ベルジャン・フリッツ
ベルジャン・フリッツ(Belgian Fries)は、ベルギーの代表的な国民食であり、世界で広く知られているフライドポテトの元祖である。
起源
15世紀初頭にスペイン人が新世界からジャガイモをヨーロッパに持ち込み、その200年後に現在のベルギー南部に位置するリエージュやナミュール州の都市ディナン、アンデンヌの人々がジャガイモを揚げたのが起源とされている。 もともとは、ムーズ川で小魚を獲って揚げていた「プティ・ポワソン・フリッツ」(Petits Poissons Frits)が始まりで、冬になると川が結氷(けっぴょう)するため、ジャガイモを同じ要領で調理することで、ベルジャン・フリッツが誕生した。
ムーズ川(フランス語:Meuse)は、オランダ語やドイツ語ではマース川(Maas)とよばれる西ヨーロッツパの川で、フランスを源流とし、フランス、ベルギー、オランダを約950km通過して北海へ注ぐ川である。 ムーズ川には、大型の淡水魚も生息するが、食用可能な小魚類も多数生息しているため、ベルジャン・フリッツの原点となった小魚の唐揚げも多種の雑魚が利用されたと思われる。
特徴
- サイズ:ベルジャン・フリッツは厚く太め(約1cm)のスティック状。
- 油:牛の脂、または牛の脂と馬の脂を混合した独特の油で揚げられる。
- 揚げ方:二度揚げするのが基本である。 二度揚げは20世紀初頭に生まれた技法で、二つのフライヤーを利用する。 まずは160℃の油で5分間揚げた後、油をよく切り30分置く。 その後、180℃の油で1分ほど揚げて黄金色に仕上げ、油をよく切って完成する。 保温器は一切使用せず、注文を受けてから仕上げるため、熱々の揚げたてが供じられる。
- 味つけ:揚げた後の味付けは塩のみで胡椒は使われないのが一般的である。 また、無塩のまま提供され、用意された塩を客が好みの量かける場合もある。
- ソース:
ベルギーのフリッツ文化
フリッツ博物館
呼称問題
ベルジャン・フリッツは、「フレンチ・フライ」(French fries)の名で広く伝わった。 現在もベルギーの公用語が、フランス語・ドイツ語・オランダ語であるように、第一次世界大戦中、ベルギーでフランス語を話す地域に駐留していたアメリカ兵は、自分たちがフランスにいると勘違いしていたことに起因する。 この料理を食べた兵士たちは「フレンチフライ」という呼び名をつけた。
定番のソース
ソース・アンダルーズ
(Sauce Andalouse)- Belgian Tomato Sauce - Sauce Algérienne.png
ソース・アルジェリエンヌ
(Sauce Algérienne) - Belgian Tomato Sauce - Sauce Marocaine.png
ソース・マロキャンヌ
(Sauce Marocaine) ソース・サムライ
(Sauce Samouraï)ソース・ブラジル
(Sauce Brazil)カレーケチャップ
(Curry Ketchup)