「アゾレス諸島の魚介類一覧」の版間の差分
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|ラパ<br><small>(Lapa)</small> | |ラパ<br><small>(Lapa)</small> | ||
− | |カサガイ類<br><small>('' | + | |カサガイ類<br><small>(''Nacellidae'')</small> |
− | |<small> | + | |<small>カサガイのグリルはアゾレス諸島の代表的な料理である。一般的に「マンサ」と「ブラヴァ」の2種類として紹介され、種も同じく2種とされがちだが、実際には3種類が生息し、食用とされている。</small> |
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|ラパ・ブーハ<br><small>(Lapa Burra)</small><br>アバローニ<br><small>(Abalone)</small> | |ラパ・ブーハ<br><small>(Lapa Burra)</small><br>アバローニ<br><small>(Abalone)</small> | ||
|セイヨウトコブシ<br><small>(''Haliotis tuberculata'')</small> | |セイヨウトコブシ<br><small>(''Haliotis tuberculata'')</small> | ||
− | |<small>体長は8cm、最大12. | + | |<small>体長は8cm、最大12.3cm。ミミガイ科ミミガイ属。呼称は「ラパ」を冠するがサルガイと区別される。アバローニは “ アワビ ” の意味。トコブシはアワビと同属で近縁種だが大きくはならない。</small> |
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|イリオ・デ・セーハ<br><small>(Írio de Serra)</small><br><small>シャレウ</small><br><small>(Xaréu)</small> | |イリオ・デ・セーハ<br><small>(Írio de Serra)</small><br><small>シャレウ</small><br><small>(Xaréu)</small> | ||
|ブルーランナー<br><small>(''Caranx crysos'')</small> | |ブルーランナー<br><small>(''Caranx crysos'')</small> | ||
− | |<small> | + | |<small>体長は40cm、最大70cm。ギンガメアジ属。シマアジと総括して単にシャレウとも呼ばれる。 </small> |
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|インシャレウ<br><small>(Encharéu)</small><br><small>シャレウ</small><br><small>(Xaréu)</small> | |インシャレウ<br><small>(Encharéu)</small><br><small>シャレウ</small><br><small>(Xaréu)</small> | ||
|シマアジ<br><small>(''Pseudocaranx dentex'')</small> | |シマアジ<br><small>(''Pseudocaranx dentex'')</small> | ||
− | |<small> | + | |<small>体長は40cm、最大122cm。シマアジ属の代表種。アゾレス諸島では夏が旬の味覚として評価が高い。炭火のグリルや[[カルディラーダ]]に使われる。地元ではカンパチに似た魚として人気がある。</small> |
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|カヴァーラ<br><small>(Cavala)</small> | |カヴァーラ<br><small>(Cavala)</small> | ||
|マサバ<br><small>(''Scomber japonicus'')</small> | |マサバ<br><small>(''Scomber japonicus'')</small> | ||
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|セーハ<br><small>(Serra)</small><br>ボニート<br><small>(Bonito)</small> | |セーハ<br><small>(Serra)</small><br>ボニート<br><small>(Bonito)</small> | ||
|タイセイヨウハガツオ<br><small>(''Sarda sarda'')</small> | |タイセイヨウハガツオ<br><small>(''Sarda sarda'')</small> | ||
− | |<small>体長は50cm、最大91. | + | |<small>体長は50cm、最大91.4cm。ハガツオ属。脂の乗った腹身は非常に人気がある。高価なマグロ類より安価なため、アゾレス諸島では刺身や寿司ネタとして消費は増加傾向にある。</small> |
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|[[File:Katsuwonus pelamis - Skipjack Tuna.png|155px]] | |[[File:Katsuwonus pelamis - Skipjack Tuna.png|155px]] | ||
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− | <small> | + | <small>※アゾレス諸島ではマグロの蓄養は行っていないため、全て天然ものである。海外でも評価されており、東京の豊洲市場(旧 築地)にも卸されている。</small> |
==== サバ亜目 ==== | ==== サバ亜目 ==== | ||
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2005年12月5日付で欧州委員会(EC)は、欧州委員会及び理事会規則(No.2047/2005)に基づいて特定の水産物に対する販売禁止の措置を実施した。<br> | 2005年12月5日付で欧州委員会(EC)は、欧州委員会及び理事会規則(No.2047/2005)に基づいて特定の水産物に対する販売禁止の措置を実施した。<br> | ||
− | + | ※以下は、日本で食用とされている魚種であっても、水産庁(農林水産省に属する)が定めた魚種として、欧州連合(EU)への輸出は禁止されている。→主な記事:[[EUに輸出できない魚種]] | |
==== フグ ==== | ==== フグ ==== | ||
− | + | 日本でもフグ目に属するフグ科の魚類の毒性に関して厳しく制限を設けている。毒を含む部位(眼球・脳・骨・皮・筋肉・胃、腸、心臓、胆のう、脾臓を含む内臓全般・肝臓・精巣・卵巣)は種によって異なるため、例え安価な種であっても適切に下処理されたものが流通している。無知識な者が釣ったフグの皮を湯引きしてポン酢、白子刺し、尾をヒレ酒に安易に用いた場合、致命的なことになる。種によっては身肉にも毒は含まれ、肝臓や卵巣を食すことはそれを超えて論外である。 | |
例え特定の地域で無毒とされ、暗黙で食されている部位(ヨリトフグの肝、ハコフグの肝、養殖に限りトラフグの肝)などであっても市場への流通は決して許されない。唯一、毒を含む部位を加工し、食品として公的に認められている特区は古くから伝統のある石川県のみである。 | 例え特定の地域で無毒とされ、暗黙で食されている部位(ヨリトフグの肝、ハコフグの肝、養殖に限りトラフグの肝)などであっても市場への流通は決して許されない。唯一、毒を含む部位を加工し、食品として公的に認められている特区は古くから伝統のある石川県のみである。 | ||
==== マンボウ ==== | ==== マンボウ ==== | ||
マンボウは19世紀までヨーロッパでは美食の一つとされていたが、生物学的にフグ目に属すことからフグ科に多く含まれる毒素「テトロドキシン」が含まれる可能性が考えられるようになり、次第にフグ同様の扱いとなった。 | マンボウは19世紀までヨーロッパでは美食の一つとされていたが、生物学的にフグ目に属すことからフグ科に多く含まれる毒素「テトロドキシン」が含まれる可能性が考えられるようになり、次第にフグ同様の扱いとなった。 | ||
− | その後、 “ その可能性はない ” | + | その後、 “ その可能性はない ” とする科学的見解が発表されたが、流通における安全性に対しては完全に払拭されておらず、別の毒素「シガテラ」が含まれる可能性としても禁止されている。 |
− | + | 市場には流通はしないが、延縄や底引き漁で混獲される。また、個人が釣ることもある。規制はされているが食用可能であることは知られており、基本的には「食用とする場合は適切な知識と処理が必要である」という旨は促されている。現状、合法的に欧州以外から輸入されたマンボウの冷凍フィレは流通しているが、レストランでは絶対に提供されることはない。 | |
− | + | ※シガテラは、フグ毒のような “ 死に直結 ” するテトロドキシンとは異なる。シガテラ毒は海域の環境や温度などに大きく影響されるため、危険因子とされる魚種は特定されているものの、必ずしも魚種によって断定できない非常にデリケートな問題がある。絶対的安全性を優先した場合、市場から排除される食用魚も決して少なくない。世界的に温暖・熱帯地域の海域に生息する魚類に多く見られるが、それらの魚類も重要な食用魚として市場に並んでいる国も多い。万に一つ、発症しても特に行政を攻めることもないため、こればかりは “ 確立 ” としか言いようがない。生牡蠣で “ 当たるか当たらないか ” を論ずるに近い問題で決して確実性はない。 | |
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過剰摂取や個人の体調によっては下痢に伴う脱水症状で重篤な症状に陥る場合がある。 | 過剰摂取や個人の体調によっては下痢に伴う脱水症状で重篤な症状に陥る場合がある。 | ||
その反面、問題のワックスは味覚的に “ 上品な脂 ” の類で非常に美味な魚として広く認知されており、弊害より美食としての価値が勝っている。 | その反面、問題のワックスは味覚的に “ 上品な脂 ” の類で非常に美味な魚として広く認知されており、弊害より美食としての価値が勝っている。 | ||
− | + | 日本では魚種の偽装問題による健康被害によって1981年以降、市場への流通は禁止されているが、自己責任の範囲で食されているのが現状である。 | |
欧州連合(EU)では適切な摂取量の表示を義務化することで流通が許されている。 | 欧州連合(EU)では適切な摂取量の表示を義務化することで流通が許されている。 | ||
+ | 欧米では “ バターフィッシュ ”(Butterfish)、または “ 白いトロ ”(White Toro)と称され、高級マグロの大トロと対峙する美味な寿司ネタとして使われることも珍しくない。 | ||
− | + | ※以下は、日本では食品衛生法第6条2項(有害な物質を含む、もしくはその恐れのある食品)に基づいて市場への流通は禁止されていると共に、水産庁(農林水産省に属する)が定めた魚種として、欧州連合(EU)への輸出は禁止されている。→主な記事:[[EUに輸出できない魚種]] | |
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+ | |[[File:Lepidocybium flavobrunneum - Escolar.png|155px]] | ||
+ | |エスコラール<br><small>(Escolar)</small><br>ぺイシェ・ショコラッテ<br><small>(Peixe Chocolate)</small> | ||
+ | |アブラソコムツ<br><small>(''Lepidocybium flavobrunneum'')</small> | ||
+ | |<small>体長は150cm、最大2m。スズキ目サバ亜目クロタチカマス科アブラソコムツ属。ショコラッテは “ チョコレート ” の意味。{{font color|red|※ワックスが含まれるため規制。}}</small> | ||
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|[[File:Ruvettus pretiosus - Oilfish.png|155px]] | |[[File:Ruvettus pretiosus - Oilfish.png|155px]] | ||
|ぺイシェ・ショコラッテ<br><small>(Peixe Chocolate)</small><br>ショコラッテ<br><small>(Chocolate)</small> | |ぺイシェ・ショコラッテ<br><small>(Peixe Chocolate)</small><br>ショコラッテ<br><small>(Chocolate)</small> | ||
|バラムツ<br><small>(''Ruvettus pretiosus'')</small> | |バラムツ<br><small>(''Ruvettus pretiosus'')</small> | ||
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2024年8月25日 (日) 20:57時点における最新版
概要
アゾレス諸島の大衆魚は、シシャ―ホ(アジ科)、サルゴ(タイ科)、エイ(軟骨魚綱類)、モンガラカワハギ(フグ目)である。
貝類
二枚貝
※テルセイラ島で発見されたマテガイは本土と同種だが、本土または他国の外来種かアゾレス諸島の在来種かは不明。外来種の場合、人工的な放流や移入でない限り、そのほとんどの原因は往来する船舶による。アゾレス諸島の食文化において伝統的な地元の食材として認知されていないため、外来種の可能性が高い。
巻貝
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ブジーナ (Buzina) ブジオ (Búzio) |
ナンカイボラ (Charonia lampas) |
||
ブジオ (Búzio) |
ツロツブリボラ (Hexaplex trunculus) |
腹足類
頭足類
タコ
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ポルヴォ (Polvo) ポルヴォ・ヴガール (Polvo Vulgar) |
マダコ (Octopus vulgaris) |
ポルトガルでタコ料理といえば本土が代表格として優先的に挙げられることが多いが、アゾレス諸島でも良質のタコが獲れる。特にタコの赤ワイン煮込み(ポルヴォ・ギザード)が有名。 |
イカ
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ルラ (Lula) ルラ・リスカード (Lula Riscada) |
ヨーロッパオオヤリイカ (Loligo forbesi) |
外套(胴体)1m。ヤリイカ科で最大の種。アゾレス諸島はイカ漁が盛んで通年で行われている。漁獲されたイカの80%以上はポルトガル本土とスペインに輸出され、残りは地元で消費されている。 |
甲殻類
エビ
カニ
ヤドカリ
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
カランゲージョ・エレミータ (Caranguejo Eremita) カランゲージョ (Caranguejo) |
レッド・ハーミットクラブ (Dardanus calidus) |
アゾレス諸島の一部の漁村では、コジード、グリル、マリネで食用とされている。商業的漁業は行われておらず、市場には一般的に流通しない。日本でも一部の地域で食用とされている。 |
蔓脚類
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
クラーカ (Craca) |
フジツボ (Megabalanus azoricus) |
日本でも一部の地域で食用とされている。 |
棘皮動物
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
オルリーソ・ド・マル (Ouriço do Mar) |
チチュウカイシラヒゲウニモドキ (Sphaerechinus granularis) |
直径15cmまで成長する。形状はバフンウニで色はムラサキウニ。 |
魚類
タラ目
ニシン目
イワシ
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
サルディーニャ (Sardinha) ペティンガ (Petinga) |
ニシイワシ (Sardina pilchardus) |
体長は20cm、最大27.5cm。サルディナ属。 |
ダツ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ぺイシェ・アグーリャ (Peixe Agulha) アグーリャ (Agulha) |
ガーフィッシュ (Belone belone) |
体長は45cm、最大104cm。汽水域および海水域に生息する。 |
ボラ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
タイーニャ (Tainha) ムージャ (Muja) |
シックリップ・グレー・マレット (Chelon labrosus) |
体長は32cm、最大75cm。 |
カレイ目
ヒラメ
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
カルタ (Carta) ソーリャ (Solha) |
ワイド・アイド・フラウンダー (Bothus podas) |
体長は13cm、最大45cm。 ホシダルマガレイ属。 | |
アレイロ (Areeiro) |
メグリム (Lepidorhombus whiffiagonis) |
体長は25cm、最大60cm。 |
マトウダイ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ガロ・ブランコ (Galo Branco) |
ミナミカガミダイ (Zenopsis conchifer) |
体長は50cm、最大80cm。 | |
ペイシェ・ネグロ (Peixe Negro) ペイシェ・ガロ (Peixe Galo) |
マトウダイ (Zeus faber) |
体長は40cm、最大90cm。 |
キンメダイ目
キュウリウオ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
155px | セリンドラ (Celindra) |
リッソズ・スムースヘッド (Alepocephalus rostratus) |
体長は最大50cm。ハゲイワシ属。 |
ヒメ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ラガルト・ダ・コスタ (Lagarto da Costa) ぺイシェ・ラガルト (Peixe Lagarto) |
アトランティック・リザードフィッシュ (Synodus saurus) |
体長は20cm、最大40cm。アカエソ属。 |
トゲウオ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
トロンベテイロ (Trombeteiro) アパラ・ラーピス (Apara Lápis) |
サギフエ (Macroramphosus scolopax) |
体長は12cm、最大20cm。 | |
カヴァロ・マリーニョ (Cavalo Marinho) |
ロング・スナウト・シーホース (Hippocampus guttulatus) |
体長は最大21.5cm。タツノオトシゴの一種。 |
スズキ目
タイ科
ケントラカントゥス科
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ボケイロン (Boqueirão) |
カールド・ピカレル (Centracanthus cirrus) |
体長は12cm、最大34cm。 | |
トロンベイロ (Trombeiro) |
ピカレル (Spicara flexuosa) |
体長は14cm、最大23.2cm。 |
アジ科
アジ
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
シシャ―ホ・ド・アルト (Chicharro do Alto) シシャ―ホ (Chicharro) |
ブルー・ジャック・マッケル (Trachurus picturatus) |
体長は25cm、最大60cm。マアジ属。 | |
プロンベータ (Prombeta) セレィア (Sereia) |
ポンパノ (Trachinotus ovatus) |
体長は35cm、最大70cm。コバンアジ属。 | |
イリオ・デ・セーハ (Írio de Serra) シャレウ (Xaréu) |
ブルーランナー (Caranx crysos) |
体長は40cm、最大70cm。ギンガメアジ属。シマアジと総括して単にシャレウとも呼ばれる。 | |
インシャレウ (Encharéu) シャレウ (Xaréu) |
シマアジ (Pseudocaranx dentex) |
体長は40cm、最大122cm。シマアジ属の代表種。アゾレス諸島では夏が旬の味覚として評価が高い。炭火のグリルやカルディラーダに使われる。地元ではカンパチに似た魚として人気がある。 |
カンパチ
ホウボウ科
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
カブラ (Cabra) フイボ (Ruivo) |
レッド・ガーナード (Chelidonichthys cuculus) |
体長は27.6cm、最大70cm。ホウボウ属。 |
カマス科
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ビクーダ (Bicuda) |
イエローマウス・バラクーダ (Sphyraena viridensis) |
体長は40cm、最大128cm。カマス属。 |
サバ科
カマスサワラ
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
カヴァーラ・ダ・インジャ (Cavala da India) ウアゥ (Uau) |
カマスサワラ (Acanthocybium solandri) |
体長は170cm、最大2.5m。カマスサワラ属(1属1種)唯一の種。 |
サバ
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
カヴァーラ (Cavala) |
マサバ (Scomber japonicus) |
体長は30cm、最大64cm。サバ属。学名の “ japonicus ” でもわかるように日本と同種。 |
※アゾレス諸島では高鮮度のサバが各島内に流通する。日本のサバの名産地に見られる「酢締め」をしない寿司や刺身も食されている。
カツオ
※ポルトガルの多くの人々の間では、カツオはマグロの一種で “ 小さいマグロ ” という認識になっている。
マグロ
※アゾレス諸島ではマグロの蓄養は行っていないため、全て天然ものである。海外でも評価されており、東京の豊洲市場(旧 築地)にも卸されている。
サバ亜目
カサゴ亜目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
155px | ハスカッソ・ドス・アソーレス (Rascasso dos Açores) |
アゾレス・スコーピオンフィッシュ (Scorpaena azorica) |
体長は最大9.8cm。フサカサゴ科フサカサゴ属。アゾレス諸島の固有種でテルセイラ島の海岸でのみ知られている。 |
ホカス (Rocaz) ハスカッソ (Rascasso) |
レッド・スコーピオンフィッシュ (Scorpaena scrofa) |
体長は30cm、最大50cm。フサカサゴ科フサカサゴ属。 | |
カンターラ (Cântaro) バグレ (Bagre) |
オフショア・ロックフィッシュ (Pontinus kuhlii) |
体長は31.5cm、最大52cm。フサカサゴ科ヒオドシ属。 | |
ボカ・ネグラ (Boca Negra) |
ミナミアフリカユメカサゴ (Helicolenus dactylopterus) |
体長は25cm、最大50cm。メバル科ユメカサゴ属。アゾレス諸島では非常に人気が高い。 |
ベラ亜目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
カスタンヘタ (Castanheta) |
アゾレス・クロミス (Chromis limbata) |
体長は最大12cm。スズメダイ科。分布はポルトガルのアゾレス諸島、マディラ諸島、スペインのカナリア諸島などのマカロネシア海域に限定される。 | |
カスタンヘタ・アズール (Castanheta Azul) カスタヘタ (Castanheta) |
カナリー・ダムゼル (Similiparma lurida) |
体長は最大15cm。スズメダイ科。 | |
マラコト (Maracoto) |
エメラルド・ラス (Symphodus trutta) |
体長は10cm、最大18cm。 | |
155px | (Bodião do Mediterrâneo) |
アクサレリィ・ラス (Symphodus mediterraneus) |
体長は12cm、最大18cm。 |
155px | ボジオン・ヴェルデ (Bodião Verde) |
アトランティック・ラス (Symphodus caeruleus) |
体長は最大21.5cm。 |
ハイーニャ (Rainha) |
オーネイト・ラス (Thalassoma pavo) |
体長は20cm、最大25cm。ハイーニャは “ 女王 ” の意味。 | |
ぺイシェ・ヘイ (Peixe Rei) ジュジア (Judia) |
レインボー・ラス (Coris julis) |
体長は20cm、最大30cm。 | |
ぺイシェ・イエイ・ド・アルト (Peixe Eei do Alto) ボジオン (Bodião) |
クークー・ラス (Labrus mixtus) |
体長は30cm、最大40cm。 | |
ベジャ (Veja) パパガイオ (Papagaio) |
メディテレーニアン・パロットフィッシュ (Sparisoma cretense) |
体長は30cm、最大50cm。ムナテンブダイ属。オス(マショ:Macho)は黒みを帯びる。オス・メス共にアゾレス諸島ではポピュラーな地魚でレストランでは欠かせない。磯釣りでも人気。 | |
〃 | 〃 | 体長はオスと同様。メス(フェミア:Fêmea)は鮮やかな赤色が特徴。調理の上でオスとメスの区別はない。2匹をグリルで注文した場合、一皿に赤と黒のペアで供されるのも一般的。 | |
ぺイシェ・カオン (Peixe Cão) ガイオ (Gaio) |
バード・ホッグフィッシュ (Bodianus scrofa) |
体長は30cm、最大51cm。タキベラ属。 | |
ボジオン・ヴェルメーリョ (Bodião Vermelho) |
バラン・ラス (Labrus bergylta) |
体長は50cm、最大65.9cm。 |
※ことわざ「1月のベラは羊よりも価値がある」(Bodião em Janeiro vale um carneiro)は広く知られている。
イボダイ亜目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ショウパ (Choupa) |
インペリアル・ブラックフィッシュ (Schedophilus ovalis) |
体長は60cm、最大100cm。ミナミナガメダイ属 。 |
ヒシダイ亜目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ピムピム (Pimpim) ミニ・サイア (Mini Saia) |
ボアフィッシュ (Capros aper) |
体長は13cm、最大30cm。 |
スズキ亜目
バショウカジキ目
バショウカジキ科
メカジキ科
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
イスパダールチ (Espadarte) アグリャオ (Agulhão) |
メカジキ (Xiphias gladius) |
体長は3m、最大4.5m。メカジキ科(1科1種)唯一の種。 |
フグ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ぺイシェ・ポルコ (Peixe Porco) |
ネズミモンガラ (Balistes capriscus) |
体長は44cm、最大66cm。モンガラカワハギ科。大衆魚の一つでグリルが定番。 |
ウナギ目
ウツボ
アナゴ
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
サフィオ (Safio) コングロ (Congro) |
ヨーロッパアナゴ (Conger conger) |
体長は1m、最大3m。メスは通常1.5m。一般的に幼魚はサフィオ、成魚はコングロと呼ばれる。アゾレス諸島では、カルディラーダ・デ・コングロや米料理のアローシュ・デ・マリスコスが定番。 |
軟骨魚綱類
アンコウ
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
タンボリル (Tamboril) パナデリア (Panadeira) |
ニシアンコウ (Lophius piscatorius) |
体長は1m、最大2m。アローシュ・デ・タンボリル |
エイ
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
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ハイア (Raia) ライア・レンガ (Raia Lenga) |
イボガンギエイ (Raja clavata) |
エイのカルディラーダは定番。 | |
ハットン (Ratão) ウージ (Uge) |
コモン・スティングレイ (Dasyatis pastinaca) |
サメ
ネズミザメ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
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ヒンキン (Rinquim) トゥバルン (Tubarão) |
アオザメ (Isurus oxyrinchus) |
ネズミザメ科。体長は270cm、最大445cm。 | |
トゥバルン・ラポーゾ・ハビーリョ (Tubarão Raposo Olhudo) |
ハチワレ (Alopias superciliosus) |
オナガザメ科。体長は350cm、最大488cm。 |
メジロザメ目
カグラザメ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
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ビコ・ドース (Bico Doce) |
エドアブラザメ (Heptranchias perlo) |
カグラザメ科。体長は100cm、最大137cm(メスは最大140cm)。 | |
トゥバルン・アルバファル (Tubarão Albafar) トゥバルン (Tubarão) |
カグラザメ (Hexanchus griseus) |
カグラザメ科。体長は3m、最大6m。 |
ツノザメ目
海藻類
外来種
流通規制魚類
販売禁止
2005年12月5日付で欧州委員会(EC)は、欧州委員会及び理事会規則(No.2047/2005)に基づいて特定の水産物に対する販売禁止の措置を実施した。
※以下は、日本で食用とされている魚種であっても、水産庁(農林水産省に属する)が定めた魚種として、欧州連合(EU)への輸出は禁止されている。→主な記事:EUに輸出できない魚種
フグ
日本でもフグ目に属するフグ科の魚類の毒性に関して厳しく制限を設けている。毒を含む部位(眼球・脳・骨・皮・筋肉・胃、腸、心臓、胆のう、脾臓を含む内臓全般・肝臓・精巣・卵巣)は種によって異なるため、例え安価な種であっても適切に下処理されたものが流通している。無知識な者が釣ったフグの皮を湯引きしてポン酢、白子刺し、尾をヒレ酒に安易に用いた場合、致命的なことになる。種によっては身肉にも毒は含まれ、肝臓や卵巣を食すことはそれを超えて論外である。 例え特定の地域で無毒とされ、暗黙で食されている部位(ヨリトフグの肝、ハコフグの肝、養殖に限りトラフグの肝)などであっても市場への流通は決して許されない。唯一、毒を含む部位を加工し、食品として公的に認められている特区は古くから伝統のある石川県のみである。
マンボウ
マンボウは19世紀までヨーロッパでは美食の一つとされていたが、生物学的にフグ目に属すことからフグ科に多く含まれる毒素「テトロドキシン」が含まれる可能性が考えられるようになり、次第にフグ同様の扱いとなった。 その後、 “ その可能性はない ” とする科学的見解が発表されたが、流通における安全性に対しては完全に払拭されておらず、別の毒素「シガテラ」が含まれる可能性としても禁止されている。 市場には流通はしないが、延縄や底引き漁で混獲される。また、個人が釣ることもある。規制はされているが食用可能であることは知られており、基本的には「食用とする場合は適切な知識と処理が必要である」という旨は促されている。現状、合法的に欧州以外から輸入されたマンボウの冷凍フィレは流通しているが、レストランでは絶対に提供されることはない。
※シガテラは、フグ毒のような “ 死に直結 ” するテトロドキシンとは異なる。シガテラ毒は海域の環境や温度などに大きく影響されるため、危険因子とされる魚種は特定されているものの、必ずしも魚種によって断定できない非常にデリケートな問題がある。絶対的安全性を優先した場合、市場から排除される食用魚も決して少なくない。世界的に温暖・熱帯地域の海域に生息する魚類に多く見られるが、それらの魚類も重要な食用魚として市場に並んでいる国も多い。万に一つ、発症しても特に行政を攻めることもないため、こればかりは “ 確立 ” としか言いようがない。生牡蠣で “ 当たるか当たらないか ” を論ずるに近い問題で決して確実性はない。
表示義務
バラムツやアブラソコムツには人体が消化できない油脂(ワックスエステル)が含まれており、下剤と同様の瀉下作用(しゃげさよう)がある。 過剰摂取や個人の体調によっては下痢に伴う脱水症状で重篤な症状に陥る場合がある。 その反面、問題のワックスは味覚的に “ 上品な脂 ” の類で非常に美味な魚として広く認知されており、弊害より美食としての価値が勝っている。 日本では魚種の偽装問題による健康被害によって1981年以降、市場への流通は禁止されているが、自己責任の範囲で食されているのが現状である。 欧州連合(EU)では適切な摂取量の表示を義務化することで流通が許されている。 欧米では “ バターフィッシュ ”(Butterfish)、または “ 白いトロ ”(White Toro)と称され、高級マグロの大トロと対峙する美味な寿司ネタとして使われることも珍しくない。
※以下は、日本では食品衛生法第6条2項(有害な物質を含む、もしくはその恐れのある食品)に基づいて市場への流通は禁止されていると共に、水産庁(農林水産省に属する)が定めた魚種として、欧州連合(EU)への輸出は禁止されている。→主な記事:EUに輸出できない魚種