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食道楽・夏の巻
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__FORCETOC__ [[File:Japanese Old Cook Books - Shokudouraku Natsu no Maki in 1903.png|thumb|right|200px|『食道楽』夏の巻]] '''食道楽'''(くいどうらく)は、村井弦斎の小説。 また、同小説から派生した同名の演劇作品。 == 大隈伯爵家温室内の食卓 == [[File:Shokudouraku Natsu no Maki in 1903 - Okuma Hakushyakuke Onshitsu nai no Shokutaku.png|thumb|right|200px|『食道楽』夏の巻]] '''○大隈伯爵家温室内の食卓(口絵参照)'''<br> 我邦わがくにに来遊する外国の貴紳が日本一の御馳走と称し帰国後第一の土産話みやげばなしとなすは東京牛込うしごめ早稲田わせだなる大隈伯爵家温室内の食卓にて巻頭に掲ぐるは画伯水野年方みずのとしかた氏が丹青たんせいを凝こらして描写せし所なり。 この粧飾的そうしょくてき温室はいわゆるコンサーバトリーにして、東西七間けん南北四間、東西は八角形をなし、シャム産のチーク材を撰び、梁部は錬鉄製粧飾金具を用ゆ。中間支柱なく上部は一尺二寸間ごとに椽たるきを置き一面に玻璃はりを以って覆おおわれ、下部は粧飾用敷煉瓦しきれんがを敷詰め、通気管は上部突出部および中間側窓と、下方腰煉瓦こしれんがの場所に設けらる。 棚下の発温鉄管は室内を匝環そうかんし、冬季といえども昼間七十五度夜間五十五度内外の温度を保つ。 周囲における二層の花壇には、絶えず熱帯産の観賞植物を陳列し、クロートン(布哇はわい産大戟科だいげきか植物譲葉ゆずりはの類)、ドラセナー(台湾およびヒリッピン産千年木せんねんぼくの類)、サンセビラ(台湾産虎尾蘭とらのおらんの類)、パンダヌス(小笠原島辺へんの章魚たこの木き)その他椰子類やしるい等はその主なるものにて、これを点綴てんせつせる各種の珍花名木は常に妍けんを競い美を闘わし、一度凋落ちょうらくすれば他花に換え、四時しじの美観断ゆる事なし。 この爽麗そうれいなる温室内に食卓を開きて伯爵家特有の嘉肴珍味かこうちんみを饗きょうす。 この中うちに入る者はあたかも天界にある心地ここちして忽たちまち人間塵俗じんぞくの気を忘る。 彩花清香せいこう眉目びもくに映じ珍膳ちんぜん瑶盤ようばん口舌を悦よろこばす。 主客談笑の間、和気陶然わきとうぜんとして逸興いっきょう更に竭つくる事なけん。 == 目次 == *第八十九 米料理 プデンヲムレツ コロツケ フライ *第九十 お吸物 実のスープ 豆腐汁 攪き玉子 牛肉味噌吸物 *第九十一 良人の志 *第九十二 小僧の礼 *第九十三 家の内 *第九十四 大狼狽 *第九十五 失敗 *第九十六 人の迷惑 *第九十七 仲裁人 *第九十八 血族婚礼 盲唖学校の例 *第九十九 証拠物 *第百 大阪行 *第百一 食客の境遇 *第百二 雑誌発行 *第百三 子爵の娘 *第百四 味自慢 海老スープ 竹子料理 *第百五 世の流行 カレー料理 慈姑のきんとん *第百六 味の変化 *第百七 食物の応用 老人と小児の食物 *第百八 腹工合 *第百九 胃腸の病 *第百十 安い鶏 *第百十一 硬い肉 *第百十二 お稽古 松露豆腐 鰆のフライ 竹子和へ 鰈の餡掛 牛肉の酢味噌 *第百十三 取持ち顔 *第百十四 美人法 *第百十五 心の鏡 *第百十六 振返り *第百十七 理想の娘 *第百十八 御熱心 摺立汁 胡麻醤油 竹の子餡掛 竹の子胡麻酢 蕗の白和へ *第百十九 蕨のアク 鰺と蕨 鯛のゴーレンハムのシチユー *第百二十 二つの口 滋養分の吸収 *第百二十一 腹の口 *第百二十二 毛と爪 *第百二十三 牛乳の検査 フェゼル氏検乳器 *第百二十四 食物の性質 コーヒー スープ *第百二十五 人相の変化 *第百二十六 申出で *第百二十七 承諾 *第百二十八 清涼剤 *第百二十九 事情世界 *第百三十 独り立 *第百三十一 海苔巻 *第百三十二 五目鮓 お米と酢の割合 酢蓮 海老 ヲボロ *第百三十三 深情け *第百三十四 未来の縁 *第百三十五 高等料理 三十四品 *第百三十六 料理の贅沢 岩燕の雛 *第百三十七 玉子麩 慈姑シンジヨ 鯛の味噌汁 豌豆スープ *第百三十八 松魚料理 松魚のさしみ たたき あら煮 醤油漬 *第百三十九 鯛料理 鯛のソース煮 玉子酢 アナゴの蒲焼 魚の湯引 *第百四十 玉子料理 豆腐のフライ 油揚の玉子掛け 丸煮玉子 二色玉子 牛蒡の天麩羅 蓮根玉子 竹子の詰物 *第百四十一 肉料理 肉挽器械 牛肉餡掛 鳥のソース煮 ハムの酒煮 林檎のフライに丸焼 *第百四十二 菓子料理 蜜柑の寄物 シニウ *第百四十三 [[赤茄子飯]] フライシユウ クリームスポンジケーキ *第百四十四 あの事 *第百四十五 落城期 *第百四十六 白粉問題 *第百四十七 美の必要 *第百四十八 程と加減 *第百四十九 女子教育 *第百五十 妻の任 *第百五十一 夫婦の情 *第百五十二 今日の姿 *第百五十三 子爵の家 *第百五十四 家自慢 家の中心 *第百五十五 台所の仕事 戸棚の掃除 *第百五十六 鼠色の布巾 皿の洗方 *第百五十七 下女読本 ガラス瓶の洗方 ガラスの磨き方 ナイフ、フークの磨き方 鍋の洗方 *第百五十八 台所の模範 大隈伯爵家の台所 *第百五十九 文明の器 *第百六十 小児の室 *第百六十一 鯉の運動場 *第百六十二 酒の試験 *第百六十三 変色の酒 過格魯児化鉄液 *第百六十四 食物の臭気 *第百六十五 洒しバタ *第百六十六 上等のカステラ *第百六十七 炭ビスケ *第百六十八 夏の食物 *第百六十九 大気焔 *第百七十 大幸福 *第百七十一 大問題 *第百七十二 歯の掃除 *第百七十三 歯磨粉 玫瑰散 *第百七十四 試験 マツフン ハツビスケ *第百七十五 [[徳用料理]] イチボ肉 マイナイスソース 赤茄子ソース *第百七十六 夏向料理 黄身ぞうめん 葛麺 葛煉り 葛切 *第百七十七 豆腐素麺 林檎の寄物 カスターソース林檎の雪 *第百七十八 胡瓜と茄子 ゼリーの寄方 胡瓜の葛引 胡瓜の漬方 胡瓜の肉誥 茄子のソース煮 茄子のフライ *第百七十九 野菜の功 ほうれん草の料理 豌豆のソース煮 鮑のとろろ ふくら煮鯛の上げ物 *第百八十 海老料理 コロツケ シタフエ *第百八十一 和合の妙薬 *台所道具の図 *附録 == 関連項目 == *[[食道楽]] ---- [[カテゴリ:食道楽・夏の巻|*]]
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