「薑汁番茄」の版間の差分
(→醬油膏) |
(→醬油膏) |
||
41行目: | 41行目: | ||
紹興酒を用いない場合でも、それらしい香りが出るからです。 | 紹興酒を用いない場合でも、それらしい香りが出るからです。 | ||
+ | ==== 材料 ==== | ||
*醤油(古い醤油を再利用) | *醤油(古い醤油を再利用) | ||
*砂糖(好みの砂糖) | *砂糖(好みの砂糖) |
2021年11月2日 (火) 17:49時点における版
薑汁番茄(ジャンズーファンチェ:生姜トマト)は、台南、高雄、屏東などで生まれた台南最古の小吃(シャオチー)で、アイスフルーツショップやフルーツスタンド、夜市の屋台で売られている名物の「台湾流冷やしトマト」です。
特徴
台湾流の冷やしトマトは、カキ氷を含むアイスや果物と並び、夏には涼味として人気が高く、台南の風物詩になっている。 食べ方は北部と南部で違い、北部では梅粉(プラムパウダー)をかけて食べ、南部では特製の生姜ダレで食べられます。 使われるトマトは、1624年にオランダ人が台南に植えた黑柿番茄という古い品種で、完熟していない緑がかったトマトが使われる。 薑汁番茄は、香りが高く歯ごたえのある未完熟トマトと酸味、塩味、甘味、生姜の風味を楽しめる一品です。
材料
- 黑柿番茄:2個
- おろし生姜:大さじ1
- 醬油膏(台湾とろみ醤油):大さじ2
- 甘草パウダー:小さじ1/2
- 白砂糖:小さじ1
※梅粉(プラムパウダー)は、フルーツにかけられたり、個人がポテトチップスなどのスナック菓子に味変で使ったりする台湾で一般的な調味料であるため、薑汁番茄に加えられることもある。
作り方
トマト
使われるトマトである黑柿番茄は、台湾のエアルームトマトの一種です。 それをさらに未過熟で使うことがポイントになっています。 エアルームトマトは、交雑をしていないため、古来のトマトの風味や食感が特徴です。 この場合、未完熟のトマトを採取するか、青トマトを少し放置することで近づけることが出来ます。
醬油膏
特製ダレの主成分である台湾の醬油膏は日本の醤油やたまり醤油、甘い九州の醤油とも違う、甘さと粘度の高いとろみがあります。 この醬油膏は台湾で日本人が醤油限定として使うようなものではなく、一種の醤油系ソースです。 例えば、台湾黒酢といわれる烏酢は、ライトなウースターソースであって、黒酢ではありません。
醬油膏は、台湾の寿司屋台では、煮切り醤油のように寿司に使われることもありますが、日本と全くの別ものです。 しかし、中華系の炒め物や餡や下味などには、日本の醤油では出せない味を発揮する調味料です。
台湾の醬油膏が無い場合は、まずこれを日本の醤油で作り再現します。 この場合、新鮮な醤油でも可能ですが、家庭で古くなった醤油を是非、再利用することがお勧めです。 日本酒と紹興酒の色と香りに大きな違いがあるように、古くなった醤油で構いません。 醤油は見た目は黒いですが、見えないところで更にメイラード反応が進んでいることに起因します。 古い醤油は、刺身など料理によっては嫌悪感を示すこともありますが、料理次第では一体感と香りを生み出します。 これは、薑汁番茄だけでなく、青椒肉絲などや肉まんなどの醤油味の餡や下味に使えます。 紹興酒を用いない場合でも、それらしい香りが出るからです。
材料
- 醤油(古い醤油を再利用)
- 砂糖(好みの砂糖)
- コンスターチ
※ここに加える砂糖の種類は、趣旨によって選んでください。
- 白砂糖の甘味はストレートに来ますが、古い醤油はそれをある程度、慣らしてまとめる力があります。
- キビ砂糖は多少複雑感があり、ある程度の重さがあります。
- 黒砂糖は甘味に重さと厚さが生まれます。
味見をしながら作れば、問題ないはずです。
砂糖
サトウキビの栽培は、日本が砂糖を知らなかった時代に台湾から日本南国に伝わったという話があります。 しかし、日本はそれ以上、北上して栽培しようとしてもできなかった。 薑汁番茄が生まれた当時、砂糖の精製技術が整っていたのであれば、白砂糖が使われたはずですが、黒砂糖やキビ砂糖であることも考えられ、定かではありません。 それを考慮すると、黒砂糖やキビ砂糖を使用することも一興です。 なぜなら、台湾の醬油膏は、黒砂糖やキビ砂糖を加えても一体感をもつものです。 また、ストレートに甘味がくる白砂糖より自然に合う可能性が高い。 現在の九州の甘口醤油の多くは、ステビアや人工甘味料で甘味を出して製造されていますが、当初はどうであったかという点を推測しても、黒砂糖やキビ砂糖が使われていても決して不自然ではありません。
特製ダレ
- おろし生姜、
- 未過熟なトマトに、特製ダレをかけたり、小皿に盛ってディップして召し上がってください。