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ベルジャン・フリッツ
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__FORCETOC__ [[File:Belgian Tomato Dishes - Belgian Fries.png|thumb|right|250px|ベルジャン・フリッツ]] '''ベルジャン・フリッツ'''(Belgian Fries)は、ベルギーの代表的な国民食であり、世界で広く知られているフライドポテトの元祖である。 == 起源 == [[File:Origin of Belgian Fries - Petits Poissons Frits.png|thumb|right|200px|小魚のフリッツ『プティ・ポワソン・フリッツ』]] 起源は、15世紀初頭にスペイン人が[[新世界]]からジャガイモをヨーロッパに持ち込み、その200年後の17世紀に始まる。 現在のベルギー東部のリエージュ、ベルギー南部のナミュール州のディナンやアンデンヌの貧しい人々が、ムーズ川で小魚を獲って揚げて食べていた料理が起源で、冬になると川が結氷(けっぴょう)するため、ジャガイモを同じ要領で調理して誕生したとされる。 ムーズ川(フランス語:Meuse)は、オランダ語やドイツ語ではマース川(Maas)とよばれる西ヨーロッパの川で、フランスを源流とし、フランス、ベルギー、オランダを約950km経由して北海へ注ぐ川である。 ムーズ川には、大型の淡水魚も生息するが、小魚類も多数生息しているため、当時の小魚の揚げ物には多種の雑魚が利用されたと思われる。 現在は、複数種の小魚を揚げたものは家庭で作られるかもしれないが、レストランでは一種類が一般的で、「プティ・ポワソン・フリッツ」(Petits Poissons Frits)の名で知られている。 もう一つの伝承では、ジャガイモのフリッツが初めてベルギーに登場したのは1850年頃で、ムッシュ・フリッツ(Monsieur Fritz)と呼ばれるベルギーの露天商が、移動式の屋台車両(フードトラック)で売り始めたのが始まりとされている。 この露天商の名である “ フリッツ ”(Fritz)が、料理名の “ フリッツ ”(Fries)の語源であるという。 彼はフランスのモンマルトルのレストランで調理法を学び、ベルギーに帰国したといわれている。 == 特徴 == [[File:Belgian Fries - Mayonnaise & Ketchup.png|thumb|right|200px|マヨネーズ & ケチャップ]] *'''サイズ''':ベルジャン・フリッツは厚く太め(約1cm)のスティック状。 *'''油''':牛の脂、または牛の脂と馬の脂を混合した独特の油で揚げられる。 *'''揚げ方''':二度揚げをするのが基本である。 二度揚げは20世紀初頭に生まれた技法で、二つのフライヤーを利用する。 まずは160℃の油で5分間揚げた後、油をよく切り30分置く。 その後、180℃の油で1分ほど揚げて黄金色に仕上げ、油をよく切って完成する。 保温器は一切使用せず、注文を受けてから仕上げるため、熱々の揚げたてが供じられる。 *'''味つけ''':揚げた後の味付けは塩のみで胡椒は使われないのが一般的である。 また、無塩のまま提供され、用意された塩を客が好みの量かける場合もある。 *'''ソース''': == ベルギーのフリッツ文化 == === フリットコット === [[File:Belgian Fries Culture -(Fritkot)Fries Stall.png|thumb|right|200px|ベルジャン・フリッツの屋台<br>(ベルギー・フランダース)]] フリットコット(Fritkot)は、移動式の屋台車両(フードトラック)のスタイルを踏襲するフリッツ専門店である。 フードトラックは行政の許可を得るのが困難となり、時代と共に徐々に姿を消しつつある。 2007年には、ベルギー北部を占めるフランデレン地域の2つの自治体が、公道でのフリッツ販売を全面的に禁止した。 ノール=パ・ド・カレー地域でも、同じような傾向が見られ、店舗型に移行しつつある。 しかし、見本市(Foire:フォワール)、守護聖人祭(kermesse:ケルメス)などのフェアやバザー、コンサート、スポーツイベント、スタジアム周辺、競馬場など多くの人々が集まる場所では、依然として風物詩の存在感を示している。 現在では、当局の指導で簡易的なプレハブや牽引可能なトレーラーに姿を変え、営業場所が固定化されている場合が多い。 フリットコット(Fritkot)の “ コット ”(kot)とは “ 小屋 ” の意味である。 === フリッターリ === [[File:Belgian Fries Culture -(Friterie)Fries Shop in Brussels.png|thumb|right|200px|ベルジャン・フリッツ専門店<br>(ベルギー首都・ブリュッセル)]] ベルギーには、フリッターリ(仏:Friterie)とよばれるフリッツ専門店が 5,000軒近くあり、首都ブリュッセルにとどまらず、各地方や村に至るまで存在する。 ベルギー国民の25%は少なくとも週に1回、年間では80%の人々がフリッターリに通う。 ベルジャン・フリッツは、ベルギー人にとって、社会的地位、貧富、出身、宗教を超えた儀式、習慣、および文化である。 この文化は、ベルギー本土とベルギー国境地域であるフランス北部とオランダ南部を除いて見られない。 === フリッツ博物館 === フリッツ博物館(Friet Museum)は、ベルギーのブルージュにある博物館で、本館は「フリッツに特化した最初で唯一の博物館」と説明している。 == 呼称問題 == ベルジャン・フリッツは、「フレンチ・フライ」(French fries)の名で広く伝わった。 現在もベルギーの公用語が、フランス語・ドイツ語・オランダ語であるように、第一次世界大戦中、ベルギーでフランス語を話す地域に駐留していたアメリカ兵は、自分たちがフランスにいると勘違いしていたことに起因する。 この料理を食べた兵士たちは「フレンチフライ」という呼び名をつけた。 == 定番のソース == <gallery mode="packed"> Image:Belgian Tomato Sauce - Sauce Andalouse.png|[[ソース・アンダルーズ]]<br>(''Sauce Andalouse'') Image:Belgian Tomato Sauce - Sauce Algérienne.png|[[ソース・アルジェリエンヌ]]<br>(''Sauce Algérienne'') Image:Belgian Tomato Sauce - Sauce Marocaine.png|[[ソース・マロキャンヌ]]<br>(''Sauce Marocaine'') Image:Belgian Tomato Sauce - Sauce Samourai.png|[[ソース・サムライ]]<br>(''Sauce Samouraï'') Image:Belgian Tomato Sauce - Sauce Brazil.png|[[ソース・ブラジル]]<br>(''Sauce Brazil'') Image:Belgian Tomato Sauce - Curry Ketchup.png|[[カレーケチャップ]]<br>(''Curry Ketchup'') </gallery> == 社会・時事 == *'''2014年12月22日''':ベルギーの女性解放思想団体「リリス」(Liliths)を名乗るメンバーらは、緊縮財政と社会モデルの破壊に抗議するため、ベルギーの首相であるシャルル・ミシェル氏が講演中、フリッツを投げつけ、マヨネーズをかけるという “ パイ投げ ” ならぬ史上初のフリッツ襲撃を行った。ミシェル氏はマヨネーズだらけになるも終始、笑顔だった。 リリスはトップレスで抗議活動を行うことで世界的に有名なフェミニズム団体「フェメン」(FEMEN)の元メンバーで学生であった。 *'''2016年04月28日''':ベルギーの音楽ラジオ局「Radio Contact」のダヴィッド・アントワーヌ率いるプロジェクトチームはブリュッセルの中心部から直径10メートルの風船にベルジャン・フリッツを取り付けて宇宙に打ち上げた。 アントワーヌは “ 本物のフリッツはベルギー産だ ”(Les vraies frites sont belges)というメモを忍ばせた。 *'''2018年7月''':ベルギーの首都ブリュッセルの産業跡地である「トゥール・エ・タクシー」(Tour et Taxis)の開発に伴い、ストリート、広場、その他の路地の新たな名称を市民から公募し、参加者837名、1,397件の応募の中からフリット通りを意味する「パサージュ・ドゥ・ラ・フリテ」(Passage de la Frite)が決定された。 名称には「歴史に関連した名前、近隣の英雄に敬意を表したもの、または地域の英雄に敬意を表したもの、あるいは歴史にちなんだ名前」を提案するよう促していた。 *'''2020年''':トゥール・エ・タクシー(Tour et Taxis)の新しい地区の名称として「パサージュ・ドゥ・ラ・フリテ」(Passage de la Frite)が施行された。 == 関連項目 == * ---- [[Category:トマト料理|と]] [[Category:ベルギーのトマト料理|と]]
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