「リアル・タートルスープ」の版間の差分

提供: Tomatopedia
ナビゲーションに移動 検索に移動
10行目: 10行目:
 
1812年にはイギリス人のブライアン・ドンキンとジョン・ホールが2つの特許を買収し、保存食として製造を開始した。
 
1812年にはイギリス人のブライアン・ドンキンとジョン・ホールが2つの特許を買収し、保存食として製造を開始した。
  
本来、ウミガメは生かしたまま長距離の運搬が可能であったことから、ウミガメの缶詰加工は、当時の新ビジネスといってよい。
+
本来、ウミガメは生かしたまま長距離の運搬が可能であったことから、ウミガメを缶詰に加工することは、当時の新ビジネスといってよい。
 
支配階級や貴族の美食であったウミガメ料理が経済的な富裕層に波及し、さらに大衆にまで流行したことに起因する。
 
支配階級や貴族の美食であったウミガメ料理が経済的な富裕層に波及し、さらに大衆にまで流行したことに起因する。
  

2023年7月23日 (日) 23:37時点における版

リアル・タートルスープ

リアル・タートルスープ(Real Turtle Soup)は、ウミガメを主原料としたスープである。

概略

リアル・タートルスープとモック・タートルスープ

文字通り、本当のウミガメを使ったもので、その後に誕生した模倣品のモック・タートルスープとは異なる。

現代の缶詰加工の技術は、缶詰の父と称される二コラ・アペールと、その後に微生物学の先駆者であるルイ・パスツールの二人のフランス人によって、製造のプロセスが確立された。 1812年にはイギリス人のブライアン・ドンキンとジョン・ホールが2つの特許を買収し、保存食として製造を開始した。

本来、ウミガメは生かしたまま長距離の運搬が可能であったことから、ウミガメを缶詰に加工することは、当時の新ビジネスといってよい。 支配階級や貴族の美食であったウミガメ料理が経済的な富裕層に波及し、さらに大衆にまで流行したことに起因する。

生産国

イギリス

リアル・タートルスープ(イギリス)

ドイツ

シルトクレーテン・ズッペ(Schildkrötensuppe


ニーダーラート郷土博物館にはラクロワ社のスープ缶や工場敷地内のウミガメの写真が展示されてる。










アメリカ

クリア・グリーンタートルスープ
(アメリカ・フロリダ州・キーウェスト)
キーウェスト・タートル・ミュージアム

アメリカ合衆国フロリダ州の最南端に位置する都市でフロリダキーズ諸島を構成するキーウェスト (Key West) は、ウミガメの缶詰の主要な生産地であった。 グリーンタートル(Green Turtle)とは “ アオウミガメ ” の呼称であり、カメを使った緑色のスープの意味ではない。

ウミガメ料理がブームになるかなり以前から、ウミガメはフロリダキーズの先住民にとって必要な食料源だった。 1800年代後半、ウミガメの肉はエキゾチックな珍味としてアメリカやヨーロッパの大都市のレストランで求められ、使用された。

1895年、ニューヨークの大富豪の金融家が、キーウェスト湾にウミガメの食肉加工業として「タートル・クラールズ」(Turtle Kraals)を設立した。 「クラールズ」とは、アフリカーンス語で “ 家畜の囲い ” を意味し、捕獲されたばかりのアオウミガメを生きたまま保管する場所である。 アオウミガメは、隣接する屠殺場で食肉加工した。 肉や脂肪はは缶詰にされて料理人やレストランに販売され、甲羅や皮膚は装飾品や革製品など、すべての部位に至るまで利用された。 この事業は、アメリカ北部のレストランで新鮮なカメのスープを作る手段として始められ、ニューヨーカーたちを大いに喜ばせた。

現在、キーウェストのマーガレット・ストリート200番地にあるタートル・クラールズの跡地は、1994年6月23日にアメリカ合衆国国家歴史登録財となり、「キーウェスト・タートル・ミュージアム」(Key West Turtle Museum)として、ウミガメの保護活動に焦点を当てた小さな無料博物館となっている。

また、マーガレット・ストリート231番地にある缶詰工場の建物は、陸生のカメである「ハコガメ」のレースを毎週開催する人気のウォーターフロントのレストランに生まれ変わっている。

関連項目