・クリティンは日本のスーパーで見られる青唐辛子に似ています。
- チャベ・ラウィットは、タイのプリッキーヌや沖縄の島唐辛子に似たもので、3種の中で一番小さながらも一番の激辛唐辛子です。
これらの唐辛子は成長段階で緑(青唐辛子)もあるが、パダンソースには赤が使われる。
作り方
ソース
- ガランガル、にんにく、エシャロット、レモングラス、2種類の赤唐辛子、塩を入れて細かく挽きます。 フードプロセッサーでもよい。
- 中華鍋に植物油を入れて熱し、そこに上記で挽いたもの、叩いて砕いた生姜、コブミカンの葉を加え、香りが立つまで炒める。
- トマトケチャップ、オイスターソース、魚醤、ケチャプアシン、チキンスープの素を入れて全体が混ざるように気持ち程度に炒める。 縁に発生する多少の焦げは気にしなくてよい。
- 水を加え、よくかき混ぜながら沸騰するまで2~3分煮ます。
- コーンスターチを少量の水で溶かし、よくかき混ぜながら鍋に注ぎます。
- ソースに適度な濃度がつくまで1分ぐらい煮つめて、パダンソースは完成です。
料理
- 好みの食材を鍋に入れ、ソースと食材がなじんで一体感が出るまで、よく混ぜながら炒めます。
- 鍋から器に注ぎ、熱々のうちにお召し上がりください。
食材の種類、大きさや量、料理によっては、食材を事前に揚げる、炒める、または軽くボイル(湯通し)が必要な場合もある。 ボイルする場合は、お湯にコブミカンの葉やライム果汁を少々入れるのもよい。
食材と共に調理する時間によっては、ソースが煮詰まり過ぎる場合もあるので、コーンスターチの加減量、ソースの完成時点のとろみ具合の計算と臨機応変な調理が必要です。 酢豚のように揚げ物と絡ませるようなソースとして使う場合は、ソースの完成時点で比較的に濃度が高くてもよいが、食材と同時進行で調理する場合は完成時のソース濃度の加減が重要である。 一例としては、ソースはコーンスターチを少なめ、もしくは加えずに完成させ、食材と調理しながら、程よいところで水溶きコーンスターチを再追加、もしくはそこで初めて加えて、さらに絡ませて仕上げる。
どちらにしても、重要なポイントは使われるチリソースやオイスターソースなどの調味料自体に元々の粘性がある点と、基本的に中華料理に見られる「甘酢あんかけ」を用いた料理ほど粘度が高いソース料理ではないという点である。 貝類は比較的に貝自体がもつ水分を利用して加減調理することができ、上手くソースと調和します。 輪切りにしたイカも熱が通りやすく、タコやエビも同様です。
日本の家庭においては、蟹や伊勢海老を用いらない限り、アサリ、イカ、タコ、海老で調理する上では、さほど気にする問題ではありません。
応用
パダンソースは、カニ、エビ、イカ、タコ、魚類をはじめ、貝類も日本で代用できるものです。
ハイガイ(Kerang Dara)は、赤貝やサルボウガイの仲間です。 日本でも安価な寿司ネタの赤貝や味付赤貝の缶詰は、サルボウガイが使われています。 ミドリイガイ(Kerang Hijau)は、ムール貝やムラサキガイの仲間です。 ヒオウギガイ(Kerang Simping)は、イタヤ貝、ベビーホタテ、贅沢に通サイズのホタテなどでも代用できる。 虎目模様の巻貝(インドネシア語:Keong Macan/学名:Babylonia spirata )は、バイガイの一種です。 この海外種は、日本国内のスーパーで味付バイ貝(殻付きの醤油液パック)やツブ貝の加工食品の代用として見られる。
インドネシア、またパダンには、さまざまな二枚貝が豊富にある。 日本のアサリ、ハマグリ、ホッキガイ、シロガイ、ホンノビス、マテガイのような貝を使ったメニューは一般的です。 パダンソースは全ての貝類や巻貝に適応できます。
これら、シーフードを鶏肉にすることで、アヤム・サウス・パダン(Ayam Saus Padang)になる。
→主な記事:カニ料理については、クピティン・サウス・パダン(蟹のパダン風)を参照してください。