フライド・グリーン・トマト
フライド・グリーン・トマト(Fried green tomatoes)とは、アメリカ南部でよく見られる料理で、未成熟な青トマト(グリーントマト)に、コーンミールをまぶして揚げたものです。
歴史
フライド・グリーン・トマトといえば、アメリカ南部料理のイメージが強い。しかし1970年代以前の南部の新聞や料理本には、その記述が見当たりません。
この料理のアイデアは、19世紀のユダヤ人の移民にさかのぼります。 フライド・グリーン・トマトがアメリカ南部で人気になったのは、1987年に発表されたファニー・フラッグの小説『Fried Green Tomatoes at the Whistle Stop Cafe』がきっかけといわれています。
のちに映画化された『フライド・グリーン・トマト』は1991年12月27日にアメリカで公開され、評論家から好評を博し、第64回アカデミー賞で2部門でノミネートされました。
伝統的な調理法
フライドグリーントマトの伝統的な調理法は、まずトマトを約0.6cmの大きさに切り、塩とコショウで味付けした後、粗めのコーンミールをまぶし、ベーコンの脂で片面数分ずつ、またはキツネ色になるまで浅く揚げる。 浅く揚げると、トマトが油に浮かないので、トマトの重さでコーンミールをトマトの裏側に付着させることができます。
コーンミールの代わりにパン粉や小麦粉を使い、植物油などの油で揚げる方法もある。
コーンミールを加える前に、スライスしたトマトを液体に浸してもよい。 この液体は通常、バターミルクか溶き卵で、卵の方がバターミルクよりも若干硬い食感になる。 液体を使うのは、コーンミールがトマトのスライスに付着しにくいからである。 液体を加えることで、コーンミールが調理中に固定されやすくなる。また、液体を使わずに調理したトマトと比較すると、トマトのコーティングが厚くなり、カリカリしなくなります。
地域
ペンシルバニア州
フライド・グリーン・トマトは通常、南部の料理と考えられているが、ペンシルベニア州北部のペンシルベニア・ダッチ(17世紀から18世紀にかけてドイツ語圏からアメリカ合衆国に移住した人々の子孫:ゲルマン系ドイツ系アメリカ人)、オランダ人の家庭でも見かけることがある。 また、北部では初霜が降りる前に残った実を収穫するため、グリーン・トマトはシーズンの終わりに調理されることが多いが、南部ではシーズンを通してグリーン・トマトが収穫される。
ルイジアナ州
エビとレムラード・ソースを添えたフライド・グリーン・トマトは、ルイジアナ州ニューオーリンズの多くのレストランで提供されている南部料理およびクレオール(フランス人・スペイン人とアフリカ人・先住民を先祖に持ち、ルイジアナ買収以前にルイジアナで生まれた人々とその子孫)料理の組み合わせである。 フライド・グリーン・トマトは伝統的にサイド・ディッシュであったが、メイン・ディッシュに使われることもある。
アメリカンスタイルのレムラード
フライド・グリーン・トマトには、「レムラード・ソース」のディップが添えられるのが定番のスタイルです。
レムラードソースはフランス料理から生まれたマヨネーズベースのソースで、日本のタルタルソースに似ていますが、フライドグリーントマトに添えるものはそれと違います。
以下で、ご紹介するレムラードソースはフライド・グリーン・トマトに添えられるニューオーリンズ・スタイルのレムラードの一例です。
サワークリーム、ギリシャヨーグルト、マスタードや刻んだピクルスを加えるものもあります。
材料
- マヨネーズ:1カップ
- チリソース:1/4カップ
- クレオールマスタード:大さじ2
- エキストラバージンオリーブオイル:大さじ2
- タバスコやルイジアナ風ホットソース:大さじ1(またはお好みで)
- レモンジュース:大さじ2
- ウスターソース:小さじ1
- 刻んだワケギ:4本
- みじん切りのパセリ:大さじ2
- 刻んだグリーンオリーブ:大さじ2
- セロリのみじん切り:大さじ2
- にんにく(みじん切り):1片
- カイエンペッパー:小さじ1/2
- 塩:小さじ1(またはお好みで)
- 挽いた黒コショウ:小さじ1/2
- 刻んだケイパー:小さじ1
作り方
マヨネーズ、チリソース、マスタード、オリーブオイル、ホットソース、レモン汁、ウスターソースを混ぜる。ワケギ、パセリ、オリーブ、セロリ、ケイパー、ニンニクを混ぜる。チリパウダーと塩・胡椒で味付けする。蓋をして冷蔵庫で冷やす。
映画
- フライド・グリーン・トマト(1991年12月27日)