「クジラのノルウェー風」の版間の差分
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'''クジラのノルウェー風'''(Kuzira no Norway Fu/Whale Meat Norwegian Style)は、昭和時代の学校給食のメニューである。 | '''クジラのノルウェー風'''(Kuzira no Norway Fu/Whale Meat Norwegian Style)は、昭和時代の学校給食のメニューである。 | ||
当時、給食として食した人にとっては親しみある懐かしい味であり、現代もその世代の人たちの中では個人的に嗜む料理として作られている。 | 当時、給食として食した人にとっては親しみある懐かしい味であり、現代もその世代の人たちの中では個人的に嗜む料理として作られている。 | ||
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#鯨肉はショウガじょうゆに漬ける。 | #鯨肉はショウガじょうゆに漬ける。 | ||
#ジャガイモは1.5センチ、ニンジンは1センチの角切りにする。 | #ジャガイモは1.5センチ、ニンジンは1センチの角切りにする。 |
2022年5月15日 (日) 06:22時点における版
クジラのノルウェー風(Kuzira no Norway Fu/Whale Meat Norwegian Style)は、昭和時代の学校給食のメニューである。 当時、給食として食した人にとっては親しみある懐かしい味であり、現代もその世代の人たちの中では個人的に嗜む料理として作られている。
給食とクジラ
捕鯨がピークを迎えた1962年(昭和37年)には全国の学校給食にクジラが出ていた。 1986年(昭和61年)、国際捕鯨委員会(IWC)は全加盟国へクジラの個体数の回復を目的として一定期間の商業捕鯨禁止を促し、加盟国はIWCの国際捕鯨取締条約に合意した。 日本もIWC加盟国であったため、同年にクジラのメニューは日本の教室から姿を消した。
日本は1951年(昭和26年)にIWCに加入したが、2018年12月26日にIWCから脱退することを通告し、2019年6月30日に正式脱退している。
地域
クジラのノルウェー風(三重)、くじら肉のノルウェー風(大阪)、くじらノルウェー風(大阪・茨木)、クジラ肉のノルウェイ風(兵庫)など地域によって多少綴りは異なるが、近畿地方で多く見られる。
人気
神戸市教育委員会の資料「給食通信」によると、1977年(昭和52年)の「きらいな料理」の2位に「揚げ大豆と鯨肉のトマト煮」が入っている。 大豆が子供たちに好まれなかった影響ともいわれている。 不人気メニューは栄養面を考慮しつつ調理法を変えることもあり、その後「ノルウェー風」になったと考えられる。 1980年(昭和55年)には「好んだ料理」の5位に「鯨肉のノルウェー風」が登場し、「鯨料理は、ノルウェー風が、他の甘辛煮や甘露煮をぐんとひきはなしてトップです」と記されている。 クジラを使った多くの献立の中でも、揚げたクジラ肉にトマトケチャップやウスターソースをからめた味が、子供たちに歓迎された。
名前の由来
日本が明治後期の1899年(明治32年)に導入した捕鯨法に「ノルウェー式捕鯨」というものがある。 日本では古くから槍(やり)で鯨を突いて捕る「網取(あみとり)式捕鯨」であった。 ノルウェー式捕鯨は日本における近代捕鯨のはじまりであり、日本の捕鯨も再び活気づいた。 しかし、クジラのノルウェー風の由来になっているかは未だ謎である。 「ノルウェー風」というネーミングは「鯨肉のトマト煮」よりも子ども達の興味をそそったことは違いない。
材料(1人前)
- 鯨肉:60グラム
- ショウガ:1.3グラム
- しょうゆ:6グラム
- 片栗粉:12グラム
- ジャガイモ:40グラム
- ニンジン:20グラム
- 冷凍グリーンピース:5グラム
- 油:10グラム
- トマトケチャップ:10グラム
- ウスターソース:5グラム
- 砂糖:3グラム
- 塩:少々
作り方
- 鯨肉はショウガじょうゆに漬ける。
- ジャガイモは1.5センチ、ニンジンは1センチの角切りにする。
- 冷凍グリーンピースはざるに入れ、熱湯をかけておく。
- 漬けていた鯨肉をざるにあけ、水気を切り、片栗粉をまぶす。
- 揚げ油を熱し、ジャガイモ、ニンジン、鯨肉の順番に揚げる。揚げたジャガイモ、ニンジンは軽く塩を振る。
- 別釜にトマトケチャップ、ウスターソース、砂糖と少量の湯(6ccくらい)を入れて煮立ててソースを作り、揚げた鯨肉、ジャガイモ、人参とグリーンピースを入れて混ぜ合わせる。
現代の給食として
大阪府茨木市立・山手台小学校では調査捕鯨用として獲ったクジラを年に一度だけ給食に使用し、昔は定番だった献立「くじらノルウェー風」を出している。 年に一度というだけあって、その日の給食を楽しみにする児童や教師も多く、みんなに大好評を博している。
クジラのノルウェー風は多くの学校給食に度々登場するようになったが、その味は現代の低学年の子供たちにも受け入れられている。 また、高学年生や中学生にとって日本の食文化に対する理解と感心を深められる重要な役割を担っている。