「アイスランドの獣鳥類」の版間の差分

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|<br><small>(Sauðfé)</small><br><br><small>(Íslenska sauðkindin)</small>
 
|<br><small>(Sauðfé)</small><br><br><small>(Íslenska sauðkindin)</small>
 
|<small>アイスランディック・シープ</small><br><small>(''Ovis aries'')</small>
 
|<small>アイスランディック・シープ</small><br><small>(''Ovis aries'')</small>
|<small>ウシ科ヒツジ属。アイスランドは人口より羊の数がはるかに多い。入植時代に移入された古い血統である。アイスランド料理の代表的な食材で余すことなく利用される。ソーセージも主に羊肉である。</small>
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|<small>ウシ科ヒツジ属。アイスランドは人口より羊の方がはるかに多い。入植時代に移入された古い血統である。アイスランド料理の代表的な食材で余すことなく利用される。ソーセージも主に羊肉である。</small>
 
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|[[File:Capra hircus -(Domestic Goat)Icelandic Goat.png|155px]]
 
|[[File:Capra hircus -(Domestic Goat)Icelandic Goat.png|155px]]
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|<br><small>(Hestur)</small><br><br><small>(Íslenski hesturinn)</small>
 
|<br><small>(Hestur)</small><br><br><small>(Íslenski hesturinn)</small>
 
|<small>アイスランディック・ホース</small><br><small>(''Equus caballus'')</small>
 
|<small>アイスランディック・ホース</small><br><small>(''Equus caballus'')</small>
|<small>ウマ科ウマ属。ステーキ、塩漬けが定番。他にはソーセジに使われる。伝統的な食材だが日常的ではない。</small>
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|<small>ウマ科ウマ属。馬肉は塩漬けが伝統的である。他にはソーセジに使われる。伝統的な食材だが日常的ではない。</small>
 
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== 家禽類 ==
 
== 家禽類 ==
 
=== キジ目 ===
 
=== キジ目 ===
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==== ヤケイ属 ====
 
{| class="wikitable" border="1" style="text-align: center; color:
 
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|[[File:Gallus gallus domesticus -(Domestic Chicken)Icelandic Chicken.png|155px]]
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|[[File:Gallus gallus domesticus -(Icelandic Chicken)Nytjahænsni.png|155px]]
|<br><small>(Nytjahænsni)</small><br><br><small>(Landnámshænsn)</small>
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|ニイチャハイナスニ<br><small>(Nytjahænsni)</small><br><br><small>(Landnámshænsn)</small>
 
|<small>アイスランディック・チキン</small><br><small>(''Gallus gallus domesticus'')</small>
 
|<small>アイスランディック・チキン</small><br><small>(''Gallus gallus domesticus'')</small>
 
|<small>キジ科ヤケイ属。ニワトリの学名は基本的に同じだが、DNAの分析で古い血統であることが証明されている。</small>
 
|<small>キジ科ヤケイ属。ニワトリの学名は基本的に同じだが、DNAの分析で古い血統であることが証明されている。</small>
 
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|[[File:Gallus gallus domesticus -(Italian Chicken Breeds)Livorno.png|155px]]
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|ハイナスニ<br><small>(Hænsni)</small><br><br><small>(Hænsn)</small>
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|チキン<br><small>(''Gallus gallus domesticus'')</small>
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|<small>ニワトリ。アイスランドの養鶏ではイタリアの品種「リボルノ」が最も一般的。</small>
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<small>※鳥綱(ちょうこう)・キジ目。アイスランドにおける養鶏は古いものの、農場や家庭で行われていたもので商業的規模ではない。食肉として屠殺するより、持続的に栄養摂取が可能な鶏卵の採取が合理的であったと思われる。現に “ アイスランドの地鶏 ” としてレストランで供されることは少なく、観光客もそれを目的としない。近年、養鶏場を拡大している企業も同種のニワトリの鶏卵を全国的に通年で出荷することを目的としている。鶏卵は通年で入手しやすいが、海鳥の卵が陳列されるシーズンになると存在感は薄くなる。アイスランドの人々は朝食に目玉焼きを習慣的に食べるということはなく、肉はヒツジが筆頭となる。アイスランド料理の食材において、ニワトリは影が薄い存在である。</small>
 
<small>※鳥綱(ちょうこう)・キジ目。アイスランドにおける養鶏は古いものの、農場や家庭で行われていたもので商業的規模ではない。食肉として屠殺するより、持続的に栄養摂取が可能な鶏卵の採取が合理的であったと思われる。現に “ アイスランドの地鶏 ” としてレストランで供されることは少なく、観光客もそれを目的としない。近年、養鶏場を拡大している企業も同種のニワトリの鶏卵を全国的に通年で出荷することを目的としている。鶏卵は通年で入手しやすいが、海鳥の卵が陳列されるシーズンになると存在感は薄くなる。アイスランドの人々は朝食に目玉焼きを習慣的に食べるということはなく、肉はヒツジが筆頭となる。アイスランド料理の食材において、ニワトリは影が薄い存在である。</small>
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==== シチメンチョウ属 ====
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|[[File:Meleagris gallopavo domesticus -(American Turkey Breeds)Beltsville White.png|155px]]
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|カルクゥン<br><small>(Kalkúnn)</small>
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|シチメンチョウ<br><small>(''Meleagris gallopavo domesticus'')</small>
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|<small>1965年、アメリカの古い品種「ベルツビル・ホワイト」の卵をノルウェーから輸入した。1972年には同品種の多くの個体が英国から輸入された。</small>
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<small>※アイスランド南西部の自治体モスフェットルスバイルにあるレイキャブゥイズ農場(Reykjabúið)は、国内最古の養鶏場である。1947年から七面鳥の養殖を開始した国内唯一の七面鳥農場でもあり、年間約3.5万~4万羽の七面鳥が食肉として飼育されている。小売市場では年間を通して大量の需要があり、多くのレストランや食堂にも流通する。消費量が最も多くなるのは感謝祭から新年にかけてで、販売量はイースター前後にピークになる。アイスランドの伝統的なクリスマス料理の食材であるライチョウの捕獲量が少ない年には七面鳥の需要はさらに高まる。</small>
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==== ウズラ属 ====
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|[[File:Coturnix coturnix - Common Quail.png|155px]]
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|<br><small>(Kornhæna)</small>
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|<small>ヨーロッパウズラ</small><br><small>(''Coturnix coturnix'')</small>
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|<small>キジ科ウズラ属。</small>
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=== カモ目 ===
 
=== カモ目 ===
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|<br><small>(Aligæsir)</small>
 
|<br><small>(Aligæsir)</small>
 
|ヨーロッパガチョウ<br><small>(''Anser anser var. domesticus'')</small>
 
|ヨーロッパガチョウ<br><small>(''Anser anser var. domesticus'')</small>
|<small>カモ科マガン属。野生のハイイロガンを品種改良したもので、アジアの一般的なガチョウとは学名も異なる。</small>
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|<small>カモ科マガン属。野生のハイイロガンを品種改良したもので、アジアで一般的なサカツラガンを改良したシナガチョウ(''Anser cygnoides var.domesticus'')とは異なる。</small>
 
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|[[File:Anas platyrhynchos domesticus - Domestic Mallard.png|155px]]
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|[[File:Anas platyrhynchos domesticus -(Domestic Mallard)Pekin Duck.png|155px]]
 
|<br><small>(Önd)</small>
 
|<br><small>(Önd)</small>
 
|アヒル<br><small>(''Anas platyrhynchos domesticus'')</small>
 
|アヒル<br><small>(''Anas platyrhynchos domesticus'')</small>
|<small>カモ科マガモ属。</small>
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|<small>カモ科マガモ属。アイスランドの古いアヒルは中国のペキンアヒル(北京ダック)と同種。</small>
 
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|}
 
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<small>※鳥綱・カモ目。1609年に出版されたアイスランドの学者であるアルングリムル・ヨンソン(Arngrímur Jónsson lærði:1568年 - 1648年6月27日)の著書『クリモガイア』(Crymogæa)の中で彼は「16世紀末の少し前には、個々の農場にガチョウや自家用ガチョウがいたが、一般にアイスランド人は鶏以外の家禽を知らず、家禽は鶏だけだ」と述べている。
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<small>※鳥綱・カモ目。1609年に出版されたアイスランドの学者であるアルングリムル・ヨンソン(Arngrímur Jónsson lærði:1568年 - 1648年6月27日)の著書『クリモガイア』(Crymogæa)の中で彼は「16世紀末の少し前には、個々の農場に自家消費用のガチョウやアヒルはいたが、一般的にアイスランド人は鶏以外の家禽を知らず、家禽は鶏だけだ」と述べている。 また、アイスランドにおける養鶏の歴史によれば、1958年から1964年にかけてアヒル農場が運営され、国内のアヒルの数が大幅に増加したという。そして、これらのアヒルはデンマーク経由で移入した中国の「北京ダッグ」(北京鸭:ベイジンヤー)の卵から孵化したものであることがわかっている。 しかし、その当時、ガチョウやアヒルにせよ、農場があった事実や数が以前より増えたという事実だけで、卵や食肉として一般的に流通するほどの生産性はなかったと思われる。 2015年秋のスウェーデン食糧庁の報告書によるとアイスランド国内のアヒルの総数は794羽と少ない。 今日でも採卵だけを目的として飼育する農場や採卵と食肉の両方で飼育する農場はあるが、どちらも小規模で自家消費か農場の直売、またはローカルな食品売場などで地域密着型で販売している。 また、家庭では食肉目的ではなく、ペットとして親子で飼育しながら採卵を行う人々もいる。
アイスランドにおける養鶏の歴史によれば、1958年から1964年にかけて、アヒル農場が運営され、国内のアヒルの数が大幅に増加した。
 
これらのアヒルは、デンマーク経由で移入した中国の「北京ダッグ」(北京鸭:ベイジンヤー)の卵から孵化したものである。
 
その当時、ガチョウやアヒルにせよ、農場があった事実や鳥の数が以前より増えたという事実だけで、食肉や卵として一般的に流通するほどの生産性はない。
 
今日でも採卵だけを目的として飼育する農場や食肉と採卵の両方で飼育する農場はあるが、どちらも小規模で自家消費か地域密着型で販売している。
 
他では家庭で子供と一緒に世話をして飼育する人々もいるが、採卵が主である。
 
 
アイスランド国民は、グリム童話「みにくいあひるの子」を知っているため、アヒルの知名度は高いが、食材としては重要視されていない。
 
アイスランド国民は、グリム童話「みにくいあひるの子」を知っているため、アヒルの知名度は高いが、食材としては重要視されていない。
2015年秋のスウェーデン食糧庁の報告書によると、アイスランド国内のアヒルの数は794羽となっている。
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これらの家禽を使った料理は、主に農場が運営するコテージのディナーや地域のレストランで供されることが多い。
これらの家禽を使った料理は、農場が運営するコテージのディナーや併設された小さなレストランで供されることが多い。
 
 
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|[[File:Family Anatidae - Ducks, Geese, and Swans.png|155px]]
 
|[[File:Family Anatidae - Ducks, Geese, and Swans.png|155px]]
|<br><small>(Andaætt)</small>
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|アンダエスト<br><small>(Andaætt)</small>
 
|ガンカモ類<br><small>(''Family Anatidae'')</small>
 
|ガンカモ類<br><small>(''Family Anatidae'')</small>
|<small>カモ科。アイスランドに限らず、これらの種の狩猟には主に銃器が使用される。狩猟期間はレストランで供される。観光客は、ガン(Goose)、またはカモ(Duck)として紹介している。</small>
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|<small>カモ科。アイスランドに限らず、これらの種の狩猟には主に銃器が使用される。狩猟期間はレストランで供されることもあるが、あまり多くはない。</small>
 
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|[[File:Anser albifrons - Greater White Fronted Goose.png|155px]]
 
|[[File:Anser albifrons - Greater White Fronted Goose.png|155px]]
 
|<br><small>(Blesgæs)</small>
 
|<br><small>(Blesgæs)</small>
 
|マガン<br><small>(''Anser albifrons'')</small>
 
|マガン<br><small>(''Anser albifrons'')</small>
|<small>カモ科マガン属。狩猟期間は9月1日~3月31日。 “ ニルスのふしぎな旅 ” に登場するアッカ隊長はマガンの群れを率いる長である。</small>
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|<small>カモ科マガン属。狩猟期間は9月1日~3月31日。スウェーデンの児童文学でアニメ化された “ ニルスのふしぎな旅 ” に登場するアッカ隊長はマガンの群れを率いる長である。</small>
 
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|[[File:Anser brachyrhynchus - Pink Footed Goose.png|155px]]
 
|[[File:Anser brachyrhynchus - Pink Footed Goose.png|155px]]
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|<br><small>(Grágæs)</small>
 
|<br><small>(Grágæs)</small>
 
|ハイイロガン<br><small>(''Anser anser'')</small>
 
|ハイイロガン<br><small>(''Anser anser'')</small>
|<small>カモ科マガン属。狩猟期間は8月20日~3月15日。</small>
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|<small>カモ科マガン属。狩猟期間は8月20日~3月15日。コザクラバシガンより人気が高い。</small>
 
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|[[File:Branta leucopsis - Barnacle Goose.png|155px]]
 
|[[File:Branta leucopsis - Barnacle Goose.png|155px]]
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|<small>カモ科マガモ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
 
|<small>カモ科マガモ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
 
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|[[File:Aythya marila - Greater Scaup.png|155px]]
 
|[[File:Aythya marila - Greater Scaup.png|155px]]
 
|<br><small>(Duggönd)</small>
 
|<br><small>(Duggönd)</small>
 
|スズガモ<br><small>(''Aythya marila'')</small>
 
|スズガモ<br><small>(''Aythya marila'')</small>
|<small>カモ科ハジロ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。日本では “ 海ガモ ” の一つ。</small>
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|<small>カモ科ハジロ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。日本では “ 海ガモ ” の一種。</small>
 
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|[[File:Aythya fuligula - Tufted Duck.png|155px]]
 
|[[File:Aythya fuligula - Tufted Duck.png|155px]]
 
|<br><small>(Skúfönd)</small>
 
|<br><small>(Skúfönd)</small>
 
|キンクロハジロ<br><small>(''Aythya fuligula'')</small>
 
|キンクロハジロ<br><small>(''Aythya fuligula'')</small>
|<small>カモ科ハジロ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。日本では “ 海ガモ ” の一つ。</small>
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|<small>カモ科ハジロ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。日本では “ 海ガモ ” の一種。</small>
 
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|[[File:Mareca penelope - Eurasian Wigeon.png|155px]]
 
|[[File:Mareca penelope - Eurasian Wigeon.png|155px]]
 
|<br><small>(Rauðhöfðaönd)</small>
 
|<br><small>(Rauðhöfðaönd)</small>
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|ウミアイサ<br><small>(''Mergus serrator'')</small>
 
|ウミアイサ<br><small>(''Mergus serrator'')</small>
 
|<small>カモ科ウミアイサ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
 
|<small>カモ科ウミアイサ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
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|[[File:Somateria mollissima - Common Eider.png|155px]]
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|<br><small>(Æðarfugl)</small><br><br><small>(Æður)</small>
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|ホンケワタガモ<br><small>(''Somateria mollissima'')</small>
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|<small>カモ科ケワタガモ属。</small>
 
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<small>※アイスランドでは、ガンカモ類は狩猟期間中だからといって多くのレストランで供されることはなく、あくまで狩猟者や愛好家たちの間で食されている。
 
<small>※アイスランドでは、ガンカモ類は狩猟期間中だからといって多くのレストランで供されることはなく、あくまで狩猟者や愛好家たちの間で食されている。
 
英語のメニュー表記は、ガンはグース(Goose)、カモはダック(Duck)となるが、カモの場合は家禽のガチョウも含まれる場合もある。
 
英語のメニュー表記は、ガンはグース(Goose)、カモはダック(Duck)となるが、カモの場合は家禽のガチョウも含まれる場合もある。
フードコートやファーストフードなどに通年あるものは家禽である。
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フードコートやファーストフードなどに通年あるものは家禽の輸入肉がほとんどである。
 
大体は骨付きのローストであるため、骨を見れば野鳥であるかを判断できる。
 
大体は骨付きのローストであるため、骨を見れば野鳥であるかを判断できる。
 
家禽は歩行が主であるため骨が太く、野鳥は飛行するため骨はシャープである。
 
家禽は歩行が主であるため骨が太く、野鳥は飛行するため骨はシャープである。
また、日本では “ 海ガモ ” と総称される狩猟鳥のスズガモ(ハジロ属)、キンクロハジロ(ハジロ属)、ホシハジロ(ハジロ属)、クロガモ(クロガモ属)などは、ハンターに味が好まれないため、狩猟の標的とされない。その要因は魚が主な餌であるため、肉に魚の風味を持つことである。これは海ガモに限らず、海鳥類の特徴である。</small>
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また、日本で “ 海ガモ ” と総称される狩猟鳥のスズガモ(ハジロ属)、キンクロハジロ(ハジロ属)、ホシハジロ(ハジロ属)、クロガモ(クロガモ属)などは、ハンターに味が好まれないため、日本では狩猟の標的とされることは少ない。その要因は魚が主な餌であるため、肉に魚の風味を持つことである。これは海ガモに限らず、海鳥類の特徴である。</small>
  
 
=== チドリ目 ===
 
=== チドリ目 ===
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|<br><small>(Svartbakur)</small>
 
|<br><small>(Svartbakur)</small>
 
|オオカモメ<br><small>(''Larus marinus'')</small>
 
|オオカモメ<br><small>(''Larus marinus'')</small>
|<small>カモメ科カモメ属。通年で狩猟が許されている。</small>
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|<small>カモメ科カモメ属。※狩猟は通年で許されている。</small>
 
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|[[File:Larus fuscus - Lesser Black Backed Gull.png|155px]]
 
|[[File:Larus fuscus - Lesser Black Backed Gull.png|155px]]
 
|<br><small>(Sílamáfur)</small>
 
|<br><small>(Sílamáfur)</small>
 
|ニシセグロカモメ<br><small>(''Larus fuscus'')</small>
 
|ニシセグロカモメ<br><small>(''Larus fuscus'')</small>
|<small>カモメ科カモメ属。通年で狩猟が許されている。</small>
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|<small>カモメ科カモメ属。※狩猟は通年で許されている。</small>
 
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|[[File:Larus argentatus - Herring Gull.png|155px]]
 
|[[File:Larus argentatus - Herring Gull.png|155px]]
 
|<br><small>(Silfurmáfur)</small>
 
|<br><small>(Silfurmáfur)</small>
 
|セグロカモメ<br><small>(''Larus argentatus'')</small>
 
|セグロカモメ<br><small>(''Larus argentatus'')</small>
|<small>カモメ科カモメ属。通年で狩猟が許されている。</small>
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|<small>カモメ科カモメ属。※狩猟は通年で許されている。</small>
 
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|[[File:Larus hyperboreus - Glaucous Gull.png|155px]]
 
|[[File:Larus hyperboreus - Glaucous Gull.png|155px]]
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|[[File:Chroicocephalus ridibundus - Black Headed Gull.png|155px]]
 
|[[File:Chroicocephalus ridibundus - Black Headed Gull.png|155px]]
|<br><small>(Hettumáfur)</small>
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|<br><small>(Hettumáfur)</small><br><br><small>(Hettumávur)</small>
 
|ユリカモメ<br><small>(''Chroicocephalus ridibundus'')</small>
 
|ユリカモメ<br><small>(''Chroicocephalus ridibundus'')</small>
|<small>カモメ科ユリカモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
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|<small>カモメ科ユリカモメ属。※狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
 
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|[[File:Rissa tridactyla - Kittiwake.png|155px]]
 
|[[File:Rissa tridactyla - Kittiwake.png|155px]]
 
|<br><small>(Rita)</small>
 
|<br><small>(Rita)</small>
 
|ミツユビカモメ<br><small>(''Rissa tridactyla'')</small>
 
|ミツユビカモメ<br><small>(''Rissa tridactyla'')</small>
|<small>カモメ科ミツユビカモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
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|<small>カモメ科ミツユビカモメ属。※狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
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|[[File:Sterna paradisaea - Arctic Tern.png|155px]]
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|<br><small>(Kría)</small>
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|キョクアジサシ<br><small>(''Sterna paradisaea'')</small>
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|<small>カモメ科アジサシ属。※食肉としての狩猟は禁止。採卵は毎年6月15日以降は禁止。</small>
 
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|[[File:Stercorarius skua - Great Skua.png|155px]]
 
|[[File:Stercorarius skua - Great Skua.png|155px]]
 
|<br><small>(Skúmur)</small>
 
|<br><small>(Skúmur)</small>
 
|キタオオトウゾクカモメ<br><small>(''Stercorarius skua'')</small>
 
|キタオオトウゾクカモメ<br><small>(''Stercorarius skua'')</small>
|<small>トウゾクカモメ科トウゾクカモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
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|<small>トウゾクカモメ科トウゾクカモメ属。※狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
 
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|[[File:Stercorarius parasiticus - Arctic Skua.png|155px]]
 
|[[File:Stercorarius parasiticus - Arctic Skua.png|155px]]
 
|<br><small>(Kjói)</small>
 
|<br><small>(Kjói)</small>
 
|クロトウゾクカモメ<br><small>(''Stercorarius parasiticus'')</small>
 
|クロトウゾクカモメ<br><small>(''Stercorarius parasiticus'')</small>
|<small>トウゾクカモメ科トウゾクカモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
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|<small>トウゾクカモメ科トウゾクカモメ属。※狩猟期間は9月1日~3月31日。</small>
 
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|[[File:Lagopus muta - Rock Ptarmigan.png|155px]]
 
|[[File:Lagopus muta - Rock Ptarmigan.png|155px]]
|<br><small>(Rjúpa)</small>
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|[[リュウパ]]<br><small>(Rjúpa)</small>
 
|ライチョウ<br><small>(''Lagopus muta'')</small>
 
|ライチョウ<br><small>(''Lagopus muta'')</small>
|<small>キジ科ライチョウ属。狩猟期間は10月15日~12月22日。美味な鳥として広く知られる。</small>
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|<small>キジ科ライチョウ属。狩猟期間は10月15日~12月22日。美味な鳥として広く知られる。アイスランドでは伝統的なクリスマス料理の食材。</small>
 
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|[[File:Fratercula arctica - Atlantic Puffin.png|155px]]
 
|[[File:Fratercula arctica - Atlantic Puffin.png|155px]]
|<br><small>(Lundi)</small>
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|ルンティ<br><small>(Lundi)</small>
 
|ニシツノメドリ<br><small>(''Fratercula arctica'')</small>
 
|ニシツノメドリ<br><small>(''Fratercula arctica'')</small>
 
|<small>ウミスズメ科ツノメドリ属。狩猟期間は9月1日~5月10日。国のキャラクター的な鳥で、観光客の野鳥観察、海鳥料理の代表的格。古くから生食、塩漬け、燻製などで食されれてきた伝統食材。</small>
 
|<small>ウミスズメ科ツノメドリ属。狩猟期間は9月1日~5月10日。国のキャラクター的な鳥で、観光客の野鳥観察、海鳥料理の代表的格。古くから生食、塩漬け、燻製などで食されれてきた伝統食材。</small>
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<small>※アイスランドで生き抜くためのに培われてきた伝統的な「ニシツノメドリ狩り」を体験できる催しもある。 この場合は狩りの成果より、あくまで体験を目的とし、より安全な場所で行われ、子供たちも参加する。 断崖での狩猟は危険性(突風や空中の鳥を夢中に追って転落など)が高く、熟練のスキルを必要とする職人たちの仕事場である。また、海鳥類は、魚を餌とするため、肉は魚の風味を持つのが特徴である。そのため、肉や脂肪の成分が通常とは異なり、健康に良いとされている。アイスランドに訪れる人々にとって海鳥料理は一つの目玉であり、魚の味がすることに驚くものの、その珍しさを味わい、気嫌いされることは少ない。</small>
 
  
 
== 卵類 ==
 
== 卵類 ==
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|[[File:Icelandic Cuisine - Svartfuglsegg.png|155px]]
 
|[[File:Icelandic Cuisine - Svartfuglsegg.png|155px]]
|<br><small>(Svartfuglsegg)</small>
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|[[スヴァトフグルズエッグ]]<br><small>(Svartfuglsegg)</small>
 
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|<small>ウミガラスの卵。海鳥の卵の代表格で茹で卵は子供から年配者にまで愛されている。やや透明感のある白身は弾力があり、黄身は濃厚な味が特徴。観光客にも美味な一品として非常に評価が高い。</small>
 
|<small>ウミガラスの卵。海鳥の卵の代表格で茹で卵は子供から年配者にまで愛されている。やや透明感のある白身は弾力があり、黄身は濃厚な味が特徴。観光客にも美味な一品として非常に評価が高い。</small>
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|[[File:Icelandic Cuisine - Álkuegg.png|155px]]
 
|<br><small>(Álkuegg)</small>
 
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|<small>オオハシウミガラスの卵。</small>
 
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|[[File:Icelandic Cuisine - Rituegg.png|155px]]
 
|<br><small>(Rituegg)</small>
 
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|<small>ミツユビカモメの卵。</small>
 
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|[[File:Icelandic Cuisine - Hettumávsegg.png|155px]]
 
|<br><small>(Hettumávsegg)</small>
 
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|<small>ユリカモメの卵。</small>
 
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|[[File:Icelandic Cuisine - Sílamávsegg.png|155px]]
 
|<br><small>(Sílamávsegg)</small>
 
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|<small>ニシセグロカモメの卵。</small>
 
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|[[File:Icelandic Cuisine - Hvítmávsegg.png|155px]]
 
|<br><small>(Hvítmávsegg)</small>
 
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|<small>シロカモメの卵。</small>
 
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|[[File:Icelandic Cuisine - Fýlsegg.png|155px]]
 
|<br><small>(Fýlsegg)</small>
 
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|<small>フルマカモメの卵。</small>
 
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|[[File:Icelandic Cuisine - Gæsaegg.png|155px]]
 
|<br><small>(Gæsaegg)</small>
 
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|<small>ガンの卵。</small>
 
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|[[File:Icelandic Cuisine - Andaregg.png|155px]]
 
|<br><small>(Andaregg)</small>
 
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|<small>アヒルの卵。農場で飼育された家禽で野生ではない。農場の直売や付近で小規模に販売される。※参考記載。</small>
 
 
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<small>※アイスランドの狩猟における法律を厳守さえすれば、銃器を用いる狩猟に比べて、採卵に関しては緩やかで免許も必要としない。ただ、採取期間は決められている。海鳥の場合、そのほとんどが断崖絶壁にあるため、今日では素人が行うことはない。一般の人々にとって危険をともなわずに採取できるのは、草むらなどに産卵する野鳥類だが、これにはルールがあり、巣にある卵を全て取ってはならず、一つの巣に対して必ずある程度の数を残すという規則がある。</small>
 
  
 
== 海棲哺乳類 ==
 
== 海棲哺乳類 ==
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|ミンククジラ<br><small>(''Balaenoptera acutorostrata'')</small>
 
|ミンククジラ<br><small>(''Balaenoptera acutorostrata'')</small>
 
|<small>ナガスクジラ科ナガスクジラ属。アイスランドでは個体数に影響がないミンククジラが食用とされている。他種とは異なり、上質な肉で血生臭さや獣臭がない。訪れる観光客にも非常に評価が高い。</small>
 
|<small>ナガスクジラ科ナガスクジラ属。アイスランドでは個体数に影響がないミンククジラが食用とされている。他種とは異なり、上質な肉で血生臭さや獣臭がない。訪れる観光客にも非常に評価が高い。</small>
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|[[File:Phocoena phocoena - Common Porpoise.png|155px]]
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|<br><small>(Hnísa)</small>
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|ネズミイルカ<br><small>(''Phocoena phocoena'')</small>
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|<small>ネズミイルカ科ネズミイルカ属。小型のイルカでアイスランドでは伝統的な食材として一般的に販売されていた。混獲でなどで水揚げされたものがローカルマーケットで販売されることもある。</small>
 
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<small>※クジラ博物館</small>
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<small>※アイスランドのクジラ肉が高く評価されているのは、ナガスクジラ属の種であり、ステーキ、刺身においては上質な肉を使っている。
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日本でも美味とされる種だが、これほどの品質は鯨料理専門店でも食せるか食せないかである。
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日本は捕鯨国であるが “ クジラ ” という名称で総括されており、種の表記は曖昧で種に対する庶民の意識も薄く、今日では大半の人々は刺身用であっても黒ずんだ肉を思い浮かべ、戦後の人々は[[昭和の給食一覧|昭和の給食]]やクジラカツなどを懐かしい味として回想する。
 +
全ての種のクジラが美味であるかといえば、そうでもなく、これは安直にクジラが美味いか不味いかを左右、決定する要因にもなっている。</small>
  
 
=== 鰭脚類 ===
 
=== 鰭脚類 ===
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|<br><small>(Landselur)</small>
 
|<br><small>(Landselur)</small>
 
|ゼニガタアザラシ<br><small>(''Phoca vitulina'')</small>
 
|ゼニガタアザラシ<br><small>(''Phoca vitulina'')</small>
|<small>アザラシ科ゴマフアザラシ属。古くから狩猟の対象として、伝統的に利用されてきた。無論、肉は利用されるが、皮を含む脂肪とヒレは美食として珍重される。</small>
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|<small>アザラシ科ゴマフアザラシ属。古くから狩猟の対象として伝統的に利用されてきた。肉よりも皮を含む脂肪とヒレは美食として珍重される。</small>
 
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|[[File:Halichoerus grypus - Grey Seal.png|155px]]
 
|[[File:Halichoerus grypus - Grey Seal.png|155px]]
 
|<br><small>(Útselur)</small>
 
|<br><small>(Útselur)</small>
 
|ハイイロアザラシ<br><small>(''Halichoerus grypus'')</small>
 
|ハイイロアザラシ<br><small>(''Halichoerus grypus'')</small>
|<small>アザラシ科ハイイロアザラシ属。ゼニガタアザラシより、狩猟対象とされることは少ない。</small>
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|<small>アザラシ科ハイイロアザラシ属。ゼニガタアザラシより狩猟対象とされることは少ない。</small>
 
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<small>※アイスランドでは、アザラシの狩猟を禁止した。しかし、商業的な漁でなければ、個人でも申請さえすれば狩猟が可能となった。これによって乱獲を防ぎ、伝統的な食材として利用することは守られている。入植当時は重要な食糧源であったが、今日では(狩猟を禁止する以前から)アイスランドの伝統的な催しの食材でしか使われていない。</small>
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<small>※北アイスランド西部に位置するクヴァムスタンギには、アザラシ博物館(Selasetur Íslands)がある。アイスランドでは、アザラシの狩猟を禁止した。しかし、商業的な漁でなければ、個人でも申請さえすれば狩猟が可能となった。これによって乱獲を防ぎ、伝統的な食材として利用することは守られている。入植当時は重要な食糧源であったが、今日では(狩猟を禁止する以前から)アイスランドの伝統的な催しの食材でしか使われていない。日本の北海道に生息するアザラシやトドは狩猟対象であり、観光客向けにジンギスカン風など思いつく限りの調理で供する店もあるが、道民の一般的な食材ではない。観光客には土産品として、一風変わった缶詰(カレーや大和煮など)の方が人気がある。</small>
  
 
== 加工品 ==
 
== 加工品 ==
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!  style="width: 20%"|一般名
 
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|[[File:Icelandic Salted Meats - Saltað Hrossakjöt.png|155px]]
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|[[サルタズ・ホーサキョット]]<br><small>(Saltað Hrossakjöt)</small>
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|<small>馬肉の塩漬け。</small>
 
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|[[File:Icelandic Cuisine -(Smoked Puffin)Reyktur Lundi.png|155px]]
 
|[[File:Icelandic Cuisine -(Smoked Puffin)Reyktur Lundi.png|155px]]
|<br><small>(Reyktur Lundi)</small>
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|[[レイクトゥル・ルンティ]]<br><small>(Reyktur Lundi)</small>
 
|スモークド・パフィン<br><small>(Smoked Puffin)</small>
 
|スモークド・パフィン<br><small>(Smoked Puffin)</small>
 
|<small>ニシツノメドリの燻製。古くから食糧を保存する伝統食で狩猟期間外でも通年でレストランで提供している。一羽を丸のごと出すことはなく、狩猟期間中でも生鮮の肉を使うことはほとんどない。</small>
 
|<small>ニシツノメドリの燻製。古くから食糧を保存する伝統食で狩猟期間外でも通年でレストランで提供している。一羽を丸のごと出すことはなく、狩猟期間中でも生鮮の肉を使うことはほとんどない。</small>
 
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|[[File:Icelandic Cuisine - Súr Hvalur.png|155px]]
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|[[File:Icelandic Cuisine -(Súrmatur)Súr Hvalur.png|155px]]
|スール・クヴァルゥル<br><small>(Súr Hvalur)</small>
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|[[スール・クヴァルゥル]]<br><small>(Súr Hvalur)</small>
 
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|<small>クヴァルゥルは “ クジラの脂身 ” の意味。日本の鯨料理では、畝須(うねす)と呼ばれる美味な部位である。スールは[[ミーサ]](乳清)に漬けたものを指す。塩が普及する以前に生み出された保存法。</small>
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|<small>クヴァルゥルは “ クジラの脂身 ” の意味。日本の鯨料理では、畝須(うねす)と呼ばれる美味な部位である。それを[[ミーサ]]に漬けた[[スールマートゥル]]の一種。</small>
 
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|[[File:Icelandic Cuisine - Saltað Selspik.png|155px]]
 
|[[File:Icelandic Cuisine - Saltað Selspik.png|155px]]
|サルタズ・セルスピック<br><small>(Saltað Selspik)</small>
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|[[サルタズ・セルスピック]]<br><small>(Saltað Selspik)</small>
 
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|<small>アザラシの皮の塩漬け。セルスピックは “ アザラシの皮 ” の意味。</small>
 
|<small>アザラシの皮の塩漬け。セルスピックは “ アザラシの皮 ” の意味。</small>
 
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|[[File:Icelandic Dried Meat - Selshreifar.png|155px]]
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|[[File:Icelandic Dried Meat - Saltað Selshreifar.png|155px]]
|セルシュレイファル<br><small>(Selshreifar)</small>
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|<small>[[サルタズ・セルシュレイファル]]</small><br><small>(Saltað Selshreifar)</small>
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|<small>アザラシのヒレの塩漬け。</small>
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|<small>[[スーリル・セルシュレイファル]]</small><br><small>(Súrir Selshreifar)</small>
 
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|<small>アザラシのヒレ。ゼラチン質を多く含む部位。小屋などで寒風干しにする。伝統的なものはその後、[[ミーサ]](乳清)に漬ける。伝統料理として[[ソーラマートゥル]]で供される。通常メニューにはない。</small>
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|<small>アザラシのヒレをミーサに漬けたもの。スールマートゥルの一種。</small>
 
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*[[アイスランド料理一覧]]
 
*[[アイスランド料理一覧]]
 
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[[カテゴリ:アイスランドの獣鳥類|]]
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[[カテゴリ:アイスランドの食材|肉]]
 
[[カテゴリ:アイスランドの食材|肉]]

2024年11月2日 (土) 16:23時点における最新版

Icelandic Beasts and Birds - Dýr og fuglar.png
Iceland -(Reynisfjall)Atlantic Puffin on the Cliffs.png

アイスランドの獣鳥類(Dýr og fuglar)は、アイスランドの家畜および野生生物を含め、主に食用として利用可能なものである。

概要

家畜類

鯨偶蹄目

画像 現地名 一般名(学名)
Ovis aries -(Domestic Sheep)Icelandic Sheep.png
(Sauðfé)

(Íslenska sauðkindin)
アイスランディック・シープ
Ovis aries
ウシ科ヒツジ属。アイスランドは人口より羊の方がはるかに多い。入植時代に移入された古い血統である。アイスランド料理の代表的な食材で余すことなく利用される。ソーセージも主に羊肉である。
Capra hircus -(Domestic Goat)Icelandic Goat.png (Geit)

(Íslenska geitin)
アイスランディック・ゴート
Capra hircus
ウシ科ヤギ属。入植時代に移入された古い血統である。古くはウシと同様に乳は重要な栄養源となった。一時は絶滅が危ぶまれるほど激減したため、今日では保護対象となっている。
Bos taurus -(Domestic Cattle)Icelandic Cattle.png (Nautgripur)

(Íslenskur nautgripur)
アイスランディック・キャトル
Bos taurus
ウシ科ウシ属。入植時代に移入された古い血統である。食肉に利用されることは少なく、主に乳製品の原料を得るための搾乳が目的である。乳製品はアイスランドで重要な役割を担っている。

※哺乳綱(ほにゅうこう)・鯨偶蹄目(げいぐうていもく)。これらの家畜類の中でウシを除き、ヒツジ、ヤギたちは野生同様の生活をしている。ヒツジを食する諸外国は多いが、アイスランドのヒツジは海岸沿いの海藻類、野草類、薬草類を餌とするため、味に大きな違いが出る。これはアイスランドが自負するところで訪れた人々を納得させる。

奇蹄目

画像 現地名 一般名(学名)
Equus caballus -(Domestic Horse)Icelandic Horse.png
(Hestur)

(Íslenski hesturinn)
アイスランディック・ホース
Equus caballus
ウマ科ウマ属。馬肉は塩漬けが伝統的である。他にはソーセジに使われる。伝統的な食材だが日常的ではない。

※哺乳綱・奇蹄目(きていもく)。アイスランドでは、観光地を騎乗しながら景観を楽しむツアーも多く行っている。西部のレイクホルトにあるトマト農園では乗馬体験や古典的な服装をした騎手たちのショーが見学できる。

家禽類

キジ目

ヤケイ属

画像 現地名 一般名(学名)
Gallus gallus domesticus -(Icelandic Chicken)Nytjahænsni.png ニイチャハイナスニ
(Nytjahænsni)

(Landnámshænsn)
アイスランディック・チキン
Gallus gallus domesticus
キジ科ヤケイ属。ニワトリの学名は基本的に同じだが、DNAの分析で古い血統であることが証明されている。
Gallus gallus domesticus -(Italian Chicken Breeds)Livorno.png ハイナスニ
(Hænsni)

(Hænsn)
チキン
Gallus gallus domesticus
ニワトリ。アイスランドの養鶏ではイタリアの品種「リボルノ」が最も一般的。

※鳥綱(ちょうこう)・キジ目。アイスランドにおける養鶏は古いものの、農場や家庭で行われていたもので商業的規模ではない。食肉として屠殺するより、持続的に栄養摂取が可能な鶏卵の採取が合理的であったと思われる。現に “ アイスランドの地鶏 ” としてレストランで供されることは少なく、観光客もそれを目的としない。近年、養鶏場を拡大している企業も同種のニワトリの鶏卵を全国的に通年で出荷することを目的としている。鶏卵は通年で入手しやすいが、海鳥の卵が陳列されるシーズンになると存在感は薄くなる。アイスランドの人々は朝食に目玉焼きを習慣的に食べるということはなく、肉はヒツジが筆頭となる。アイスランド料理の食材において、ニワトリは影が薄い存在である。

シチメンチョウ属

画像 現地名 一般名(学名)
Meleagris gallopavo domesticus -(American Turkey Breeds)Beltsville White.png カルクゥン
(Kalkúnn)
シチメンチョウ
Meleagris gallopavo domesticus
1965年、アメリカの古い品種「ベルツビル・ホワイト」の卵をノルウェーから輸入した。1972年には同品種の多くの個体が英国から輸入された。

※アイスランド南西部の自治体モスフェットルスバイルにあるレイキャブゥイズ農場(Reykjabúið)は、国内最古の養鶏場である。1947年から七面鳥の養殖を開始した国内唯一の七面鳥農場でもあり、年間約3.5万~4万羽の七面鳥が食肉として飼育されている。小売市場では年間を通して大量の需要があり、多くのレストランや食堂にも流通する。消費量が最も多くなるのは感謝祭から新年にかけてで、販売量はイースター前後にピークになる。アイスランドの伝統的なクリスマス料理の食材であるライチョウの捕獲量が少ない年には七面鳥の需要はさらに高まる。

ウズラ属

画像 現地名 一般名(学名)
Coturnix coturnix - Common Quail.png
(Kornhæna)
ヨーロッパウズラ
Coturnix coturnix
キジ科ウズラ属。

カモ目

画像 現地名 一般名(学名)
Anser anser var. domesticus - Domestic Greylag Goose.png
(Aligæsir)
ヨーロッパガチョウ
Anser anser var. domesticus
カモ科マガン属。野生のハイイロガンを品種改良したもので、アジアで一般的なサカツラガンを改良したシナガチョウ(Anser cygnoides var.domesticus)とは異なる。
Anas platyrhynchos domesticus -(Domestic Mallard)Pekin Duck.png
(Önd)
アヒル
Anas platyrhynchos domesticus
カモ科マガモ属。アイスランドの古いアヒルは中国のペキンアヒル(北京ダック)と同種。

※鳥綱・カモ目。1609年に出版されたアイスランドの学者であるアルングリムル・ヨンソン(Arngrímur Jónsson lærði:1568年 - 1648年6月27日)の著書『クリモガイア』(Crymogæa)の中で彼は「16世紀末の少し前には、個々の農場に自家消費用のガチョウやアヒルはいたが、一般的にアイスランド人は鶏以外の家禽を知らず、家禽は鶏だけだ」と述べている。 また、アイスランドにおける養鶏の歴史によれば、1958年から1964年にかけてアヒル農場が運営され、国内のアヒルの数が大幅に増加したという。そして、これらのアヒルはデンマーク経由で移入した中国の「北京ダッグ」(北京鸭:ベイジンヤー)の卵から孵化したものであることがわかっている。 しかし、その当時、ガチョウやアヒルにせよ、農場があった事実や数が以前より増えたという事実だけで、卵や食肉として一般的に流通するほどの生産性はなかったと思われる。 2015年秋のスウェーデン食糧庁の報告書によるとアイスランド国内のアヒルの総数は794羽と少ない。 今日でも採卵だけを目的として飼育する農場や採卵と食肉の両方で飼育する農場はあるが、どちらも小規模で自家消費か農場の直売、またはローカルな食品売場などで地域密着型で販売している。 また、家庭では食肉目的ではなく、ペットとして親子で飼育しながら採卵を行う人々もいる。 アイスランド国民は、グリム童話「みにくいあひるの子」を知っているため、アヒルの知名度は高いが、食材としては重要視されていない。 これらの家禽を使った料理は、主に農場が運営するコテージのディナーや地域のレストランで供されることが多い。

野生哺乳類

鯨偶蹄目

画像 現地名 一般名(学名)
Rangifer tarandus - Reindeer.png
(Hreindýr)
トナカイ
Rangifer tarandus
シカ科トナカイ属。アイスランドでは毎年、生態に影響がない範囲で、個体の年齢、性別、または地域に応じて頭数を決定して狩猟を許可している。塩漬けが定番。伝統的な食材だが日常的ではない。

※哺乳綱・鯨偶蹄目。

食肉目

画像 現地名 一般名(学名)
Ursus maritimus - Polar Bear.png
(Hvítabirnir)
ホッキョクグマ
Ursus maritimus
クマ科クマ属。稀に流氷に乗って訪れる。アイスランドでは保護する方針だが、陸上して人や家畜に危険が及ぶ場合は処置される。通常は生息していため、一般的な狩猟や食材の対象ではない。

※哺乳綱・食肉目。ホッキョクグマは氷上生活の他、泳ぐことにも長けている。生息域に近いグリーンランドでは、陸上して人々の生活圏に出没して通報されることもあり、適正な処置がされた後、肉は自治体の市場や集落の役場などで販売される。日本でも古くから熊肉は狩猟食材として利用されている。

野鳥類

カモ目

画像 現地名 一般名(学名)
Family Anatidae - Ducks, Geese, and Swans.png アンダエスト
(Andaætt)
ガンカモ類
Family Anatidae
カモ科。アイスランドに限らず、これらの種の狩猟には主に銃器が使用される。狩猟期間はレストランで供されることもあるが、あまり多くはない。
Anser albifrons - Greater White Fronted Goose.png
(Blesgæs)
マガン
Anser albifrons
カモ科マガン属。狩猟期間は9月1日~3月31日。スウェーデンの児童文学でアニメ化された “ ニルスのふしぎな旅 ” に登場するアッカ隊長はマガンの群れを率いる長である。
Anser brachyrhynchus - Pink Footed Goose.png
(Heiðagæs)
コザクラバシガン
Anser brachyrhynchus
カモ科マガン属。狩猟期間は8月20日~3月15日。
Anser anser - Greylag Goose.png
(Grágæs)
ハイイロガン
Anser anser
カモ科マガン属。狩猟期間は8月20日~3月15日。コザクラバシガンより人気が高い。
Branta leucopsis - Barnacle Goose.png
(Helsingi)
カオジロガン
Branta leucopsis
カモ科コクガン属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Anas platyrhynchos - Mallard.png
(Stokkönd)
マガモ
Anas platyrhynchos
カモ科マガモ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。カモの中で最も美味とされ、食材として珍重される種。フランス料理では、コルヴェール(Colvert)、日本料理では、青首(あおくび)と呼ばれる。
Anas crecca - Common Teal.png
(Urtönd)
コガモ
Anas crecca
カモ科マガモ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Aythya marila - Greater Scaup.png
(Duggönd)
スズガモ
Aythya marila
カモ科ハジロ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。日本では “ 海ガモ ” の一種。
Aythya fuligula - Tufted Duck.png
(Skúfönd)
キンクロハジロ
Aythya fuligula
カモ科ハジロ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。日本では “ 海ガモ ” の一種。
Mareca penelope - Eurasian Wigeon.png
(Rauðhöfðaönd)
ヒドリガモ
Mareca penelope
カモ科ヒドリガモ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Clangula hyemalis - Long Tailed Duck.png
(Hávella)
コオリガモ
Clangula hyemalis
カモ科コオリガモ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Mergus serrator - Red Breasted Merganser.png
(Toppönd)
ウミアイサ
Mergus serrator
カモ科ウミアイサ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Somateria mollissima - Common Eider.png
(Æðarfugl)

(Æður)
ホンケワタガモ
Somateria mollissima
カモ科ケワタガモ属。

※アイスランドでは、ガンカモ類は狩猟期間中だからといって多くのレストランで供されることはなく、あくまで狩猟者や愛好家たちの間で食されている。 英語のメニュー表記は、ガンはグース(Goose)、カモはダック(Duck)となるが、カモの場合は家禽のガチョウも含まれる場合もある。 フードコートやファーストフードなどに通年あるものは家禽の輸入肉がほとんどである。 大体は骨付きのローストであるため、骨を見れば野鳥であるかを判断できる。 家禽は歩行が主であるため骨が太く、野鳥は飛行するため骨はシャープである。 また、日本で “ 海ガモ ” と総称される狩猟鳥のスズガモ(ハジロ属)、キンクロハジロ(ハジロ属)、ホシハジロ(ハジロ属)、クロガモ(クロガモ属)などは、ハンターに味が好まれないため、日本では狩猟の標的とされることは少ない。その要因は魚が主な餌であるため、肉に魚の風味を持つことである。これは海ガモに限らず、海鳥類の特徴である。

チドリ目

画像 現地名 一般名(学名)
Larus marinus - Great Black Backed Gull.png
(Svartbakur)
オオカモメ
Larus marinus
カモメ科カモメ属。※狩猟は通年で許されている。
Larus fuscus - Lesser Black Backed Gull.png
(Sílamáfur)
ニシセグロカモメ
Larus fuscus
カモメ科カモメ属。※狩猟は通年で許されている。
Larus argentatus - Herring Gull.png
(Silfurmáfur)
セグロカモメ
Larus argentatus
カモメ科カモメ属。※狩猟は通年で許されている。
Larus hyperboreus - Glaucous Gull.png
(Hvítmáfur)
シロカモメ
Larus hyperboreus
カモメ科カモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Chroicocephalus ridibundus - Black Headed Gull.png
(Hettumáfur)

(Hettumávur)
ユリカモメ
Chroicocephalus ridibundus
カモメ科ユリカモメ属。※狩猟期間は9月1日~3月31日。
Rissa tridactyla - Kittiwake.png
(Rita)
ミツユビカモメ
Rissa tridactyla
カモメ科ミツユビカモメ属。※狩猟期間は9月1日~3月31日。
Sterna paradisaea - Arctic Tern.png
(Kría)
キョクアジサシ
Sterna paradisaea
カモメ科アジサシ属。※食肉としての狩猟は禁止。採卵は毎年6月15日以降は禁止。
Stercorarius skua - Great Skua.png
(Skúmur)
キタオオトウゾクカモメ
Stercorarius skua
トウゾクカモメ科トウゾクカモメ属。※狩猟期間は9月1日~3月31日。
Stercorarius parasiticus - Arctic Skua.png
(Kjói)
クロトウゾクカモメ
Stercorarius parasiticus
トウゾクカモメ科トウゾクカモメ属。※狩猟期間は9月1日~3月31日。

※アイスランドには、フランスのジビエ料理で “ ベカス ”(仏:Bécasse)として珍重されるチドリ目シギ科のシギ類が渡来するが狩猟対象ではない。アイスランドは美味とされる渡り鳥の中継地と繁殖地であり、その多くがここから再び飛び立ち、美食家たちの舌を魅了している。

ミズナギドリ目

画像 現地名 一般名(学名)
Fulmarus glacialis - Northern Fulmar.png
(Fýll)
フルマカモメ
Fulmarus glacialis
ミズナギドリ科フルマカモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。

カツオドリ目

画像 現地名 一般名(学名)
Morus bassanus - Northern Gannet.png
(Súla)
シロカツオドリ
Morus bassanus
カツオドリ科シロカツオドリ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Phalacrocorax carbo - Great Cormorant.png
(Dílaskarfur)
カワウ
Phalacrocorax carbo
ウ科ウ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Gulosus aristotelis - European Shag.png
(Toppskarfur)
ヨーロッパヒメウ
Gulosus aristotelis
ウ科ウ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。

キジ目

画像 現地名 一般名(学名)
Lagopus muta - Rock Ptarmigan.png リュウパ
(Rjúpa)
ライチョウ
Lagopus muta
キジ科ライチョウ属。狩猟期間は10月15日~12月22日。美味な鳥として広く知られる。アイスランドでは伝統的なクリスマス料理の食材。

スズメ目

画像 現地名 一般名(学名)
Corvus corax - Common Raven.png
(Hrafn)
ワタリガラス
Corvus corax
カラス科カラス属。通年で狩猟が許されている。一般的なカラスは忌み嫌われるが、それと反して清いものとされる。

海鳥類

画像 現地名 一般名(学名)
Iceland -(Reynisfjall)Atlantic Puffin Hunters on the Cliffs.png 海鳥に銃器を使用することは禁じられている。長い竿状で先端がV字に分かれたラクロスのラケットのような古典的な猟具で捕獲する。崖の上を風に逆らって漂う習性を利用して捕らえる。
Fratercula arctica - Atlantic Puffin.png ルンティ
(Lundi)
ニシツノメドリ
Fratercula arctica
ウミスズメ科ツノメドリ属。狩猟期間は9月1日~5月10日。国のキャラクター的な鳥で、観光客の野鳥観察、海鳥料理の代表的格。古くから生食、塩漬け、燻製などで食されれてきた伝統食材。
Uria aalge - Common Guillemot.png
(Langvía)
ウミガラス
Uria aalge
ウミスズメ科ウミガラス属。狩猟期間は9月1日~5月10日。
Uria lomvia - Brünnich's Guillemot.png
(Stuttnefja)
ハシブトウミガラス
Uria lomvia
ウミスズメ科ウミガラス属。狩猟期間は9月1日~5月10日。
Alca torda - Razorbill.png
(Álka)
オオハシウミガラス
Alca torda
ウミスズメオオ科ハシウミガラス属。狩猟期間は9月1日~5月10日。
Cepphus grylle - Black Guillemot.png
(Teista)
ハジロウミバト
Cepphus grylle
ウミスズメ科ウミバト属。狩猟期間は9月1日~5月10日。

卵類

画像 現地名 一般名(学名)
Iceland -(Langanes)Collecting Seabird Eggs on the Cliffs.png 海鳥の卵は伝統的に重要な栄養源とされてきた。古来、断崖から卵を採取する命がけの役目は若者であったが、現在は消防士やレスキュー隊員がそれを継承している。彼らの貢献で季節限定で出回る。
Icelandic Cuisine - Svartfuglsegg.png スヴァトフグルズエッグ
(Svartfuglsegg)
ウミガラスの卵。海鳥の卵の代表格で茹で卵は子供から年配者にまで愛されている。やや透明感のある白身は弾力があり、黄身は濃厚な味が特徴。観光客にも美味な一品として非常に評価が高い。

海棲哺乳類

鯨類

画像 現地名 一般名(学名)
Infraorder Cetacea - Cetaceans.png
(Hvalir)
クジラ類
Infraorder Cetacea
哺乳綱(ほにゅうこう)・鯨偶蹄目(げいぐうていもく)・鯨類(げいるい)。アイスランドでは重要な食糧源として伝統的に捕鯨が行われてきた。
Balaenoptera acutorostrata - Common Minke Whale.png
(Hrefna)
ミンククジラ
Balaenoptera acutorostrata
ナガスクジラ科ナガスクジラ属。アイスランドでは個体数に影響がないミンククジラが食用とされている。他種とは異なり、上質な肉で血生臭さや獣臭がない。訪れる観光客にも非常に評価が高い。
Phocoena phocoena - Common Porpoise.png
(Hnísa)
ネズミイルカ
Phocoena phocoena
ネズミイルカ科ネズミイルカ属。小型のイルカでアイスランドでは伝統的な食材として一般的に販売されていた。混獲でなどで水揚げされたものがローカルマーケットで販売されることもある。

※アイスランドのクジラ肉が高く評価されているのは、ナガスクジラ属の種であり、ステーキ、刺身においては上質な肉を使っている。 日本でも美味とされる種だが、これほどの品質は鯨料理専門店でも食せるか食せないかである。 日本は捕鯨国であるが “ クジラ ” という名称で総括されており、種の表記は曖昧で種に対する庶民の意識も薄く、今日では大半の人々は刺身用であっても黒ずんだ肉を思い浮かべ、戦後の人々は昭和の給食やクジラカツなどを懐かしい味として回想する。 全ての種のクジラが美味であるかといえば、そうでもなく、これは安直にクジラが美味いか不味いかを左右、決定する要因にもなっている。

鰭脚類

画像 現地名 一般名(学名)
Superfamily Phocoidea - Pinnipeds.png
(Hreifadýr)
鰭脚類
Superfamily Phocoidea
哺乳綱(ほにゅうこう)・食肉目・鰭脚類(ききゃくるい)。アシカ科、アザラシ科、セイウチ科で構成される。その中でアイスランドには、2種のアザラシが生息している。
Phoca vitulina - Common Seal.png
(Landselur)
ゼニガタアザラシ
Phoca vitulina
アザラシ科ゴマフアザラシ属。古くから狩猟の対象として伝統的に利用されてきた。肉よりも皮を含む脂肪とヒレは美食として珍重される。
Halichoerus grypus - Grey Seal.png
(Útselur)
ハイイロアザラシ
Halichoerus grypus
アザラシ科ハイイロアザラシ属。ゼニガタアザラシより狩猟対象とされることは少ない。

※北アイスランド西部に位置するクヴァムスタンギには、アザラシ博物館(Selasetur Íslands)がある。アイスランドでは、アザラシの狩猟を禁止した。しかし、商業的な漁でなければ、個人でも申請さえすれば狩猟が可能となった。これによって乱獲を防ぎ、伝統的な食材として利用することは守られている。入植当時は重要な食糧源であったが、今日では(狩猟を禁止する以前から)アイスランドの伝統的な催しの食材でしか使われていない。日本の北海道に生息するアザラシやトドは狩猟対象であり、観光客向けにジンギスカン風など思いつく限りの調理で供する店もあるが、道民の一般的な食材ではない。観光客には土産品として、一風変わった缶詰(カレーや大和煮など)の方が人気がある。

加工品

画像 現地名 一般名
Icelandic Salted Meats - Saltað Hrossakjöt.png サルタズ・ホーサキョット
(Saltað Hrossakjöt)

馬肉の塩漬け。
Icelandic Cuisine -(Smoked Puffin)Reyktur Lundi.png レイクトゥル・ルンティ
(Reyktur Lundi)
スモークド・パフィン
(Smoked Puffin)
ニシツノメドリの燻製。古くから食糧を保存する伝統食で狩猟期間外でも通年でレストランで提供している。一羽を丸のごと出すことはなく、狩猟期間中でも生鮮の肉を使うことはほとんどない。
Icelandic Cuisine -(Súrmatur)Súr Hvalur.png スール・クヴァルゥル
(Súr Hvalur)
クヴァルゥルは “ クジラの脂身 ” の意味。日本の鯨料理では、畝須(うねす)と呼ばれる美味な部位である。それをミーサに漬けたスールマートゥルの一種。
Icelandic Cuisine - Saltað Selspik.png サルタズ・セルスピック
(Saltað Selspik)
アザラシの皮の塩漬け。セルスピックは “ アザラシの皮 ” の意味。
Icelandic Dried Meat - Saltað Selshreifar.png サルタズ・セルシュレイファル
(Saltað Selshreifar)
アザラシのヒレの塩漬け。
Icelandic Cuisine - Selshreifar.png スーリル・セルシュレイファル
(Súrir Selshreifar)
アザラシのヒレをミーサに漬けたもの。スールマートゥルの一種。

ギャラリー

※以下は、アイスランド料理の一例である。

関連項目