ブックバインダースープ
ブックバインダースープ(Bookbinder Soup)は、アメリカ合衆国の北東部に位置するペンシルベニア州の都市フィラデルフィア発祥のスープである。
概要
伝統的なスープは、トマト、ニンジン、セロリ、ピーマン、タマネギ、セイヨウネギ、マッシュルーム、ニンニクなどの野菜とカメの肉で作られる。 カメは一般的に「カミツキガメ」(学名:Chelydra serpentina)が使われる。 スープには好みで加えるためのシェリー酒やクラッカーが添えられる場合もある。
このスープは「スナッパースープ 」(Snapper Soup)とも呼ばれるが、カミツキガメは “ スナッピング・タートル ” (Snapping Turtle)、または “ スナッパー・タートル ” (Snapper Turtle)とも呼ばれる。 本来、この料理名の “ スナッパー ” とは “ 鯛 ”(Snapper)の意味ではない。
現在では、カメを鯛に置き換えたスープも含まれるようになったが、伝統的なカメを使ったスープは以前として郷土料理の定番であり、観光客にも名物として人気が高い。
語源
料理名を冠する “ ブックバインダー ” は、1893年にフィラデルフィアに開店したオイスターバー「オールド・オリジナル・ブックバインダーズ」(Old Original Bookbinder's)の創業者でオランダから移民したユダヤ人であるサミュエル・ブックバインダー(Samuel Bookbinder)に由来し、今日でもメニュー名(ブックバインダースープ)として広く使われている。 このレストランは、1930年代にユダヤ慈善団体に遺贈された。
オールド・オリジナル・ブックバインダーズのメニュー表記では「スナッパースープ」(Snapper Soup)であったとされる。 これはカクテルのブラッディ・メアリーの発祥とされる店が、 レッド・スナッパー (Red Snapper)として提供している事象と似ている。
鯛のスナッパースープ
スナッパースープ(Snapper Soup)の名称は、本来の “ 亀 ” ではなく、 “ 鯛 ” に置き換えたスープにも使われるようになった。
1932年、シカゴの代表的なホテル「ドレイク・ホテル」が、ケープコッドと呼ばれる全米初のテーマレストランをオープンし、新メニューとして登場した。 このスープは、シカゴ都市圏と五大湖地域で最も読まれている日刊新聞『シカゴ・トリビューン』が、ドレイク・ホテルの総料理長から入手したレシピを掲載したことで広く知られるようになった。
これは、イギリスのウミガメを使ったモックタートルスープのケースとは異なり、あくまでアレンジである。
逸話
第27代アメリカ大統領であったウィリアム・ハワード・タフト(William Howard Taft:1857年9月15日 - 1930年3月8日)は、ホワイトハウスでカメのスープを作らせるために特別にシェフを雇った。