ソパ・デ・カラコル
ソパ・デ・カラコル(スペイン語:Sopa de Caracol)は、コンク貝を使ったスープで、ホンジュラスを代表する伝統料理のひとつです。 この料理は、ホンジュラスのラテンアメリカ音楽バンド「バンダ・ブランカ」の「ソパ・デ・カラコル」というキャッチーな歌が、米国のビルボードでラテンソングのトップとなり、国際的にもラテンアメリカ中でも有名になりました。
起源
このスープは、ホンジュラスの北海岸(カリブ海)で生まれたとされ、何百年も前から作られている料理のレシピが基になっているとされています。 そして、この料理はガリフナ族に由来すると言われている。
ガリフナ族は、イギリスの植民支配と自由のために激しく戦ったセントビンセント諸島の人々の子孫です。 イギリス軍がついに彼らを打ち負かしたとき、彼らを奴隷にするには手に負えないと判断し、現在のホンジュラス領である孤島、ロアタン島で死ぬために送られました。 彼らの言語、ダンス、及び音楽を含むガリフナ文化は、2001年にユネスコ世界無形文化遺産の認定されました。
ホンジュラスのカリブ海沿岸に住むガリフナ族は、トマト、プランテン(調理バナナ)、ユカ(キャッサバ)とココナツの香りのするスープに刻んだコンク貝を入れてソパ・デ・カラコルを作る。
この料理名、カラコル(Caracol:カタツムリ)の由来となった最も重要な食材は、ソデボラ科のコンク貝(Lobatus gigas)である。 このコンク貝の殻はスポーツを歓声する管楽器にも使われます。
栄養
貝類の滋養・効能は現在、世界で広く知られていますが、ホンジュラスでもコンク貝は栄養価が高いことで知られています。 コンク貝を使ったスープ「ソパ・デ・カラコル」は、その栄養価の高さから完全食とされています。
材料
- 油
- コンク貝
- トマト
- 玉ねぎ
- にんじん
- 青ピーマン
- ユカ(キャッサバ)
- プランテン(またはバナナ)
- ココナッツミルク
- コリアンダー
- 水
- 塩
- コショウ
作り方
- 大きめの鍋に油を入れ、中火で熱する。
- 玉ねぎ(みじん切り)とピーマン(みじん切り)を加え、玉ねぎがしんなりとして半透明になるまで5~7分ほど炒める。
- トマトを加え、さらに3~4分炒める。
- 水、ユカ(大き目の一口大)、プランテン(大き目の一口大)、ニンジン(みじん切り)を加え、沸騰させる。
- 弱火にして、20~25分、または野菜に火が通るまで煮る。
- コンク貝(大き目のさいの目切り)、ココナッツミルク、コリアンダー(みじん切り)、塩、コショウを入れて、さらに5分ほど煮込む。煮込みすぎるとコンク貝が硬くなるので注意。
- 大きなお椀に盛り付けて、トルティーヤや白米、カットしたライム(またはレモン)、ホットペッパーソース(タバスコ類)を共に提供する。
応用
ソパ・デ・カラコルに使われるコンク貝は、生でも食べれる新鮮なものですが、コンク貝の缶詰はカリブ海や中米の市場で一般的に売られています。 新鮮な大型の貝は、日本の沖縄では獲れますが、本州の場合は手に入りにくいため、ミル貝や巻貝で代用することもできます。 日本人にとって巻貝の肝は珍味ですが、このスープにはスパイス類があまり使われていないため、肝は外した方がスープに雑味がでません。 手ごろなものでは、アサリのみじん切りでも近い雰囲気がでます。
本来、スープのベースは水でかまいませんが、日本では大型の巻貝やその代わりに旨味の多いアワビの身を大胆にカットして、贅沢に投入するようなことは、あまり現実的ではありません。 各家庭で行っているアレンジ手法として、ベースに魚介類のブイヨンやチキンスープを使うことで旨味を補うことも出来ます。 本来、陸生の動物性食材は使われていないので、魚介類のブイヨンの方が相性がよいと思われる。 魚介類のブイヨンは、あさりの水煮缶の汁でも十分に代用できます。
ユカの代わりに、里芋やねっとりしたメークインも使えます。
コンク貝の代わりに、白身魚、カニ、エビを使うことで、ソパ・マリネーラ(Sopa Marinera)になる。
類似料理
魚、カニ、エビなどのシーフードを使ったものは、ソパ・マリネーラ(Sopa Marinera)として知られています。
近隣諸国
コンク貝を使った「ソパ・デ・カラコル」のような料理は、スープ・ド・ランビ(フランス語圏:Soupe de Lambi)、コンクチャウダー(英語圏:Conch Chowder)とも呼ばれ、カリブ海のさまざまな島でも食べられています。 コンクチャウダーは、フロリダキーズ(アメリカ合衆国フロリダ州最南端の列島)の名物料理にもなっている。
バハマでは、生のコンク貝を使ったバハミアン・コンク・サラダがある。