「アイスランドの獣鳥類」の版間の差分
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== 海棲哺乳類 == | == 海棲哺乳類 == |
2024年3月5日 (火) 04:48時点における版
アイスランドの獣鳥類(Dýr og fuglar)
概要
家畜類
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
155px | (Sauðfé) |
ヒツジ (Ovis aries) |
アイスランドは人口より羊の数がはるかに多い。ヒツジは入植時代からの古い血統である。 |
155px | (Hestur) |
ウマ (Equus caballus) |
奇蹄目(きていもく)ウマ科ウマ属。アイスランド西部のレイクホルトにあるフリーズヘイマル農園では乗馬体験やショーが見学できる。ステーキ、塩漬けが定番。他にはソーセジに使われる。 |
野生哺乳類
鯨偶蹄目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
(Hreindýr) |
トナカイ (Rangifer tarandus) |
シカ科トナカイ属。アイスランドでは毎年、生態に影響を与えない範囲で、個体の年齢、性別、または地域に応じて頭数を決定して狩猟を許可している。料理は塩漬け肉に香草をまぶしたものが定番。 |
※鯨偶蹄目(げいぐうていもく)
食肉目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
(Hvítabirnir) |
ホッキョクグマ (Ursus maritimus) |
クマ科クマ属。稀に流氷に乗って訪れる。アイスランドでは保護する方針だが、陸上して人や家畜に危険が及ぶ場合は処置される。通常は生息していため、一般的な狩猟や食材の対象ではない。 |
※ホッキョクグマは氷上生活の他、泳ぐことにも長けている。生息域に近いグリーンランドでは、陸上して人々の生活圏に出没して通報されることもあり、適正な処置がされた後、肉は自治体の市場や集落の役場などで販売される。日本でも古くから熊肉は狩猟食材として利用されている。
野鳥類
カモ目
※日本では “ 海ガモ ”と総称される狩猟鳥のスズガモ(ハジロ属)、キンクロハジロ(ハジロ属)、ホシハジロ(ハジロ属)、クロガモ(クロガモ属)などは、ハンター自体に味が好まれないため、主な狩猟対象とされていない。その要因は魚を餌とすることにより、身肉に魚の風味を持つことである。これは海ガモに限らず、海鳥類の特徴である。
チドリ目
キジ目
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
(Rjúpa) |
ライチョウ (Lagopus muta) |
キジ科ライチョウ属。狩猟期間は10月15日~12月22日。 |
※アイスランドには、フランスのジビエ料理で “ ベカス ”(仏:Bécasse)として珍重されるシギ類も生息するが狩猟対象ではない。
海鳥類
※海鳥類は、小魚を餌とするため、身肉は魚の風味を持つのが特徴である。そのため、肉や脂肪の成分が通常とは異なり、健康に良いとされている。アイスランドに訪れる人々にとって海鳥料理は一つの目玉であり、魚の味がすることに驚くものの、その珍しさを味わい、気嫌いされることは少ない。
卵類
画像 | 現地名 | 一般名(学名) | |
---|---|---|---|
ー | ー | 海鳥の卵は伝統的に重要な栄養源とされてきた。古来、断崖から卵を採取する命がけの役目は若者であったが、現在は消防士やレスキュー隊員がそれを継承している。彼らの貢献で季節限定で出回る。 | |
(Svartfuglsegg) |
ウミガラスの卵。海鳥の卵の代表格で茹で卵は子供から年配者にまで愛されている。やや透明感のある白身は弾力があり、黄身は濃厚な味が特徴。観光客にも美味な一品として非常に評価が高い。 | ||
(Álkuegg) |
オオハシウミガラスの卵。 | ||
(Rituegg) |
ミツユビカモメの卵。 | ||
(Hettumávsegg) |
ユリカモメの卵。 | ||
(Sílamávsegg) |
ニシセグロカモメの卵。 | ||
(Hvítmávsegg) |
シロカモメの卵。 | ||
(Fýlsegg) |
フルマカモメの卵。 | ||
155px | (Gæsaegg) |
ガンの卵。 | |
155px | (Andaregg) |
カモの卵。農場で飼育されている家禽のアヒルが一般的である。農場の直売や付近で小規模に販売される。※参考記載。 |
※アイスランドの狩猟における法律を厳守さえすれば、銃器を用いる狩猟に比べて、採卵に関しては緩やかで免許も必要としない。ただ、採取期間は決められている。海鳥の場合、そのほとんどが断崖絶壁にあるため、今日では素人が行うことはない。一般の人々にとって危険をともなわずに採取できるのは、草むらなどに産卵する野鳥類だが、これにはルールがあり、巣にある卵を全て取ってはならず、一つの巣に対して必ずある程度の数を残すという規則がある。
海棲哺乳類
鯨類
※クジラ博物館
鰭脚類
※アイスランドでは、アザラシの狩猟を禁止した。しかし、商業的な漁でなければ、個人でも申請さえすれば狩猟が可能となった。これによって乱獲を防ぎ、伝統的な食材として利用することは守られている。基本的にはアイスランドの伝統的な催しでしか使われない。
加工品
画像 | 現地名 | 一般名 | |
---|---|---|---|
(Reyktur Lundi) |
スモークド・パフィン (Smoked Puffin) |
ニシツノメドリの燻製。古くから食糧を保存するために行われてきたもので、現在では狩猟期間外でも通年でレストランで提供している。狩猟期間中でも生鮮の肉を使うことはほとんどない。 | |
155px | スール・クヴァルゥル (Súr Hvalur) |
クヴァルゥルは “ クジラの脂身 ” の意味。日本の鯨料理では、畝須(うねす)と呼ばれる美味な部位である。スールはミーサ(乳清)に漬けたものを指す。塩が普及する以前に生み出された保存法。 | |
サルタズ・セルスピック (Saltað Selspik) |
アザラシの皮の塩漬け。セルスピックは “ アザラシの皮 ” の意味。 | ||
155px | セルシュレイファル (Selshreifar) |
アザラシのヒレ。ゼラチン質を多く含む部位。小屋などで寒風干しにする。伝統的なものはその後、ミーサ(乳清)に漬ける。伝統料理としてソーラマートゥルで供される。通常メニューにはない。 |
ギャラリー
※以下は、アイスランド料理の一例である。