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'''ジョン・ジェラード'''(John Gerard:1545年 – 1611もしくは1612年)は、ロンドンに大きな庭を持っていたイギリスの床屋, 兼外科, 薬草学者である。<br> | '''ジョン・ジェラード'''(John Gerard:1545年 – 1611もしくは1612年)は、ロンドンに大きな庭を持っていたイギリスの床屋, 兼外科, 薬草学者である。<br> | ||
− | 1597年に出版された1, | + | 1597年に出版された1,484ページに及ぶ図版入りの『Herball』(植物の一般的な歴史)は、17世紀の英国では人気の高い園芸書・薬草書となった。ジェラードのハーバルは、自分の庭や北米の植物を加えた以外は、オランダ語、ラテン語、フランス語、その他の英語の翻訳で人気を博した[[レンベルト・ドドエンス]]の1554年のハーバルを、主に英語で盗用したものである。ジェラードのハーバルに描かれた植物の絵や印刷者の木版画は、主に大陸ヨーロッパの資料に由来するが、ウィリアム・ロジャースの銅版画が描かれたオリジナルのタイトルページがある。ジェラードの死後20年を経て、この本は修正され、約1700ページに拡大された。植物学上、アカネ科のGerardia(Stenandrium)属は彼の名にちなんで命名されている。 |
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+ | トマトという名が定着するまで、イギリスではラブアップル(愛のリンゴ)と呼ばれていました。<br> | ||
+ | 彼は、ラブアップル(Lycopersicum)の説明について以下のように述べています。 | ||
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+ | 同様に、彼らは肉のソースとして油、酢、胡椒を混ぜたリンゴを食べる。 | ||
+ | 寒い国で我々がマスタードを食べるように、肉のソースとしてリンゴを食べる。” | ||
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+ | together for sauce to their meat, euen as we in these cold Countries doe Mustard.” | ||
+ | <Div Align="right">Gerard's Herball 1597年 原文</Div></p> | ||
2021年8月15日 (日) 08:05時点における最新版
ジョン・ジェラード(John Gerard:1545年 – 1611もしくは1612年)は、ロンドンに大きな庭を持っていたイギリスの床屋, 兼外科, 薬草学者である。
1597年に出版された1,484ページに及ぶ図版入りの『Herball』(植物の一般的な歴史)は、17世紀の英国では人気の高い園芸書・薬草書となった。ジェラードのハーバルは、自分の庭や北米の植物を加えた以外は、オランダ語、ラテン語、フランス語、その他の英語の翻訳で人気を博したレンベルト・ドドエンスの1554年のハーバルを、主に英語で盗用したものである。ジェラードのハーバルに描かれた植物の絵や印刷者の木版画は、主に大陸ヨーロッパの資料に由来するが、ウィリアム・ロジャースの銅版画が描かれたオリジナルのタイトルページがある。ジェラードの死後20年を経て、この本は修正され、約1700ページに拡大された。植物学上、アカネ科のGerardia(Stenandrium)属は彼の名にちなんで命名されている。
ジェラードとトマト
トマトという名が定着するまで、イギリスではラブアップル(愛のリンゴ)と呼ばれていました。
彼は、ラブアップル(Lycopersicum)の説明について以下のように述べています。
“ スペインや暑い地域では、リンゴを胡椒、塩、油で調理して茹でたものを食べるが、体にはほとんど栄養がなく、同じように無価値で腐敗したものである。
同様に、彼らは肉のソースとして油、酢、胡椒を混ぜたリンゴを食べる。 寒い国で我々がマスタードを食べるように、肉のソースとしてリンゴを食べる。”
Gerard's Herball 1597年
“ In Spaine and those hot Regions they vse to eat the Apples prepared and boiled with pepper, salt, and oile: but they yeeld very little nourishment to the bodie, and the same nought and corrupt. Likewise they doe eat the Apples with oile, vineger and pepper mixed together for sauce to their meat, euen as we in these cold Countries doe Mustard.”