トマトケチヤツプ(昭和06年)
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美味しく保存が出來るトマトケチヤツプの拵へ方(おいしくほぞんができるとまとけちゃっぷのこしらえかた)は、昭和6年(1931年)に婦人雑誌『婦人倶楽部』8月号の附録「化粧品 食料品 日常薬品 家庭製法百種」に掲載されたトマトケチャップの作り方である。
美味しく保存が出來るトマトケチヤツプの拵へ方
トマトケチヤツプを作るには紅色種のよく熟したものを選び、蔕を除いて水で洗ひ、それを庖丁でざくざくと刻み、瀬戸引の大鍋に入れて強火にかけて煮立てます。 すると肉がどろ/\になりますから、画のやうに○○の中へ入れて、新しい龜の子束子でこす・・・欠・・・瀬戸引鍋に○ります。 それを、どろ/\になる程度に煮詰めると、ピューレといふ味の付かないトマトケチャップが出來ます。
スープやハヤシライスにはこのまゝ使はれてゐますが、ケチヤツプはこれに味を付けます。 ピューレ一升に対する味付の割合は、
- 白砂糖:二十五匁
- 食鹽:四匁
- 食酢:五勺
- 胡椒:一匁
- 桂皮末:一匁(一銭)
- 丁字末:五分(一銭)
- 肉豆蔲:五分(一銭)
- 玉葱:五匁
- セルリーの葉:少々
- パセリーの葉:少々
この中、葉物と玉葱は細かく刻んで布俵に入れピューレの鍋に入れて煮出します。 胡椒その他の粉物は、先づ丼に入れ・・・欠・・・入れ、酢は蒸発し易いものですから、火から下しぎはに入れます。
右の味付けは、大體の○○を示したものですから、その人の嗜好によって、甘味や香、辛味など自由に加減します。
出來上りは、トマト六百匁でビール壜に約一本になります。
貯蔵壜は、ビール壜又はサイダー壜又は貯蔵壜に入れ、ジャムの保存○と同じにいたします。
監修
- 西 清蔵
参考文献
- 『婦人倶楽部』:昭和六年八月號・附録「化粧品 食料品 日常薬品 家庭製法百種」飲食品の部