「ソース・トマート」の版間の差分

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'''ソース・トマート'''(フランス語:Sauce Tomat)は、フランス人シェフである[[オーギュスト・エスコフィエ]]が考案した[[トマトソース]]である。
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'''ソース・トマート'''(フランス語:Sauce Tomate)は、フランス人シェフである[[オーギュスト・エスコフィエ]]が考案した[[トマトソース]]である。
このソースは1903年に刊行されたエスコフィエの著書『LE GUIDE CULINAIRE』に記されている。
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エスコフィエは、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世から「我はドイツの皇帝、君は司厨士の皇帝」と称えられたシェフであり、彼の著書はフランス料理のバイブル的な存在になっている。
  
 
== 概略 ==
 
== 概略 ==
歴史家のほとんどは、世界初のトマトソースとして公けに発表されたのは、1692年に出版されたイタリア(ナポリ)のシェフである[[アントニオ・ラティーニ]]の著書『Lo Scalco alla Moderna』(現代の執事)であるとしている。
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[[File:French Old Cook Books - LE GUIDE CULINAIRE by Auguste Escoffier, published in 1903.png|thumb|right|200px|『LE GUIDE CULINAIRE』1903年(フランス・パリ)]]
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歴史家のほとんどは、公けに発表された世界初のトマトソース([[サルサ・ディ・ポモドーロ・アッラ・スパニョーラ]])は、1692年に出版されたイタリア(ナポリ)のシェフである[[アントニオ・ラティーニ]]の著書『Lo Scalco alla Moderna』(現代の執事)であることを認めている。
 
この書籍に限らず、貿易や旅行による往来によって普及した[[トマト]]はトマトソースとして急速にイタリア全土で使用され、さらにヨーロッパ中に拡がった。
 
この書籍に限らず、貿易や旅行による往来によって普及した[[トマト]]はトマトソースとして急速にイタリア全土で使用され、さらにヨーロッパ中に拡がった。
  
 
フランスの料理人の間では、料理に独自のひねりを加えることは慣例的なものであり、オーギュスト・エスコフィエもその一人である。
 
フランスの料理人の間では、料理に独自のひねりを加えることは慣例的なものであり、オーギュスト・エスコフィエもその一人である。
ソース・トマートは、1903年に刊行された彼の著書『LE GUIDE CULINAIRE』に掲載され、古典的なフランス料理として使用されるソースの一つとなった。
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彼のトマトソースは、1903年に出版された自身の著書『LE GUIDE CULINAIRE』に掲載され、古典的なフランス料理のソースとして使用される一つとなった。
 
このソースの基本構成は、トマト、フレッシュハーブ、出汁、豚脂である。
 
このソースの基本構成は、トマト、フレッシュハーブ、出汁、豚脂である。
  
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※塩豚(豚肉の塩漬け)は腹の部分から取れる脂肪分の多い部分を用いる。
 
※塩豚(豚肉の塩漬け)は腹の部分から取れる脂肪分の多い部分を用いる。
 
塩豚は燻製ではないため、ベーコンとは異なる。
 
塩豚は燻製ではないため、ベーコンとは異なる。
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仔牛はフランスでは高級とされている生後3カ月未満(母乳を飲み、固形のエサを食べる前)の子牛の肉「ホワイト・ヴィール」(White Veal)を用いる。
  
 
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== 関連項目 ==
 
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*[[オーギュスト・エスコフィエ]]
 
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*[[フランス料理のソースの分類学]]
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== 関連漫画 ==
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*『ザ・シェフ』・第24集:MENU④ 汗と涙の旅立ち
 
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[[Category:トマトソース|]]
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[[Category:グルメ漫画に登場するトマトソース|と]]
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[[Category:ザ・シェフのトマトソース|と]]

2023年5月25日 (木) 05:33時点における最新版

ソース・トマート

ソース・トマート(フランス語:Sauce Tomate)は、フランス人シェフであるオーギュスト・エスコフィエが考案したトマトソースである。 エスコフィエは、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世から「我はドイツの皇帝、君は司厨士の皇帝」と称えられたシェフであり、彼の著書はフランス料理のバイブル的な存在になっている。

概略

『LE GUIDE CULINAIRE』1903年(フランス・パリ)

歴史家のほとんどは、公けに発表された世界初のトマトソース(サルサ・ディ・ポモドーロ・アッラ・スパニョーラ)は、1692年に出版されたイタリア(ナポリ)のシェフであるアントニオ・ラティーニの著書『Lo Scalco alla Moderna』(現代の執事)であることを認めている。 この書籍に限らず、貿易や旅行による往来によって普及したトマトはトマトソースとして急速にイタリア全土で使用され、さらにヨーロッパ中に拡がった。

フランスの料理人の間では、料理に独自のひねりを加えることは慣例的なものであり、オーギュスト・エスコフィエもその一人である。 彼のトマトソースは、1903年に出版された自身の著書『LE GUIDE CULINAIRE』に掲載され、古典的なフランス料理のソースとして使用される一つとなった。 このソースの基本構成は、トマト、フレッシュハーブ、出汁、豚脂である。

レシピ

材料

  • 塩豚:2~3オンス(57g~85g)
  • 皮をむいて中くらいの大きさに切ったニンジン:3オンス(85g)
  • 白タマネギ、または黄タマネギ(中位のさいの目切り):3オンス(85g)
  • ローリエの葉:1枚
  • タイム:1枝
  • バター(全形): 2オンス(57g)
  • 万能小麦粉:2~3オンス(57g~85g)
  • 生の良質なトマト(潰したもの):5ポンド(2.27kg)
  • 仔牛のスープ:1クオート(0.946L)
  • 潰したニンニク:1片
  • 塩・コショウ:適量
  • 砂糖:ひとつまみ

※塩豚(豚肉の塩漬け)は腹の部分から取れる脂肪分の多い部分を用いる。 塩豚は燻製ではないため、ベーコンとは異なる。 仔牛はフランスでは高級とされている生後3カ月未満(母乳を飲み、固形のエサを食べる前)の子牛の肉「ホワイト・ヴィール」(White Veal)を用いる。

作り方

  1. 塩豚をバターで炒める。脂肪がが溶けたら、ニンジン、タマネギ、ローリエ、タイムを加える。
  2. オーブン用の鍋またはソテーパンで、定期的にかき混ぜながら、野菜を煮る。小麦粉を加え、ルーを作る。少し焦げ目がついたら、トマトと仔牛のスープを加える。
  3. よく混ざるまで混ぜ合わせ、ソースを沸騰させる。残りの調味料とつぶしたニンニク1片を加える。
  4. フライパンを375℉(約190.5度)のオーブンに入れ、90分加熱する。
  5. ソースを取り出して濾す。ソースの上にラップをかぶせて膜が張らないようにする。
  6. 温かいまま、または冷やしてお召し上がりください。

関連項目

関連漫画

  • 『ザ・シェフ』・第24集:MENU④ 汗と涙の旅立ち