ニュー・スペイン

ヌエバ・エスパーニャ（新スペイン総督府/Virreinato de Nueva España：1535年3月8日 - 1821年）は、16世紀から19世紀にかけてのスペインによるアメリカ大陸の植民地化の際に、スペイン君主制によって北アメリカの大部分に設立されたスペイン帝国の領土、いわゆる『ニュー・スペイン』である。
その起源は、主要な征服であるメキシコシティ＝テノチティトランの陥落後であり、その領土が北上し続けたため、本当の意味での終焉は、ずっと後になってからであった。

1535年3月8日に正式に創設されました。初代総督はアントニオ・デ・メンドーサ・イ・パチェコで、総督府の首都は古代メキシコ・テノチティトランの跡地に建設されたメキシコ・シティであった。

スペインの領土である北米、中米、アジア、オセアニアを含む広大な地域を対象としていた。

現在のメキシコに加え、現在のアメリカのカリフォルニア州、ネバダ州、コロラド州、ユタ州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、テキサス州、オレゴン州、ワシントン州、フロリダ州、アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州、カンザス州、オクラホマ州、ルイジアナ州の一部、そして現在のカナダのブリティッシュ・コロンビア州の南西部が含まれていたのである。さらに、グアテマラ大将（現在のグアテマラ、チアパス州、ベリーズ、コスタリカ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアを含む）、さらにキューバ大将（現在のキューバ、ドミニカ共和国、プエルトリコ、トリニダード・トバゴ、グアドループを含む）、そして最後にフィリピン大将（アジア・オセアニアの太平洋上にあるフィリピン、カロリン諸島、マリアナ諸島を含む）です。1626年から1642年にかけて、スペイン人は台湾島の北部（ポルトガル語ではフォルモサ、スペイン語ではエルモサ）に移住した。

政治組織は、総督府を王国とキャプテンシー将軍に分けた。その王国とは、ヌエバ・エスパーニャ（総督府とは別）、ヌエバ・ガリシア（1530年）、カピタニア・ジェネラル・デ・グアテマラ（1540年）、ヌエバ・ビスカヤ（1562年）、ヌエバ・レイノ・デ・レオン（1569年）、サンタフェ・デ・ヌエバ・メヒコ（1598年）、ヌエバ・エストレマドゥーラ（1674年）、ヌエバ・サンタンデール（1746年）であった。また、サント・ドミンゴのキャプテンシー（1535年）、ユカタンのキャプテンシー（1565年）、フィリピンのキャプテンシー（1574年）、プエルトリコのキャプテンシー（1582年）、キューバのキャプテンシー（1777年）の5つのキャプテンシーがありました。これらの領地には総督と大将（新スペインでは総督自身が他の地位に加えてこの肩書きを持っていた）がいた。グアテマラ、サントドミンゴ、ニューガリシアでは、これらの役人は王室の聴聞会を仕切ることから、プレジデンツ・ゴベルナドーレスと呼ばれた。このため、これらのオーディエンシアは「プラエトリア」と呼ばれていた。

領主は2人いた。最も重要だったのは、エルナン・コルテスとその子孫が所有していたオアハカの谷の侯爵領で、侯爵が民事・刑事裁判権を持ち、土地、水、森林を付与する権利を持つ広大な領土を含み、その中には彼らの主要な所有物（牧畜場、農業用作業場、製糖工場、精錬工場、造船所）があった。もう一つの領地はアトリクスコ公国で、1708年にフィリップ5世が元新スペイン総督でモクテスマ伯爵夫人のホセ・サルミエント・デ・バリャダレスに与えたもので、アトリクスコ、テペアカ、グアチナンゴ、イクステペジ、トゥラ・デ・アレンデの民事・刑事裁判権を有していました。

シャルル3世は、1786年に新スペインにおけるブルボン家の改革として知られる総督府の組織改革を導入し、総督の権限を一定の範囲に限定することができるインテナンシーを創設した。

19世紀初頭、総督府は危機的状況に陥った。スペイン独立戦争と、それが総督府に直接影響を与えたこと、1808年にメキシコで起きた政治危機により、ホセ・デ・イトゥリガライ政権が終焉を迎え、後にバジャドリッドのコンジュラとケレタロの陰謀が起こったことが原因である。後者は、1821年に終結したメキシコ独立戦争が総督府を崩壊させ、アグスティン・デ・イトゥルビデが最終的に戴冠することになる第一次メキシコ帝国を誕生させる直接的な背景となった。

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