青トマト

提供: Tomatopedia
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青トマト(グリーン・トマト)

青トマト(Green Tomato)とは、熟していない緑色のトマトのことで、日本では「青トマト」、海外では「グリーントマト」と呼ばれます。
実際には、それとは別で品種的に成熟段階に達しても緑色のままの古来種のトマトもありますが、通常は未熟なトマトを指し、本項も「未熟な青トマト」について記述します。

青トマトの時期

本来、多くの場合は生育期間中に熟しきれなかったトマトです。そのため、夏の終わりから秋の初めにかけてよく見られました。気温が下がり、トマトの実が熟さなくなると青トマトの季節です。しかし、現在では通年栽培が可能になっており、季節に関係なく意図的な収穫は可能になりました。ただ、消費者のほとんどが青トマトの用途を知らず、未だ青トマトの毒性への疑念も迷信の如く少なからず根づいています。そして、その全体が熟したトマトを購入し、栽培農家も熟したトマトを栽培するのが基本的な目的となっているため、日本国内では流通が限られています。

成熟法

通常のトマトは、収穫からその流通経路を通り、消費者に行き渡るまでの時間が計算され、それに合わせて完熟する前に収穫されます。
青トマトも例外ではなく、熟させること可能です。少なくとも寒くない場所に置いておく必要があります。また、リンゴや熟したバナナなど、他の果物と一緒に紙袋に入れておくと、エチレンガスが発生して熟すのが早くなります。

毒性神話

味と特性

特別に通年で販売されている『青トマト』

過度に未熟な果実は収斂性(しゅうれんせい:口内の粘膜の潤滑がなくなってキュッキュッする感じ)があります。 しかし、極度に未熟なものを除き、青トマトそのものを楽しんで味わいたいのであれば、前記したような「成熟法」は、もはや必要ないでしょう。

青トマトは熟したトマトと違ってゼリーの部分が少なく、その部分は厚い果肉が占めています。 果皮はハリがあって果肉との癒着性が強く、それが歯ごたえを出します。

丸かじり

しっかりとした「シャクッ」とした歯ごたえのある食感が楽しめます。そして清涼感があります。この清涼感は、青リンゴやライム、ミントやペパーミントなどの清涼感を思い浮かべてはいけません。果物と違って甘さが無い清涼感で酸味もそれほどでもありません。リンゴやナシなどの果実と異なる歯ごたえの快感と、キュウリやメロンのような青い香りとも異なる青い香りが、共に清涼感を増強させています。これは青トマトだけの比べようのない、比べてはならない味わいと清涼感です。 近年のミディトマの中にもゼリー部分が少なく、しっかりとした歯ごたえのものもありますが、糖度先行に作られているため、青トマトの味わいをそれで代用して想像することは出来ません。

余談ですが、人間は想像力があります。例えば、リアルタイムな時代ではない事でもそれを想像したり、感覚的にレトロなイメージや懐かしさを感じたりします。 「童心に帰る」という言葉がありますが、戦前、戦時中、戦後の人々の中には年少期にトマト畑で、まだ青いトマトを盗み食いするというようなこともあったでしょう。 現在は彼らが食べていたような香り高いトマトは中々食べられなくなりました。 これは日本だけでなく、海外のトマト研究者たちも述べています。

未熟な『青トマト』の丸かじりは、仮想なりとも何かしらの「根本や味わいの原点」を感じれるものだと思います。

用途

青トマトは、フライやキャセロール、パイの具材、または、スープ、チャツネ、サルサ、レリッシュ、ピクルスなどに多用に使われます。 日本であれば、ピクルスと同じように浅漬けや醤油漬け、漬物、糠漬けにしても美味しいものができます。

青トマトを使った『ポモドリ・ヴェルディ:Pomodori Verdi』はグリーントマト・ソースとも呼ばれ、典型的なセルビア料理ではパスタや茹で肉、ブルスケッタに使われます。

カリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランド内のハングリーベア・レストランでは、完熟トマトを使う『BLT』ではなく、青トマトを揚げたフライド・グリーントマトを使った『フライド・グリーントマト・サンドイッチ』が売られています。