「レイニスフィヤラ」の版間の差分
(→奇岩群) |
(→奇岩群) |
||
13行目: | 13行目: | ||
[[File:Iceland -(Reynisfjara)Hálsanefshellir Cave.png|thumb|right|250px|柱状節理のハルサネフシェリル洞穴]] | [[File:Iceland -(Reynisfjara)Hálsanefshellir Cave.png|thumb|right|250px|柱状節理のハルサネフシェリル洞穴]] | ||
レイニスフィヤラ海岸(ブラック・サンド・ビーチ)には、「ストゥズラベルグ」(Stuðlaberg)と呼ばれる奇岩群がある。 | レイニスフィヤラ海岸(ブラック・サンド・ビーチ)には、「ストゥズラベルグ」(Stuðlaberg)と呼ばれる奇岩群がある。 | ||
− | 砂浜を東側の[[レイニスフィヤル]] | + | 砂浜を東側の[[レイニスフィヤル]](ヴィーク村方面)へ向かって歩ける限界地点には、玄武岩の柱状節理や洞穴、[[レイニスドランガル]]と呼ばれる海食柱があり、観光スポットとして非常に人気が高い。 |
天候によっては荒波に覆われる地点であるため、注意が必要である。 | 天候によっては荒波に覆われる地点であるため、注意が必要である。 | ||
また、経年による劣化で落石事故も起こっている。 | また、経年による劣化で落石事故も起こっている。 |
2023年12月21日 (木) 16:50時点における版
レイニスフィヤラ(Reynisfjara)は、ミールダル地区の主要集落であるヴィーク村の西に位置する丘陵「レイニスフィヤル」(高さ324m)を隔て、さらに西側へ続く海岸地帯である。
概要
ヴィーク村に面するキルキュフィヤラ海岸と同質の玄武岩砂の黒い砂浜で、アイスランドでは著名な観光地として知られている。 この海岸は英語では通称「ブラック・サンド・ビーチ」(Black Sand Beach)と呼ばれるが、火山島であるハワイのプナルウ黒砂海岸(Black Sand Beach)、太平洋戦争の「硫黄島の戦い」で知られる硫黄島の黒い砂浜(Iwo Jima Black Sand)などにも使われている。
アイスランドの海岸の多くは、火山で形成された黒い砂浜(ブラック・サンド・ビーチ)であるため、特定地域の海岸の呼称に用いるのは不適当である。 レイニスフィヤラ・ビーチ(Reynisfjara Beach)、または、レイニスフィヤラ・ブラック・サンド・ビーチ(Reynisfjara Black Sand Beach)が適当である。
奇岩群
レイニスフィヤラ海岸(ブラック・サンド・ビーチ)には、「ストゥズラベルグ」(Stuðlaberg)と呼ばれる奇岩群がある。 砂浜を東側のレイニスフィヤル(ヴィーク村方面)へ向かって歩ける限界地点には、玄武岩の柱状節理や洞穴、レイニスドランガルと呼ばれる海食柱があり、観光スポットとして非常に人気が高い。 天候によっては荒波に覆われる地点であるため、注意が必要である。 また、経年による劣化で落石事故も起こっている。
砂浜を西側のディルホゥラエイへ向かった地点にも奇岩群がある。
スニーカー・ウェーブ
スニーカー・ウェーブ(Sneaker Wave)は、警戒心なく海辺の浅瀬に踏み込む人々を襲う “ 極めて危険性の高い波 ” の一つである。 甚大な災害をもたらす津波(Tsunami)とも異なり、科学的に定義されていないが、波の一種として一般的に用いられている名称である。
スニーカー・ウェーブの特徴の一つは、人が自由に海辺に侵入した時点で、本能的に “ 波の一波で安全 ” と思える、または “ 波の満ち引きや高さなどから安定 ” と判断する状態から突然、予想以上に押し寄せる不規則性をもつ。 このような波は、テトラポットなどの防波堤のない天然の海水浴場を含め、海辺では常に起きている現象で、一度は経験しても不思議ではない波だが、スニーカー・ウェーブの恐ろしさは不規則性に加え、海岸の入り江の形状や海底の地形、砂泥の形質にも影響され、水難事故につながる波として顕著である。
レイニスフィヤラ海岸は、観光客が解放感などから警戒心なく記念撮影などで浅瀬に踏み込み、命を落とす最も危険な観光地である。 景観は単なる黒い砂浜のように思えるが、これは一般的な “ 砂 ” ではなく、打ち寄せる波によって経年研磨された火山岩である。 浅瀬に一度足を踏み込むと同時に、足元の黒い玉砂利が “ 極めて通常の波 ” でも崩れて足元をすくい、数秒で下半身から首までが埋没し、その重さで脱出不能に陥る。 その状態に追い打ちをかけるように打ち寄せる波による溺死、引く波で砂利ごと海中から沖に連れ去られる遭難などの死亡事故に直結する。 海辺より比較的離れていたとしても、季節や天候によっては、たった一度の荒波をかぶったことで数分で低体温症に陥る。
海水浴場ではないため、ライフセーバーなどはいない。 ライフセーバーすら救助活動にあたった場合、自身が落命につながる危険性の高い海岸である。
ギャラリー
ディルホウライの眺望