「レッド・ホット・ラヴァ・スープ」の版間の差分

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アイスランドでは、これらの火山活動を利用した地熱発電を行っている。
 
アイスランドでは、これらの火山活動を利用した地熱発電を行っている。
 
そのエネルギーを再利用した世界最大の露店温泉「ブルーラグーン」、自然観測では極地で発生する「オーロラ」などが主な観光となっているが、他に「火山ウォッチング」もその一つとなっている。
 
そのエネルギーを再利用した世界最大の露店温泉「ブルーラグーン」、自然観測では極地で発生する「オーロラ」などが主な観光となっているが、他に「火山ウォッチング」もその一つとなっている。
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アイスランドでは火山観測は危険を伴うため、観光として決して推奨していないが、大地の躍動を間近で一目見ようと世界中から訪れる人々やハイキングツアーは後を絶たない。
 
アイスランドでは火山観測は危険を伴うため、観光として決して推奨していないが、大地の躍動を間近で一目見ようと世界中から訪れる人々やハイキングツアーは後を絶たない。
 
噴火による直接的な被災ではなく、大小の岩石が続く悪路による転倒骨折、軽装による低体温症であっても救急搬送は困難を極めるため、噴火現場を訪れる多数の観光客も当局にとっては懸念事項の一つとなっている。
 
噴火による直接的な被災ではなく、大小の岩石が続く悪路による転倒骨折、軽装による低体温症であっても救急搬送は困難を極めるため、噴火現場を訪れる多数の観光客も当局にとっては懸念事項の一つとなっている。

2023年12月15日 (金) 12:37時点における版

レッド・ホット・ラヴァ・スープ

レッド・ホット・ラヴァ・スープ(Red Hot Lava Soup)は、アイスランドの最南端に位置するヴィーク村(ヴィーク・イ・ミールダル:Vík í Mýrdal)にある “ 火山と溶岩 ” をテーマにした博物館とエンターテイメントの複合施設「ラヴァ・ショー」(Lava Show)に併設されたレストランで提供されているスープである。 料理名は “ 赤く熱い溶岩 ” を意味する。

特徴

アイスランドヨーグルト「スキル」と刳りぬいたパンと蓋
ラヴァ・ショー(ヴィーク村)

レッド・ホット・ラヴァ・スープは、アイスランドの火山をイメージした料理である。 器となる黒いパンは溶岩が地上で冷え固まった岩石(火成岩:かせいがん)、パンの中に注がれた真っ赤なスープは地上から噴出する高熱で流動性のある溶岩を表している。

唐辛子を利かせたスパイシーな味で、他にトマト、タマネギ、ローリエ、赤ワイン、プライムビーフ、黒いんげん豆、赤レンズ豆などで構成されいるため、液状のスープというよりは粘性のあるシチューである。 パンの上面をカットして蓋とし、中身を刳りぬいて器状にしたものに熱々のシチューを注ぎ、再び蓋をして、パンの原型で供卓される。 辛味を調整できるように、アイスランドヨーグルトの「スキル」、別途で自由に味わえる刳りぬいたパンの内部が添えられる。

  • プライムビーフ(Prime Beef)は、米国における牛肉の格付けで最高ランクのもの。
  • スキル(Skyr)は、アイスランドの代表的なヨーグルト。味は濃厚で濃縮されたホイップ状の粘性がある。スープやシチューに発酵乳製品(ヨーグルトやサワークリームなど)を添えるのはボルシチなど他国の料理にも見られる。
  • ラヴァ・ショー(Lava Show)を訪れた際の土産品としても販売されている。パンを器に見立てることは決して珍しくはないが、シチューと比べて通常のスープの場合は堅いパンであったとしても器の役割を保つ時間には限度があり、受け皿が必要となる。土産品はパンを必要としないため “ スープ仕立て ” となっている。

アイスランドと火山

ファイル:Iceland -(Eldgos)Litli Hrútur eruption, July 2023.png
リトリ・フルトゥールの噴火(現地日時:2023年7月10日発生)

アイスランド南西部に位置するレイキャネース半島を占める行政地区であるスズルネス(アイスランド語:Suðurnes)の「ファグラダルスフィヤル」(Fagradalsfjall)は世界有数の活火山地帯として知られている。

ファグラダルスフィヤルは、スヴァルツェンギ(Svartsengi)火山地域とクリースヴィーク(Krýsuvík)火山地域の間に面する幅5km・長さ16kmの広範囲にわたる火山地帯の名称である。 アイスランドでは、これらの火山活動を利用した地熱発電を行っている。 そのエネルギーを再利用した世界最大の露店温泉「ブルーラグーン」、自然観測では極地で発生する「オーロラ」などが主な観光となっているが、他に「火山ウォッチング」もその一つとなっている。

アイスランドでは火山観測は危険を伴うため、観光として決して推奨していないが、大地の躍動を間近で一目見ようと世界中から訪れる人々やハイキングツアーは後を絶たない。 噴火による直接的な被災ではなく、大小の岩石が続く悪路による転倒骨折、軽装による低体温症であっても救急搬送は困難を極めるため、噴火現場を訪れる多数の観光客も当局にとっては懸念事項の一つとなっている。

また、噴火による災害は最悪の場合、甚大な被害と多くの人命に関わる重要な問題だが、この地で長年に渡り生活する人々にとっては自然現象の一環、いわば一種の “ 風土 ” や “ 風物詩 ” 的なものとなっており、避難命令を受け流す住民も問題となっている。 ただ、日本のように山頂から麓の町を猛スピードと共に高熱で襲う火砕流のような災害はない。

※噴火の規模によっては、アイスランド国民保護・緊急事態管理局より避難勧告が発令され、ブルーラグーンが閉鎖されることもある。

ギャラリー

関連項目