腌酸鱼

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腌酸鱼(寧蒗彝族自治県)

腌酸鱼(イェンスゥァンユー)は、雲南省麗江市寧蒗彝族自治県の北部に位置する瀘沽湖周辺で暮らしているモソ族(摩梭人)とプミ族(普米族)の伝統料理である。

概要

裂腹鱼(コイ科シセンアブラハヤ属)

腌酸鱼は、瀘沽湖に生息する固有種であるコイ科シセンアブラハヤ属の裂腹魚(リィェフーユー / 学名:Schizothorax sinensis)を主原料とし、それを層状に積み重ねて漬け込み、密封発酵の工程を経て作られる。 陶製の壺に半月ほど漬け込むことで独特な酸味と風味が生まれる。 生食の他、炒めもの、酸辣湯にしても美味である。 また、肉質は柔らかで骨が少なく、食欲を増進させる特徴がある。 腌酸鱼の伝統的な製法技術は、現地の民族の宴会作法と食文化を受け継いでおり、2021年には麗江の十大名物料理の一つに選ばれた。

食べ方

  • 生食:腌酸鱼の身をスライスして食す。青稞酒(チンクェ゛ァジゥ:ハダカムギ酒)を飲みながら味わう。
  • 炒めもの:ピーマンとネギを加えて炒めると、酸味と風味が引き立つ一品ができる。
  • スープ:トマトと唐辛子を加えてスープにすると美味な酸辣湯ができる。 

伝統食品

腌酸鱼は、モソ族の「成人式」や「春節」を含む祝祭の宴会に欠かせない料理であり、主催の客人に対する “もてなしの心” を象徴したものである。 また、高原地帯の食生活に適応するために培われた酸味のある発酵食品は食品を保存うるための伝統的な知恵を反映している。 2015年以降、瀘沽湖の観光の発展に伴い、少数民族の食文化を広める代表的な料理となった。

ギャラリー

関連項目