「アンギーラ」の版間の差分

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グーラ(La Gula)は、シラスウナギが高価で希少であることから、シラスウナギを模倣して加工した代替食品である。
 
グーラ(La Gula)は、シラスウナギが高価で希少であることから、シラスウナギを模倣して加工した代替食品である。
 
低価格なため人気があり、グーラの名で親しまれている。
 
低価格なため人気があり、グーラの名で親しまれている。
正しくはこの名称は特定の食品メーカーの商品名であるが、日本で蟹肉を模倣して多社が販売しているものを「カニカマ」と総称するニュアンスと同じである。
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正しくはこの名称は特定の食品メーカーの商品名であるが、日本で蟹肉を模倣して多社が販売している商品を「カニカマ」と総称するニュアンスと同じである。
  
 
材料は、主にアラスカ産のタラ科(学名:''Pollachius pollachius'')のすり身を使用している。
 
材料は、主にアラスカ産のタラ科(学名:''Pollachius pollachius'')のすり身を使用している。

2022年5月30日 (月) 07:31時点における版

アンギーラ(Anguila:うなぎ)は、スペイン料理において重要な役割を担っており、多くの典型的な郷土料理に登場する。 ガリシア地方では、ウナギやヤツメウナギを使ったシチューはとても人気がある。 また、バスク地方、エストレマドゥーラやバレンシアなどの伝統的な鰻料理は他の地方でも高く評価されている。

食材としてのウナギ

アングーラス

高級珍味のアングーラス

アングーラス(Angulas:シラスウナギ)は、漁業法で許されたウナギの稚魚に付けられた名前である。 スペインでは活魚、生鮮品、冷凍品、缶詰で販売され、12月から4月までは生のシラスウナギ、1年を通して冷凍のシラスウナギを食べることができる。 魚市場で見かけるのは通常、重さ1g、長さ8cm弱のもので、市販品の大抵は調理済みであり、生は透明である。 シラスウナギは成長したウナギと同じように料理に使うことができ、ニンニクや唐辛子、オリーブオイルと一緒に食べると美味である。 しかし、シラスウナギは日本で「白いダイヤ」と称されると同様、スペインでも値段はかなり高額であり、特にクリスマスにはさらに価格が高騰する。

1980年代、アンダルシア州は40トンもの年間漁獲高を誇り、家畜の餌にするほどであったが、2009年には年間漁獲量が300キロまで急激に落ち込んだことで、2010年にはアンダルシア州政府は10年間の禁漁を決定し、他の州では制限つきで漁が許されている。 もともとは高価なものではなかったが、現在は1キロあたり1,000ユーロを超える高級珍味になっている。

高級珍味で知られるキャビアは、金気(ゴールド以外の金属)で味を損なうため、金(ゴールド)のスプーンで食すのが最上とされ、キャビアスプーンには貝製のものある。 繊細な味のアングーラスも同様であり、調理には陶器の鍋が使われ、貝や木製のフォークで食される。

グーラ

グーラ(La Gula)は、シラスウナギが高価で希少であることから、シラスウナギを模倣して加工した代替食品である。 低価格なため人気があり、グーラの名で親しまれている。 正しくはこの名称は特定の食品メーカーの商品名であるが、日本で蟹肉を模倣して多社が販売している商品を「カニカマ」と総称するニュアンスと同じである。

材料は、主にアラスカ産のタラ科(学名:Pollachius pollachius)のすり身を使用している。 1キロのグーラを作るのに、5キロのタラが必要である。 アングーラスが高価なため、食品業界では、品質や見た目を本物に近づける改善をし、本来のシラスウナギの背の灰色がかった色や目までを模した代用品が以前から多数派を占めている。

日本でも鰻の蒲焼を模倣した加工食品が見られるが、スペインの場合は鰻の稚魚を珍重するため、シラスウナギを模倣している。

アンギーラ

アンギーラ(Anguila:うなぎ)は、日本の蒲焼に使うような成長した鰻を指すが、二ホンウナギ(学名:Anguilla japonica)ではなく、ヨーロッパウナギ(学名:Anguilla anguilla)である。 高級珍味のシラスウナギとは別に伝統的に食されている。

アンギーラ・アウマーダ

アンギーラ・アウマーダ(Anguila Ahumada)は、鰻の燻製を指す。 調理することで滑らかでクリーミーな食感があるため、ヨーロッパ諸国で大きな需要がある。 皮を剥くと上品な白身であり、むき身のフィレはフィレテ・デ・アンギーラ・アウマーダ(Filetes de Anguila Ahumada)としても販売されている。


伝統料理

アングーラス・ア・ラ・ビルバイーナ

アングーラス・ア・ラ・ビルバイーナ(Angulas a la Bilbaína)は、シラスウナギをニンニク、唐辛子、エクストラバージンオリーブオイルで炒めたもの。

アリペブレ

アリペブレ(All i Pebre)は、ニンニク、パプリカ、唐辛子、筒切りにした鰻とジャガイモを煮込んだもの。

アンギーラ・ア・ラ・エクストレマドゥーラ

アンギーラ・ア・ラ・エクストレマドゥーラ(Anguila a la Extremeña)は、鰻とトマト、タマネギ、チョリセロペッパー、ローリエ、パセリ、ニンニクと一緒を調理する。

パエージャ・デ・アンギーラ・バレンシアーナ

パエージャ・デ・アンギーラ・バレンシアーナ(Paella de Anguila Valenciana)は、パエリアに鰻の他、トマト、ピーマン、エビ、エスカルゴ、鶏肉、ハムなど、さまざまな具材を入れることができる。

エスパルデーニャ

エスパルデーニャ(Espardenyá)は、バレンシア地方の料理で鰻をジャガイモと一緒に調理し、ソテーしたウサギ、アヒル、鶏肉を加え、最後に卵を落としたもの。


トレブヘナ村

アングーラス・デ・トレブヘナ(カーサ・リトリ)

1987年(昭和62年)に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督の作品映画『太陽の帝国』は、スペイン南部のアンダルシア州カディス県にあるトレブヘナ村に大規模な屋外セットを建設して撮影された。 スピルバーグは世界中のロケ地を探し、トレブヘナに決定した。

この村にはシラスウナギの王様(Rey de las Angulas)と称されたロメロ・バスティロ(Romero Bustillo)が1970年代に創業した「カーサ・リトリ」(Bar Casa Litri)というレストランがある。 名物のシラスウナギ料理はスピルバーグをはじめ、撮影スタッフも堪能した。 バスク州ビスカヤ県ビルバオの伝統的な料理「ビルバオ風」(アングーラス・ア・ラ・ビルバイーナ)と同じ料理だが、当時トレブヘナ村はシラスウナギ最大の漁獲高を誇っていたため「トレブヘナ風」と呼んでいる。 創業者であるロメロ・バスティロは2010年に亡くなったが、店は現在も営業しており、店内には彼の肖像画と訪れた政治家、芸術家、スポーツ選手など数多くの著名人の写真が飾られている。

消費国

オランダやデンマークなどヨーロッパ諸国でも鰻は人気はあるが、最大の消費国はイタリアである。 鰻を使ったイタリア料理のレシピは数多くあり、中でもベネチアの鰻料理が際立っている。