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ピータン

皮蛋（中国語：ピーダン / 日本語：ピータン）

歴史

呼称と原材料

呼称と原材料
- 皮蛋
  - 鸭蛋（アヒルの卵）
  - 鵝蛋（ガチョウの卵）
- 变蛋
  - 鸡蛋（ニワトリの卵）
- 鹌鹑皮蛋
  - 鹌鹑蛋（ウズラの卵）

皮蛋

变蛋

鹌鹑皮蛋

鹌鹑皮蛋（アンチュンピーダン）福建省・莆田市・仙遊県上海市・青浦区

中国のピータン

皮蛋（ピータン）
- 溏心皮蛋
  - 白洋淀松花蛋（河北省・保定市・安新県）
  - 盐山皮蛋（河北省・滄州市・塩山県）
  - 石阡皮蛋（貴州省・銅仁市・石阡県）
  - 微山湖松花蛋（山東省・済寧市・微山県）
  - 建湖溏心皮蛋（江蘇省・塩城市・建湖県）
  - 雪松牌溏心皮蛋（江蘇省・塩城市・浜海県）
  - 黄山寺皮蛋（安徽省・馬鞍山市・和県）
  - 京彩松花皮蛋（安徽省・滁州市・天長市）
    - 天长松花溏心皮蛋 （安徽省・滁州市・天長市）
  - 九珠皮蛋（湖北省・仙桃市）
  - 麻洋糖心皮蛋（湖北省・天門市）
  - 应城松花皮蛋（湖北省・孝感市・応城市）
  - 南充松花皮蛋（四川省・南充市・順慶区）
  - 袁州松花皮蛋 (江西省・宜春市・袁州区)
- 硬心皮蛋
  - 黄许松花皮蛋（四川省・徳陽市・旌陽区）
  - 永川皮蛋（重慶市・永川区）
  - 秀山松花皮蛋（重慶市・秀山トゥチャ族ミャオ族自治県）
  - 瓮安松花皮蛋（貴州省・黔南プイ族ミャオ族自治州・甕安県）
  - 松花皮蛋 (湖北省・黄石市・黄石港区)
  - 宜春松花皮蛋(江西省・宜春市・宜豊県)
  - 袁州松花皮蛋 (江西省・宜春市・袁州区)
  - 益阳松花皮蛋(湖南省・益陽市・資陽区)
  - 松陵松花蛋 （江蘇省・蘇州市・呉江区）
  - 兴化松花皮蛋（江蘇省・泰州市・興化市）
  - 八坼皮蛋（江蘇省・蘇州市・呉江区）
  - 螺百乡皮蛋（安徽省・馬鞍山市・和県）
  - 仙游皮蛋（福建省・莆田市・仙遊県）
- 鉛フリー
  - 无铅松花皮蛋（湖北省・荊州市・沙市区）
- 未分類
  - 余姚皮蛋（淅江省・寧波市・余姚市）
  - 盐皮蛋（四川省・広安市・武勝県）
    - 邓家盐皮蛋（四川省・広安市・広安区）
  - 保宁松花皮蛋（四川省・南充市・閬中市）
  - 嘎吉皮蛋（四川省・涼山イ族自治州・会東県）
  - 胡安太皮蛋（重慶市・開州区）
  - 钟祥皮蛋（湖北省・荊門市・鍾祥市）
  - 黄石松花皮蛋（湖北省・黄石市・西塞山区）
  - 宜城松花皮蛋（湖北省・襄陽市・宜城市）
  - 春燕皮蛋（湖北省・黄岡市・武穴市）
  - 花皮蛋（湖北省・恩施トゥチャ族ミャオ族自治州・来鳳県）
    - 来凤松花皮蛋（湖北省・恩施トゥチャ族ミャオ族自治州・来鳳県）
  - 湖彩蛋（湖南省・岳陽市・臨湘市）
  - 凤冈土溪皮蛋（貴州省・遵義市・鳳岡県）
  - 思南松花皮（貴州省・銅仁市・思南県）
  - 五里源松花蛋（河南省・焦作市・修武県）
  - 东平湖松花蛋（山東省・泰安市・東平県）
  - 西乡松花变蛋（陝西省・漢中市・西郷県）
  - 梁平松花皮蛋（重慶市・梁平区）
  - 德兴皮蛋（江西省・上饒市・徳興市）

※　　　　枠のピータンは中国国内において定評および知名度が高いもの。それ以外の多くも諸外国や香港、マカオなどへ輸出されている。

分類

溏心皮蛋

溏心皮蛋（タンシンピーダン）は、江蘇省塩城市建湖県の伝統的な特産品の一つで建湖溏心皮蛋とも呼ばれる。 1984年に中国商務省と江蘇省から高品質製品として評価された。

原料は、建湖県の里下河地区で豊富に生産されるアヒルの卵が使用される。新鮮な卵を選別、等級分けした後、炭酸ナトリウム（Na₂CO₃）、石灰、茶葉、塩、酸化アルミニウム（Al₂O₃）などに熱湯を入れ、混ぜて冷却した桶に1か月ほど漬ける。その後、卵を取り出し、表面を泥粘土で包んでから籾殻で覆い、陶器製の瓶に入れ、木蓋をし、その上から麻の布をかぶせて麻縄で縛って密封し、風通しが良く乾燥した貯蔵庫で熟成させる。製品として出荷できるまでには1年ほどかかる。溏心皮蛋は主に、アメリカ、モーリシャス、日本、シンガポール、マレーシア、マカオ、香港などで販売されている。

硬心皮蛋

硬心皮蛋（インシンピーダン）は、黄身がほぼ完全に固まったピータンのことである。

鉛フリー

中国

『无铅松花皮蛋』（中国・湖北省）

无铅皮蛋（ウーチィェンピーダン：鉛を含まないピータン）は、1983年3月に湖北省荊州市の江陵県食品公司・郝穴卵工場が湖北省商品検査局と湖北省食糧・油糧・食品輸出入総公司の協力を得て開発した。荊州市は清朝・宣統元年（1909年）には松花皮蛋を生産しており、すでに省内外で有名であった。 1984年6月、国家審査の結果、すべての国家規定と輸出基準に達した。

同年、最初の商品が香港で販売された。香港蛋品企業有限公司は香港保健当局にサンプルを送り、検査をした結果、鉛の含有量はわずか0.01％であることが判明した。これは国際基準（6％）を大幅に下回る数値であった。翌年の1985年8月、湖北省経済委員会が主催した湖北省ピータン品質審査において第1位となり、湖北省人民政府より高品質製品の称号が授与された。鉛フリーピータンは中国国内市場で人気があるだけでなく、アメリカ、シンガポール、カナダ、香港、マカオにも輸出されている。

台湾

『無鉛花松優質皮蛋』神木牌（台湾）

台湾南西部に位置する嘉義市出身で中華民国アヒル飼育協会の会長である頼振松氏は鶏卵とアヒルの卵の流通と生産事業を長年営み、1981年、台湾初の無鉛皮蛋の研究開発に成功し、政府認定の無鉛皮蛋標章の取得と共にブランド「神木牌」を商標登録した。神木牌の無鉛皮蛋の販売量は台湾市場の90％を占め、アメリカ、カナダ、日本への輸出にも成功した。

薬効

日本

『日本の家庭に應用したる支那料理』1909年（明治42年）

日本において、ピータンが登場するのは、1909年（明治42年）3月25日、日本家庭研究會から刊行された柴田波三郎・津川千代子の著書『日本の家庭に應用したる支那料理』である。本書では「松花蛋」、フリガナは「ソンホアタン」として記載されている。なお、明治期（1868年10月23日（明治元年9月8日）～1912年（明治45年）7月30日）に出版された中国料理書は7冊である。

“ 松花蛋（ソンホアタン）
材料　一、家鴨の卵子（支那製）　一、ごまの油（支那製）
此は支那の家鴨の卵子です。壁土のやうなもので包まれてゐます。その土をよくとつて洗ひます。そしてわれないやうに皮をむいて、それを小口からうすくきつて、そのまゝ支那のごまの油をつけて食べます。 ”

『日本の家庭に應用したる支那料理』家鴨の卵子の鹽漬（明治42年）

日本のピータン

青島ピータン

青島ピータン（チンタオピータン）は、日本において最も一般的で知名度が高いピータンである。しかし、山東省の最大都市であり港湾都市である青島市では青島皮蛋という製品は生産されていない。この名称は、貿易上のブランド名として日本で定着したものであり、実際には山東省南西部に位置する済寧市（さいねいし）の微山県（びざんけん）にある微山湖で飼育されているアヒルの卵を使って地元で生産されている「微山湖松花蛋」のことである。微山湖松花蛋（青島ピータン）は溏心皮蛋に分類される。

台湾ピータン

台湾産の松花皮蛋（ソンホウアピータン）

黄金ピータン

うずらピータン

料理

ギャラリー

「烧椒皮蛋」
（中国・四川省）
「剁椒皮蛋」
（中国・四川省）
「尖椒皮蛋」
（中国・四川省）
「双椒皮蛋」
（中国・四川省）
「双椒小皮蛋」
（中国・四川省）
「擂辣椒皮蛋」
（中国・湖南省）
「皮蛋肉丸」
（中国・湖南省）
「姜汁松花蛋」
（中国・北京市）
「松花蛋肠」
（中国・黒竜江省）
「松花鸡腿」
（中国・東北地方）
「皮蛋馄饨」
（中国・山東省）
「馓子拌皮蛋」
（中国・湖北省・武漢市）
「皮蛋拌面」
（中国・湖北省・武漢市）
「荆芥拌变蛋」
（中国・河南省）
「干煸松花蛋」
（中国・江蘇省）
「皮蛋肉饼汤」
（中国・江西省）
「油炸皮蛋」
（中国・江西省）
「皮蛋肉粽」
（中国・江西省）
「皮蛋拿铁」
（中国・江西省）
「皮蛋鲜肉饺」
（中国・浙江省）
「皮蛋鸭卷」
（中国・福建省）
Chinese Cuisine -（皮蛋瘦肉粥）Shredded Pork and Century Egg Congee.png

「皮蛋瘦肉粥」
（中国・広東省）
Hong Kong Cuisine -（松花皮蛋配酸薑）Preserved Egg with Pickled Ginger.png

「酸薑皮蛋」
（香港）
「子薑皮蛋」
（香港）
「糖醋溏心皮蛋」
（香港）
「麻辣皮蛋」
（香港）
「金銀蛋浸莧菜」
（香港）
「皮蛋酥」
（香港）
「皮蛋拌豆腐」
（上海市）
「皮蛋薑炸蝦筒」
（上海市）
「三色蛋」
（台湾）
「臭豆腐撞皮蛋」
（台湾・台北市）
「炸彈臭豆腐」
（台湾・台中市）
「臭豆腐炒皮蛋」
（台湾・高雄市）
「糖醋皮蛋」
（シンガポール）
「姜蓉松花蛋」
（シンガポール）
「松花皮蛋」
香港産ピータン
聘珍樓横濱本店
（神奈川・横浜中華街）
「皮蛋甜酸姜」
ピータンの甘酢生姜添え
聘珍樓横濱本店
（神奈川・横浜中華街）
「皮蛋拌豆腐」
ピータン豆腐
聘珍樓横濱本店
（神奈川・横浜中華街）
「皮蛋痩肉粥」
ピータンと豚肉入りお粥
聘珍樓横濱本店
（神奈川・横浜中華街）
「皮蛋清蒸水蛋」
ピータン入り水蛋
聘珍樓横濱本店
（神奈川・横浜中華街）
「金銀蛋浸莧菜」
ピータン、塩卵、ひゆ菜の煮込み
聘珍樓横濱本店
（神奈川・横浜中華街）
「皮蛋酸羌」
クリーミーピータンの冷菜
萬珍樓本店
（神奈川・横浜中華街）
「糖心皮蛋皇」
クリーミーピータン
菜香新館
（神奈川・横浜中華街）

ファイル:Chinese Cuisine -（凉拌皮蛋）Mixed Preserved Egg with Sauce.png

凉拌皮蛋

社会・時事

1997年05月23日：フジテレビ系列TV番組「料理の鉄人」でピータン対決が行われた。

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 == 日本 ==
-[[File:Japanese Old Cook Books - Nihon no Katei ni Ouyou shitaru Shinaryori in 1909.png|thumb|right|200px|『日本の家庭に應用したる支那料理』1909年（明治42年）]]
+[[File:Japanese Old Cook Books - Nihon no Katei ni Ouyou shitaru Shinaryori in 1909.png|thumb|right|250px|『日本の家庭に應用したる支那料理』1909年（明治42年）]]
 日本において、ピータンが登場するのは、1909年（明治42年）3月25日、日本家庭研究會から刊行された柴田波三郎・津川千代子の著書『日本の家庭に應用したる支那料理』である。
 本書では「松花蛋」、フリガナは「ソンホアタン」として記載されている。