「アイスランドの獣鳥類」の版間の差分

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これらのアヒルは、デンマーク経由で移入した中国の「北京ダッグ」(北京鸭:ベイジンヤー)の卵から孵化したものである。
 
これらのアヒルは、デンマーク経由で移入した中国の「北京ダッグ」(北京鸭:ベイジンヤー)の卵から孵化したものである。
 
その当時、ガチョウやアヒルにせよ、農場があった事実や鳥の数が以前より増えたという事実だけで、食肉や卵として一般的に流通するほどの生産性はない。
 
その当時、ガチョウやアヒルにせよ、農場があった事実や鳥の数が以前より増えたという事実だけで、食肉や卵として一般的に流通するほどの生産性はない。
今日でも採卵だけを目的として飼育する農場や食肉として飼育する農場に分けられるが、どちらも小規模で自家消費か地域密着型で販売している。他では家庭で子供と一緒に世話をして飼育する人々もいるが、これも採卵が主である。アイスランド国民は、グリム童話「みにくいあひるの子」を知っているため、アヒルは知名度が高いが、食材としては重要視されていない。
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今日でも採卵だけを目的として飼育する農場や食肉として飼育する農場に分けられるが、どちらも小規模で自家消費か地域密着型で販売している。他では家庭で子供と一緒に世話をして飼育する人々もいるが、採卵が主である。アイスランド国民は、グリム童話「みにくいあひるの子」を知っているため、アヒルは知名度が高いが、食材としては重要視されていない。
 
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2024年3月18日 (月) 15:43時点における版

Icelandic Beasts and Birds - Dýr og fuglar.png
Iceland -(Reynisfjall)Atlantic Puffin on the Cliffs.png

アイスランドの獣鳥類(Dýr og fuglar)は、アイスランドの家畜および野生生物を含め、主に食用として利用可能なものである。

概要

家畜類

鯨偶蹄目

画像 現地名 一般名(学名)
Ovis aries -(Domestic Sheep)Icelandic Sheep.png
(Sauðfé)

(Íslenska sauðkindin)
アイスランディック・シープ
Ovis aries
ウシ科ヒツジ属。アイスランドは人口より羊の数がはるかに多い。入植時代に移入された古い血統である。アイスランド料理の代表的な食材で余すことなく利用される。ソーセージも主に羊肉である。
Capra hircus -(Domestic Goat)Icelandic Goat.png (Geit)

(Íslenska geitin)
アイスランディック・ゴート
Capra hircus
ウシ科ヤギ属。入植時代に移入された古い血統である。古くはウシと同様に乳は重要な栄養源となった。一時は絶滅が危ぶまれるほど激減したため、今日では保護対象となっている。
Bos taurus -(Domestic Cattle)Icelandic Cattle.png (Nautgripur)

(Íslenskur nautgripur)
アイスランディック・キャトル
Bos taurus
ウシ科ウシ属。入植時代に移入された古い血統である。食肉に利用されることは少なく、主に乳製品の原料を得るための搾乳が目的である。乳製品はアイスランドで重要な役割を担っている。

※哺乳綱(ほにゅうこう)・鯨偶蹄目(げいぐうていもく)。これらの家畜の中でウシを除き、ヒツジ、ヤギたちは野生同様の生活をしている。ヒツジを食する諸外国は多いが、アイスランドのヒツジは海岸沿いの海藻類、野草類、薬草類を餌とするため、味に大きな違いが出る。これはアイスランドが自負するところで訪れた人々を納得させる。

奇蹄目

画像 現地名 一般名(学名)
Equus caballus -(Domestic Horse)Icelandic Horse.png
(Hestur)

(Íslenski hesturinn)
アイスランディック・ホース
Equus caballus
ウマ科ウマ属。ステーキ、塩漬けが定番。他にはソーセジに使われる。伝統的な食材だが日常的ではない。

※哺乳綱・奇蹄目(きていもく)。アイスランドでは、観光地を騎乗しながら景観を楽しむツアーも多く行っている。西部のレイクホルトにあるトマト農園では乗馬体験や古典的な服装をした騎手たちのショーが見学できる。

家禽類

キジ目

画像 現地名 一般名(学名)
155px
(Nytjahænsni)

(Landnámshænsn)
アイスランディック・チキン
Gallus gallus domesticus
キジ科ヤケイ属。ニワトリの学名は基本的に同じだが、DNAの分析で古い血統であることが証明されている。

※鳥綱(ちょうこう)・キジ目。アイスランドにおける養鶏は古いものの、農場や家庭で行われていたもので商業的規模ではない。食肉として屠殺するより、持続的に栄養摂取が可能な鶏卵の採取が合理的であったと思われる。現に “ アイスランドの地鶏 ” としてレストランで供されることは少なく、観光客もそれを目的としない。近年、養鶏場を拡大している企業も同種のニワトリの鶏卵を全国的に通年で出荷することを目的としている。鶏卵は通年で入手しやすいが、海鳥の卵が陳列されるシーズンになると存在感は薄くなる。アイスランドの人々は朝食に目玉焼きを習慣的に食べるということはなく、肉はヒツジが筆頭となる。アイスランド料理の食材において、ニワトリは影が薄い存在である。

カモ目

画像 現地名 一般名(学名)
Anser anser var. domesticus - Domestic Greylag Goose.png
(Aligæsir)
ヨーロッパガチョウ
Anser anser var. domesticus
カモ科マガン属。野生のハイイロガンを品種改良したもので、アジアの一般的なガチョウとは学名も異なる。
155px
(Önd)
アヒル
Anas platyrhynchos domesticus
カモ科マガモ属。

※鳥綱・カモ目。1609年に出版されたアイスランドの学者であるアルングリムル・ヨンソン(Arngrímur Jónsson lærði:1568年 - 1648年6月27日)の著書『クリモガイア』(Crymogæa)の中で彼は「16世紀末の少し前には、個々の農場にガチョウや自家用ガチョウがいたが、一般にアイスランド人は鶏以外の家禽を知らず、家禽は鶏だけだ」と述べている。 アイスランドにおける養鶏の歴史によれば、1958年から1964年にかけて、アヒル農場が運営され、国内のアヒルの数が大幅に増加した。 これらのアヒルは、デンマーク経由で移入した中国の「北京ダッグ」(北京鸭:ベイジンヤー)の卵から孵化したものである。 その当時、ガチョウやアヒルにせよ、農場があった事実や鳥の数が以前より増えたという事実だけで、食肉や卵として一般的に流通するほどの生産性はない。 今日でも採卵だけを目的として飼育する農場や食肉として飼育する農場に分けられるが、どちらも小規模で自家消費か地域密着型で販売している。他では家庭で子供と一緒に世話をして飼育する人々もいるが、採卵が主である。アイスランド国民は、グリム童話「みにくいあひるの子」を知っているため、アヒルは知名度が高いが、食材としては重要視されていない。

野生哺乳類

鯨偶蹄目

画像 現地名 一般名(学名)
Rangifer tarandus - Reindeer.png
(Hreindýr)
トナカイ
Rangifer tarandus
シカ科トナカイ属。アイスランドでは毎年、生態に影響がない範囲で、個体の年齢、性別、または地域に応じて頭数を決定して狩猟を許可している。塩漬けが定番。伝統的な食材だが日常的ではない。

※哺乳綱・鯨偶蹄目。

食肉目

画像 現地名 一般名(学名)
Ursus maritimus - Polar Bear.png
(Hvítabirnir)
ホッキョクグマ
Ursus maritimus
クマ科クマ属。稀に流氷に乗って訪れる。アイスランドでは保護する方針だが、陸上して人や家畜に危険が及ぶ場合は処置される。通常は生息していため、一般的な狩猟や食材の対象ではない。

※哺乳綱・食肉目。ホッキョクグマは氷上生活の他、泳ぐことにも長けている。生息域に近いグリーンランドでは、陸上して人々の生活圏に出没して通報されることもあり、適正な処置がされた後、肉は自治体の市場や集落の役場などで販売される。日本でも古くから熊肉は狩猟食材として利用されている。

野鳥類

カモ目

画像 現地名 一般名(学名)
Family Anatidae - Ducks, Geese, and Swans.png
(Andaætt)
ガンカモ類
Family Anatidae
カモ科。アイスランドに限らず、これらの種の狩猟には主に銃器が使用される。狩猟期間はレストランで供される。観光客は、ガン(Goose)、またはカモ(Duck)として紹介している。
Anser albifrons - Greater White Fronted Goose.png
(Blesgæs)
マガン
Anser albifrons
カモ科マガン属。狩猟期間は9月1日~3月31日。 “ ニルスのふしぎな旅 ” に登場するアッカ隊長はマガンの群れを率いる長である。
Anser brachyrhynchus - Pink Footed Goose.png
(Heiðagæs)
コザクラバシガン
Anser brachyrhynchus
カモ科マガン属。狩猟期間は8月20日~3月15日。
Anser anser - Greylag Goose.png
(Grágæs)
ハイイロガン
Anser anser
カモ科マガン属。狩猟期間は8月20日~3月15日。
Branta leucopsis - Barnacle Goose.png
(Helsingi)
カオジロガン
Branta leucopsis
カモ科コクガン属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Anas platyrhynchos - Mallard.png
(Stokkönd)
マガモ
Anas platyrhynchos
カモ科マガモ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。カモの中で最も美味とされ、食材として珍重される種。フランス料理では、コルヴェール(Colvert)、日本料理では、青首(あおくび)と呼ばれる。
Anas crecca - Common Teal.png
(Urtönd)
コガモ
Anas crecca
カモ科マガモ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Aythya marila - Greater Scaup.png
(Duggönd)
スズガモ
Aythya marila
カモ科ハジロ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。日本では “ 海ガモ ” の一つ。
Aythya fuligula - Tufted Duck.png
(Skúfönd)
キンクロハジロ
Aythya fuligula
カモ科ハジロ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。日本では “ 海ガモ ” の一つ。
Mareca penelope - Eurasian Wigeon.png
(Rauðhöfðaönd)
ヒドリガモ
Mareca penelope
カモ科ヒドリガモ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Clangula hyemalis - Long Tailed Duck.png
(Hávella)
コオリガモ
Clangula hyemalis
カモ科コオリガモ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Mergus serrator - Red Breasted Merganser.png
(Toppönd)
ウミアイサ
Mergus serrator
カモ科ウミアイサ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。

※アイスランドでは、ガンカモ類は狩猟期間中だからといって多くのレストランで供されることはなく、あくまで狩猟者や愛好家たちの間で食されている。 英語のメニュー表記は、ガンはグース(Goose)、カモはダック(Duck)となるが、カモの場合は家禽のガチョウも含まれる場合もある。 フードコートやファーストフードなどに通年あるものは家禽である。 大体は骨付きのローストであるため、骨を見れば野鳥であるかを判断できる。 家禽は歩行が主であるため骨が太く、野鳥は飛行するため骨はシャープである。 また、日本では “ 海ガモ ” と総称される狩猟鳥のスズガモ(ハジロ属)、キンクロハジロ(ハジロ属)、ホシハジロ(ハジロ属)、クロガモ(クロガモ属)などは、ハンターに味が好まれないため、狩猟の標的とされない。その要因は魚が主な餌であるため、肉に魚の風味を持つことである。これは海ガモに限らず、海鳥類の特徴である。

チドリ目

画像 現地名 一般名(学名)
Larus marinus - Great Black Backed Gull.png
(Svartbakur)
オオカモメ
Larus marinus
カモメ科カモメ属。通年で狩猟が許されている。
Larus fuscus - Lesser Black Backed Gull.png
(Sílamáfur)
ニシセグロカモメ
Larus fuscus
カモメ科カモメ属。通年で狩猟が許されている。
Larus argentatus - Herring Gull.png
(Silfurmáfur)
セグロカモメ
Larus argentatus
カモメ科カモメ属。通年で狩猟が許されている。
Larus hyperboreus - Glaucous Gull.png
(Hvítmáfur)
シロカモメ
Larus hyperboreus
カモメ科カモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Chroicocephalus ridibundus - Black Headed Gull.png
(Hettumáfur)
ユリカモメ
Chroicocephalus ridibundus
カモメ科ユリカモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Rissa tridactyla - Kittiwake.png
(Rita)
ミツユビカモメ
Rissa tridactyla
カモメ科ミツユビカモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Stercorarius skua - Great Skua.png
(Skúmur)
キタオオトウゾクカモメ
Stercorarius skua
トウゾクカモメ科トウゾクカモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Stercorarius parasiticus - Arctic Skua.png
(Kjói)
クロトウゾクカモメ
Stercorarius parasiticus
トウゾクカモメ科トウゾクカモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。

※アイスランドには、フランスのジビエ料理で “ ベカス ”(仏:Bécasse)として珍重されるチドリ目シギ科のシギ類が渡来するが狩猟対象ではない。アイスランドは美味とされる渡り鳥の中継地と繁殖地であり、その多くがここから再び飛び立ち、美食家たちの舌を魅了している。

ミズナギドリ目

画像 現地名 一般名(学名)
Fulmarus glacialis - Northern Fulmar.png
(Fýll)
フルマカモメ
Fulmarus glacialis
ミズナギドリ科フルマカモメ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。

カツオドリ目

画像 現地名 一般名(学名)
Morus bassanus - Northern Gannet.png
(Súla)
シロカツオドリ
Morus bassanus
カツオドリ科シロカツオドリ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Phalacrocorax carbo - Great Cormorant.png
(Dílaskarfur)
カワウ
Phalacrocorax carbo
ウ科ウ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。
Gulosus aristotelis - European Shag.png
(Toppskarfur)
ヨーロッパヒメウ
Gulosus aristotelis
ウ科ウ属。狩猟期間は9月1日~3月31日。

キジ目

画像 現地名 一般名(学名)
Lagopus muta - Rock Ptarmigan.png
(Rjúpa)
ライチョウ
Lagopus muta
キジ科ライチョウ属。狩猟期間は10月15日~12月22日。美味な鳥として広く知られる。

スズメ目

画像 現地名 一般名(学名)
Corvus corax - Common Raven.png
(Hrafn)
ワタリガラス
Corvus corax
カラス科カラス属。通年で狩猟が許されている。一般的なカラスは忌み嫌われるが、それと反して清いものとされる。

海鳥類

画像 現地名 一般名(学名)
Iceland -(Reynisfjall)Atlantic Puffin Hunters on the Cliffs.png 海鳥に銃器を使用することは禁じられている。長い竿状で先端がV字に分かれたラクロスのラケットのような古典的な猟具で捕獲する。崖の上を風に逆らって漂う習性を利用して捕らえる。
Fratercula arctica - Atlantic Puffin.png
(Lundi)
ニシツノメドリ
Fratercula arctica
ウミスズメ科ツノメドリ属。狩猟期間は9月1日~5月10日。国のキャラクター的な鳥で、観光客の野鳥観察、海鳥料理の代表的格。古くから生食、塩漬け、燻製などで食されれてきた伝統食材。
Uria aalge - Common Guillemot.png
(Langvía)
ウミガラス
Uria aalge
ウミスズメ科ウミガラス属。狩猟期間は9月1日~5月10日。
Uria lomvia - Brünnich's Guillemot.png
(Stuttnefja)
ハシブトウミガラス
Uria lomvia
ウミスズメ科ウミガラス属。狩猟期間は9月1日~5月10日。
Alca torda - Razorbill.png
(Álka)
オオハシウミガラス
Alca torda
ウミスズメオオ科ハシウミガラス属。狩猟期間は9月1日~5月10日。
Cepphus grylle - Black Guillemot.png
(Teista)
ハジロウミバト
Cepphus grylle
ウミスズメ科ウミバト属。狩猟期間は9月1日~5月10日。

※アイスランドで生き抜くためのに培われてきた伝統的な「ニシツノメドリ狩り」を体験できる催しもある。 この場合は狩りの成果より、あくまで体験を目的とし、より安全な場所で行われ、子供たちも参加する。 断崖での狩猟は危険性(突風や空中の鳥を夢中に追って転落など)が高く、熟練のスキルを必要とする職人たちの仕事場である。また、海鳥類は、魚を餌とするため、肉は魚の風味を持つのが特徴である。そのため、肉や脂肪の成分が通常とは異なり、健康に良いとされている。アイスランドに訪れる人々にとって海鳥料理は一つの目玉であり、魚の味がすることに驚くものの、その珍しさを味わい、気嫌いされることは少ない。

卵類

画像 現地名 一般名(学名)
Iceland -(Langanes)Collecting Seabird Eggs on the Cliffs.png 海鳥の卵は伝統的に重要な栄養源とされてきた。古来、断崖から卵を採取する命がけの役目は若者であったが、現在は消防士やレスキュー隊員がそれを継承している。彼らの貢献で季節限定で出回る。
Icelandic Cuisine - Svartfuglsegg.png
(Svartfuglsegg)
ウミガラスの卵。海鳥の卵の代表格で茹で卵は子供から年配者にまで愛されている。やや透明感のある白身は弾力があり、黄身は濃厚な味が特徴。観光客にも美味な一品として非常に評価が高い。
Icelandic Cuisine - Álkuegg.png
(Álkuegg)
オオハシウミガラスの卵。
Icelandic Cuisine - Rituegg.png
(Rituegg)
ミツユビカモメの卵。
Icelandic Cuisine - Hettumávsegg.png
(Hettumávsegg)
ユリカモメの卵。
Icelandic Cuisine - Sílamávsegg.png
(Sílamávsegg)
ニシセグロカモメの卵。
Icelandic Cuisine - Hvítmávsegg.png
(Hvítmávsegg)
シロカモメの卵。
Icelandic Cuisine - Fýlsegg.png
(Fýlsegg)
フルマカモメの卵。
155px
(Gæsaegg)
ガンの卵。
155px
(Andaregg)
アヒルの卵。農場で飼育された家禽で野生ではない。農場の直売や付近で小規模に販売される。※参考記載。

※アイスランドの狩猟における法律を厳守さえすれば、銃器を用いる狩猟に比べて、採卵に関しては緩やかで免許も必要としない。ただ、採取期間は決められている。海鳥の場合、そのほとんどが断崖絶壁にあるため、今日では素人が行うことはない。一般の人々にとって危険をともなわずに採取できるのは、草むらなどに産卵する野鳥類だが、これにはルールがあり、巣にある卵を全て取ってはならず、一つの巣に対して必ずある程度の数を残すという規則がある。

海棲哺乳類

鯨類

画像 現地名 一般名(学名)
Infraorder Cetacea - Cetaceans.png
(Hvalir)
クジラ類
Infraorder Cetacea
哺乳綱(ほにゅうこう)・鯨偶蹄目(げいぐうていもく)・鯨類(げいるい)。アイスランドでは重要な食糧源として伝統的に捕鯨が行われてきた。
Balaenoptera acutorostrata - Common Minke Whale.png
(Hrefna)
ミンククジラ
Balaenoptera acutorostrata
ナガスクジラ科ナガスクジラ属。アイスランドでは個体数に影響がないミンククジラが食用とされている。他種とは異なり、上質な肉で血生臭さや獣臭がない。訪れる観光客にも非常に評価が高い。

※クジラ博物館

鰭脚類

画像 現地名 一般名(学名)
Superfamily Phocoidea - Pinnipeds.png
(Hreifadýr)
鰭脚類
Superfamily Phocoidea
哺乳綱(ほにゅうこう)・食肉目・鰭脚類(ききゃくるい)。アシカ科、アザラシ科、セイウチ科で構成される。その中でアイスランドには、2種のアザラシが生息している。
Phoca vitulina - Common Seal.png
(Landselur)
ゼニガタアザラシ
Phoca vitulina
アザラシ科ゴマフアザラシ属。古くから狩猟の対象として、伝統的に利用されてきた。無論、肉は利用されるが、皮を含む脂肪とヒレは美食として珍重される。
Halichoerus grypus - Grey Seal.png
(Útselur)
ハイイロアザラシ
Halichoerus grypus
アザラシ科ハイイロアザラシ属。ゼニガタアザラシより、狩猟対象とされることは少ない。

※アイスランドでは、アザラシの狩猟を禁止した。しかし、商業的な漁でなければ、個人でも申請さえすれば狩猟が可能となった。これによって乱獲を防ぎ、伝統的な食材として利用することは守られている。入植当時は重要な食糧源であったが、今日では(狩猟を禁止する以前から)アイスランドの伝統的な催しの食材でしか使われていない。

加工品

画像 現地名 一般名
Icelandic Cuisine -(Smoked Puffin)Reyktur Lundi.png
(Reyktur Lundi)
スモークド・パフィン
(Smoked Puffin)
ニシツノメドリの燻製。古くから食糧を保存する伝統食で狩猟期間外でも通年でレストランで提供している。一羽を丸のごと出すことはなく、狩猟期間中でも生鮮の肉を使うことはほとんどない。
155px スール・クヴァルゥル
(Súr Hvalur)
クヴァルゥルは “ クジラの脂身 ” の意味。日本の鯨料理では、畝須(うねす)と呼ばれる美味な部位である。スールはミーサ(乳清)に漬けたものを指す。塩が普及する以前に生み出された保存法。
Icelandic Cuisine - Saltað Selspik.png サルタズ・セルスピック
(Saltað Selspik)
アザラシの皮の塩漬け。セルスピックは “ アザラシの皮 ” の意味。
155px セルシュレイファル
(Selshreifar)
アザラシのヒレ。ゼラチン質を多く含む部位。小屋などで寒風干しにする。伝統的なものはその後、ミーサ(乳清)に漬ける。伝統料理としてソーラマートゥルで供される。通常メニューにはない。

ギャラリー

※以下は、アイスランド料理の一例である。

関連項目