「魚ノ酢油漬」の版間の差分
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− | '''魚ノ酢油漬''' | + | '''魚ノ酢油漬'''(うおのすあぶらづけ)は、大日本帝国海軍の海軍教育局より1918年(大正7年)に発行・配布した『海軍四等主計兵厨業教科書』に記載されている潜水艦航海食である。 |
== 潜水艦航海食 == | == 潜水艦航海食 == | ||
− | + | 潜水艦航海食とは、潜水艦で航海中に調理供給する食物である。 | |
− | + | 艦内烹炊所は甚だ狭隘で烹炊作業もまた困難であるばかりでなく、乗員も艦内空気の汚濁、身体の疲労等によって食欲も著しく減退するから、潜水艦糧食は一般兵食とやや趣を異にする。 | |
即ち概ね調理法が簡単であって刺激性の調味料品を加えた食物でなくてはならない。 | 即ち概ね調理法が簡単であって刺激性の調味料品を加えた食物でなくてはならない。 | ||
例えば、五目飯、オヂヤ、ライスカレー、粥食、葛湯等の様なものである。 | 例えば、五目飯、オヂヤ、ライスカレー、粥食、葛湯等の様なものである。 | ||
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*切身魚 | *切身魚 | ||
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魚の表面に片栗粉を付け「ラード」で狐色に揚げ(又は焼くか茹でるか)、熱い内に油気を去り器の中に並べ、その上に前に作ってある林檎、トマト、若芽、玉葱、青豌豆等を上から振りかけ、別の器で酢、サラダ油、塩、胡椒、辛子、砂糖を混合し(辛子を多く入れる)調味して魚の上から掛け、一時間漬け(時々漬汁を掬い掛けながら)て供する。 | 魚の表面に片栗粉を付け「ラード」で狐色に揚げ(又は焼くか茹でるか)、熱い内に油気を去り器の中に並べ、その上に前に作ってある林檎、トマト、若芽、玉葱、青豌豆等を上から振りかけ、別の器で酢、サラダ油、塩、胡椒、辛子、砂糖を混合し(辛子を多く入れる)調味して魚の上から掛け、一時間漬け(時々漬汁を掬い掛けながら)て供する。 | ||
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漬け込む器は酸化しないものを使用する。 | 漬け込む器は酸化しないものを使用する。 | ||
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− | + | == 参考文献 == | |
− | + | *『海軍四等主計兵厨業教科書』:第二章 調理法 第五節 特殊料理(第三 潜水艦航海食・序文) | |
+ | *『海軍四等主計兵厨業教科書』:第二章 調理法 第五節 特殊料理(第三 潜水艦航海食・七) | ||
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2022年4月12日 (火) 04:13時点における最新版
魚ノ酢油漬(うおのすあぶらづけ)は、大日本帝国海軍の海軍教育局より1918年(大正7年)に発行・配布した『海軍四等主計兵厨業教科書』に記載されている潜水艦航海食である。
潜水艦航海食
潜水艦航海食とは、潜水艦で航海中に調理供給する食物である。
艦内烹炊所は甚だ狭隘で烹炊作業もまた困難であるばかりでなく、乗員も艦内空気の汚濁、身体の疲労等によって食欲も著しく減退するから、潜水艦糧食は一般兵食とやや趣を異にする。
即ち概ね調理法が簡単であって刺激性の調味料品を加えた食物でなくてはならない。
例えば、五目飯、オヂヤ、ライスカレー、粥食、葛湯等の様なものである。
その他、「ビタミン」の欠乏を補いまた食物の単調を防ぐため、果物、果汁、コーヒー、ココア、少量の酒精飲料等を添えて供するがよい。
『海軍四等主計兵厨業教科書』第二章 調理法 第五節 特殊料理(第三 潜水艦航海食・序文)
材料
- 切身魚
- 林檎
- トマト
- 若芽
- 玉葱
- 青豌豆
- 酢
- サラダ油
- 片栗粉(または小麦粉)
- 塩
- 胡椒
- 砂糖
- 辛子
- ラード
準備
- 魚は一人一片に切り塩、胡椒を振って置く。
- 林檎は四つ割にして皮を剥ぎ、芯を取って小口から薄く切って置く。
- トマトは二つ割にして種子を絞り適宜に切って置く。
- 若芽は水に浸して軟らかくし適宜に切って置く。
- 玉葱は皮を剥ぎ薄く輪切りにする。
調理法
魚の表面に片栗粉を付け「ラード」で狐色に揚げ(又は焼くか茹でるか)、熱い内に油気を去り器の中に並べ、その上に前に作ってある林檎、トマト、若芽、玉葱、青豌豆等を上から振りかけ、別の器で酢、サラダ油、塩、胡椒、辛子、砂糖を混合し(辛子を多く入れる)調味して魚の上から掛け、一時間漬け(時々漬汁を掬い掛けながら)て供する。
注意
漬け込む器は酸化しないものを使用する。
『海軍四等主計兵厨業教科書』第二章 調理法 第五節 特殊料理(第三 潜水艦航海食・七)
参考文献
- 『海軍四等主計兵厨業教科書』:第二章 調理法 第五節 特殊料理(第三 潜水艦航海食・序文)
- 『海軍四等主計兵厨業教科書』:第二章 調理法 第五節 特殊料理(第三 潜水艦航海食・七)