カプリアート
カプリアート(Capuliatoまたはcapuliatu)は、ドライトマトをベースにした伝統的なシチリアソース。
イタリア共和国シチリア州南部にあるラグーザ県の都市、ヴィットーリアのシチリア自治体が由来とされ、『capuliato』という用語は俗ラテン語に由来し「細かく刻む」または「挽肉やミンチ」と同じような意味を持つ。
天日乾燥したドライトマトを肉挽き機などで粉砕し、バジルまたはオレガノなどを加えてオイル漬け(マリネ)にしたものである。
好みに応じて香り付けにニンニク、コショウなどを加える場合もある。
歴史
当初、ヨーロッパではトマトは観賞用が主であり、食用として広く普及したのは19世紀になってからである。
カプリアートは農業に適していた都市、ヴィットーリアが起源とされ、そこから広まったとされる。
ヴィットーリアは常に野菜の最大の生産と伝統をほこり、イタリアで最大の野菜と果物の市場の1つもある。
カプリアートは、トマトソースの保存方法とトマトの温室栽培がまだ開発普及されていない時代に生み出された加工技術である。
そのレシピは、すぐに州内や他の近隣地域に広がり、冬にはトマトが入手不可能なため、暑い季節、通常は7月と8月に天日乾燥させて、一年中パンやパスタに使える保存性のある調味料として作られた。
最も一般的なレシピ
カプリアートを使った古典的なパスタは、ニンニク, エクストラバージンオリーブオイル, カプリアトで調理される。
当初、バジルやイタリアンパセリは冬に入手することはできなかったが、現在では仕上げに使われることもある。
揚げパン粉やパン粉、粉チーズ、その他の調味料を加え、味や満足度を増幅させることもした。
ロングパスタが流通してからは、一般的にスパゲッティNo.5(1.7mm)が使われる。
パンの場合は、カプリアト, エクストラバージンオリーブオイル, チーズ, オレガノ, バジル, アンチョビ, チリなどの材料が使われる。
一般的なブルスケッタやフォカッチャだけではなく、ラグーザ州の典型的なパンの一種であるラグサフォカッチャに使われる。
工業生産と流通
現在、カプリアートを製造する主な本拠地であるヴィットーリアにはいくつかの製造会社があり、この製品はシチリア島全体をカバーし、特に南東部のデリカテッセンやスーパーマーケットで簡単に入手できる。
同時に、各家庭で自家製のカプリアートを作ることは今でも根強い伝統である。