ナランジラ

ナランジラ

ナランジラ（Naranjilla/学名：Solanum quitoense）は、コロンビア北西部に生息する熱帯性のナス属の多年草である。 エクアドル、コスタリカ、パナマではスペイン語でナランジラ（小さなオレンジの意）、コロンビアではケチュア語由来したルロとよばれる。この種のナイトシェードの固有名はエクアドルの首都「キトから」という意味である。

長さ45cmにもなる細長いハート型や楕円形の大きな葉を持つ。葉や茎には紫色の短い毛が生えている。ナランジラはデリケートな植物なので、強風や直射日光から守らなければならない。部分的な日陰での栽培が最適である。

果実は、ルバーブとライムを合わせたような柑橘系の香りがするという。ナランジラの果汁は緑色で、ジュースやルラーダと呼ばれる飲み物によく使われる。

分類

ナス属の中では、S. quitoenseはLeptostemonum亜属に属する。S. quitoenseは、Lasiocarpaに属する。Lasiocarpaに属する他の種には以下のものがある。S. candidum, S. hyporhodium, S. lasiocarpum, S. felinum, S. psudolulo, S. repandum, S. vestissimum.

ナランジーラの新葉

S. quitoenseに形態的に似ている植物は他にもあるが，近縁種であるかどうかは不明である。これらの植物の一部を紹介する。S. hirtum, S. myiacanthum, S. pectinatum, S. sessiliflorum, S. verrogeneum. これらの植物の多くは、近縁種であるか否かにかかわらず、S. quitoenseと混同されることがある。さらに、Solenum quitoenseの物理的特徴は植物ごとに異なるため、同定は困難である。少なくとも3つの品種（トゲのあるもの、トゲのないもの、そして赤く熟した果実と滑らかな葉を持つbaquichaと呼ばれる第3の品種）が知られている。S. quitoenseの特徴は、熟した果実の中に緑色の果肉がリング状に存在することである。

S. lasiocarpumの栽培品種で、この植物の新芽は保護用のトリコームで密に覆われている。この植物の新芽や花の周りの三叉神経の色は、紫から白まで様々である。そのため、識別が難しい。

栽培

ナランジラは、世界の食品産業の新しい調味料として提案されていますが、大規模な栽培には向いておらず、普及の障害となっています。 果実はトマトと同様に熟すと傷みやすいため、通常は未熟なまま収穫されます。 果実は市場に出回ります。

害虫と病気

Solanum quitoenseは、作物として育てた場合、病害虫に非常に弱いため、農業での可能性は限られています。一般的な感染症としては、根瘤線虫によるものがある。完熟した果実は非常にデリケートで、特に機械的なダメージを受けると菌に侵されることが多いため、腐らないように未熟な状態で収穫されることが多いです。 S. quitoense特有の維管束病は、菌によって引き起こされ、果実が弛緩したり落葉したりします。

線虫による害虫問題の解決策として、ハイブリッドがますます注目されています。S. quitoenseは他の植物と交配されており、最も一般的なのは表現形質が似ているS. sessiliflorumである。S. sessiliflorumの葉、花、果実の形はS. quitoenseに似ているが、黄色の大きな果実を持ち、交配によって得られる果実は黄色の果肉を持つ。

用途

地元では、搾りたての果実に砂糖と水を加えて飲料にするのが一般的です。 コスタリカの田舎の農家では、果物を塩で調理する。 エクアドルやコロンビアでは、熟した果実を食用にしています。ビタミンCの含有量が高いことが評価されています。皮ごと加工することで、カルシウムやリンなどのミネラルや食物繊維が多く含まれています。

デザートやジュース、スムージーなどの調理に使われます。コロンビアでは、ルロの塊に砕いた氷とコンデンスミルクを加えた飲み物「ルラーダ」の主材料として使われています。エクアドルでは、カネラソ、コラーダ・モラーダ、チチャなど、美食文化を象徴する飲み物に使われています。