チキン・ロースト(鷄肉の油燒)

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ファイル:Japanese Tomato Dishes - Chicken Roast.png
チキン・ロースト(鷄肉の油燒)

チキン・ロースト(ちきんろーすと:けいにくのあぶらやき)は、昭和12年(1937年)に香蘭社から発行された『手輕に美味しく出来る家庭向き支那料理と西洋料理』に掲載された料理である。

材料(五人前)

  • 鷄肉:百五十匁
  • 骨:少々
  • ヘット
  • 胡椒
  • ケチャップ(亦はトマトソース)

拵へ方

先づ鷄肉は三十匁位の切身とし、縮まぬ様に刃を入れ、片隅に骨を指込む事、而して鹽、胡椒を振り置く。

別にフライパンにヘットを敷き、よく油を立たせ、鹽胡椒を振りたる面を下にて燒つけ、呼吸十八位にて一回裏返し、再び同一の間を於て、皿に盛り、馬鈴薯の茹たるものを皮を剥き、輪切として、一寸油でいためたるを五つ位ツマとし、パセリなどを配らひ、料理の上にはケチャップを帯の如く流し、ナイフ、フォーク、ソースを添へて供します。

注意

骨つきの鷄其他鳥料理は、指先で摘んで食べて差支ありません。 此處にシチュー物を作りに當り、尤も主要なるドビグラスの製法を申上げて置きます。

ドビグラスは、即ち煮込みものに使ふ材料にして、トマトソースを原料とします。

先づメリケン粉約一合位を、フライパンにヘット四分ノ一位を煮溶したる中に入れ、スパテル(杓子)の如きものにて撹廻し、粉が狐色になったならば、トマトソースを徐々に注ぎ入れながら撹廻し、適當の赤色と硬さになったならば、少量の湯亦は水を加へ、尚よく撹廻し、夫れをば、豚の骨スープ、亦は鷄の骨スープ一升位の中に入れ、火にかけて煮溶します、此場合、玉葱の屑、人参の皮、何でもよろし野菜の屑や、肉の切などを入れて煮込みますと、非常に美味い、ドビグラスが出來ます、斯くして(長い程よろし)煮込みたるものは裏漉して壺などに探置き、必要に應じて、使用する事。

夏は毎日火を入れる事、冬は一週間位は大丈夫保ちます。

『手輕に美味しく出来る家庭向き支那料理と西洋料理』西洋料理の部(二二)

参考文献

  • 『手輕に美味しく出来る家庭向き支那料理と西洋料理』:昭和十二年・香蘭社