グリモ・ド・ラ・レニエール

グリモ・ド・ラ・レニエール

グリモ・ド・ラ・レニエール（Alexandre Balthazar Laurent Grimod de La Reynière：1758年11月20日 - 1837年12月25日​）は、ナポレオン1世の下で、ウィットに富んだ、時に辛辣な批評や謎解き、そして美食への愛で名声を得たフランス人の弁護士、ジャーナリスト、フィイルトン主義者、作家です。

後世の人々には、主に彼の人生後半の側面の印象が強くあり、ジャン・アンテルム・ブリア＝サヴァランと共に、近代西洋ガストロノミーの創始者の一人、また彼の作品はグルメ評論本の元祖と考えられています。

生涯

パリの高級食料品店Corcelletの古看板（カルナヴァレ美術館）

食事をしている男性はグリモ・ド・ラ・レニエールと言われている。

「今世紀最高の美食家」と評された農夫長の孫であるグリモッド・ドゥ・ラ・レイニエールは、農夫長であり郵便局の管理者であり、美食家であり芸術家でもあったローラン・グリモッド・ドゥ・ラ・レイニエールと、パリ社交界の重要人物をサロン（Société du Caveau）に招いていたスザンヌ・フランソワーズ・エリザベート・ドゥ・ジャラント・ドゥ・セナックとの間に生まれました。この一族は、18世紀には最も著名な一族の一つでした。
彼は生まれつき指がなく、「上肢の末端には中手骨の切り株があるだけで、手首の関節は完全ではない」という不自由な状態でした。白い手袋の下には隠された義手を装着し、ほとんど脱ぐことはありませんでした。この障害が、彼の性格に強い影響を与え、両親への恨みを募らせたと、同時代の人々は語っている。そのため、母親が抱いていた階級の偏見を払拭するために、平民に自分を見せびらかすこと、そして何よりも、リヨンでの商売のエピソードの中で自分を「八百屋」と呼ぶことを好んだのです。

青年期

コレージュ・ルイ・ル・グランを出た後、1775年8月14日から17765年10月4日まで、ブルボンヌ、リヨネ、ドーフィネ、サヴォアなどを旅した。ジュネーブとローザンヌに滞在し、「Éloge de Fréron」を執筆しました。

演劇への情熱から、1777年、19歳のときに、プレヴィルの娘婿であるジャン＝シャルル・ル・ヴァッシェ・ド・シャモアが主宰していた『ジャーナル・デ・テアトル』で演劇評論家としてのキャリアをスタートさせます。 この雑誌が廃刊になった後、1781年から17827年までヌーシャテルの『Journal Helvétique』に寄稿しています。

彼は、1779年にシャルル・ミトワールと結婚した従姉妹のアンジェリック・ド・ベッシと不幸な恋愛をしていた。この失望感は、彼の人間嫌いの傾向を助長した。

ロメアのアルカイド・アカデミーのメンバーとして受け入れられ、「ネリノ」という牧歌的な名前が付けられました。

両親は彼を裁判官にしようと考え、彼は模範的な熱意と勤勉さで法律の授業に出席したが、彼は裁判官になることを拒み、弁護士になった後は、税金やコルベアの対象となる貧しい人々を顧客として無料で自分の職業を行うことを好んだ。

彼は哲学者や文学者、芸術家を頻繁に訪れ、隔週の昼食会に招待し、アンドリューなどの美食家やレティフ・ド・ラ・ブルトンヌ、パリソ、ボーマルシェなどの機知に富んだ人々に喜ばれた。彼自身もハレに食材を選びに行き、商人たちは彼を「台所の総農夫」とあだ名していた。1780年には、弟子のランティエ（Lantier）による小説『Le Fakir』と、翌年には喜劇『Le Flatteur』を非公式に出版しています。

1783年1月の最後の日に、国会議員や弁護士、自分と同じ独身者など17人に、1783年2月1日に開催される公開晩餐会の招待状を葬儀チケットの形で送った。贅沢な食事を提供したのは、恋をしていても哲学者でいられることを証明するためだと言う人もいれば、自分の著作『喜びに関する哲学的考察』の宣伝のためだと言う人もいる。独身者によるもの。この作戦は完全に成功し、パリ中で話題になり、作品の第2版が発売されましたが、第1版は8ヶ月で完売しました。晩餐と墓の饗宴の様子は、ポール・ラクロワがその作品のページをグリモド・ド・ラ・レイニエールに割いている。その後もこのような宴が催された。翌年には、古代の食事（乱交は除く）を模した「考古学的食事」を考案し、物理学の実験発表と影絵芝居でスタートしました。

ラ・レイニエールは意気揚々とした闘争的な雰囲気に包まれていた。ある晩、オペラ座のパルテールで『アルミード』が上演されていた時、観客に押されているように感じた彼は、振り向かずにこう叫んだ。 「こんなふうに押しているのは誰だろう。 間違いなく、かつら屋の少年だ。」農家の息子である軍人のM.デ・ケースは、自分の名を冠して「押しているのは私だ。あなたの住所を教えてくれれば、明日行って私の櫛であなたを撫でてあげよう。」と答えました。翌日、白昼堂々、3,000人以上の観客が見守る中、シャンゼリゼ通りで2人の対決が実現し、拳銃を持って戦った。M.デ・ケースは倒れた。銃弾は彼の目を貫き、頭を貫通していた。彼は数時間後に亡くなりました。1786年、アンジュ=フランソワ・ファリアウ・ド・サンタンジュに関する無礼な弁護士の準備書面が出版されたことにより、レット・ドゥ・キャッシュで逮捕された彼は、ドメーヴル修道院に連れて行かれ、2年近く、友人の訪問や、共同体の総責任者であるジョセフ・ド・サンティニョン修道院長の許可を得ての逃避行を挟みながら、楽しく平穏な生活を送った。

パリに戻ることを禁じられた彼は、家族から海外旅行に行くか、マレヴィルの精神病院に監禁されるかの選択を迫られた。その結果、彼はストラスブール、コルマール、チューリッヒ、ヌーシャテル、ローザンヌを経て、テロの危険を逃れたリヨンに落ち着き、そこで劇場で働いていた女優アデライド・テレーズ・フォイシェールと出会ったのである。二人は結婚する前からずっと恋人同士だった。娘のアデライド・ジャンヌ・ジュスティーヌ・ロールは、1790年10月14日に生まれている。1791年3月にグリモドがアデライドに宛てた手紙によると、赤ん坊はすでに保育所に預けられていたようで、少なくとも1792年1月以降は、それを証明する判決が出ています。父親はベジエに、母親はパリにいて、3歳で亡くなったという申告は、彼女の面倒を見ていた男性と近所の人が行っている。

後年

彼はリヨンで「Grimod et compagnie, aux Magasins de Montpellier, rue Mercière」を開業して貿易商になった。食料品、ドラッグストア、香水の卸売りと刺繍工場で、「生産者からの直接購入」「チェーン店」「定価販売」の原則をイメージした。彼は自分の会社Grimod et compagnieの活動をフランスの他の都市にも広げ、そこに店舗を開設した。しかし、彼がこの活動を熱心に行ったとしても、それはある種の気軽さであり、彼のパートナーである父親の失敗は、経営の厳しさの欠如に拍車をかけることになった。グリモドは事業を放棄せざるを得なかった。

芸術と美食のキャリア

Almanach des gourmands『食通年鑑』1803年-1812年（全8巻）

Manuel des amphitryons（1808年）

パリに戻った彼は、Censeur dramatique（パリの主要な劇場と部門のジャーナル）を設立し、アランビック・リテラー（L'alambic littéraire）劇評を書いた。

領事館の下では、当時の美食に必要な情報を網羅し、何度も増刷された『Almanach des gourmands：食通年鑑』の発行を始めた。
美食ガイドの元祖ともいえるこの年鑑は、シャルル＝ルイ・カデ・ドゥ・ガシクールの「美食のフランス地図」、「フランス旅行者ガイド・リシャール」、「ジョアンガイド」にインスピレーションを与え、これらは「ブルーガイド：Guide bleu」に引き継がれている。

グリモド・ド・ラ・レイニエールは、カンカルのロシェで開かれていた歌会「カヴォー・モデルン」の初期からのメンバーでした。
翌年には月刊誌「Journal des Gourmands et des Belles」に寄稿しました。
1808年には『Manuel des amphitryons』を発表しました。
ロシェ・ドゥ・カンケールでは、彼の発案により、レストラン経営者、菓子職人、ケータリング業者などの製品を試食して審査するテイスティングパネルが開かれ、彼によって品質ラベルの元祖が誕生した。Dr. Gastaldyがその社長になる予定だった。

グリモド・ド・ラ・レイニエールの死は、1812年7月7日の発表で知らされたが、それは単なるデマであった。豪華な葬儀の宴席に招待客が到着すると、著者が完全に健康であることに驚いたのである。

終焉

両親の死によって十分な財産を得た彼は、エソンヌ地方のヴィリエ・シュール・オルジュにある自分の城に引きこもり、妻と一緒に人生の最後の15年間を過ごした。

彼の死後、両親から受け継いだ財産はほとんど残っていませんでした。

作品

• 『Almanach des gourmands：食通年鑑』1803年-1812年（全8巻）
• 『Manuel des amphitryons』1808年