メンチエッグス(挽肉の卵)
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メンチエッグス(めんちえっぐす)は、昭和12年(1937年)に香蘭社から発行された『手輕に美味しく出来る家庭向き支那料理と西洋料理』に掲載された料理である。
材料(五人前)
- 挽肉:百匁
- 鷄卵:五個
- 玉葱:一個
- 鹽
- 胡椒
- ケチャッツプ(トマトソースにて可)
- ヘット
- 靑豆:少々
拵へ方
先づ牛の挽肉、百匁位に、玉葱ミジン切としたるものを混ぜ、鷄卵一個を割入れ鹽、コショーを振りてよく練合せ、饅頭形の効を五個作ります。
別にフライパンにヘット少々煮溶し、餘り油立たぬ中に、作り置きたる饅頭を、フライパンに入る丈宛て一側に並べ蓋をして、強からざる火にかけ、時々庖丁の如きものにて裏返し乍ら油燒とします。
全部燒き上げたならば、皿に盛り置く、別にフライパンに油を敷き、鷄卵一個宛を割入れ、靑豆をバラ/″\と配らひ強き火にかけて燒く、白味が固まる程度を見計らひ、包丁の如きものを指入、静かに、燒置きたる饅頭の上に移す。
此場合も黄味を崩さぬ様注意する事、全部移したならば、ケチャップ、無ければトマトソース、少量を極僅か宛かけ、パセリか他の野菜などを飾りに一寸端の方へ指込み、フォークを添えて供します、ソースを添へる事もよろし。
注意
總て洋食も餘りに形式にんみ拘泥するは、料理の本義として甚だ面白くありませんから、食鹽で食するものに、ソースをかけて食するもよし、亦ソースにて食する料理に、食鹽を配するもよし、要は、食する人が、美味しいと云う事が、料理の眞價であります。
いくら理屈計り云ふても、食する人が不味と云えば、其料理が、如何に高價な材料と、如何に手腕ある料理人が拵へても、料理の眞理から申せば、三文の價値もありません。
『手輕に美味しく出来る家庭向き支那料理と西洋料理』西洋料理の部(一一)
参考文献
- 『手輕に美味しく出来る家庭向き支那料理と西洋料理』:昭和十二年・香蘭社