パイラ・マリーナ
パイラ・マリーナ(Paila Marina)は、地元の魚介類(二枚貝、ムール貝、メキシコ・マテナリ・アゲマキガイ、マチャス、フジツボ、ピュラチレンシスなど)、魚(アナゴ、サーモン)、白ワイン、魚のだし、スパイスを混ぜ合わせて作るチリのスープで、海岸線の多いチリでは、その土地柄もあり、観光客に人気のある料理です。
材料
- 二枚貝(ハマグリやホンビノス貝のようなもの)
- ムール貝(チリに生息しているムール貝)
- うなぎ類(アナゴを含む)
- マチャス(Machas:マチャ貝というマテ貝のような貝)
- ピュラチレンシス(Pyura chilensis:ホヤの一種)
- フジツボ(Giant barnacle:サイズの大きいフジツボ)
- エビ
- 赤ピーマン
- 玉ねぎ
- トマト
- 魚介スープ(ヒュメ・ド・ポアソンのようなもの)
- パセリ
- パプリカ
- 塩とコショウ(好みに応じて)
- ハバネロペッパー(オプション)
- カットレモン
作り方
玉ねぎ、にんじん、パプリカ、トマトをフライパンで炒めてから、魚介類(殻付き)を加え、汁気が出るまで炒める。 レシピによっては、さらに貝類(缶詰の場合は殻を取ったもの)を加え、パプリカや白ワインなどの副材料を加えることもある。
炒めた具材に魚のスープを注ぎ、コクと風味が出るまで煮込みます。 塩を加えてもよいが、調理中に煮汁が蒸発してある程度少なくなることで貝のもつ本来の塩味も増すので、必ずしも必要とはしない。 スープには、パセリなどのハーブを添えたり、別皿にカットレモンを用意するのもよい。
効能
友人や家族で地元の海産物市場に行き、パイラ・マリーナを食べるのは伝統的で、特にパーティーの翌朝は二日酔いからの回復に効くと信じられている。 ふんだんに使われた魚介に含まれるタウリン、またホヤの一種に含まれるグリコーゲンなどは、アルコールや肝毒の分解、肝臓を保護するため、正にパイラ・マリーナは理にかなっていると言えます。 また、民間伝承でもパイラ・マリーナは媚薬作用があると言われています。
伝統
伝統的なものは、カルディーリョ・デ・コングリオと同様、陶器の器で供される。
地域性
パイラ・マリーナに似た料理で、ムール貝、マチャス、ピュラチレンシス、ロンガニーザ(Longaniza:サラミ系ソーセージ)、ダービリア・アンタークティカ(Durvillaea antarctica:昆布の一種)、乾燥唐辛子などを使って作るマリスク・カリエンテ(Mariscal Caliente)という料理もある。 チリの中南部で食べられている料理です。
利便性
現在は調理して冷凍し、電子レンジで温め直せる商品が販売されています。
反響
1月1日には、歴史ある海産物市場のサンティアゴ中央市場(Mercado Central de Santiago:メルカード・セントラル・デ・サンティアゴ)は、サンティアゴで最も混雑する場所の一つで、チリ全国紙「ラ・ナシオン」(La Nación)は、2010年の1月1日に28,000人が市場を訪れると報じた。
アメリカのテレビドラマシリーズ『ブレイキング・バッド』第3シーズン第11話で、ガス・フリングは、ウォルター・ホワイトをディナーに招待し、パイラ・マリーナを用意する。 彼は、自分が好きなチリの料理であることを伝える。 同様に、アメリカAMCのテレビドラマシリーズ『ベター・コール・ソウル』シーズン4の第7話では、ガスがヘクター・サラマンカのリハビリ担当医をパイラ・マリーナの食事に誘い、ヘクターの治療はそれまでで十分だと説得する。