「ボルガライス」の版間の差分

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'''ポルトガルライス'''(Portugal Rice)
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'''ポルトガルライス'''(Portugal Rice)は、福井県越前市(旧武生市域)で販売されているご当地グルメである。
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福井県武生市(現:越前市武生地区)で、1980年以前に登場したメニューで、オムライスの上にカツをのせソースをかけた洋食である。
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オムライスの中身がチャーハンだったりピラフだったり、かけられるソースもドミグラスソース、トマトソース、中華風あんかけ、カツもトンカツではなくメンチカツだったりと提供する店ごとに特色がある。
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越前市産の食材を3種類以上使ったボルガライスはプレミアムボルガライスと呼ばれる。
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上記のオムレツにカツをのせソースをかけるスタイル以外にも、ドリア風ボルガライス、うどんの上にふわふわの卵とカツを乗せる「鍋ボルガ」、ホットドッグや押し寿司の形状のボルガライスも販売されている。
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越前市内にはボルガライスを提供する店は、2010年には5店舗で地元でも2割程度しか知っている人がいない料理だったが、日本ボルガラー協会(後述)の活動が功を奏して2017年には20店舗と増加している。
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2012年頃には学校給食として提供されたこともある。
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== 名前の由来・発祥 ==
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ボルガライスは、武生市内の洋食店、うどん店などでは定番メニューとして1980年以前からあり、地元の人たちにとっては当たり前の食べ物であった。
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名前の由来や発祥店などについてはっきりとした事はわかっていない[9]。ロシア西部のボルガ川流域の町でこの料理によく似た物を見たという情報から『ボルガライス』と名付けたという説がある[9][6]。他にはイタリアの地名に由来するとする説もある。
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発祥の店舗は『カフェド伊万里』、『ジャムハウス』、『江戸屋』が有力視されているが決め手は存在していない。
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== 日本ボルガラー協会 ==
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2009年12月、日本経済新聞に「もったいない福井人気質」と題する記事が掲載された。
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記事は福井県人の宣伝下手について書かれており、その代表例としてボルガライスが取り上げられていた。
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この記事に発奮し、2010年には市職員ら3人で「日本ボルガラー協会」を結成、ボルガライスの普及活動を自主的に行うことになる。
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ボルガライスを学校給食にすることを最初の目標に、宣伝動画を作成しYouTubeで公開する、提供する店舗(2010年当時5店舗)に許可を得て、紹介するWebサイトを公開するといった活動を行った。
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越前市出身の漫画家池上遼一の妹が越前市でボルガライスを提供する店を経営していたことから、ポスターの原画を依頼した。
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しかし、ポスターの印刷費用が3人の個人資金からは捻出できず、家族、親戚、友人、知人から1口1000円の協力金を集め、約70人の出資によって、2010年9月には池上が描いたイメージキャラクターと「武生に来たらボルガライス」のキャッチコピーの文字を配したポスターが完成する。
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この印象的なポスターは越前市内のいたるところ、美容室、酒屋、寺、神社にも貼られることになった。
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評判を呼んだポスターが元となり、地元新聞やテレビからの取材が協会に殺到し、ボルガライスは全国的な知名度を得て行くことになる。
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また、活動の一環として、上述のオタフクソースのボルガライスソース、山崎製パンのランチパックは、協会の公認商品となっている。
  
 
== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==

2022年1月29日 (土) 23:52時点における版

ポルトガルライス(Portugal Rice)は、福井県越前市(旧武生市域)で販売されているご当地グルメである。

福井県武生市(現:越前市武生地区)で、1980年以前に登場したメニューで、オムライスの上にカツをのせソースをかけた洋食である。 オムライスの中身がチャーハンだったりピラフだったり、かけられるソースもドミグラスソース、トマトソース、中華風あんかけ、カツもトンカツではなくメンチカツだったりと提供する店ごとに特色がある。 越前市産の食材を3種類以上使ったボルガライスはプレミアムボルガライスと呼ばれる。

上記のオムレツにカツをのせソースをかけるスタイル以外にも、ドリア風ボルガライス、うどんの上にふわふわの卵とカツを乗せる「鍋ボルガ」、ホットドッグや押し寿司の形状のボルガライスも販売されている。

越前市内にはボルガライスを提供する店は、2010年には5店舗で地元でも2割程度しか知っている人がいない料理だったが、日本ボルガラー協会(後述)の活動が功を奏して2017年には20店舗と増加している。

2012年頃には学校給食として提供されたこともある。

名前の由来・発祥

ボルガライスは、武生市内の洋食店、うどん店などでは定番メニューとして1980年以前からあり、地元の人たちにとっては当たり前の食べ物であった。

名前の由来や発祥店などについてはっきりとした事はわかっていない[9]。ロシア西部のボルガ川流域の町でこの料理によく似た物を見たという情報から『ボルガライス』と名付けたという説がある[9][6]。他にはイタリアの地名に由来するとする説もある。

発祥の店舗は『カフェド伊万里』、『ジャムハウス』、『江戸屋』が有力視されているが決め手は存在していない。

日本ボルガラー協会

2009年12月、日本経済新聞に「もったいない福井人気質」と題する記事が掲載された。 記事は福井県人の宣伝下手について書かれており、その代表例としてボルガライスが取り上げられていた。 この記事に発奮し、2010年には市職員ら3人で「日本ボルガラー協会」を結成、ボルガライスの普及活動を自主的に行うことになる。

ボルガライスを学校給食にすることを最初の目標に、宣伝動画を作成しYouTubeで公開する、提供する店舗(2010年当時5店舗)に許可を得て、紹介するWebサイトを公開するといった活動を行った。 越前市出身の漫画家池上遼一の妹が越前市でボルガライスを提供する店を経営していたことから、ポスターの原画を依頼した。 しかし、ポスターの印刷費用が3人の個人資金からは捻出できず、家族、親戚、友人、知人から1口1000円の協力金を集め、約70人の出資によって、2010年9月には池上が描いたイメージキャラクターと「武生に来たらボルガライス」のキャッチコピーの文字を配したポスターが完成する。 この印象的なポスターは越前市内のいたるところ、美容室、酒屋、寺、神社にも貼られることになった。 評判を呼んだポスターが元となり、地元新聞やテレビからの取材が協会に殺到し、ボルガライスは全国的な知名度を得て行くことになる。

また、活動の一環として、上述のオタフクソースのボルガライスソース、山崎製パンのランチパックは、協会の公認商品となっている。

関連項目