あんかけスパ
あんかけスパ（Ankake Spa）
特徴
茹でたスパゲティにソースを和えるイタリアのパスタとは異なり、あらかじめゆで置きしておいた太いスパゲッティを、焼きそばのように、ラードや植物油で炒め、中華料理の餡のような粘性とコクのある辛味の効いたソースがかかった料理である。 この辛味は胡椒をたっぷりと使うためであるが、味のベースはトマト味である。 ミートソースを名古屋人好みの味に仕立てようとしてできたと言われる。
歴史
そ～れ
1961年（昭和36年）創業のスパゲティ・ハウス「そ～れ」は、あんかけスパ発祥の店として知られる。 そ～れは丸栄ホテル（名古屋国際ホテル）の洋食シェフでだった山岡博とその友人が共同経営者で開業した。 現在、あんかけスパとよばれる料理は、山岡博が考案したものである。 当時はスパゲッティ料理はあったものの、それぞれ店名を冠したメニュー名が主流であり、あんかけスパゲティという定着した名称は無かった。 ラーメン店すら見た事も聞いた事も無い地区だったため、開業時は近隣の市民が殺到したという。 オイルショックの不景気の中（昭和49-50年）債務等の問題で経営が変わった。 その時点で、そ～れの店舗、屋号を入手した4代目がそーれ本山（現・からめ亭）や他のそ～れ支店に屋号の変更を求めた。 この問題で、からめ亭の前身であるソーレは「レ」の前に「ノ」を加えて「ル」とし、「ソール本山」とした。
ヨコイ
1963年（昭和38年）創業のスパゲッティ・ハウスス「ヨコイ」は、あんかけスパ元祖の店として知られる。 ヨコイ（スパゲチハウス）は、あんかけスパを考案した山岡博が独立して開業した店でカウンターのみ8席の小さな店からはじまった。 当初は洋食店として、ピザを始めとするさまざまなメニューに並べた。 しかし、試食時に「こんな料理食べたことがない」と称賛されたあんかけスパゲッティは、人々に受け入れる素地ができておらず、最も食べてもらいたい、あんかけスパゲッティの注文が入ることは稀だったという。 深夜2時までの営業や洋食の出前も行い、マスコミにも紹介され、ヨコイのあんかけスパゲッティは徐々に広まっていった。 山岡博の孫で三代目を継いだ横井慎也で現在に至る。
からめ亭
からめ亭は名古屋市内外にフランチャイズ展開しているあんかけスパゲッティ専門チェーン店である。 からめ亭の前身である1979年（昭和54年）創業の名物あんかけスパゲッティ「ソール本山」は7坪10席の小さな店からはじまった。 からめ亭の店内には当時の写真が飾られている。 ソール本山は広小路通の拡幅工事に伴い2001年9月末に閉店。 その後、名東区一社に移転し、当初はソール本山一社店としていたが、現在はフランチャイズ店舗と同じ「からめ亭」に改めている。
1991年、ソール本山は朝の情報番組「ズームイン!!朝!」（日本テレビ系列：1979年・昭和54年3月5日 - 2001年・平成13年9月28日）で放送された。 名古屋には名物のあんかけうどんもあることから店主が「あんかけスパゲティ」 と命名し、番組内で発表したことで「あんかけスパゲッティ」という名前は全国的に知れ渡った。 このことから、からめ亭は「あんかけスパ」の名付け親として知られている。 現在は、あんかけスパゲッティ・あんかけ丼専門店となっている。
- Karametei Located in Nagoya, Aichi, is the Godfather of Ankake Spaghetti.png
からめ亭 本店
（名古屋市名東区高社）