「アイスランドの野草類」の版間の差分
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2024年3月12日 (火) 15:37時点における版
アイスランドの野草類(Villtar jurtir)は、アイスランドに自生する野草類および薬草類である。 また、アイスランドにおけるメディカルハーブ(薬用植物)の一種として樹木類も表記した。
概要
アイスランドでは入植時代から多くの野草類をさまざまな方法で利用してきた。 その植物類の一覧である。 これらのほとんどはスーパーや八百屋で販売されることはなく、山菜採りのような形で採取される。 観光客が味わえるのは、ルバーブぐらいである。
野草類
セリ目
※セイヨウトウキ(ゴールデン・アンジェリカ)を含む、これらのアンジェリカは、ヨーロッパでも伝統的な薬草として利用されてきた。セイヨウトウキの根や種の粉末は、煎じ薬(ハーブティー)として利用される。茎は、砂糖漬け(クリスタル・アンゼリカ)としてケーキの飾りつけ等に、葉は、魚料理や果物の風味付けに用いる。また、種子はリキュールの香味付けに用いられる。他には、種子を蒸留して抽出したエッセンシャルオイルは、ムスク(麝香:じゃこう)の代用として香水の原料にも利用される。
ナデシコ目
アブラナ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
(Skarfakál) |
キョクチトモシリソウ (Cochlearia officinalis) |
アブラナ科トモシリソウ属。 |
バラ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
(Tágamura) |
ヨウシュツルキンバイ (Argentina anserina) |
バラ科アルゲンチナ属。 |
ユキノシタ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
(Burnirót) (Blóðrót) |
イワベンケイ (Rhodiola rosea) |
イワベンケイ科イワベンケイ属。β-エンドルフィンの分泌を刺激する薬理作用をもち、精神安定させ、ストレスを和らげるとされる。ボイルして食される。 |
※日本では標高が高いエリアのみで見られる。他国では高山病などに用いる。
キキョウ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
(Bláklukka) |
イトシャジン (Campanula rotundifolia) |
キキョウ科ホタルブクロ属。根は食用となる。全ての根を採取せず、来年のために残すのが伝統である。 |
※キキョウ類は主にアジアに生息するため、非常に珍しい。キキョウの根は、中国医学の漢方で、日本でも古くから生薬とされる。韓国ではトラジと呼びキムチなどに利用される。
シソ目
※ワイルドタイムは通称 “ アイスランドのタイム ” または “ 北極のタイム ” と呼ばれる。こだわりのシェフたちは自ら採取し、料理に用いる。
樹木
ブナ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
イルムビョーク (Ilmbjörk) ビルキ (Birki) |
ヨーロッパダケカンバ (Betula pubescens) |
バラ類ブナ目カバノキ科カバノキ属。シラカバ(白樺)の一種で一般的には通称ビルキと呼ばれる。 | |
155px | ビルキラウフ (Birkilauf) |
ヨーロッパダケカンバの葉 (Downy Birch Leaves) |
葉は色が黄色に変わる前の緑葉が良いとされる。さまざまな民間療法があるが、ハーブティーが手軽で一般的である。乾燥葉の他にジュースも市販されている。 |
155px | ビルキサーヴィ (Birkisafi) |
ヨーロッパダケカンバの樹液 (Downy Birch Sap) |
樹液の採取は年に一回、4月中旬~5月中旬までの一ヶ月間のみ。アイスランド南西部のハウカダールの広大な森林地帯が主な採取地。 |
※ヨーロッパダケカンバの葉は、血液浄化剤と考えられており、体内の余分な水分を排出する利尿作用があるため、腎臓病の治療に使用される。他にリウマチ、痛風などの関節炎、傷などの外部治癒、湿疹や乾癬などの皮膚疾患などにも幅広く利用されている。
マツ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
シトカクレン二 (Sitkagreni) クレン二 (Grení) |
シトカトウヒ (Picea sitchensis) |
マツ綱マツ目マツ科トウヒ属。アイスランドで最も一般的な林業樹木の一つ。高樹木のためクリスマスツリーには不向きとされるが利用価値は高く、庭木とする人々もいる。 | |
155px | (Grenisprotar) |
シトカトウヒの新芽 (Sitka Spruce Shoots) |
民間療法などで古くから利用されてきた。針葉が硬くなる前の新芽は軟らかくサラダとしても食用が可能である。レモンの風味が特徴。 |
(Stafafura) |
コントルタマツ (Lodgepole Pine) |
マツ綱マツ目マツ科マツ属。アイスランドの林業樹木の一つ。クリスマスツリーに適しているため、庭木とする人々もいる。 | |
155px | (Köngull) |
松ぼっくり (Pinecone) |
木質になる前の緑の松ぼっくり(松笠)は、お茶やジャムに利用する。これはアイスランドに限らず、ロシアを含む寒冷地域で見られる。ほとんどが個人で採取し、自家消費として利用される。 |
ギャラリー
- ラーバルバルアスルタ:ルバーブのジャム。アイスランドでは代表的。新たにバニラの風味を加えたものは、2014年のフードコンテストで金賞を受賞した。
- ラーバルバルアグロイトゥル:ルバーブの粥。アイスランドの粥は甘いデザート仕立て。
- ラーバルバルアグラニータ:ルバーブのグラニテ。グラニテはシャーベットのようなもの。
- ルバーブ・ビターズ:ルバーブを蒸留酒に漬け込んだもの。家庭やBARなどでも自家製で作られる。
- ビルキテー:ヨーロッパダケカンバのハーブティー。
- ビルキサーヴァ:ヨーロッパダケカンバの葉のジュース。
- ビルキサーヴィ:ヨーロッパダケカンバの樹液のジュース。
- ビルキシーロプ:ヨーロッパダケカンバのシロップ。原材料は樹液と葉、砂糖のみで添加物は不使用。
- ビョーク:ヨーロッパダケカンバのリキュール。
- ビルキル:ヨーロッパダケカンバのシュナップス。
- クレン二シーロプ:シトカトウヒの新芽のシロップ。
ビルキテー
(Birkite)ビルキサーヴァ
(Birkisafa)- Icelandic Liqueurs -(Downy Birch)Björk.png
ビョーク
(Björk) - Icelandic Schnapps -(Downy Birch)Birkir.png
ビルキル
(Birkir)