ロベイラ
ロベイラ（Lobeira: Wolf Apple/学名：Solanum lycocarpum）は、ブラジルのサバンナ、セラードのエコリージョンでよく見られるナス属の植物です。この植物は英語で「オオカミのリンゴ」、ポルトガル語で「オオカミの植物」（Lobeira）または「オオカミの果実」（Fruta do lobo）と呼ばれている。
また、学名の「lycocarpum」は、ギリシャ語で「狼」を意味する「lyco-」と「果実」を意味する「carpum」がラテン語化したものである。
概要
ソラナム・リコカルプム（Solanum lycocarpum）は、高さが1.2～3メートルになる花を咲かせる低木です。葉は大きく、深い切れ込みがあり、灰白色の柔らかい毛で覆われている。
晩秋から早春にかけて、星形の青や紫の花を咲かせ、近縁のビタースイート（S. dulcamara）に似ている。果実の直径は13cmにもなる。熟すと、黄色に赤みを帯びた色になります。形も中身もトマト（S. lycopersicum）に似ています。果肉の質感と色は茄子に似ており、幅広でビロードのような皮をしています。
生育環境
ブラジルのサバンナが原産地であるが、ブラジル各地の牧草地や高速道路の縁石などの荒れた土地にも生育する。 主に、湿った粘土質の土壌、日当たりの良い場所、穏やかな温度を好みます。
タテガミオオカミとウルフアップル
トマトに似た果実であるオオカミリンゴ（Solanum lycocarpum）は、タテガミオオカミの最も一般的な食料です。一部の例外を除いて、これらの果物は鬣狼の食事の40～90％を占めています。ウルフアップルはタテガミオオカミが積極的に探し求めており、雨季にしか豊富に食べることができない他の果物とは異なり、一年中食べられている。 一度に数個の果物を食べ、無傷の種子を排泄によって散布することができるため、ウルフアップルという植物の優れた散布者となっている。
他の動物
牛は葉も食べるほか、果実は乾季に牛の予備の食料となります。また、シロスジコウモリ（Platyrrhinus lineatus）の重要な食料源にもなっています。
用途
熟した果実は人間も食べることができ、地元の人々はジャムや保存食にして食べていますが、未熟な果実にはかなりのタンニンが含まれています。 熟した果実の果肉は、生で食べたりジャムにしたりすることができますが、この段階では皮も果肉も黄色くなっています。パスタやマーマレードのマルメロの代用としても使われており、純粋に使用すると味や栄養面でも優れていると言われています。
熟成開始時には、果実全体の水分（重量）が85％、デンプンが5％、その他の残留物が10％含まれています。 皮と種を除いた乾燥した果肉からは、キャッサバよりも多い50％以上のデンプンが得られます。
熟した果実の果肉には、約75%の水分、11%の炭水化物、1%の脂肪、1%のタンパク質、1%の灰分、2.5%の水溶性食物繊維、2%の不溶性食物繊維が含まれている。熟した果実の主な揮発成分は、ヘキサナール（草の香り）とブタン酸エチル（リンゴの香り）であるが、他にも数十種類の化合物が果実の香りに貢献している。
薬効
現在、ロベイラの実の薬効は証明されていませんが、鎮静作用があり、糖尿病、てんかん、鎮痙、抗炎症、肝炎に効果があるとされています。 また、地元の民間療法では、肥満やコレステロールの低下、糖尿病の治療薬としてカプセルとして商品化されている。ほぼ熟した果実から抽出されたデンプンの約30％は消化されにくい性質を持っており、これがこれらの人気のある利用法の根拠となっているようです。 高繊維質のSolanum lycocarpumの小麦粉は、糖尿病ラットの糖尿病症状を軽減することがわかりましたが、デンプンにはそのような効果は見られませんでした。
果実には乾燥果実で約1.5%のグリコアルカロイドが含まれ，主にsolamargineとsolasonineがあり、主に果皮と種子に含まれます。 抽出物は，試験管内でヒトの寄生虫であるSchistosoma mansoni，Giardia lamblia，Leishmania amazonensis，Leishmania infantumを殺傷することが示されている。 熟した果実のエタノール抽出物に含まれる主なフェノール化合物は、カフェ酸とクロロゲン酸である。
果実はタテガミオオカミにとって致命的である巨大な腎臓虫の感染から守ると考えられています。 また、Solanum lycocarpumの果実の抽出物は、蚊（Culex mosquito）の幼虫を殺すことが示されている。