砂川ポークチャップ
砂川ポークチャップ(Sunagawa Pork Chap)は、北海道中部(道央地方)の空知総合振興局(そらちそうごうしんこうきょく)管内に属する砂川市(すながわし)のご当地グルメである。 現在、「砂川ポークチャップ協議会」に加盟する市内の21店舗で提供されている。
砂川市
砂川市を含む空知(そらち)地域は、国内最大の産炭地として最盛期の1960年代(昭和35年)から、1995年(平成7年)に空知炭鉱が閉山するまで炭鉱の町として栄えた。 砂川駅は炭鉱労働者の交通の要であり、彼らが疲れを癒すために好んだ菓子や甘味の店が増え、また彼らが家族や親戚へ送る土産品としても重宝されたことで砂川の菓子業は発展していった。 現在もその名残りで「すながわスイートロード」と呼ばれる国道12号沿いを中心に、およそ20店舗の菓子店や甘味を提供するカフェが点在している。
砂川ポークチャップ協議会
空知炭鉱の遺産は観光スポットでもあり、砂川の菓子文化もその遺産である。 砂川はお菓子の街として有名で、それに隠れてしまっているが特産はトマトとタマネギの町であることから、それを活かした料理(ご当地グルメ)が出来ないものかと砂川青年会議所のメンバーが提案し、同議会で思案した。 時を同じくして砂川に養豚農場を持つ上原ファーム株式会社の生産工場が完成し、砂川で育てられた豚が精肉加工されるようになった。 そこでトマト、玉ねぎ、豚肉といえばポークチャップしかないと青年会議の中で盛り上がり、ポークチャップという名前だけでどんな料理かがイメージできて、他にポークチャップで町おこしをしている地域が見当たらなかったことから砂川の名物にしようという結論に至った。
青年会議所のメンバーで市内の飲食店をまわり、ポークチャップをメニューに取り入れてもらうよう呼びかけた。 これに多くの飲食店も協力的に賛同し、2014年には砂川青年会議所の事業の一つとして「P-1グランプリ」(ポークチャップグランプリ)を開催。 市内のボランティアグループなどの6団体がそれぞれオリジナルのポークチャップを提供するブースを出店し、客に投票してもらうコンテストを行った。 また、ポークチャップを提供する飲食店マップを作成し、P-1グランプリの来客者に配布した。 P-1グランプリの後、協力してくれた飲食店にメニューを継続してもらい、「砂川ポークチャップ協議会」を設立。 飲食店に砂川ポークチャップ協議会の会員になってもらい、砂川青年会議所は事務局となって広報活動などのサポートを担いながら2015年にスタートした。
砂川ポークチャップ協議会公認ソース
空知管内の芦別市(あしべつし)に本社を置く調味料製造メーカー「株式会社ソラチ」の協力のもと、家庭でも作れる「砂川ポークチャップ協会公認 北海道のたれ屋のポークチャップソース」を販売した。 このソースには砂川産玉ねぎを使用し、ケチャップだけではなくトマトペーストも使われている完成度の高いものになっている。
定義
砂川ポークチャップ協議会は、ご当地グルメとしての確率だけではなく、砂川ポークチャップを通した地産地消を目的としている。
- 砂川市内の飲食店で提供。
- 砂川産の食材を1つ以上使用。
- とにかくポークチャップ
ポークチャップは協議会に加盟する市内の21店舗で提供されているが業態は様々なため、多種多様なスタイルのポークチャップが存在する。 和洋中のみならず、食堂はどこか懐かしい定食を感じさせ、蕎麦屋は蕎麦屋らしく、焼肉屋は焼肉屋らしく、バーではトルティーヤ(生地に全道大会で最高金賞を受賞した新すながわ農協のゆめぴりか米粉使用)、カフェはお洒落なバーガースタイルなど、実に個性豊かなポークチャップが生まれている。 昔に無くなった老舗の味を復刻するような場合はレシピの縛りも発生するが、砂川ポークチャップの場合は日本人に古くから洋食として親しまれてきたポークチャップを採用したものであり、特産のトマト、玉ねぎ、豚肉を活かすという点を最重要とした。 これは各飲食店が業態に合わせてポークチャップを生み出せた機会と要因になっている。 砂川ポークチャップはホテルで提供される様な上流的なものから庶民的な定食や手軽な弁当、お洒落なものまで揃い踏みし、砂川市を訪れる人々も様々なポークチャップを楽しめる街になっている。