「腌酸鱼」の版間の差分
ナビゲーションに移動
検索に移動
(→製法) |
(→製法) |
||
| 15行目: | 15行目: | ||
#.壺に蓋をして密封し、涼しい場所に10~15日間置いて発酵させる。(乳酸菌によって魚のタンパク質の分解が促進され、独特の風味が形成される。) | #.壺に蓋をして密封し、涼しい場所に10~15日間置いて発酵させる。(乳酸菌によって魚のタンパク質の分解が促進され、独特の風味が形成される。) | ||
| − | + | ※一部の民族では土鍋の代わりに竹筒を使用し、炊いた米と辣椒面(唐辛子粉)を加えて発酵させる。 | |
== 食べ方 == | == 食べ方 == | ||
2025年7月18日 (金) 17:34時点における版
腌酸鱼(イェンスゥァンユー)は、雲南省麗江市寧蒗彝族自治県の北部に位置する瀘沽湖周辺で暮らしているモソ族(摩梭人)とプミ族(普米族)の伝統料理である。
概要
腌酸鱼は、瀘沽湖に生息する固有種であるコイ科シセンアブラハヤ属の裂腹魚(リィェフーユー / 学名:Schizothorax sinensis)を主原料とし、それを層状に積み重ねて漬け込み、密封発酵の工程を経て作られる。 陶製の壺に半月ほど漬け込むことで独特な酸味と風味が生まれる。 生食の他、炒めもの、酸辣湯にしても美味である。 また、肉質は柔らかで骨が少なく、食欲を増進させる特徴がある。 腌酸鱼の伝統的な製法技術は、現地の民族の宴会作法と食文化を受け継いでおり、2021年には麗江市の十大名物料理の一つに選ばれた。
製法
- .新鮮な裂腹魚の腹を開いて洗浄し、陶製の壺に裂腹魚、糌粑面(ハダカムギを炒った粉)、塩、花椒、五香粉を交互に入れ、各層を約3~5cmの厚さにするように積み重ねる。
- .壺に蓋をして密封し、涼しい場所に10~15日間置いて発酵させる。(乳酸菌によって魚のタンパク質の分解が促進され、独特の風味が形成される。)
※一部の民族では土鍋の代わりに竹筒を使用し、炊いた米と辣椒面(唐辛子粉)を加えて発酵させる。
食べ方
- 生食:腌酸鱼の身をスライスして食し、青稞酒(チンクェ゛ァジゥ:ハダカムギ酒)を飲みながら味わう。
- 炒めもの:ピーマンとネギを加えて炒めると酸味と風味が引き立つ一品ができる。
- スープ:トマトと唐辛子を加えてスープにすると美味な酸辣湯ができる。
伝統食品
腌酸鱼は、モソ族の「成人式」や「春節」を含む祝祭の宴会に欠かせない料理であり、主催の客人に対する “もてなしの心” を象徴したものである。 また、高原地帯の食生活に適応するために培われた酸味のある発酵食品は食糧を保存するための伝統的な知恵を反映している。 2015年以降、瀘沽湖の観光の発展に伴い、少数民族の食文化を広める代表的な料理となった。
類似料理
雲南省の南端に位置するシーサンパンナ・タイ族自治州(西双版纳傣族自治州)景洪市(けいこうし)のジーヌオ集村(基諾郷)とその近隣の山間部で暮らしているジーヌオ族(基诺族)にも、同名の料理(腌酸鱼)がある。 製法は麗江市のものと似るが主原材に裂腹鱼を用いることや陶製の壺で漬ける工程はなく、一般的な淡水魚と炊いた米を混ぜて発酵させる。
ギャラリー
- Mapo Tofu Spices -(五香粉)Wuxiang Feng:Five Spice Powder.png
「五香粉」
(ウーシャンフェン)