「西洋料理通」の版間の差分
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'''西洋料理通'''(せいようりょうりつう)は、1872年(明治5年)に刊行された料理本である。 | '''西洋料理通'''(せいようりょうりつう)は、1872年(明治5年)に刊行された料理本である。 | ||
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横浜に居留していたイギリス人が日本の傭人(雑事を担当する者)に料理を命ずる際の手控え帳を[[仮名垣 魯文]](かながき ろぶん)が手に入れ編纂し、挿絵は幕末から明治にかけて活躍した天才絵師、[[河鍋 暁斎]](かわなべ きょうさい)が手掛けた。 | 横浜に居留していたイギリス人が日本の傭人(雑事を担当する者)に料理を命ずる際の手控え帳を[[仮名垣 魯文]](かながき ろぶん)が手に入れ編纂し、挿絵は幕末から明治にかけて活躍した天才絵師、[[河鍋 暁斎]](かわなべ きょうさい)が手掛けた。 | ||
この挿絵より、とても見ごたえのある芸術的な側面をもつ作風となっている。 | この挿絵より、とても見ごたえのある芸術的な側面をもつ作風となっている。 |
2022年5月4日 (水) 23:46時点における最新版
西洋料理通(せいようりょうりつう)は、1872年(明治5年)に刊行された料理本である。
概説
横浜に居留していたイギリス人が日本の傭人(雑事を担当する者)に料理を命ずる際の手控え帳を仮名垣 魯文(かながき ろぶん)が手に入れ編纂し、挿絵は幕末から明治にかけて活躍した天才絵師、河鍋 暁斎(かわなべ きょうさい)が手掛けた。 この挿絵より、とても見ごたえのある芸術的な側面をもつ作風となっている。
西洋料理通
第一章 「スツプ」之部 吸物の義なり
英国料理の製方
- 第一等汁種 色黒し
- 第二等汁種 色同じ
- 第三等汁種 色白し
- 第四等汁 「ペトキドスープ」焼汁の義なり
- 第五等汁 「キウコンプルスープ」胡瓜汁の義なり
- 第六等汁 「シユリヱンスープ」と云フランス語なり
- 第七章 「マカロニースーフ」素麺汁
- 第八等 「グリインピー」スープ英頭豆汁の義
- 第九等 「シブツト」スープ肝汁の義なり
- 第十等 「モツトン」スープ綿羊汁の義
- 第十一等 ライスープ米汁の義
- 第十二等 「スヒニーチスープ」菠蔆草汁の義
- 第十三等 「トルニツク」スープ蕪菁汁の義
- 第十四等 「カルレツト」スープ人参汁の義
- 第十五等 「ウイヂテーブル」マルロー」スープ白瓜汁の義
- 第十六等 「モツク」トルノ・スープ□汁の義
- 第十七等 スヽスープ魚汁の義
- 第十八等 「クレーフヒス」ロチンスープ鰕汁の義
- 第十九等 イールスープうなぎ汁の義
- 第二十等 ヲイストルスープ牡蠣汁の義
第二章 魚之部
- 第二十一等 「ホイルドコツドフヒス」 大魚料理の義
- 第二十二等 「ペーキドユツトスープ」 焼鱈の義
- 第二十三等 「ステーウト。イール」 蒸うなきの義
- 第二十四等 ホイドル。ノラウントルス 煮たる牛舌魚の義
- 第二十五等 フライドフラウントルス 揚さる牛舌魚の義
- 第二十六等 バークドマーケラル 焙鯖の義
- 第二十七等 ホイルドパイキ 煮□魚の義
- 第二十八等 フライトフレーシ 揚たる牛舌魚の義
- 第二十九等 ボイルトサルモン 煮生鮭の義
- 第三十等 サルモン。ユツトレツヽ 鮭の斬肉煮方と云こと
- 第三十一等 ボイルトソールス 煮牛舌魚の義
- 第三十二等 フライトソールス 焙牛舌魚の義
- 第三十三等 ホイルドトルホツト 煮黄貂魚の義
- 第三十四等 ケルリートフヒシユ 粉なて煮る魚の義
第三章 露汁之部
- 第三十五等 アツプルソース 林檎露の義
- 第三十六等 フラウントと云色に製す林檎の露物同露の義
- 第三十七等 フロウンクレビー 鳶色肉汁の義
- 第三十八等 クレビーフヲル。ローズト。ミート 置たる肉に用ゆる露物の義
- 第三十九等 グレビークツル 獣の肉の露物
- 第四十等 ブレートソースパンの露物義
- 第四十一等 ボートルソウス 牛油露の義
- 第四十二等 ソースフヲルボイドモツトン 煮たる綿羊における露の義
- 第四十三等 キウコンフルソース 胡瓜汁の義
- 第四十四等 ソースフヲルフーシ 魚に用ゆる露の義
- 第四十五等 リモレソースヲルボイルトフアルス 煮たる鳥に用ゆる露の法
- 第四十六等 シントーソース 薄荷の露
- 第四十七等 ヲニヲンソース 葱露の義
- 第四十八等 ホワイトソース 白色の露の義
第四章 煮焼之部
- 第四十九等 コールトミートクウノリー。冷残の牛肉類綿羊の肉等残料理の義を云
- 第五十等 ヘーケツトビーフ 炙牛の義 但焼方法あり此部は釜にて炙焼とす
- 第五十一等 ボーキツトミンストモツトン 綿羊焼肉となりきりの義
- 第五十二等 ロツトンツコールドモツトン 綿羊の冷肉を斬の義
- 第五十三等 コリードビーフ及モツトン 粉を肉類にふりかける義
- 第五十四等 ミートパイ肉菓子の義
- 第五十五等 モツトンコルツプス 綿羊斬肉の義
- 第五十六等 モツトンパイ 綿羊菓子
- 第五十七等
- 第五十八等 マイロンヒーフ 料理の名フランス語
- 第五十九 ステートヒーフ 蒸牛と牡蠣の義
- 第六十等 ヘリヲモツトン 羊の肉を製す義 但料理の名フランス語なり
- 第六十一等 ホールクコツトレツヽ 豚のきり肉の義
- 第六十二等 カリド。ウイル。ヲル。フアウル」カリーの粉にて肉或は鳥を料理するを云
- 第六十三等 シンスドウイール 牛の刻ミ肉料理の義
- 第六十四等 ハレユツトドツク 細斬の家鴨の義
- 第六十五等 ステート。トツク。ヲル。ヒース 葱家鴨及び豆の義
- 第六十六等 フライト。フワウルス 揚たる鳥の義
- 第六十七等 「ミーストフアウル」 細切るしたる料理鳥の義
- 第六十八等 「ハンユトグレス」 細斬りの鴈鳥
- 第六十九等 「ハンユトトルキー」 きさみたる七面鳥の義
- 第七十等 冷残の七面鳥鴈鶏家鴨鳩兎
西洋料理通(後編)
第五章
- 第七十一等
- 第七十二等
- 第七十三等
- 第七十四等
- 第七十五等
- 第七十六等(フホルス。ミート。フホルボイルト。トルキー。アンド。フアウル。七面鳥及鶏を料理するに用る品々と云事)
- 第七十七等(フライド。フレツヽト。クロウムス 麦麺包散散肉を揚るを云)
- 第七十八等(フライド。スヘツヘツヽ。ヲフブレートフホルカルニシンク。メーニージデーセンヲ 角切にあけ皿の環り置ん為なり)
第六章
- 第七十九等(ウヱリヲスコウクリース 種々組合料理の義)
- 第八十等(カウスハルト 牛の心臓)
- 第八十一等(牛肉を焼たる鍋の冷残の脂汁)
- 第八十二等(スチユート カウテールス 蒸牛尾)
- 第八十三等(ヒーフトングハムペクル 牛肉牛舌并 豚の股の塩漬)
- 第八十四等(マツトンブレスト 綿羊の胸)
- 第八十五等(アイリスマツトレスチュード 蒸綿羊)
- 第八十六等(シープスハヱツド 羊首)
- 第八十七等(ペキスリバ 子豚ノ肋)
- 第八十八等(サシヂミートケーキ ミシヂノ肉ヲ丸メタル物)
- 第八十九等(スチユードポークマツトンビーフウイール 豚綿羊牛肉并に小牛肉の蒸物)
第七章
- 第九十等(ウヱヂテブルス 野菜物の類)
- 第九十一等(セームビーンススチュード 同蒸豆)
- 第九十二等(スチュート キアラッツ 蒸人参)
- 第九十三等(フライキウカンパ 楊胡瓜)
- 第九十四等(スチュート キウカノパヱンデヲニヤアン 胡瓜并ニ葱の蒸物)
- 第九十五等(ベーキ モシルーム 焼椎茸)
- 第九十六等(スチュードグリーンピース 蒸白豌豆)
- 第九十七等(ボイルド ハテトス 烹薯)
- 第九十八等(ゴールド ハテトス 冷残の薯)
- 第九十九等(スヘネーヂ 菠薐草)
- 第百等(スチユードトマース 蒸赤茄子)
- 第百一等(タルニップス 蕪)
- 第百二等(フライド ウエヂテブルマロンス 楊白瓜)
第八章
- 第百三等(バッフヘステ ベーキ 焼菓子の義)
- 第百四等(パッフペステボイル 烹菓子の義)
- 第百五等(アップル パイ 林檎製の焼菓子)
- 第百六等(ポツデング 干柿)
- 第百七等(生姜 ホッデング)
- 第百八等(蜜柑 ホッデング)
- 第百九等(キアラツヲアルバテトスポッデング 人参或は薯)
- 第百十等(ヲイス ボッテング 氷)
挿絵(河鍋 暁斎)
参考文献
- 『西洋料理通』前編:1872年(明治5年)
- 『西洋料理通』後編 (附録):1872年(明治5年)