「てりかつ丼」の版間の差分
(→ギャラリー) |
|||
(同じ利用者による、間の61版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
__FORCETOC__ | __FORCETOC__ | ||
− | [[File:Japanese Tomato Dishes - Teri Katsudon(Local Good Cheap of Toki, Gifu).png|thumb|right| | + | [[File:Japanese Tomato Dishes - Teri Katsudon(Local Good Cheap of Toki, Gifu).png|thumb|right|250px|てりかつ丼(岐阜・土岐市)]] |
'''てりかつ丼'''(Teri Katsudon)は、岐阜県土岐市で食べられている独自のカツ丼である。 | '''てりかつ丼'''(Teri Katsudon)は、岐阜県土岐市で食べられている独自のカツ丼である。 | ||
== 発祥 == | == 発祥 == | ||
− | [[File:The Birthplace of the Teri Katsudon - Family Restaurant Chichiya in Toki, Gifu, established in 1953.png|thumb|right|200px|てりかつ丼 | + | [[File:The Birthplace of the Teri Katsudon - Family Restaurant Chichiya in Toki, Gifu, established in 1953.png|thumb|right|200px|てりかつ丼 発祥の店『ちちや』]] |
− | + | 土岐市泉町にある1953年(昭和28年)創業の「ちゝや」(ちちや)が発祥。 | |
− | + | 現在は、ファミリーレストラン「ちちや」となっているが、一般的に連想するファミレスとは異なり、老舗食堂の雰囲気が残る町の食堂である。 | |
− | + | ちちやから「てりかつ丼」の味を学んだ店や、ちちやで修行して独立した店もある。 | |
+ | |||
+ | ちちやのメニュー表では、てりかつ丼は、かつ丼(てり)・上かつ丼(てり)とし、オーソドックスな玉子とじカツ丼は、かつ丼(とじ)・上かつ丼(とじ)としている。 | ||
== 特徴 == | == 特徴 == | ||
− | + | てりかつ丼のソースは、餡のように照りのあるもので、[[ハヤシライス]]の素に[[トマトケチャップ|ケチャップソース]]・しょうゆなどを合わせて作られている。 | |
+ | 色は茶褐色な[[デミグラス]]より赤みがかったもので、味はデミグラスが主体の洋風テイストが強いものではなく、[[トマト]]の酸味と和風テイストが感じられるものになっている。 | ||
+ | |||
+ | デミグラスを使ったカツ丼は他の地域の食文化でも見られるが、それらとは異なる。 | ||
== 文化 == | == 文化 == | ||
− | [[File:Teri | + | [[File:Teri katsudon and Small Ramen set meals are Standard.png|thumb|right|200px|てりかつ丼と小ラーメンセット]] |
− | + | てりかつ丼は、土岐市内の古い食堂などでは一般的なメニューであり、丼類メニューの一つであるカツ丼は「てりかつ丼」のみを提供している店もある。 | |
よって、土岐市を訪れた人の中にはカツ丼を注文し、出てきた「てりかつ丼」に驚く人もいる。 | よって、土岐市を訪れた人の中にはカツ丼を注文し、出てきた「てりかつ丼」に驚く人もいる。 | ||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
+ | てりかつ丼の他、玉子とじカツ丼を用意している店でも、「カツ丼!」と注文した場合、てりかつ丼が出される。 | ||
+ | 地元では「カツ丼 = てりかつ丼」であり、暗黙の了解である。 | ||
+ | これは、常連客が主人に「いつもので」という古典的に描かれるシーンに通じる。 | ||
+ | また、なじみのない客と察された場合、店員から「てり」なのか「とじ」なのかを聞き返されることもある。 | ||
+ | てりかつ丼を提供する食堂では、昔ながらのノスタルジックな中華そばも提供しているため、てりかつ丼と小ラーメンのセットも人気が高い。 | ||
== ギャラリー == | == ギャラリー == | ||
<gallery mode="packed"> | <gallery mode="packed"> | ||
Image:Teri Katsudon - Asahiya Shokudo in Toki, Gifu, established in 1924.png|旭家食堂<br><small>(1924年・大正13年創業)</small> | Image:Teri Katsudon - Asahiya Shokudo in Toki, Gifu, established in 1924.png|旭家食堂<br><small>(1924年・大正13年創業)</small> | ||
+ | Image:Teri Katsudon - Ajinoya in Toki, Gifu.png|お食事処 味乃家 | ||
+ | Image:Teri Katsudon - Chichiya's Takeout Teri Katsudon.png|テイクアウト弁当<br><small>(ちちや)</small> | ||
+ | Image:Teri Katsudon - Aeon Style Store in Toki, Gifu.png|てりカツ丼弁当<br>(<small>土岐イオン・スタイルストア</small>) | ||
</gallery> | </gallery> | ||
+ | |||
---- | ---- | ||
[[Category:トマト料理|て]] | [[Category:トマト料理|て]] |
2022年10月21日 (金) 22:44時点における最新版
てりかつ丼(Teri Katsudon)は、岐阜県土岐市で食べられている独自のカツ丼である。
発祥
土岐市泉町にある1953年(昭和28年)創業の「ちゝや」(ちちや)が発祥。 現在は、ファミリーレストラン「ちちや」となっているが、一般的に連想するファミレスとは異なり、老舗食堂の雰囲気が残る町の食堂である。 ちちやから「てりかつ丼」の味を学んだ店や、ちちやで修行して独立した店もある。
ちちやのメニュー表では、てりかつ丼は、かつ丼(てり)・上かつ丼(てり)とし、オーソドックスな玉子とじカツ丼は、かつ丼(とじ)・上かつ丼(とじ)としている。
特徴
てりかつ丼のソースは、餡のように照りのあるもので、ハヤシライスの素にケチャップソース・しょうゆなどを合わせて作られている。 色は茶褐色なデミグラスより赤みがかったもので、味はデミグラスが主体の洋風テイストが強いものではなく、トマトの酸味と和風テイストが感じられるものになっている。
デミグラスを使ったカツ丼は他の地域の食文化でも見られるが、それらとは異なる。
文化
てりかつ丼は、土岐市内の古い食堂などでは一般的なメニューであり、丼類メニューの一つであるカツ丼は「てりかつ丼」のみを提供している店もある。 よって、土岐市を訪れた人の中にはカツ丼を注文し、出てきた「てりかつ丼」に驚く人もいる。
てりかつ丼の他、玉子とじカツ丼を用意している店でも、「カツ丼!」と注文した場合、てりかつ丼が出される。 地元では「カツ丼 = てりかつ丼」であり、暗黙の了解である。 これは、常連客が主人に「いつもので」という古典的に描かれるシーンに通じる。 また、なじみのない客と察された場合、店員から「てり」なのか「とじ」なのかを聞き返されることもある。
てりかつ丼を提供する食堂では、昔ながらのノスタルジックな中華そばも提供しているため、てりかつ丼と小ラーメンのセットも人気が高い。