「アゾレス諸島の魚介類一覧」の版間の差分

提供: Tomatopedia
ナビゲーションに移動 検索に移動
 
(同じ利用者による、間の17版が非表示)
71行目: 71行目:
 
!  style="width: 25%"|
 
!  style="width: 25%"|
 
|-
 
|-
|[[File:Genus Patella - Limpet.png|155px]]
+
|[[File:Nacellidae - Limpet.png|155px]]
 
|ラパ<br><small>(Lapa)</small>
 
|ラパ<br><small>(Lapa)</small>
|カサガイ類<br><small>(''Patella spp.'')</small>
+
|カサガイ類<br><small>(''Nacellidae'')</small>
|<small>カサガイのグリルはアゾレス諸島の代表的な料理。</small>
+
|<small>カサガイのグリルはアゾレス諸島の代表的な料理である。一般的に「マンサ」と「ブラヴァ」の2種類として紹介され、種も同じく2種とされがちだが、実際には3種類が生息し、食用とされている。</small>
 
|-
 
|-
 
|[[File:Patella candei - Sun Limpet.png|155px]]
 
|[[File:Patella candei - Sun Limpet.png|155px]]
94行目: 94行目:
 
|ラパ・ブーハ<br><small>(Lapa Burra)</small><br>アバローニ<br><small>(Abalone)</small>
 
|ラパ・ブーハ<br><small>(Lapa Burra)</small><br>アバローニ<br><small>(Abalone)</small>
 
|セイヨウトコブシ<br><small>(''Haliotis tuberculata'')</small>
 
|セイヨウトコブシ<br><small>(''Haliotis tuberculata'')</small>
|<small>体長は8cm、最大12.3cm。ミミガイ科ミミガイ属。呼称は「ラパ」を冠するがサルガイではない。アバローニは “ アワビ ” の意味。トコブシは鮑の同属近縁種だが大きくならない。</small>
+
|<small>体長は8cm、最大12.3cm。ミミガイ科ミミガイ属。呼称は「ラパ」を冠するがサルガイと区別される。アバローニは “ アワビ ” の意味。トコブシはアワビと同属で近縁種だが大きくはならない。</small>
 
|-
 
|-
 
|}
 
|}
590行目: 590行目:
 
|イリオ・デ・セーハ<br><small>(Írio de Serra)</small><br><small>シャレウ</small><br><small>(Xaréu)</small>
 
|イリオ・デ・セーハ<br><small>(Írio de Serra)</small><br><small>シャレウ</small><br><small>(Xaréu)</small>
 
|ブルーランナー<br><small>(''Caranx crysos'')</small>
 
|ブルーランナー<br><small>(''Caranx crysos'')</small>
|<small>体長は40cm、最大70cm。ギンガメアジ属。シマアジと区別なく単にシャレウとも呼ばれる。 </small>
+
|<small>体長は40cm、最大70cm。ギンガメアジ属。シマアジと総括して単にシャレウとも呼ばれる。 </small>
 
|-
 
|-
 
|[[File:Pseudocaranx dentex - White Trevally.png|155px]]
 
|[[File:Pseudocaranx dentex - White Trevally.png|155px]]
676行目: 676行目:
 
|カヴァーラ<br><small>(Cavala)</small>
 
|カヴァーラ<br><small>(Cavala)</small>
 
|マサバ<br><small>(''Scomber japonicus'')</small>
 
|マサバ<br><small>(''Scomber japonicus'')</small>
|<small>体長は30cm、最大64cm。サバ属。</small>
+
|<small>体長は30cm、最大64cm。サバ属。学名の “ japonicus ” でもわかるように日本と同種。</small>
 
|-
 
|-
 
|}
 
|}
697行目: 697行目:
 
|セーハ<br><small>(Serra)</small><br>ボニート<br><small>(Bonito)</small>
 
|セーハ<br><small>(Serra)</small><br>ボニート<br><small>(Bonito)</small>
 
|タイセイヨウハガツオ<br><small>(''Sarda sarda'')</small>
 
|タイセイヨウハガツオ<br><small>(''Sarda sarda'')</small>
|<small>体長は50cm、最大91.4cm。ハガツオ属。脂の乗った腹身は非常に人気がある。高価なマグロ類より安価なため、アゾレス諸島における寿司ネタとして消費は増加傾向にある。</small>
+
|<small>体長は50cm、最大91.4cm。ハガツオ属。脂の乗った腹身は非常に人気がある。高価なマグロ類より安価なため、アゾレス諸島では刺身や寿司ネタとして消費は増加傾向にある。</small>
 
|-
 
|-
 
|[[File:Katsuwonus pelamis - Skipjack Tuna.png|155px]]
 
|[[File:Katsuwonus pelamis - Skipjack Tuna.png|155px]]
741行目: 741行目:
 
|-
 
|-
 
|}
 
|}
<small>※アゾレス諸島ではマグロの蓄養は行っていないため、全て天然ものである。海外でも評価されており、東京の築地市場にも卸されている。</small>
+
<small>※アゾレス諸島ではマグロの蓄養は行っていないため、全て天然ものである。海外でも評価されており、東京の豊洲市場(旧 築地)にも卸されている。</small>
  
 
==== サバ亜目 ====
 
==== サバ亜目 ====
1,286行目: 1,286行目:
  
 
==== フグ ====
 
==== フグ ====
日本でもフグ目に属するフグ科の魚類の毒性に関して厳しく制限を設けている。毒を含む部位(眼球・脳・骨・皮・筋肉・胃、腸、心臓、胆のう、脾臓を含む内臓全般・肝臓・精巣・卵巣)は種によって異なるため、例え安価な種であっても適切に下処理されたものが流通している。無知識な者が釣ったフグの皮を湯引きしてポン酢、白子刺し、尾をヒレ酒に安易に用いた場合、致命的なことになる。種によっては身肉にも毒は含まれ、肝臓や卵巣を食すことはそれを超えて論外。
+
日本でもフグ目に属するフグ科の魚類の毒性に関して厳しく制限を設けている。毒を含む部位(眼球・脳・骨・皮・筋肉・胃、腸、心臓、胆のう、脾臓を含む内臓全般・肝臓・精巣・卵巣)は種によって異なるため、例え安価な種であっても適切に下処理されたものが流通している。無知識な者が釣ったフグの皮を湯引きしてポン酢、白子刺し、尾をヒレ酒に安易に用いた場合、致命的なことになる。種によっては身肉にも毒は含まれ、肝臓や卵巣を食すことはそれを超えて論外である。
 
例え特定の地域で無毒とされ、暗黙で食されている部位(ヨリトフグの肝、ハコフグの肝、養殖に限りトラフグの肝)などであっても市場への流通は決して許されない。唯一、毒を含む部位を加工し、食品として公的に認められている特区は古くから伝統のある石川県のみである。
 
例え特定の地域で無毒とされ、暗黙で食されている部位(ヨリトフグの肝、ハコフグの肝、養殖に限りトラフグの肝)などであっても市場への流通は決して許されない。唯一、毒を含む部位を加工し、食品として公的に認められている特区は古くから伝統のある石川県のみである。
  
1,346行目: 1,346行目:
 
日本では魚種の偽装問題による健康被害によって1981年以降、市場への流通は禁止されているが、自己責任の範囲で食されているのが現状である。
 
日本では魚種の偽装問題による健康被害によって1981年以降、市場への流通は禁止されているが、自己責任の範囲で食されているのが現状である。
 
欧州連合(EU)では適切な摂取量の表示を義務化することで流通が許されている。
 
欧州連合(EU)では適切な摂取量の表示を義務化することで流通が許されている。
欧米では “ バターフィッシュ ”(Butterfish)、または “ 白いトロ ”(White Toro)と称され、高級なマグロの大トロと対峙する美味な寿司ネタとして使われることも珍しくない。
+
欧米では “ バターフィッシュ ”(Butterfish)、または “ 白いトロ ”(White Toro)と称され、高級マグロの大トロと対峙する美味な寿司ネタとして使われることも珍しくない。
  
※以下は、日本では食品衛生法第6条2項(有害な物質を含むもしくはその恐れのある食品)に基づいて市場への流通は禁止されていると共に、水産庁(農林水産省に属する)が定めた魚種として、欧州連合(EU)への輸出は禁止されている。→主な記事:[[EUに輸出できない魚種]]
+
※以下は、日本では食品衛生法第6条2項(有害な物質を含む、もしくはその恐れのある食品)に基づいて市場への流通は禁止されていると共に、水産庁(農林水産省に属する)が定めた魚種として、欧州連合(EU)への輸出は禁止されている。→主な記事:[[EUに輸出できない魚種]]
  
 
{| class="wikitable" border="1" style="text-align: center; color:
 
{| class="wikitable" border="1" style="text-align: center; color:
1,360行目: 1,360行目:
 
|エスコラール<br><small>(Escolar)</small><br>ぺイシェ・ショコラッテ<br><small>(Peixe Chocolate)</small>
 
|エスコラール<br><small>(Escolar)</small><br>ぺイシェ・ショコラッテ<br><small>(Peixe Chocolate)</small>
 
|アブラソコムツ<br><small>(''Lepidocybium flavobrunneum'')</small>
 
|アブラソコムツ<br><small>(''Lepidocybium flavobrunneum'')</small>
|<small>体長は150cm、最大2m。スズキ目サバ亜目クロタチカマス科アブラソコムツ属。{{font color|red|※ワックスが含まれるため規制。}}</small>
+
|<small>体長は150cm、最大2m。スズキ目サバ亜目クロタチカマス科アブラソコムツ属。ショコラッテは “ チョコレート ” の意味。{{font color|red|※ワックスが含まれるため規制。}}</small>
 
|-
 
|-
 
|[[File:Ruvettus pretiosus - Oilfish.png|155px]]
 
|[[File:Ruvettus pretiosus - Oilfish.png|155px]]
 
|ぺイシェ・ショコラッテ<br><small>(Peixe Chocolate)</small><br>ショコラッテ<br><small>(Chocolate)</small>
 
|ぺイシェ・ショコラッテ<br><small>(Peixe Chocolate)</small><br>ショコラッテ<br><small>(Chocolate)</small>
 
|バラムツ<br><small>(''Ruvettus pretiosus'')</small>
 
|バラムツ<br><small>(''Ruvettus pretiosus'')</small>
|<small>体長は150cm、最大3m。スズキ目サバ亜目クロタチカマス科バラムツ属。ショコラッテは “ チョコレート ” の意味。{{font color|red|※ワックスが含まれるため規制。}}</small>
+
|<small>体長は150cm、最大3m。スズキ目サバ亜目クロタチカマス科バラムツ属。{{font color|red|※ワックスが含まれるため規制。}}</small>
 
|-
 
|-
 
|}
 
|}

2024年8月25日 (日) 20:57時点における最新版

Macaronesia - Azores.png
Azorean Seafood -(Peixe)Fish.png
Azorean Seafood -(Peixe)Wreckfish & Guelly Jack.png
Azorean Seafood -(Peixe)Grey Triggerfish.png
Azorean Seafood -(Cefalópodes)Veined Squid.png
Azorean Seafood -(Lula Riscada)Veined Squid.png
Azorean Seafood -(Espetada de Peixe)Fish and Seafood Skewers.png

概要

アゾレス諸島の大衆魚は、シシャ―ホ(アジ科)、サルゴ(タイ科)、エイ(軟骨魚綱類)、モンガラカワハギ(フグ目)である。

貝類

二枚貝

画像 現地名 一般名(学名)
Ruditapes decussatus - Grooved Carpet Shell.png アメイジョア・ボア
(Amêijoa Boa)
ヨーロッパアサリ
Ruditapes decussatus
マルスダレガイ科アサリ属。本土では1984年に日本と同種のアサリを導入したことで混在して生息している。サン・ジョルジュ島のカルデイラ・デ・サント・クリストでは養殖と保護を行っている。
Callista Chione - Smooth Clam.png アメイジョーラ
(Ameijola)
ヨーロッパワスレ
Callista Chione
Solen marginatus - Grooved Razor Shell.png リングヴェイラオン
(Lingueirão)
マラガカミソリガイ
Solen marginatus
マテガイ属。本土では一般的な食材。2023年10月27日、テルセイラ島のプライア・ダ・ヴィトリア湾で個体群が確認された。新たな食材として期待されているが今のところ採取は禁止されている。
Pinna rudis - Spiny Fan Mussel.png レーキ・ド・メル
(Leque do Mar)
フォリ
(Fole)
スパイニー・ファン・ムッセル
Pinna rudis
ハボウキガイ科ハボウキガイ属。アゾレス諸島で最大の二枚貝。今後、食材としての価値を見出す可能性がある。同じ科のタイラギは日本では寿司や刺身などの生食をはじめ、食用とされている。

テルセイラ島で発見されたマテガイは本土と同種だが、本土または他国の外来種かアゾレス諸島の在来種かは不明。外来種の場合、人工的な放流や移入でない限り、そのほとんどの原因は往来する船舶による。アゾレス諸島の食文化において伝統的な地元の食材として認知されていないため、外来種の可能性が高い。

巻貝

画像 現地名 一般名(学名)
Charonia lampas - Knobbed Triton.png ブジーナ
(Buzina)
ブジオ
(Búzio)
ナンカイボラ
Charonia lampas
Hexaplex trunculus - Banded Dye Murex.png ブジオ
(Búzio)
ツロツブリボラ
Hexaplex trunculus

腹足類

画像 現地名 一般名(学名)
Nacellidae - Limpet.png ラパ
(Lapa)
カサガイ類
Nacellidae
カサガイのグリルはアゾレス諸島の代表的な料理である。一般的に「マンサ」と「ブラヴァ」の2種類として紹介され、種も同じく2種とされがちだが、実際には3種類が生息し、食用とされている。
Patella candei - Sun Limpet.png ラパ・マンサ
(Lapa Mansa)
ヒラカサガイ
Patella candei
直径は2~8cm。ツタノハガイ科パテラ属。
Patella ulyssiponensis - Rough Limpet.png ラパ・ブラヴァ
(Lapa Brava)
チチュウカイカサガイ
Patella ulyssiponensis
直径は5cm。ツタノハガイ科パテラ属。
Patella aspera - Azorean Limpet.png ラパ・ブラヴァ
(Lapa Brava)
アラスジカサガイ
Patella aspera
直径は最大10cm。ツタノハガイ科パテラ属。
Haliotis tuberculata - Green Ormer.png ラパ・ブーハ
(Lapa Burra)
アバローニ
(Abalone)
セイヨウトコブシ
Haliotis tuberculata
体長は8cm、最大12.3cm。ミミガイ科ミミガイ属。呼称は「ラパ」を冠するがサルガイと区別される。アバローニは “ アワビ ” の意味。トコブシはアワビと同属で近縁種だが大きくはならない。

頭足類

タコ

画像 現地名 一般名(学名)
Octopus vulgaris - Common Octopus.png ポルヴォ
(Polvo)
ポルヴォ・ヴガール
(Polvo Vulgar)
マダコ
Octopus vulgaris
ポルトガルでタコ料理といえば本土が代表格として優先的に挙げられることが多いが、アゾレス諸島でも良質のタコが獲れる。特にタコの赤ワイン煮込み(ポルヴォ・ギザード)が有名。

イカ

画像 現地名 一般名(学名)
Loligo forbesi - Veined Squid.png ルラ
(Lula)
ルラ・リスカード
(Lula Riscada)
ヨーロッパオオヤリイカ
Loligo forbesi
外套(胴体)1m。ヤリイカ科で最大の種。アゾレス諸島はイカ漁が盛んで通年で行われている。漁獲されたイカの80%以上はポルトガル本土とスペインに輸出され、残りは地元で消費されている。

甲殻類

エビ

画像 現地名 一般名(学名)
Plesionika edwardsii - Striped Soldier Shrimp.png カマラオン
(Camarão)
ガンバ・デ・マデイラ
(Gamba da Madeira)
ストライプド・ソルジャー・シュリンプ
Plesionika edwardsii
ジンケンエビ属。体長は最大3.4cm。アゾレス諸島で2番目に多く生息する種。
Plesionika narval - Narval Shrimp.png カマラオン
(Camarão)
オキノスジエビ
Plesionika narval
ジンケンエビ属。体長は最大14.5cm。
Scyllarus arctus - Small European Locust Lobster.png カヴァコ・アナォン
(Cavaco Anão)
ヨーロッパヒメセミエビ
Scyllarus arctus
セミエビ科ヒメセミエビ属。体長は10cm、最大16cm。
Scyllarides latus - Mediterranean Slipper Lobster.png カヴァコ
(Cavaco)
メディテレーニアン・スリッパーロブスター
Scyllarides latus
セミエビ科セミエビ属。体長は36cm、最大45cm。
Palinurus mauritanicus - Pink Spiny Lobster.png ラゴシュタ
(Lagosta)
ラゴシュタ・カスターニャ
(Lagosta Castanha)
ピンク・スピニーロブスター
Palinurus mauritanicus
イセエビ科ヨーロッパイセエビ属。体長は45cm、最大75cm。
Palinurus elephas - European Spiny Lobster.png ラゴシュタ
(Lagosta)
ヨーロッパイセエビ
Palinurus elephas
イセエビ科ヨーロッパイセエビ属の代表種。体長は40cm、最大50cm。

カニ

画像 現地名 一般名(学名)
Grapsus adscensionis - East Atlantic Sally Lightfoot Crab.png カランゲージョ・フィダルゴ
(Caranguejo Fidalgo)
カランゲージョ・ジュデゥ
(Caranguejo Judeu)
イースト・アトランティック・サリーライトフットクラブ
Grapsus adscensionis
体長は8cm。オオイワガニ属。アゾレス諸島の伝統的な食材で家庭料理やおやつとして定番。動きが俊敏で捕獲するのが困難なため商業的漁業は行われておらず、市場には一般的に流通しない。
Chaceon affinis - Deep Sea Red Crab.png カランゲージョ・レアル
(Caranguejo Real)
カランゲージョ・ダ・フンドゥーラ
(Caranguejo da Fundura)
ディープ・シー・レッドクラブ
Chaceon affinis
体長は8~12cm。オオエンコウガニ属。
Cancer bellianus - Toothed Rock Crab.png サパテイラ・デンターダ
(Sapateira Dentada)
トゥースト・ロッククラブ
Cancer bellianus
体長は13cm。イチョウガニ属。
Pachygrapsus marmoratus - Marbled Rock Crab.png モウラ
(Moura)
マーブレッド・ロッククラブ
Pachygrapsus marmoratus
体長は22~36cm。イワガニ属。
Maja brachydactyla - Spinous Spider Crab.png サントーラ
(Santola)
スパイナス・スパイダークラブ
Maja brachydactyla
体長は25cm。ケアシガニ属。
Paromola cuvieri - Paromola.png カランゲージョ・アラーニャ
(Caranguejo Aranha)
パロモ​​ラ
Paromola cuvieri
体長は21.5cm、脚は1.2mに達する。オオホモラ属。

ヤドカリ

画像 現地名 一般名(学名)
Dardanus calidus - Red Hermit Crab.png カランゲージョ・エレミータ
(Caranguejo Eremita)
カランゲージョ
(Caranguejo)
レッド・ハーミットクラブ
Dardanus calidus
アゾレス諸島の一部の漁村では、コジード、グリル、マリネで食用とされている。商業的漁業は行われておらず、市場には一般的に流通しない。日本でも一部の地域で食用とされている。

蔓脚類

画像 現地名 一般名(学名)
Megabalanus azoricus - Azorean Barnacle.png クラーカ
(Craca)
フジツボ
Megabalanus azoricus
日本でも一部の地域で食用とされている。

棘皮動物

画像 現地名 一般名(学名)
Sphaerechinus granularis - Violet Sea Urchin.png オルリーソ・ド・マル
(Ouriço do Mar)
チチュウカイシラヒゲウニモドキ
Sphaerechinus granularis
直径15cmまで成長する。形状はバフンウニで色はムラサキウニ。

魚類

タラ目

画像 現地名 一般名(学名)
Gaidropsarus guttatus - Rocklings.png ヴィウヴァ
(Viúva)
ライベーキ
(Laibeque)
ロックリング
Gaidropsarus guttatus
体長は最大32.6cm。ピュキス科。分布はカナリア諸島、マデイラ島、アゾレス諸島。
Phycis phycis - Forkbeard.png アブロテア
(Abrótea)
フォークビアード
Phycis phycis
体長は26cm、最大65cm。ピュキス科の代表種。タラによく似た魚で伝統的に子供たちに最初に与えられる魚である。
Phycis blennoides - Greater Forkbeard.png ジュリアナ
(Juliana)
アブロテア・デ・アルト
(Abrótea do Alto)
グレーター・フォークビアード
Phycis blennoides
体長は最大110cm。ピュキス科。
Mora moro - Common Mora.png メルガ
(Melga)
イスカムーダ・ブランカ
(Escamuda Branca)
コモン・モラ
Mora moro
体長は45cm、最大80cm。チゴダラ科ヒメダラ属。
Molva macrophthalma - Spanish Ling.png ペシュカーダ・ドス・アソーレス
(Pescada dos Açores)
リングイ
(Lingue)
スパニッシュ・リング
Molva macrophthalma
体長は最大108cm。カワメンタイ属。
Coryphaenoides rupestris - Roundnose Grenadier.png ペイシェ・ハァト
(Peixe Rato)
グラナデイロ
(Granadeiro)
ラウンドノーズ・グレナディア
Coryphaenoides rupestris
体長は最大110cm。ソコダラ科ホカケダラ属。ハァトは “ ネズミ ” の意味。

ニシン目

イワシ

画像 現地名 一般名(学名)
Sardina pilchardus - European Pilchard.png サルディーニャ
(Sardinha)
ペティンガ
(Petinga)
ニシイワシ
Sardina pilchardus
体長は20cm、最大27.5cm。サルディナ属。

ダツ目

画像 現地名 一般名(学名)
Belone belone - Garfish.png ぺイシェ・アグーリャ
(Peixe Agulha)
アグーリャ
(Agulha)
ガーフィッシュ
Belone belone
体長は45cm、最大104cm。汽水域および海水域に生息する。

ボラ目

画像 現地名 一般名(学名)
Chelon labrosus - Thicklip Grey Mullet.png タイーニャ
(Tainha)
ムージャ
(Muja)
シックリップ・グレー・マレット
Chelon labrosus
体長は32cm、最大75cm。

カレイ目

ヒラメ

画像 現地名 一般名(学名)
Bothus podas - Wide Eyed Flounder.png カルタ
(Carta)
ソーリャ
(Solha)
ワイド・アイド・フラウンダー
Bothus podas
体長は13cm、最大45cm。 ホシダルマガレイ属。
Lepidorhombus whiffiagonis - Megrim.png アレイロ
(Areeiro)
メグリム
Lepidorhombus whiffiagonis
体長は25cm、最大60cm。

マトウダイ目

画像 現地名 一般名(学名)
Zenopsis conchifer - Silvery John Dory.png ガロ・ブランコ
(Galo Branco)
ミナミカガミダイ
Zenopsis conchifer
体長は50cm、最大80cm。
Zeus faber - John Dory.png ペイシェ・ネグロ
(Peixe Negro)
ペイシェ・ガロ
(Peixe Galo)
マトウダイ
Zeus faber
体長は40cm、最大90cm。

キンメダイ目

画像 現地名 一般名(学名)
Polymixia nobilis - Stout Beardfish.png サルモネッテ・ド・アルト
(Salmonete do Alto)
スタウト・ビアードフィッシュ
Polymixia nobilis
体長は30cm、最大48cm。ギンメダイ属。
Hoplostethus atlanticus - Orange Roughy.png ぺイシェ・ヘロージオ
(Peixe Relógio)
オーリョ・デ・ヴィドロ・ラランジャ
(Olho de Vidro Laranja)
オレンジラフィー
Hoplostethus atlanticus
体長は40cm、最大75cm。ヒウチダイ属。
Beryx decadactylus - Alfonsino.png インペラドール
(Imperador)
ナンヨウキンメ
Beryx decadactylus
体長は35cm、最大1m。キンメダイ属。
Beryx Splendens - Splendid Alfonsino.png インペラドール
(Imperador)
アルフォンシーニョ・デ・コスタ・ラルガ
(Alfonsinho de Costa Larga)
キンメダイ
Beryx Splendens
体長は40cm、最大70cm。キンメダイ属の代表種。

キュウリウオ目

画像 現地名 一般名(学名)
155px セリンドラ
(Celindra)
リッソズ・スムースヘッド
Alepocephalus rostratus
体長は最大50cm。ハゲイワシ属。

ヒメ目

画像 現地名 一般名(学名)
Synodus saurus - Atlantic Lizardfish.png ラガルト・ダ・コスタ
(Lagarto da Costa)
ぺイシェ・ラガルト
(Peixe Lagarto)
アトランティック・リザードフィッシュ
Synodus saurus
体長は20cm、最大40cm。アカエソ属。

トゲウオ目

画像 現地名 一般名(学名)
Macroramphosus scolopax - Atlantic Lizardfish.png トロンベテイロ
(Trombeteiro)
アパラ・ラーピス
(Apara Lápis)
サギフエ
Macroramphosus scolopax
体長は12cm、最大20cm。
Hippocampus guttulatus - Long Snouted Seahorse.png カヴァロ・マリーニョ
(Cavalo Marinho)
ロング・スナウト・シーホース
Hippocampus guttulatus
体長は最大21.5cm。タツノオトシゴの一種。

スズキ目

画像 現地名 一般名(学名)
Pomatomus saltatrix - Bluefish.png アンチョヴァ
(Anchova)
オキスズキ
Pomatomus saltatrix
オキスズキ科。体長は60cm、最大1.3m。
Polyprion americanus - Atlantic wreckfish.png シェルネ
(Cherne)
シェルノーチ
(Chernote)
アルゼンチンオオハタ
Polyprion americanus
イシナギ科。体長は80cm、最大2.1m。
Serranus cabrilla - Comber.png ガロウパ・ド・アルト
(Garoupa do Alto)
コンバー
Serranus cabrilla
ハタ科ヒメスズキ属。体長は25cm、最大40cm。
Serranus atricauda - Blacktail Comber.png ガロウパ
(Garoupa)
ガロウパ・セハーノ
(Serrano)
ブラックテイル・コンバー
Serranus atricauda
ハタ科ヒメスズキ属。体長は25cm、最大43.2cm。
Mycteroperca fusca - Island Grouper.png バデージョ
(Badejo)
アイランドグルーパー
Mycteroperca fusca
ハタ科ヤスリハタ属。体長は最大80cm。
Epinephelus marginatus - Dusky Grouper.png メーロ
(Mero)
メーロ・レジーチモ
(Mero Legítimo)
ダスキーグルーパー
Epinephelus marginatus
ハタ科アカハタ属。体長は最大1.5m。

タイ科

画像 現地名 一般名(学名)
Boops boops - Bogue.png ボガ
(Boga)

Boops boops
体長は20cm、最大40cm。
Diplodus vulgaris - Common Two Banded Sea Bream.png サフィラ
(Safia)
アフリカチヌ
Diplodus vulgaris
体長は22cm、最大45cm。ディプロダス属ではポルトガル本土で最も一般的な種だが、アゾレス諸島では切り身を釣り餌に使うこともある。諸島内において、味の上ではサルゴの方が評価が高い。
Diplodus sargus - White Seabream.png サルゴ
(Sargo)
サルゲーチ
(Sarguete)
ホワイト・シーブリーム
Diplodus sargus
体長は22cm、最大45cm。ディプロダス属ではアゾレス諸島で最も一般的な種。大衆魚の一つで伝統的にスープに使用される他、グリルやオーブンで調理される。波が荒れた日は海辺で釣れる。
Pagellus acarne - Axillary Seabream.png ベスーゴ
(Besugo)
アクサレリィ・シーブリーム
Pagellus acarne
体長は25cm、最大36cm。
Pagellus bogaraveo - Blackspot Seabream.png ゴラーシュ
(Goraz)
ぺイシャオン
(Peixão)
スペインダイ
Pagellus bogaraveo
体長は30cm、最大70cm。アゾレス諸島では経済的に重要な魚種。主にスペインの他、カナダ、米国、フランスにも輸出される。特にクリスマスシーズンがピーク。1月15日~2月29日までは禁漁。
Sarpa salpa - Dreamfish.png サレマ
(Salema)
サレマ・ポーギー
Sarpa salpa
体長は35cm、最大51cm。
Pagrus pagrus - Common Seabream.png パルゴ
(Pargo)
パルゲーチ
(Parguete)
ヨーロッパマダイ
Pagrus pagrus
体長は35cm、最大91cm。

ケントラカントゥス科

画像 現地名 一般名(学名)
Centracanthus cirrus - Curled Picarel.png ボケイロン
(Boqueirão)
カールド・ピカレル
Centracanthus cirrus
体長は12cm、最大34cm。
Spicara flexuosa - Picarel.png トロンベイロ
(Trombeiro)
ピカレル
Spicara flexuosa
体長は14cm、最大23.2cm。

アジ科

アジ
画像 現地名 一般名(学名)
Trachurus picturatus - Blue Jack Mackerel.png シシャ―ホ・ド・アルト
(Chicharro do Alto)
シシャ―ホ
(Chicharro)
ブルー・ジャック・マッケル
Trachurus picturatus
体長は25cm、最大60cm。マアジ属。
Trachinotus ovatus - Pompano.png プロンベータ
(Prombeta)
セレィア
(Sereia)
ポンパノ
Trachinotus ovatus
体長は35cm、最大70cm。コバンアジ属。
Caranx crysos - Blue Runner.png イリオ・デ・セーハ
(Írio de Serra)
シャレウ
(Xaréu)
ブルーランナー
Caranx crysos
体長は40cm、最大70cm。ギンガメアジ属。シマアジと総括して単にシャレウとも呼ばれる。
Pseudocaranx dentex - White Trevally.png インシャレウ
(Encharéu)
シャレウ
(Xaréu)
シマアジ
Pseudocaranx dentex
体長は40cm、最大122cm。シマアジ属の代表種。アゾレス諸島では夏が旬の味覚として評価が高い。炭火のグリルやカルディラーダに使われる。地元ではカンパチに似た魚として人気がある。
カンパチ
画像 現地名 一般名(学名)
Seriola rivoliana - Longfin Yellowtail.png イリオ
(Írio)
リリオ
(lírio)
ヒレナガカンパチ
Seriola rivoliana
体長は90cm、最大160cm。ブリ属。単にシャルテイロ(Charuteiro)とも呼ばれる。
Seriola dumerili - Greater Amberjack.png リリオ
(Lírio)
イリオ
(Írio)
カンパチ
Seriola dumerili
体長は100cm、最大190cm。ブリ属。単にシャルテイロ(Charuteiro)とも呼ばれる。漁獲される天然の魚種だが、サンミゲル島で外洋養殖も行っている。

ホウボウ科

画像 現地名 一般名(学名)
Chelidonichthys cuculus - Red Gurnard.png カブラ
(Cabra)
フイボ
(Ruivo)
レッド・ガーナード
Chelidonichthys cuculus
体長は27.6cm、最大70cm。ホウボウ属。

カマス科

画像 現地名 一般名(学名)
Sphyraena viridensis - Yellowmouth Barracuda.png ビクーダ
(Bicuda)
イエローマウス・バラクーダ
Sphyraena viridensis
体長は40cm、最大128cm。カマス属。

サバ科

カマスサワラ
画像 現地名 一般名(学名)
Acanthocybium solandri - Wahoo.png カヴァーラ・ダ・インジャ
(Cavala da India)
ウアゥ
(Uau)
カマスサワラ
Acanthocybium solandri
体長は170cm、最大2.5m。カマスサワラ属(1属1種)唯一の種。
サバ
画像 現地名 一般名(学名)
Scomber japonicus - Chub Mackerel.png カヴァーラ
(Cavala)
マサバ
Scomber japonicus
体長は30cm、最大64cm。サバ属。学名の “ japonicus ” でもわかるように日本と同種。

※アゾレス諸島では高鮮度のサバが各島内に流通する。日本のサバの名産地に見られる「酢締め」をしない寿司や刺身も食されている。

カツオ
画像 現地名 一般名(学名)
Auxis rochei - Bullet Tuna.png ジュデゥ
(Judeu)
マルソウダ
Auxis rochei
体長は最大50cm。ソウダガツオ属。ジュデゥは “ ユダヤ人 ” の意味。
Sarda sarda - Atlantic Bonito.png セーハ
(Serra)
ボニート
(Bonito)
タイセイヨウハガツオ
Sarda sarda
体長は50cm、最大91.4cm。ハガツオ属。脂の乗った腹身は非常に人気がある。高価なマグロ類より安価なため、アゾレス諸島では刺身や寿司ネタとして消費は増加傾向にある。
Katsuwonus pelamis - Skipjack Tuna.png ガイアード
(Gaiado)
カツオ
Katsuwonus pelamis
体長は80cm、最大110cm。カツオ属(1属1種)唯一の種。

※ポルトガルの多くの人々の間では、カツオはマグロの一種で “ 小さいマグロ ” という認識になっている。

マグロ
画像 現地名 一般名(学名)
Thunnus alalunga - Albacore.png アトゥン・ヴォアドール
(Atum Voador)
ビンナガ
Thunnus alalunga
体長は100cm、最大140cm。
Thunnus albacares - Yellowfin Tuna.png アトゥン・アルバカーリス
(Atum Albacora)
キハダ
Thunnus albacares
体長は150cm、最大239cm。
Thunnus obesus - Bigeye Tuna.png アトゥン・パトゥド
(Atum Patudo)
メバチ
Thunnus obesus
体長は180cm、最大250cm。
Thunnus atlanticus - Blackfin Tuna.png アトゥン・ネグラ
(Atum Barabatana Negra)
タイセイヨウマグロ
Thunnus atlanticus
体長は72.0cm、最大108cm。
Thunnus thynnus - Atlantic Bluefin Tuna.png アトゥン・ハビーリョ
(Atum Rabilho)
タイセイヨウクロマグロ
Thunnus thynnus
体長は200cm、最大458cm。

※アゾレス諸島ではマグロの蓄養は行っていないため、全て天然ものである。海外でも評価されており、東京の豊洲市場(旧 築地)にも卸されている。

サバ亜目

画像 現地名 一般名(学名)
Promethichthys prometheus - Roudi Escolar.png ぺイシェ・コエリョ
(Peixe Coelho)
クロシビカマス
Promethichthys prometheus
体長は49cm、最大100cm。クロタチカマス科。コエリョは “ ウサギ ” の意味。
Lepidocybium flavobrunneum - Escolar.png エスコラール
(Escolar)
ぺイシェ・ショコラッテ
(Peixe Chocolate)
アブラソコムツ
Lepidocybium flavobrunneum
体長は150cm、最大2m。クロタチカマス科。
Ruvettus pretiosus - Oilfish.png ぺイシェ・ショコラッテ
(Peixe Chocolate)
ショコラッテ
(Chocolate)
バラムツ
Ruvettus pretiosus
体長は150cm、最大3m。クロタチカマス科。
Lepidopus caudatus - Silver Scabbardfish.png ぺイシェ・エシュパーダ・ブランコ
(Peixe Espada Branco)
ぺイシェ・エシュパーダ
(Peixe Espada)
オビレタチ
Lepidopus caudatus
体長は117cm、最大210cm。タチウオ科オビレタチ属。
Aphanopus intermedius - Intermediate Scabbardfish.png ぺイシェ・エシュパーダ・プレェト
(Peixe Espada Preto)
ぺイシェ・エシュパーダ
(Peixe Espada)
インターミディエイト・スキャバードフィッシュ
Aphanopus intermedius
体長は最大148cm。タチウオ科クロタチモドキ属。
Aphanopus carbo - Black Scabbardfish.png ぺイシェ・エシュパーダ・プレェト
(Peixe Espada Preto)
クロタチモドキ
Aphanopus carbo
体長は70cm、最大151cm。タチウオ科クロタチモドキ属の代表種。

カサゴ亜目

画像 現地名 一般名(学名)
155px ハスカッソ・ドス・アソーレス
(Rascasso dos Açores)
アゾレス・スコーピオンフィッシュ
Scorpaena azorica
体長は最大9.8cm。フサカサゴ科フサカサゴ属。アゾレス諸島の固有種でテルセイラ島の海岸でのみ知られている。
Scorpaena scrofa - Red Scorpionfish.png ホカス
(Rocaz)
ハスカッソ
(Rascasso)
レッド・スコーピオンフィッシュ
Scorpaena scrofa
体長は30cm、最大50cm。フサカサゴ科フサカサゴ属。
Pontinus kuhlii - Offshore Rockfish.png カンターラ
(Cântaro)
バグレ
(Bagre)
オフショア・ロックフィッシュ
Pontinus kuhlii
体長は31.5cm、最大52cm。フサカサゴ科ヒオドシ属。
Helicolenus dactylopterus - Blackbelly Rosefish.png ボカ・ネグラ
(Boca Negra)
ミナミアフリカユメカサゴ
Helicolenus dactylopterus
体長は25cm、最大50cm。メバル科ユメカサゴ属。アゾレス諸島では非常に人気が高い。

ベラ亜目

画像 現地名 一般名(学名)
Chromis limbata - Azores Chromis.png カスタンヘタ
(Castanheta)
アゾレス・クロミス
Chromis limbata
体長は最大12cm。スズメダイ科。分布はポルトガルのアゾレス諸島、マディラ諸島、スペインのカナリア諸島などのマカロネシア海域に限定される。
Similiparma lurida - Canary Damsel.png カスタンヘタ・アズール
(Castanheta Azul)
カスタヘタ
(Castanheta)
カナリー・ダムゼル
Similiparma lurida
体長は最大15cm。スズメダイ科。
Symphodus trutta - Emerald Wrasse.png マラコト
(Maracoto)
エメラルド・ラス
Symphodus trutta
体長は10cm、最大18cm。
155px
(Bodião do Mediterrâneo)
アクサレリィ・ラス
Symphodus mediterraneus
体長は12cm、最大18cm。
155px ボジオン・ヴェルデ
(Bodião Verde)
アトランティック・ラス
Symphodus caeruleus
体長は最大21.5cm。
Thalassoma pavo - Ornate Wrasse.png ハイーニャ
(Rainha)
オーネイト・ラス
Thalassoma pavo
体長は20cm、最大25cm。ハイーニャは “ 女王 ” の意味。
Coris julis - Rainbow Wrasse.png ぺイシェ・ヘイ
(Peixe Rei)
ジュジア
(Judia)
レインボー・ラス
Coris julis
体長は20cm、最大30cm。
Labrus mixtus - Cuckoo Wrasse.png ぺイシェ・イエイ・ド・アルト
(Peixe Eei do Alto)
ボジオン
(Bodião)
クークー・ラス
Labrus mixtus
体長は30cm、最大40cm。
Sparisoma cretense -(Male)Mediterranean Parrotfish.png ベジャ
(Veja)
パパガイオ
(Papagaio)
メディテレーニアン・パロットフィッシュ
Sparisoma cretense
体長は30cm、最大50cm。ムナテンブダイ属。オス(マショ:Macho)は黒みを帯びる。オス・メス共にアゾレス諸島ではポピュラーな地魚でレストランでは欠かせない。磯釣りでも人気。
Sparisoma cretense -(Female)Mediterranean Parrotfish.png 体長はオスと同様。メス(フェミア:Fêmea)は鮮やかな赤色が特徴。調理の上でオスとメスの区別はない。2匹をグリルで注文した場合、一皿に赤と黒のペアで供されるのも一般的。
Bodianus scrofa - Barred Hogfish.png ぺイシェ・カオン
(Peixe Cão)
ガイオ
(Gaio)
バード・ホッグフィッシュ
Bodianus scrofa
体長は30cm、最大51cm。タキベラ属。
Labrus bergylta - Ballan Wrasse.png ボジオン・ヴェルメーリョ
(Bodião Vermelho)
バラン・ラス
Labrus bergylta
体長は50cm、最大65.9cm。

※ことわざ「1月のベラは羊よりも価値がある」(Bodião em Janeiro vale um carneiro)は広く知られている。

イボダイ亜目

画像 現地名 一般名(学名)
Schedophilus ovalis - Imperial Blackfish.png ショウパ
(Choupa)
インペリアル・ブラックフィッシュ
Schedophilus ovalis
体長は60cm、最大100cm。ミナミナガメダイ属 。

ヒシダイ亜目

画像 現地名 一般名(学名)
Capros aper - Boarfish.png ピムピム
(Pimpim)
ミニ・サイア
(Mini Saia)
ボアフィッシュ
Capros aper
体長は13cm、最大30cm。

スズキ亜目

画像 現地名 一般名(学名)
Apogon imberbis - Cardinal Fish.png フォリアォン
(Folião)
アルカラス
(Alcarraz)
ロアデルジェ
Apogon imberbis
体長は最大15cm。テンジクダイ科コミナトテンジクダイ属。
Anthias anthias - Swallowtail Seaperch.png カナリオ・ド・マル
(Canário do Mar)
アンドリーニョ
(Andorinho)
スワローテール・シーパーチ
Anthias anthias
体長は15cm、最大27cm。ハタ科ハナダイ亜科アンティアス属。
Mullus surmuletus - Striped Red Mullet.png サルモネッテ
(Salmonete)
サルモネッテ・レジーチモ
(Salmonete Legítimo)
タテジマヒメジ
Mullus surmuletus
体長は25cm、最大40cm。ヒメジ科メダマヒメジ属。丸ごと焼くのが定番。肝が美味とされる。
Brama brama - Atlantic Pomfret.png シャプータ
(Xaputa)
シャプータ
(Chaputa)
ニシシマガツオ
Brama brama
体長は40cm、最大100cm。シマガツオ属。
Kyphosus sectatrix - Bermuda Chub.png パトルーサ
(Patruça)
プレギソーザ
(Preguiçosa)
バミューダ・チャブ
Kyphosus sectatrix
体長は50cm、最大76cm。イスズミ科イスズミ属。
Epigonus telescopus - Black Cardinal Fish.png イスカムーダ
(Escamuda)
イスカムーダ・プレタ
(Escamuda Preta)
オオヤセムツ
Epigonus telescopus
体長は55cm、最大75cm。ヤセムツ科ヤセムツ属。
Coryphaena hippurus - Mahi Mahi.png ドウラード
(Dourado)
ドイラード
(Doirado)
シイラ
Coryphaena hippurus
体長は1m、最大2.1m。シイラ属(1属2種)の一種。ドウラードは “ 黄金 ” の意味。アゾレス諸島の外海で獲れる。

バショウカジキ目

バショウカジキ科

画像 現地名 一般名(学名)
Tetrapturus albidus - Atlantic White Marlin.png イスパジン・ブランコ・ド・アトランティコ
(Espadim Branco do Atlântico)
ニシマカジキ
Tetrapturus albidus
体長は2.1m。単に “ イスパジン ” とも呼ばれる。
Makaira nigricans - Atlantic Blue Marlin.png イスパジン・アズール・ド・アトランティコ
(Espadim Azul do Atlântico)
ニシクロカジキ
Makaira nigricans
体長は2~3m。単に “ イスパジン ” とも呼ばれる。

メカジキ科

画像 現地名 一般名(学名)
Xiphias gladius - Swordfish.png イスパダールチ
(Espadarte)
アグリャオ
(Agulhão)
メカジキ
Xiphias gladius
体長は3m、最大4.5m。メカジキ科(1科1種)唯一の種。

フグ目

画像 現地名 一般名(学名)
Balistes capriscus - Grey Triggerfish.png ぺイシェ・ポルコ
(Peixe Porco)
ネズミモンガラ
Balistes capriscus
体長は44cm、最大66cm。モンガラカワハギ科。大衆魚の一つでグリルが定番。

ウナギ目

ウツボ

画像 現地名 一般名(学名)
Muraena augusti - Black Moray.png モレイラ・プレタ
(Moreia Preta)
ブラック・モレイ
Muraena augusti
体長は最大90cm。
Gymnothorax unicolor - Brown Moray Eel.png モレオン
(Moreão)
ブラウン・モレイ
Gymnothorax unicolor
体長は最大1m。単にモレイラ(Moreia)とも呼ばれる。
Enchelycore anatina - Fangtooth Moray.png ヴィーボラ
(Víbora)
ファングトゥース・モレイ
Enchelycore anatina
体長は最大1.2m。単にモレイラ(Moreia)とも呼ばれる。
Muraena helena - Mediterranean Moray.png モレイラ・ピンターダ
(Moreia Pintada)
チチュウカイウツボ
Muraena helena
体長は80cm、最大1.5m。単にモレイラ(Moreia)とも呼ばれる。

アナゴ

画像 現地名 一般名(学名)
Conger conger - European Conger.png サフィオ
(Safio)
コングロ
(Congro)
ヨーロッパアナゴ
Conger conger
体長は1m、最大3m。メスは通常1.5m。一般的に幼魚はサフィオ、成魚はコングロと呼ばれる。アゾレス諸島では、カルディラーダ・デ・コングロや米料理のアローシュ・デ・マリスコスが定番。

軟骨魚綱類

アンコウ

画像 現地名 一般名(学名)
Lophius piscatorius - European Angler.png タンボリル
(Tamboril)
パナデリア
(Panadeira)
ニシアンコウ
Lophius piscatorius
体長は1m、最大2m。アローシュ・デ・タンボリル

エイ

画像 現地名 一般名(学名)
Raja clavata - Thornback Ray.png ハイア
(Raia)
ライア・レンガ
(Raia Lenga)
イボガンギエイ
Raja clavata
エイのカルディラーダは定番。
Dasyatis pastinaca - Common Stingray.png ハットン
(Ratão)
ウージ
(Uge)
コモン・スティングレイ
Dasyatis pastinaca

サメ

ネズミザメ目
画像 現地名 一般名(学名)
Isurus oxyrinchus - Shortfin Mako Shark.png ヒンキン
(Rinquim)
トゥバルン
(Tubarão)
アオザメ
Isurus oxyrinchus
ネズミザメ科。体長は270cm、最大445cm。
Alopias superciliosus - Bigeye Thresher.png トゥバルン・ラポーゾ・ハビーリョ
(Tubarão Raposo Olhudo)
ハチワレ
Alopias superciliosus
オナガザメ科。体長は350cm、最大488cm。
メジロザメ目
画像 現地名 一般名(学名)
Galeorhinus galeus - Tope Shark.png カサォン
(Cação)
イコクエイラクブカ
Galeorhinus galeus
ドチザメ科。体長は160cm、最大193cm(メスは最大195cm)。
Prionace glauca - Blue Shark.png チンツレイラ
(Tintureira)
トゥバルン
(Tubarão)
ヨシキリザメ
Prionace glauca
メジロザメ科。体長は335cm、最大4m。
Sphyrna zygaena - Smooth Hammerhead.png コルヌーダ
(Cornuda)
トゥバルン・マルテーロ
(Tubarão Martelo)
シロシュモクザメ
Sphyrna zygaena
シュモクザメ科。体長は335cm、最大5m。
カグラザメ目
画像 現地名 一般名(学名)
Heptranchias perlo - Sharpnose Sevengill Shark.png ビコ・ドース
(Bico Doce)
エドアブラザメ
Heptranchias perlo
カグラザメ科。体長は100cm、最大137cm(メスは最大140cm)。
Hexanchus griseus - Bluntnose Sixgill Shark.png トゥバルン・アルバファル
(Tubarão Albafar)
トゥバルン
(Tubarão)
カグラザメ
Hexanchus griseus
カグラザメ科。体長は3m、最大6m。
ツノザメ目
画像 現地名 一般名(学名)
Etmopterus spinax - Velvet Belly Lantern Shark.png リシーニャ・ダ・フンドゥーラ
(Lixinha da Fundura)
クロハラカラスザメ
Etmopterus spinax
カラスザメ科。体長は45cm、最大60cm。
Dalatias licha - Kitefin Shark.png ガトゥ・リシャ
(Gata Lixa)
トゥバルン
(Tubarão)
ヨロイザメ
Dalatias licha
ヨロイザメ科(1科1種)唯一の種。体長は最大182cm。ガトゥは “ 猫 ” の意味。クロタチモドキの延縄漁で混獲される。国際自然保護連合は準絶滅危惧とし、欧州連合で漁獲が禁止された。
Centroscymnus coelolepis - Portuguese Dogfish.png カロッショ
(Carocho)
シャラ・プレタ
(Xara Preta)
マルバラユメザメ
Centroscymnus coelolepis
オンデンザメ科。体長は92cm、最大121cm。
Centroscymnus crepidater - Longnose Velvet Dogfish.png サパータ・プレタ
(Sapata Preta)
トゥバルン
(Tubarão)
フンナガユメザメ
Centroscymnus crepidater
オンデンザメ科。体長は最大130cm。
Centroscymnus cryptacanthus - Shortnose Velvet Dogfish.png シャラ・プレタ・デ・ナトゥーラ
(Xara Preta de Natura)
ショートノーズ・ヴェルベット・ドッグフィッシュ
Centroscymnus cryptacanthus
オンデンザメ科。体長は最大148cm。
Deania hystricosa - Rough Longnose Dogfish.png サパータ・アスペラ
(Sapata áspera)
サガミザメ
Deania hystricosa
アイザメ科。体長は最大84cm(メスは109cm)。
Deania profundorum - Arrowhead Dogfish.png サパータ
(Sapata)
トゥバルン
(Tubarão)
トガリヘラツノザメ
Deania profundorum
アイザメ科。体長は最大110cm。
Deania calcea - Birdbeak Dogfish.png サパータ・ブランカ
(Sapata Branca)
トゥバルン
(Tubarão)
ヘラツノザメ
Deania calcea
アイザメ科。体長は最大127cm。
Centrophorus lusitanicus - Lowfin Gulper Shark.png トゥバルン・ルジターノ
(Tubarão Lusitano)
トゥバルン
(Tubarão)
ローフィン・ガルパー・シャーク
Centrophorus lusitanicus
アイザメ科。体長は最大160cm。
Centrophorus squamosus - Leafscale Gulper Shark.png リシャ
(Lixa)
シャラ
(Xara)
モミジザメ
Centrophorus squamosus
アイザメ科。体長は最大164cm。
Centrophorus granulosus - Gulper Shark.png バローゾ
(Barroso)
ウロコアイザメ
Centrophorus granulosus
アイザメ科。体長は最大170cm。メスは通常145.5cm。日本では旧和名「タロウザメ」でも知られる。

海藻類

画像 現地名 一般名(学名)
Ulva intestinalis - Gutweed.png エルバ・デ・カニャオ
(Erva do Calhau)
ボウアオノリ
Ulva intestinalis
アゾレス諸島のコルボ島では伝統的に食用とされている。ボウアオノリは日本の一部の地域では食用とされる。
Porphyra umbilicalis - Purple Laver.png エルバ・パチーニャ・カスターニャ
(Erva Patinha Castanha)
ノリ・ド・アトランティコ
(Nori do Atlântico)
パープル・レイヴァー
Porphyra umbilicalis
アマノリ属の一種。アゾレス諸島のフローレス島では伝統的に食用とされている。アマノリは寿司やオニギリに使われるアサクサノリの近縁種。
Pterocladiella capillacea - Branched Wing Weed.png アガー
(Agar)
カタオバクサ
Pterocladiella capillacea
テングサ目に属する紅藻類。
Sargassum vulgare - Wireweed.png サルガッソ
(Sargaço)
ジンメソウ
Sargassum vulgare
ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属。

外来種

画像 現地名 一般名
Microcosmus squamiger - Blunt Spined Microcosmus.png アシ―ジャ
(Ascídia)
オーストラリアハルトボヤ
Microcosmus squamiger
マボヤ科ハルトボヤ属。オーストラリア原産のホヤ。日本でも確認されている。
Asparagopsis armata - Harpoonweed.png アルガ・ヴェルメーリャ
(Alga Vermelha)
ハープーン・ウィード
Asparagopsis armata
カギケノリ目カギノリ属。オーストラリア原産の紅藻類。
Asparagopsis taxiformis - Red Sea Plume.png アルガ・ヴェルメーリャ
(Alga Vermelha)
レッド・シー・プルーム
Asparagopsis taxiformis
カギケノリ目カギノリ属。オーストラリア原産の紅藻類。

流通規制魚類

販売禁止

2005年12月5日付で欧州委員会(EC)は、欧州委員会及び理事会規則(No.2047/2005)に基づいて特定の水産物に対する販売禁止の措置を実施した。

※以下は、日本で食用とされている魚種であっても、水産庁(農林水産省に属する)が定めた魚種として、欧州連合(EU)への輸出は禁止されている。→主な記事:EUに輸出できない魚種

フグ

日本でもフグ目に属するフグ科の魚類の毒性に関して厳しく制限を設けている。毒を含む部位(眼球・脳・骨・皮・筋肉・胃、腸、心臓、胆のう、脾臓を含む内臓全般・肝臓・精巣・卵巣)は種によって異なるため、例え安価な種であっても適切に下処理されたものが流通している。無知識な者が釣ったフグの皮を湯引きしてポン酢、白子刺し、尾をヒレ酒に安易に用いた場合、致命的なことになる。種によっては身肉にも毒は含まれ、肝臓や卵巣を食すことはそれを超えて論外である。 例え特定の地域で無毒とされ、暗黙で食されている部位(ヨリトフグの肝、ハコフグの肝、養殖に限りトラフグの肝)などであっても市場への流通は決して許されない。唯一、毒を含む部位を加工し、食品として公的に認められている特区は古くから伝統のある石川県のみである。

マンボウ

マンボウは19世紀までヨーロッパでは美食の一つとされていたが、生物学的にフグ目に属すことからフグ科に多く含まれる毒素「テトロドキシン」が含まれる可能性が考えられるようになり、次第にフグ同様の扱いとなった。 その後、 “ その可能性はない ” とする科学的見解が発表されたが、流通における安全性に対しては完全に払拭されておらず、別の毒素「シガテラ」が含まれる可能性としても禁止されている。 市場には流通はしないが、延縄や底引き漁で混獲される。また、個人が釣ることもある。規制はされているが食用可能であることは知られており、基本的には「食用とする場合は適切な知識と処理が必要である」という旨は促されている。現状、合法的に欧州以外から輸入されたマンボウの冷凍フィレは流通しているが、レストランでは絶対に提供されることはない。

※シガテラは、フグ毒のような “ 死に直結 ” するテトロドキシンとは異なる。シガテラ毒は海域の環境や温度などに大きく影響されるため、危険因子とされる魚種は特定されているものの、必ずしも魚種によって断定できない非常にデリケートな問題がある。絶対的安全性を優先した場合、市場から排除される食用魚も決して少なくない。世界的に温暖・熱帯地域の海域に生息する魚類に多く見られるが、それらの魚類も重要な食用魚として市場に並んでいる国も多い。万に一つ、発症しても特に行政を攻めることもないため、こればかりは “ 確立 ” としか言いようがない。生牡蠣で “ 当たるか当たらないか ” を論ずるに近い問題で決して確実性はない。

画像 現地名 一般名(学名)
Canthigaster rostrata - Caribbean Sharp Nose Puffer.png ぺイシェ・バラォン
(Peixe Balão)
カリビアン・シャープノーズ・パファー
Canthigaster rostrata
キタマクラ属のフグの一種。バラォンは膨らむ “ 風船・気球 ” の意味。和名のキタマクラは古来より死人の頭を向ける方角に由来する。食せば死を賜る代表角。※テトロドキシンが含まれるため規制。
Sphoeroides marmoratus - Guinean Puffer.png ぺイシェ・バラォン
(Peixe Balão)
ソパポ または サッポ
(Sopapo または Sapo)
ギニアン・パファー
Sphoeroides marmoratus
ヨリトフグ属の一種。サッポは “ カエル ” の意味。※テトロドキシンが含まれるため規制。
Sphoeroides pachygaster - Blunthead Puffer.png ぺイシェ・バラォン
(Peixe Balão)
サッポ・ド・アルト
(Sapo do Alto)
ヨリトフグ
Sphoeroides pachygaster
日本ではトラフグのような美食としての価値は低いが、それより安全なフグとして大衆的に扱われている。※テトロドキシンが含まれるため規制。
Lagocephalus lagocephalus - Oceanic Puffer.png ぺイシェ・バラォン
(Peixe Balão)
クマサカフグ
Lagocephalus lagocephalus
サバフグ属の一種。日本ではサバフグは安価で一夜干しなどがある。石川県では伝統のへシコの技法で毒性の強い卵巣を糠漬けにして毒素を抜いた珍味がある。※テトロドキシンが含まれるため規制。
Diodon hystrix - Spot Fin Porcupinefish.png ぺイシェ・バラォン・エスピーニョーゾ
(Peixe Balão Espinhoso)
ネズミフグ
Diodon hystrix
フグ目ハリセンボン科ハリセンボン属の一種。体長は40~90cm。台湾や日本の沖縄では伝統的に食用とさている。沖縄では “ アバサー ”と呼ばれる。 ※シガテラ毒が含まれる可能性により規制。
Masturus lanceolatus - Point Tailed Sunfish.png ぺイシェ・ルワ
(Peixe Lua)
ヤリマンボウ
Masturus lanceolatus
体長は3.4m。尾が尖がっているのが特徴。主に台湾で食用とさている種で商業的漁業も行われている。日本の一部の地域でも食用とされている。※シガテラ毒が含まれる可能性により規制。
Mola mola - Ocean Sunfish.png ぺイシェ・ルワ
(Peixe Lua)
マンボウ
Mola mola
体長は最大3.25m。2021年12月、アゾレス諸島のファイアル島で世界最大の個体が打ち上げられた。台湾や日本の一部の地域では食用とされている。※シガテラ毒が含まれる可能性により規制。

表示義務

バラムツやアブラソコムツには人体が消化できない油脂(ワックスエステル)が含まれており、下剤と同様の瀉下作用(しゃげさよう)がある。 過剰摂取や個人の体調によっては下痢に伴う脱水症状で重篤な症状に陥る場合がある。 その反面、問題のワックスは味覚的に “ 上品な脂 ” の類で非常に美味な魚として広く認知されており、弊害より美食としての価値が勝っている。 日本では魚種の偽装問題による健康被害によって1981年以降、市場への流通は禁止されているが、自己責任の範囲で食されているのが現状である。 欧州連合(EU)では適切な摂取量の表示を義務化することで流通が許されている。 欧米では “ バターフィッシュ ”(Butterfish)、または “ 白いトロ ”(White Toro)と称され、高級マグロの大トロと対峙する美味な寿司ネタとして使われることも珍しくない。

※以下は、日本では食品衛生法第6条2項(有害な物質を含む、もしくはその恐れのある食品)に基づいて市場への流通は禁止されていると共に、水産庁(農林水産省に属する)が定めた魚種として、欧州連合(EU)への輸出は禁止されている。→主な記事:EUに輸出できない魚種

画像 現地名 一般名(学名)
Lepidocybium flavobrunneum - Escolar.png エスコラール
(Escolar)
ぺイシェ・ショコラッテ
(Peixe Chocolate)
アブラソコムツ
Lepidocybium flavobrunneum
体長は150cm、最大2m。スズキ目サバ亜目クロタチカマス科アブラソコムツ属。ショコラッテは “ チョコレート ” の意味。※ワックスが含まれるため規制。
Ruvettus pretiosus - Oilfish.png ぺイシェ・ショコラッテ
(Peixe Chocolate)
ショコラッテ
(Chocolate)
バラムツ
Ruvettus pretiosus
体長は150cm、最大3m。スズキ目サバ亜目クロタチカマス科バラムツ属。※ワックスが含まれるため規制。

関連項目